ヤムチャ・レクイエム
〜最後の聖戦〜
【第16話】 ジース壮絶なる記憶
アジトに帰り、休息を取る一同。
ジースは界王神の治癒で元通りの美男子に戻ることができた。しかし彼は占いババのところへ帰ろうとはしなかった。
なぜなら、彼自身、占いババのもとを離れたかったからだ。
地獄の刑罰としてあの世のホストクラブで働いていたジース。占いババは巨万の富を使い毎日ここを通いつめていたのである。
あの世は宇宙中の死人がやってくる場所だ。地球上ではおがめないような絶世の美男子も見つけることができるのだ。
「うっうっうっ……いくら地獄の刑罰だからって……四六時中ババアの相手かよ……。」
美男子だったために不幸にも、閻魔の裁きでここで働くことを命じられた元ギニュー特戦隊隊員の一人、ジース。
占いババはすっかり彼のとりこになり、彼は毎晩のようにババアに使命されては相手をしていた。
もちろん、ここでの稼ぎはすべて閻魔のふところに入るので、ジースには一銭も入らない。しかも仕事をさぼっていると、刑期が長くなるので、ろくに手も抜けない。
「まさに地獄だ……オェ」
そんな折、占いババの直属の戦士にスカウトされた。閻魔大王に以前からずっと申請していたのが、やっと許可されたらしい。
「ふっ、こんなところを抜け出せるのなら願ってもないことだ!」
ところが、それは新たな地獄であった。実際、専属戦士とは名ばかり、占いババの情夫そのものだったからである。
あの世にある占いババの別荘でずっと情夫として生活していたジース…だが、思いがけぬ幸運に巡りあい、こうして抜け出すことができたのだ。
ジース「何でもするぜ!戦闘はオレの生活みたいなもんだからな!!」
ジースは意気込んだ。そしてヤムチャや天津飯のあとをひよこみたいにちょこちょこついて回った。
ラディッツ(噂は本当だったか。ジース様はギニュー隊長のように常に強いヤツの隣にいないと落ち着かない……!)
ところが…翌日……。
ジース「ぅわっ……何だ!?何だ!?オレのカラダが薄れていく!!」
ヤムチャ「そっ…そうか!占いババ様の力で生き返れるのは24時間……!期限が来たのか!」
天津飯「だからずっとあの世で暮らしてたのか。なーる」
ジース「いきなり終わりかよォォォォォォォ!!」
消えかけながらジースは泣き叫ぶ。
ヤムチャ「どうにもならんしな……」
界王神「待ちなさい。私の命をあげましょう!貴方も大事な私たちの仲間です!」
天津飯「何ですと!?」
ジース「……あんた……」
ふっ…とジースのカラダが再び実体を取り戻した。
ジース「すまん……あんたには一生ついていくぜ!……でもあんたの命は?」
界王神「大丈夫です。キビトの方の命をあげましたから」
ヤムチャ(外道じゃん………)
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