ヤムチャ・レクイエム
〜最後の聖戦〜
【第14話】 宇宙の帝王 VS 宇宙一偉い神
天津飯「さて……これでオレたちの三勝…!オレたちの勝ちということだ」
人目につかないようにほっと胸をなでおろす界王神。
餃子「これで願い、何でも適うね!」
ラディッツ「何を願うんだ?」
占いババ「ワシは神龍じゃないぞい!占いじゃ!!それになまだ勝負は終わってないぞよ」
界王神がピクっと動く。
占いババ「今までの戦いは一勝、2点……。大将戦は一勝5点じゃ!」
ヤムチャ「え……じゃあ……」
占いババ「最初に言ったじゃろ…。この勝負は最後の点数の多い方が勝ち…とな……」
天津飯「フン……そうだったな…。ならば仕方ない!」
界王神「えぇぇぇぇぇぇ!?」
ヤムチャ「こっちが三勝で6点…向こうが一勝で2点。…なるほど向こうが勝てばギリギリむこうが逆転か…。頼みますよ。界王神さま」
界王神「ちょっと皆さん、だまされていますよ!そ…そんなのどう考えてもおかしいじゃないですか!!クイズ番組じゃないんですよ」
天津飯「え……どこかおかしいですか…?」←天然
ヤムチャ「いや……しかし途中リタイヤは5000万ゼニ−ですし…(ニヤ)」
餃子「界王神さまのちょっといいとこみってみたい〜〜♪」
界王神「むすっ……いいですよ。どうせ私はフリーザを一撃で倒せる界王神ですよ!いいでしょう。やりましょう!!」
ヤムチャたちにまくしたてられ、いやいやながら武舞台へとあがる界王神。
しかし、今まで出てきた敵など界王神の足元にも及ばない者たちばかりということもあり、余裕たっぷりだ。
界王神「さぁはじめましょう。(まさかヤコンやダーブラなんてことはないでしょう)」
ババ「では最後の相手じゃ!!宇宙の帝王フリーザ!!」
ヤムチャ「何っ!?」
天津飯「……ま…まさか!」
ラディッツ「!!??………ゴフッ………」
ヤムチャ「ラディッツ!?どうした?ラディーーッツ!」
ラディッツはその名前を聞いただけで口から泡を吹き始めた。
フリーザ「おや?私のお相手はその方ですか?」
威厳と恐ろしい気を漂わせながら、フリーザが出現した。
フリーザは第一形態の姿だった。
界王神「ほう……フリーザとは。これはこれは…。私が一撃で倒せるフリーザとは……」
フリーザ「フフフ……。私をご存知とは……しかし何ですか一撃で倒せるとは?」
界王神「いえいえ。その言葉どおりですよ。フリーザ」
フリーザ「私の耳がおかしいのでしょうか?もう一度お願いしますよ?」
界王神「面倒だからイヤです」
占いババのことなど全く見向きもしないで二人は敬語で挑発しあっている。
それを静かに見守るヤムチャたち。
ヤムチャ「まさかフリーザとはな。婆さん、ずいぶんと金つかったようだな…」
天津飯「……それにしてもあのフリーザは地球に来たときの姿とずいぶん違うな。気の大きさもでかいと言えばでかいが…あのときの気に比べればとるにたらんな……」
ラディッツ「せ……せ……戦闘力53万………!?」
よせばいいのに、フリーザの戦闘力を脳内スカウターで計測し、びびりまくっている。
天津飯「それにしてもいよいよ見れるぞ……界王神さまの戦いを………!」
ヤムチャは界王神の膝の小さな震えを見逃さなかった……。
フリーザ「ずいぶんとデカい口を叩きますね……。貴方は何者ですか!?」
界王神「界王神です。貴方を一撃で倒せるほどの力を持っていますよ」
フリーザ「ほっほっほ……よくそんな冗談を吐けますね……。界王神などと……いちいち癇にさわるヤローだ!!!!」
フリーザが開始の合図を待たずに界王神にむかって猛烈なダッシュをかける。
……が、界王神にはあっさりと避けられ、片腕をつかまれてしまう。
そのまま地面に叩きつけられるフリーザ。
フリーザ「ぐはっ!!」
ラディッツ「強いっ!」
界王神「はっ…話になりませんね」
仰向けに倒れむせているフリーザにビッと指を差す界王神。
界王神(びっくりしました…。急にむかってくるんですから…)
フリーザ「く…くそっ……」
ヨロヨロと立ち上がるフリーザ。界王神は余裕の表情だ。まだ実力の1割も出していないのだろう。ちょっと小刻みに揺れる界王神の指にヤムチャだけが気づいた。
フリーザ「こ……こうなったら……」
界王神「変身なさい!!フリーザ!!」
フリーザ「なっ……何っ……!?余裕ですね。そ……そこまで知っていて。
いいでしょう……。見せてやりましょう!!」
はぁぁぁぁぁ…………と力み出すフリーザ。ゴゴゴゴゴ……と地球が震える。
フリーザの気が濃縮し、みるみる増加していく……。
ヤムチャ「……いよいよ本当の死闘が始まるな……」
天津飯「地球は本当に無事に済むのだろうか……」
界王神「今です!!」
ドスッ………!!!
界王神がフリーザのふところにもぐりこみ、肘撃ちをフリーザの腹にキめた。
フリーザ「へ?……こ……このやろぉぉ〜〜……」
界王神「すみませんね。スキだらけだったもので攻撃させてもらいましたよ」
フリーザ「………ごへ………」
悔しさいっぱいの表情を浮かべながらフリーザは界王神の足元に転がった。
胴体だけが微妙に膨らんだ状態なので妙に不恰好だった。
界王神「フフ…。宇宙の帝王ですか。口ほどにもないですね。」
界王神が呆然としているヤムチャたちのほうへ帰ってくる。
ヤムチャ「界王神さま…あの………」
界王神「言ったとおりでしょう。フリーザ程度なら一撃だと…。」
ヤムチャ「そ……そうですけど………」
あきれ果てている三人をよそに事情を知らぬラディッツだけが一人界王神に憧れの眼差しを向けていた。
ラディッツ「すごいぜ……。あのフリーザ様を一撃………。界王神様よぉ。オレはあんたに一生ついていくぜ!」
第五試合
〇界王神−フリーザ×
次の話へ
インデックスへ戻る
トップへ戻る