ヤムチャ・レクイエム
〜最後の聖戦〜
【第11話】 気になるあいつの製造番号
さて……餃子がまず一勝をもぎとった。次なる相手は……!?
天津飯「じゃあ、次はオレが行くか…」
ヤムチャ「……待て。オレにやらせてくれ…ここらでいいかげんお遊びは終わりだってところを見せてやりたい……」
餃子「ボクはお遊びだったのかよ……」
プーアル「ヤムチャさま。頑張って!」
界王神(……強い者が現れないうちに先に行こうってハラですね。考えましたね。ヤムチャさん……)
ヤムチャの心のうちを読み、感心する界王神。
ヤムチャ「さーて。次は誰だい?」
ババ「ほっほっほ。威勢がいいのう。クリリン」
ヤムチャ「……ヤムチャだって!フン…誰が出たって負けるものかよ!」
ババ「出でよ!戦うキャベツ!栽培マン!!!」
ヤムチャ「ひぃぃぃぃっ!!??」
栽培マン「キキ……キキーーーッ!!??」
サイヤ人科学者が発明したと言われるインスタント戦士、栽培マンが登場した!
だが…闘場に現れた栽培マンはただの栽培マンではなかった。まさにヤムチャと自爆した栽培マンその人だったのである!
どちらも互いを思い出し、イヤな気分になる。
ヤムチャ「きさま……!見覚えがあるぞ!その……口元!製造コードは何番だ!!」
栽培マン「キキキ……キキ…(DB-42930GT931だ)」
ヤムチャ「なるほど……やはりオレを殺した栽培マンで間違いないようだな…。オレの威信と160日を返せ。この野郎」
界王神「な……何者です……あいつは!」
ラディッツ「あ…あいつは栽培マン……。オレも自分で蒔いて逆に殺されかけたことがある……!」
天津飯「まずいな…」
餃子「そうだね……」
界王神「ど…どうしてです?ヤムチャさんのパワーの方が遥かに上ではありませんか!」
天津飯「トラウマというヤツですよ。あいつ、あの栽培マンに殺されたんです。
死んで界王星で修行したときも年中悪夢にうなされ、『キキ…』という言葉だけで下痢になるようになってしまっていたんです。
克服していればいいが……」
占いババの開始の合図はとうに出されている。にもかかわらずヤムチャと栽培マンは一歩も動いていなかった。
ヤムチャ(………大丈夫、大丈夫……。オレはあのときよりも遥かに強くなったんだ。たとえ、また自爆されても絶対に大丈夫。たぶん。
動け……動け……体……うごけーーーーっ!)
栽培マン「キキーーーッ!!」
栽培マンがヤムチャが目を一瞬つむったその瞬間をねらい、飛び込んだ。
ヤムチャ「繰気弾!!!」
なんて作っている時間はなかったので、ヤムチャは栽培マンに抱きつかれた。
栽培マン「キキ……」
ニィっと笑う栽培マン。(まさか……)と背筋が凍りつくヤムチャ。耳障りな「キキ…」という声でカラダは微塵も動かない!
(またオレ死ぬのかな……)
ヤムチャが諦めかけたそのとき、
ヤムチャの目に心配そうに見つめているプーアルの姿が飛び込んできた。
(ふっ……そうだったな。もうお前には悲しい思いは絶対にさせないって誓ったもんな。逝くときは一緒だって……。
だから…オレはこんなところで負けていられないのさ!!)
天津飯「ヤムチャーーーっ!
お前の目標は悟空やベジータを倒すことじゃなかったのかーっ!そんなところで終わりとは…情けないぞーーっ!!」
天津飯が何か叫んでいるがプーアルへの思いでいっぱいのヤムチャには何も聞こえなかった。
ヤムチャ「せいっ!!」
ヤムチャはそのままリングをけり、闘技場の周りのオアシスへと飛び込んだ!
ドボー−ンっ!
ヤムチャ(フフ……周りが水なら自爆もそんなに威力が出まい。諦めるんだな。栽培マン!もうお前も死ぬ必要はないんだ!)
栽培マン「ゴボゴボボボ……(だ…だんな……)」
抱き合いながら目と目で語り合う二人。オアシスの奥底に沈みながら、二人はこころを通い合わせていた……。
ババ「栽培マンの勝ち!」
オアシスから飛び出してきたヤムチャと栽培マンにババは告げた。
ヤムチャ「えぇぇーーっ!」
ババ「おぬしの方が下じゃったから、おぬしの場外負けじゃ!ひっひっひっ」
ヤムチャ「うそぉぉぉ〜〜〜!?」
餃子「まったく……クソの役にもたたねぇな」
第二試合
×ヤムチャ−栽培マン(製造コードDB-42930GT931)〇
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