ヤムチャ・レクイエム
〜最後の聖戦〜
【第12話】 史上最大のハゲ同士の戦い
界王神「では……そろそろ私が行きましょう!」
プーアルに慰められているヤムチャをよそに界王神が息張った。
天津飯「え!?もうですか!?」
ラディッツ「あ…あんた、この中で一番強いんだから、普通は最後だろ!?」
界王神「いえ。敵はあなどれません。もしかしたら次に一番強い者を出してくるかもしれません!」
天津飯「な……なぜ次に……!?まぁ界王神さまはとりあえず最後にして下さい。次はオレが行きましょう」
ラディッツ「ま…待ってくれ。オ…オレも……」
ヘタレ三人がごちゃごちゃ言い合っている間に占いババは三人目の戦士を呼んでいた。
ババ「さぁ出でよ!!ナッパ!!地獄の戦士の強さを見せるのじゃ!」
「ぎっひっひっひ。久しぶりに暴れられるぜ!」
ズカズカと闘技場にでかくてむさそうなハゲがあがってきた。
その男を見て、ラディッツは全身から血の気が引いた。
ラディッツ「……ナッパ……さん」
天津飯「あ…あいつあのときのサイヤ人」
ナッパ「お!?……ラディッツ?……お前、弱虫ラディッツじゃないのかっ!?」
界王神「知り合いですか!?何者なのです!あの男は!」
ラディッツ「……ああ。星の地上げをしていたころ、いつもオレにいやがらせしていたナッパという男だ。
王子の専属マネージャーのパンツ盗んでふられたエッチなやつなんだ!」
ナッパ「き、き、きさまぁぁぁ。それは言わない約束だろぉぉが!!お前なんて戦いの最中いつも……」
ラディッツ「そ……それは忘れてくれるって言ったじゃないか!!じゃあ、あのこともばらすぞっ!いいな!」
ナッパ「ちょっ…待て…あのことってアレじゃないよな。あの惑星タレッペのことじゃ……」
ラディッツ「あっ!そっちもあった!」
二人の男がいい年こいて必死になって悪口を言い合っている。
天津飯「フン……何のことかわからんが、ヤツはお前に譲ろう。因縁がオレより深そうだしな」
ナッパ「おう。ラディッツ!あがってこい!前のようにしごいてやるぜ!」
ラディッツ「な…」
ビクっとカラダを振るわせるラディッツ。明らかに腰が逃げている。それを察してヤムチャがアドバイスする。
ヤムチャ「……心配するな。ラディッツ。
お前はこのオレと互角の力を持っている。
……大丈夫。お前なら今のヤツに勝てる。
自分を信じろ!」
ラディッツ「……譲ろう。天津飯。………え?何だ?ヤムチャ?」
天津飯「え?」
ヤムチャ「…聞いてすらいねー……」
ラディッツはあっさりと身を引き、天津飯がナッパの相手をすることになった。
ナッパ「へっへっへ。お前か。つーか、ラディッツもお前らも全員死んだはずだが、何で生き返っているんだ?ははぁん。ドラゴンボールってわけか」
天津飯「そういうことだ。さて、やるか」
一度は殺した(勝手に死んだだけだが)天津飯のあまりの余裕ぶりにナッパは困惑する。
ナッパ「こりねぇな!はぁっ……」
ビビビ…バチバチ…っとナッパの周りにスパークが走る。
ナッパ「さぁってと。いっちょ軽くやってやるか!」
天津飯「全力でくるがいい!ハゲ!」
ナッパ「なめやがってぇーー!!おぐっ!!?? いだだだだ……!!!」
いきなりナッパが腹をおさえて苦しみだした。
天津飯「!?」
ザワっとする一同。盲腸!?と思うラディッツ。陣痛!?と思うヤムチャ。
餃子「やった!ボクの超能力が効いた!」
ヤムチャ「おまえかーーーっ!!」
天津飯「こらっ!餃子!!余計なことするんじゃない!!」
餃子「だって……あいつに効くか試したかったんだもん……」
っといい年こいて口をつんと尖らせてスネる餃子。
餃子はイエローカード一枚をゲットした。
天津飯「ふっ。お前がこの程度とは……話にならん。
どうやらオレはぶっちぎりに強くなってしまったようだ。」
ナッパの気を読んで余裕ぶっちぎりの天津飯。
ナッパ「ヤロ〜〜っ。これでもくらいやがれ」
カパッ!
顎がはずれんばかりに大口を開けて、ナッパは最高の技を放つ!
天津飯「かあっ!!!」
ビリビリッ……と空気が震える。ナッパのエネルギー波はあとかたもなく霧消した。
ナッパ「き……気合だけで……オレの何とかキャノンを……かき消して……」
愕然としてヨロヨロしているナッパ。スキも何もあったもんじゃなく、天津飯はナッパとの距離を一気に詰めると腹に一撃を入れた。
一瞬にして沈黙するナッパ。ズシーン……と巨体があっけなくリングに沈んだ。
餃子「フン。なんと言うもろい民族だ」
餃子は一度言ってみたかったことを言ってみた。
天津飯「これで二勝……リーチだな」
ヤムチャ「あ……当たり前といえば当たり前だが……何のひねりもない……」
ラディッツ「くっくっく。これで…
……オレの中のいまいましいキサマが消え失せるぜ!」
ラディッツだけが一人うすら笑いを浮かべていた。
第三試合
〇天津飯−ナッパ×
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