ヤムチャ・レクイエム
〜最後の聖戦〜
【第4話】 えーと…特になし
「どうだ?戦いの勘をとりもどしたか?」
「ハァッ…ハァッ…アホッ…こ…殺す気か?」
天津飯と餃子の修行についていけず、もう三日くらいで根をあげたヤムチャ。
打っ倒れて息も絶え絶えに文句を言っている。
「天さん、ダメだよ。コイツ、使えない」
「……しかし、言い出しっぺの責任は果たしてもらわないとな。せめて足手まといにだけはならないくらいに鍛えなおさないと…」
ムクリと起き上がるヤムチャ。
「お前らなぁ〜。今さらオレが腕をあげたってしょうがないんだよ!相手を考えてみろ。クリリンじゃないんだぞ?」
「そんなことはわかっている。仮にオレたちがこれからどんどん実力をつけていってもしょうがない」
「わかっているじゃないか!だったらこんな修行なんてやめて…連中をハメる作戦でも考えようぜ!」
「おい…まさかお前、純粋に武道でケリをつけるつもりじゃないのか?」
「当たり前だろー。ヤツらには毒ガスや病原菌が効くんだぜ。これを使わない手はない!」
「バカかっ!それじゃ単なる犯罪者じゃないかっ!」
「そ、そうだけど……ヤツらをぎゃふんと言わせるのが目的であって……。だいいち、真っ向からいって勝てる連中かよ…!」
「……ふっ……だからといって、そんなものに頼るようじゃ、武道家失格だ」
「というより、人間失格だよね」
間髪いれずつっこみを入れる餃子。
「じゃ…じゃあ何か作戦あるのかよっ!」
「もちろんだ。勝算がなければそんな提案など受けなかったぜ!」
「ほう……?」
「勝負は戦闘力だけで決まるモノではないということを見せてやるのさ」
「ふむふむ…で?」
「お前は黙ってオレの特訓に付き合え!オレの技を早く完成させたかったらな!!」
「えぇ〜〜?」
結局、ヤムチャは天津飯の修行の手伝いをさせられることとなった…。
―――その頃、天界のピッコロ、ヤムチャの不穏な動きに気づいた。
「フン……ヤムチャのヤツ……くだらんことを考えているな……」
「ハッハッハァッ!!何か知らんがカラダが軽いぜッ!」
ラディッツが奇声を張り上げて海の上を飛んでいる。予想以上にパワーがあがったのが嬉しいらしい。
「よくわからないが、これだけのパワー……。ナッパやベジータにも勝てるかもしれんな。くっくっく。どれ……久しぶりに暴れてみるか!…む!?」
――その頃…。悟空の家には再びあのお方が訪れていた。
「……というわけで悟空さんたちにお願いにあがったのです」
「えぇ〜〜!?またオラたちにメンドいことおしつけるのかぁ界王神さまぁ?」
食事を邪魔されてブーブー文句を垂れる悟空。
「つべこべ言わずに手伝いなさい!私は宇宙の頂点に立つ界王神なんですよっ!」などと界王神が言うことは勿論できず、「お願いします」と何度も懇願しつづけた。
「しょうがねぇな……しかしどうしてそんなことになっちまったんだ?」
界王神は、老界王神に「死人を無闇に生き返らせるとは何事じゃ!しかも悪人を!!」とこっぴどく怒られ、すぐにその生き返った悪人を始末してくるように命じられたのだ。
でも広大な宇宙、どこに生き返ったのかわからない。そこでまずピッコロにお願いしにいったのだが、デンデの儀式が何やらと体よく追い返されてしまった。
そんなワケで悟空の家に来たのである。
「え……閻魔の手違いのせいです……」
目を泳がせながら白々しい嘘をつく界王神。
「……でもぜんぜん邪悪な気なんて感じねぇぞ」
「し…しかし……!」
「もし邪悪な気を感じたら、オラがすぐに倒してやるさ!」
「で…でもっ!!」
「もう〜〜。オラ今夜、チチとHすんだから、界王神さま帰ってくれ!」
「悟…悟空さっ!?」
「お…お父さん何言ってるんですかっ!!」
「嘘も方便っていうだろ?」
「ついていい嘘と悪い嘘があるべっ!」
「そういう問題じゃ……」
「嘘をついてまで私を追い出したいんですか!嘘つきは最低ですよ!」
「しつけぇぞ。界王神さま。頼むからけぇってくれ!」
「ちょっ…そ…そんな…っ」
バタンッ!!
無理やり、外に出された界王神の目の前でむなしくドアが閉じられた。
「まったく……!こ…こうなったら………」
その後も界王神はベジータに助けを求めにいったが断られた。仕方ないので、強い気を感じるところへ……。
その頃−ヤムチャたちにかつてない危機が近づいていた。
ヤムチャ「何だ。貴様」
修行しているヤムチャたちの前にあの男が現れたのである。誇り高きサイヤ人、ラディッツが……!
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