【21話】
ヤムチャはシルフの顔を見た瞬間、これは自分の子だとすぐに分かった。
「これが…俺の…いや、俺とマーリンの……子…」
「そうだ。こう改まってみると、少し照れくさいものだな…ふふふ」
眠る我が子を片目に、宇宙船を覗き込むヤムチャの横にマーリンもやってきた。
すると、タイミングがいい事にシルフは目をパチパチやりながら起き上がった。
「お母さん……?あれ?ここどこ?」
寝ぼけているのか、シルフはフラフラしながら立ち上がり、宇宙船を降りる際に転びそうになる。
「シルフ、ここは地球だ。今日はお前にとって最高の日になるだろう。父さんに会えるぞ」
マーリンははっきりした口調でシルフに言うと、シルフの細かった目が急に見開いた。
「…えっ!地球…?父さんに…会える?」
我が子の質問に対し、マーリンはうんうんと頷くと、シルフはキョロキョロあたりを見渡した。
そして、すぐ近くに立っていた男の姿が目に入る。
その男とシルフはしばらく目が合った。
「……え?」
シルフは、まさか…まさか…と思い、呆然とする。
照れたような顔でその男はしゃべりだした。
「よ、よう…シルフ…大きくなったな…!いや、小さい頃のお前は知らないけどさ…はは」
ヤムチャが子供には通用しなそうなギャグを言っていたが、シルフの耳には入っていなかった。
「――なの?―さん…なの?お父さん…なの?」
少年は既に泣きそうな顔をしている。
ヤムチャはその少年を優しく抱きかかえると、顔を近づけて言った。
「ああ…そうだ、俺がヤムチャだ。…今まで長い間会えなくてすまなかったな、シルフ」
そのガッチリとした腕に抱かれたシルフは、この人がヤムチャであるということを疑うことすらしなかった。
「お父さぁぁああぁぁんッ!!!」
そして、今まで抑えてきた気持ちが全て開放され、それは少年の大量の涙へと形を変えた。
ヤムチャは少し驚いたような顔をしたが、抱き上げているシルフの頭を強く、優しく撫で、長い間抱きしめていた。
その様子を、マーリンはニヤニヤしながら見つめていた。
【22話】
――数時間後。
辺りは薄暗くなったが、とある荒野の洞窟だけはいまだに明るさに満ちている。
ゴウゴウと焚き火が燃える中、3人の人影がそこにはあった。
狭い場所だったが、その狭さがあえてちょうどよかったのか、そこにいる3人は仲良さそうに鍋を小さく囲むように座っていた。
「どうだ、シルフ。その料理は地球でマーリン…いや、母さんが最初に食べたものと同じものだ」
ヤムチャは喋りながら鍋の中身を皿によそい、それをシルフに手渡す。
「最高だよ!お父さんは料理も上手いんだね!」
「このぐらい普通さ。地球にはまだまだ美味い食い物があるんだぜ」
「本当に!?これより美味しいもの食べたら気絶しちゃいそうだ」
「はは…大袈裟な奴だなー」
シルフはがっつくようにスプーンを口に運び、口の中のものが飲み込み終わるとヤムチャに話しかけていた。
食べては話し、食べては話しを繰り返し、忙しそうにしている。
たまに動作を急ぎすぎたせいか、変なところに詰まらせ、むせかえる姿を見てヤムチャとマーリンは大笑いをする。
お互い違う環境で何年も暮らしていたので、いくらでも会話は弾む。
尽きることのない雑談にすっかり時間を忘れ込んで話し込んでしまい、気付くとシルフは眠り、マーリンも少しウトウトしていた。
「眠いか?マーリン」
「いや……平気だ。地球時間にしてあと二時間は大…丈……」
と言いながらヤムチャにもたれかかり、眠りに落ちてしまう。
ヤムチャはマーリンが眠ったのを確認すると、彼女の肩を優しく抱えながら毛布をかけ、
生まれてから初めて感じるこの温もりと、本当の幸せを噛み締めながら共に眠りに落ちるのだった。
【23話】
ゴゴゴゴゴゴ…
「…ん…」
マーリンは地響きによって目を覚ます。
いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
マーリンは昨日まで惑星制圧の任務をぶっ続けでやっていた疲れが溜まっていたせいか、二人よりだいぶ遅れての起床となってしまった。
体には暖かい毛布がかかっており、それにはまだわずかだがヤムチャの温もりが残っていたように感じる。
目をゴシゴシやりながら周りを見渡すと、ヤムチャとシルフがいない。
初めてあの洞窟で迎えた朝に似ているこのシチュエーションがとても懐かしく、思わず修行に明け暮れた日々を思い出した。
ふと外で大きな気を感じる。
この気の感じはヤムチャのものだろう。
マーリンはヤムチャが何をしているのか大体想像がついた。
「お父さんすごいや!それはなんて技なの?」
シルフの大声は、洞窟内にいたマーリンの耳にも入る。
マーリンはフラフラとした足取りで洞窟の入り口まで歩いていった。
自分の真上にある太陽がやたら眩しく感じる。
そしてその光が、彼女の目を優しく覚ましてくれた。
少し遠くからヤムチャの声が聞こえる。
「界王拳2倍、って技だ。無理をすれば30倍以上まで上げられるけど、1、2分持つのがやっとってところだな。それに使い終わったら反動でしばらく動けない。使いこなせるのはせいぜい20倍ってところか」
シルフはヤムチャが何を言っているかはよく解らなかったものの、この男はスゴイということは、近くにいるだけで痺れるぐらいその肌で感じていた。
もちろんマーリンも。
その赤いオーラを纏うヤムチャの姿は、マーリンの記憶の中で、初めてヤムチャが自分の前で界王拳を使った時のそれと被った。
そして自然に握りこぶしに力が入り、無性に体がウズウズとしてくる自分にハッと気付く。
起きたばかりで、それに昨日までの戦闘で体の疲れはまだ残っているはずなのに、何故かマーリンは動きたくてしょうがない衝動に駆られる。
まるで何かに操られているかのように、自分の意識が戦闘態勢へと変わっていくのが分かったマーリンだったが、こればかりはサイヤ人の本能的なものであって、中々制御できない。
もちろん、それを促しているのは目の前から感じられるヤムチャの強さ…それだけだった。
【24話】
界王拳を解いたところで、ヤムチャはマーリンの姿に気付く。
「よう、マーリン。今ので起こしちまったか?」
「お母さん、おはよう!」
ヤムチャは悪い悪いと言わんばかりに手で謝罪のジェスチャーをする。
「気にしなくていい。あんな地響きがしていたら起きない方が不自然だ。それよりヤムチャ、久々にわたしと組み手とやらをしてみないか?宇宙には強い者がいなくて退屈していたのだよ…ふふ」
マーリンはそう言いながらサッと戦闘の構えを取った。
ヤムチャはマーリンの誘いに乗るか乗るまいか頭をかきながら迷っていたようだが、やがて決心をしたようだ。
「いいのか?…言っておくが、俺は腕をあげたぞ」
ヤムチャはニヤリと表情を変えた。
そして亀仙流の構えにアレンジを加えた独自の構えでマーリンの前に立ちふさがる。
対するマーリンもそれを見て笑い返す。
「ふふ…面白いっ!言っておくが手加減は無用だ、本気で来い!」
そう言いながら指をパキパキと鳴らすと、マーリンは気を解放し始めた。
「はあああああ…ッ!」
「ッ…さすがに凄い気だな…ていうか俺相手になるのか…?」
まるで地下から湧き出る水のようなその底知れない気に、さすがのヤムチャも表情が曇る。
「…シルフ、離れていろ。200…いや、400メートルぐらいな」
ヤムチャは姿勢を低くし、シルフに離れるように促す。
それに対しシルフは素直に頷き、急いで二人の間から離れていった。
マーリンとヤムチャの間に走る緊張感はシルフにもビリビリと伝わっていたようだ。
【25話】
「いくぜマーリン!対人で使うのは久々だな…狼牙風風拳ッッ!」
「ふふ…その技は見切っている!狼牙風風拳によっていやと言うほど痣(アザ)ができたのでなっ!」
マーリンがそれを言い終わるや否や、ヤムチャは超スピードでマーリンに突っ込んでいった。
シルフの目では、その速さを捉えることが出来なかったが、ヤムチャがマーリンの方へ向かっていってることだけはかろうじて理解できた。
ヤムチャの移動によって、走った道には砂嵐が巻き起こる。
その様子をシルフは息を飲んで見つめていた。
超スピードな上に砂嵐までもが巻き起こり、ほとんど肉眼ではヤムチャの姿を捉えられないはずだがマーリンは焦りもせず、表情一つ変えずに集中していた。
「そりゃああああッ!!」
砂嵐の中から突然ヤムチャの姿が現れ、その直後にヤムチャの拳がマーリンの目の前までそれが迫る。
それと同時に、マーリンの目付きが変わった。
「受けてやろう…お前の狼牙風風拳を!」
ドガガガガガガガッッ!
バキッ!ドガッ!
激しい攻防のように見えるが、ヤムチャの狼牙風風拳を完璧に全てガードするマーリン。
次から次へと拳を繰り出すものの、全て直前でマーリンに防がれてしまい、思うように攻めれないヤムチャ。
「チィッ!!」
一度もクリーンヒットすることなく、ヤムチャは再びマーリンから距離をとった。
「さすがに隙がないな…今みたいな単調な攻めじゃ通用しなそうだ」
ヤムチャは顔に汗を浮かべながら言った。
「つまり、腕を上げたのはヤムチャ、お前だけではないということだ」
マーリンは腕でヤムチャの攻撃を全て受け止めたのにも関わらず、その腕には傷一つない。
それどころか、殴っていたヤムチャの拳の方が逆にヒリヒリと痛んでいた。
「へへ、そうかい。それじゃあこいつはどうだっ!」
すると、ヤムチャは何かを閃いたのか、再びマーリンへと突進していった。
【26話】
「ハイーーッ!」
マーリンは再びヤムチャの単純な突進に、怪訝そうな表情を見せたが、やがてその表情も不気味な笑みへと変わる。
「…というのは残像で、本物のお前は後ろだろう?…そこッ!」
ヤムチャの残像拳を見切り、マーリンは振り返らずに気を探り、後ろにいたヤムチャに肘打ちをくらわす。
が、ヤムチャはそれを顔面の直前で受け止めると、体勢を低くしてマーリンの足元目掛けて蹴りを入れる。
足元がお留守ではないマーリンは、最低限の跳躍でそれを避けると、クルリと体を回転させ、その遠心力を利用しフック気味のパンチを繰り出した。
「なっ…!!」
これは受け止めたらまずい。
変則的な動きで、こんな攻撃を予想できなかったヤムチャ。
恐らく、普通に受け止めても致命的ダメージを受けることになる。
単純にパワーだけなら確実にマーリンの方が上なのはヤムチャはよくわかっていた。
界王拳を本気の状態まで上げればどうにか受け止められそうだが、とてもそんな時間はない。
「チッ…!」
ヤムチャは脳内でとっさにこれを判断し、舌打ちすると空中へと飛び上がった。
「逃が…っ!」
逃がすか、と言いかけたマーリンの口が思わず止まる。
マーリンは空中にあがったヤムチャを追いかけようと、足にグッと力を込めたが、なんとヤムチャは2メートルほどしか宙に浮かんでなかった。
そう、ヤムチャが空中へ飛び上がったのは攻撃を回避するためもあったが、次なる攻撃に転じるためでもあったのだ。
「狼牙風風“脚”だ!」
「……!」
ズガガガガガガッ!
ヤムチャは武空術で空中に静止した状態で、凄まじい蹴りの連打を仕掛ける。
パワー、スピード共に以前のヤムチャからは想像がつかないほどの攻撃だ。
「ハイハイハイハイハイハイッ!ツリャアアアッッ!」
独特な掛け声と共に次から次へとヤムチャの蹴りがマーリンに向かって繰り出される。
【27話】
マーリンはその蹴りを全てガードしているが、攻撃が速すぎて反撃する隙がなかなかなかった。
距離を取って立て直してしまえばよかったのだが、彼女のプライドはそれを許さない。
意地でもこの場に留まろうとするマーリンに、ヤムチャは容赦せず蹴りを打ち込んでいく。
クリーンヒットもしてないし、ガードも全て間に合っているが、防戦一方では気分が悪いのか、段々と彼女の表情に余裕がなくなってくる。
「…っ!こ…の…ぐらいッ!!はぁあああッ!!」
勢いよく動いていたヤムチャの足が止まる…いや、止められたのだ。
もちろんマーリンの手によって。
「な…止めやがった…!」
マーリンはヤムチャの足をしっかりとつかみ、ジャイアントスイングのようにしてヤムチャをグルグルと回す。
遠心力の勢いでヤムチャは身動きができない。
そして数十回転させた後にマーリンは手を離す。
言うまでもなく、ヤムチャは無抵抗に数百メートル先まで吹っ飛んだ。
岩壁を貫通し、地面を数回バウンドしたところでようやく身動きがとれるようになったヤムチャ。
すぐに身構えるが、マーリンの姿が見えない。
「ここだ、ヤムチャ」
ヤムチャの真横からマーリンの声が耳に入った。
「は、速い…な」
吹っ飛ばされた直後に起き上がったつもりなのに、彼女は既に目の前に居た。
ヤムチャの体勢が整わない内にマーリンは攻撃を仕掛ける。
「さっきのお返しだ…今度はわたしの狼牙風風拳をくらうがよい」
マーリンはニヤりと笑い、高速でヤムチャに殴打のラッシュをかける。
ズドドドド…!ガキッ!バゴ!
対するヤムチャも最初は避け切れなかったが、体勢が整うと本場の狼牙風風拳で応戦する。
目では捉えられない超高速な攻防が続く。
そしてお互いに結局1発もクリーンヒットしないまま、両者は再び距離をとった。
【28話】
「準備運動はこれぐらいでいいか?ヤムチャ」
マーリンは息一つ切らさずにヤムチャに向かっていった。
「ああ、そうだな」
ヤムチャも負けてはおらず、余裕の表情を浮かべる。
「そろそろ本格的にこいよ。あくびが出ちまうぜ」
ヤムチャは人差し指をマーリンに向けると、クイクイっとやり挑発する。
「……」
その挑発にムキになって突っ込んでくると思ったヤムチャだったが、マーリンはその挑発に乗らずに、ただジッと身構えていた。
この数年で突っ込み癖は直ったか…と少し感心させられたヤムチャ。
しかし…それは…彼女は…マーリンはただ構えていただけではなかった。
「っはぁあ!!!」
唐突だった。
ヤムチャが気づいた頃には目の前に自分に向かって迫ってくるエネルギーの塊があった。
なんの前触れもなくマーリンの手の平からヤムチャに向かってエネルギー波が放たれたのだ。
そこまで威力はなかったが、ヤムチャは驚いていた。
「っ……今の…どうやって…!」
エネルギー波が予想できなかったヤムチャは、咄嗟に上に避けるしかなかった。
ドゴォオーンッッッ!
真下で爆発が起きる。
威力がないとはいえ、直撃したらヤムチャとは言えどただでは済まない体になっていただろう。
空中でうまく避けれたとホッとしたヤムチャだったが、マーリンの狙いはそのエネルギー波の不意打ちではなかった。
遥か下の地面に出来た影に、自分の物と、もう一つ自分のものではない人影が存在するのを確認し、ヤムチャは全てを悟った。
飛び上がった先…ヤムチャの背後はマーリンが待ち構えていたのだ。
【29話】
「な…後ろ……!」
ヤムチャがそれに気づいた頃にはマーリンの蹴りがヤムチャの背中を完璧に捉えていた。
メキッ!
「そーりゃああ!!」
鈍い音と共に、マーリンの足はヤムチャの背中にめり込むと、彼女はそのまま掛け声と共に、地面にむかって足を振り抜いた。
何かが壊れるような音が聞こえたのと同時に、背中に激痛が走る。
「グ…ハッ…アア…!」
声にならない声をあげることが今の彼に出来る精一杯だった。
ヤムチャは蹴られた瞬間に意識が遠退き、自分が今下に落ちていると言う状況を理解できずにいた。
上手く呼吸が出来ない。
ヤムチャが時速数百キロはあろうかという勢いで地面へと落ちていく。
「……だあああああ…ッ…まだだ!」
だが、地面寸前でヤムチャの意識と体が一致した。
そして墜落ではなく着陸という形で再び地面に足をつけるヤムチャ。
長年の武術経験からか、ヤムチャはマーリンに蹴られる寸前に無意識のうちに瞬間的に背部の気を高めていたため、致命傷だけは避けていたのだ。
かといってかなりのダメージを受けたことに変わりはないが。
数秒後にマーリンもゆっくりと着地してきた。
「さすがだな…エネルギー波を避けるのはわかっていたが、あの蹴りをくらって持ちこたえるとは…。だがダメージは大きいようだな、ヤムチャ。ふふ…早くも勝負あったか?」
腕を組ながら笑みを浮かべるマーリン。
ヤムチャはそれを見て口から血の混じった唾をペッと吐き出す。
「今のエネルギー波……普通じゃなかったな?」
かなりのダメージを負い、今後の戦闘に支障がないと言えば嘘になるヤムチャだったが、不適にも笑い返した。
【30話】
「…さあな」
マーリンはとぼけたように首をかしげる。
だがヤムチャは続けた。
「俺はお前がエネルギー波を打つなら、打つ前に手に宿った気を感じとり、あの程度ならもっと余裕でかわせたはず…というか打つ前に分かったはずだ。
だがお前からはその気の『溜め』を感じられなかった」
余裕を見せていたマーリンだったが、ヤムチャが喋り出すと表情が強張ってきた。
押し黙っているマーリンに、ヤムチャはなおも続ける。
「お前はもしかして、外見の気を変化させずに…内面的な気を高めることができるのか?エネルギー波のあとの蹴りにしてもそうだ。
後ろから気配は感じなかった…。
お前は高速で俺が動く方向を予想し、そこで気を消して俺の背後で待ち構えた。そして体の内側に溜めていた気を一瞬で体に宿らすとし、俺がお前の気を察知する前に俺を蹴った。
つまり、お前が気を入れたのは、蹴りが俺の体に触れる直前ってことだ。察知されたら避けられたりガードされたりしちまうからな。どうだ?違うか?」
単純に、気のコントロールならヤムチャとて達人レベルだ。
だが…ヤムチャとマーリンの違いはそのコントロールの『速度』だった。
普通、エネルギー波を打つにはヤムチャの言うように気の溜めが要る。
その溜めの動作をいくら短くしても、気を探れる能力があるものなら、相手がエネルギー波を打つ前からそれを察知できる。
だが、今のマーリンの攻撃はその次元の域にはいなかった。
体の内側…つまり相手に悟られないように気を体内で上昇、凝縮させ、外見の気を変化させずに、内面的な気を高める。
そして、凝縮されたその気を瞬時に外…つまり、体の一部、あるいは全体の強化や、エネルギー波やらへと変化させ、放出させるという技術だ。
その気のコントロールにより、蟻のようなレベルまで気を消したかと思えば、次の瞬間にはスーパーサイヤ人並のパワーでの攻撃を繰り出す…。
当然のことながら、気を察知しながら戦うヤムチャを初めとする地球人たちでは気を読むことが出来ず、相手の場所も非常に分かりづらい有効な手段だ。
ヤムチャがマーリンの攻撃が読めなかった答えは、この変則的なマーリンの気のコントロールだった。