ハンター・ヤムチャ
第5部
669 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/20 22:10 ID:???
>>前回553
荒野の砂漠に、ひっそりと立つヤムチャハウス。
この家には、プーアルと言う喋る猫と
ヤムチャと呼ばれる青年の二人が暮らしている。
そのヤムチャハウスに、一本の電話がかかってきた。
「ヤムチャ様、電話ですよ、手がふさがっているので代りにでてください」
プーアルは、ヤムチャと自分の二人の昼食を作る為に
現在、フライパンで手がふさがっている。
そんなプーアルの言葉を聞きながら、
ヤムチャと呼ばれる青年は、受話器を見つめていた。
実は、ヤムチャハウスに電話をかけてくるのは、ほとんどブリーフと神様の二人。
しかも、ブリーフと神様は、いつもろくな内容で電話をかけてこないので、
ヤムチャは心構えをしてから、電話を取る事にしていた。
「よし行くぞ、覚悟は良いか受話器」
「ヤムチャ様どうでもいいですから、とっとと電話に出てください」
ヤムチャが受話器を手に取り、10cm程上げると、
台の上に置いてある電話機から音が鳴り止み、通話状態に成った。
通話状態に成り、音が鳴り止んだことを確認すると
ヤムチャは受話器を10cm下げて、電話を切った。
自分の仕事をやり終えて、満面の笑みを浮かべるヤムチャ、
そして、そんなヤムチャを見ていた
プーアルから、熱いフライパンが投げられた。
670 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/20 22:11
ID:???
プーアルの投げたフライパンが、ヤムチャの脇腹に見事命中。
ヤムチャはその場にうずくまってしまった。
「ヤムチャ様、あんた何やってんだ」
「いやね、どうせろくな内容じゃないだろうから、
それなら聞かないでおいた方が、幸せかなと思ったんだよ」
「せめて話だけでも聞いて下さい、もしも大事な話だったらどうするんです」
しぶしぶ納得したヤムチャ。その時、電話がまたも鳴り響いた。
今度は普通に受話器を取るヤムチャ。
かけてきたのは、いつもかけて来る二人のうちの一人、神様だった。
「あ、ヤムチャ君?先ほど電話をかけたんだけど
急に切れたんじゃよ、どうしたんじゃ?」
「いえね、ちょっとした事故がありましてね。
それより何の用で電話してきたんですか」
「実は少し前にブルマ君が、サイヤ人の事で話があると神殿に来てな。
知っての通りブルマ君は、サイヤ人の妻じゃ。
何事かと思い、話を聞いてみると、サイヤ人達は地球征服を止めたと言うのじゃよ」
671 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/20 22:12
ID:???
「神様それは本当ですか?しかしなんで急に」
「わしが聞いた所によるとだな」
神様はヤムチャに、ブルマから聞いたサイヤ人達の事情を説明した。
「なるほど、そんな事があったんですか。でも、ベジータというサイヤ人は
何でサイヤ人を復興させる気がないんでしょうかね」
「さあな、わしが知っているのはここまでじゃ、これからゴクウを迎えに行くために、
あの世まで行かなければ行けないんじゃ、じゃあなヤムチャ君」
ゴクウがあの世へ旅立っていると聞いて驚くヤムチャ。
まさか、あの世に行っているとは、思ってもいなかった。
「ゴクウって死んでたんですか?
確か修行に行くとか行ってませんでしたか」
「いや、死んでないぞ。ゴクウが界王星に旅立った事は知っているな
実はその界王星は、あの世にあるのじゃよ、つまりゴクウは生身で
あの世に旅立っているんじゃ」
「あ、そうなんですか、俺はてっきり死んだのかと思いましたよ」
電話越しに笑い合うヤムチャと神様。
「俺だったら、あの世に行ってまで修行なんて考え付きませんね。
あの世に行ってナンパとかなら考えてますけどね」
またも笑い合うヤムチャと神様。
「はっはっは、ではそろそろゴクウを迎えに行ってくるよヤムチャ君」
25 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:18
ID:vuySFTiY
>>前回669
神様から、サイヤ人の脅威がなくなり、
地球に平和が戻った事を知る、Z戦士達。
しかし、サイヤ人との戦いは終わったが、サイヤ人とZ戦士との間には
大きな溝が出来ており、その溝は全く埋まる気配が無かった。
なぜそこまで大きな溝が出来たのか。その理由は1年前まで遡る事となる。
1年前、サイヤ人達はZ戦士を不意打ち。
その結果、Z戦士達の心にサイヤ人に対して、大きな敵対心が出来てしまったのだ。
まとめてみると、Z戦士達はちょっと大人気無い。
まあ、1年も経てば心の中で、いろいろな妄念がうずくまり
相手の事を実際より悪く思っても、しょうがないと言えばしょうがない。
だがしかし、こんな状況に心を痛めていた神様が
Z戦士達とサイヤ人達のパーティーを天界で開く事を決定。
実は、単に面白そうだったからパーティーを開く事を決めたのだが
一応、表向きの理由として妥当なところを主張しておく神様。
Z戦士以外に、親友のブリーフにも招待状を出して、早速準備に取りかかる。
サイヤ人側には、サイヤ人の妻であるブルマを通して
神様の旨を伝えた結果、地球に残ったサイヤ人達は全員出席OKの返事を貰えた。
そしてついに、パーティーは開かれる事となった。
26 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:19
ID:vuySFTiY
サイヤ人側は地球に残った全員と言っても、
ベジータ・ナッパ・ラディッツ・バーダックの四人だけが出席。
他のサイヤ人達は、ナメック星へと旅立ってしまった。
地球側は、テンシンハンを除く全員が出席。
最初のうちは、Z戦士達はサイヤ人に対して、ギスギスした態度をとっていたが
話してみると、思ったより悪い人達じゃなかったのか、
次第にサイヤ人に対しての敵意が薄くなり
今では、地球の戦士達とサイヤ人との楽しいパーティーへと変わっていた。
しかし、そんな中で、暗そうな顔をして隅っこの席に座っている輩が3人ほど居る。
ブリーフ・ラディッツ・ヤムチャの三人である。
「皆さん楽しそうだねえ、ヤムチャ君」
ブリーフが話しかけるも、涙を流しながら、下を向いて何も喋らないヤムチャ。
「皆さん楽しそうだね、えーっとラディッツ君だっけ」
こちらもブリーフが話しかけても、何も答えずに
寂しく酒を片手に持ち、ちびちびと飲んでいるラディッツ。
ヤムチャの泣き声と、ラディッツのちびちびと酒を飲む音が
合体して周りに寂しさを作り上げると、雰囲気に負けた
ブリーフが、孤独な目をして、懐からオカリナを取り出して吹き始めた。
少しの間、不思議な空間を作り出していた三人だったが、
ヤムチャが泣くのを止めてブリーフに語り始めた。
「ブリーフ博士、聞いてくださいよ、実は今日ね」
ヤムチャの話しは、今日の夜中まで遡る。
27 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:22
ID:vuySFTiY
時刻は午前3時。
ヤムチャは自宅にて、今日開かれるパーティーのことを考えていた。
正確に言うと、元恋人のブルマの事である。
神様の話では、ブルマも当日来る事に成っている。
別にヤムチャの心にブルマへの未練は一切ないのだが
実は、ちゃんと別れ話しもせずに、勝手に男を作って
結婚した元恋人に対して腹を立てていたのだ。
でもブルマも、ただ黙っているのは気が引けたのか、
ブリーフ博士を通じて、
サイヤ人と結婚しました、赤ちゃんも出来ました、別れて下さい。
この三つの言葉を、ヤムチャに伝えたのだが、
たったこれだけの言葉だったので、
火に油を注いだ結果となり、余計にヤムチャを怒らせてしまった。
この時、ヤムチャはブルマに対して復讐を決意していた。
つづく
25 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:18
ID:vuySFTiY
>>前回669
神様から、サイヤ人の脅威がなくなり、
地球に平和が戻った事を知る、Z戦士達。
しかし、サイヤ人との戦いは終わったが、サイヤ人とZ戦士との間には
大きな溝が出来ており、その溝は全く埋まる気配が無かった。
なぜそこまで大きな溝が出来たのか。その理由は1年前まで遡る事となる。
1年前、サイヤ人達はZ戦士を不意打ち。
その結果、Z戦士達の心にサイヤ人に対して、大きな敵対心が出来てしまったのだ。
まとめてみると、Z戦士達はちょっと大人気無い。
まあ、1年も経てば心の中で、いろいろな妄念がうずくまり
相手の事を実際より悪く思っても、しょうがないと言えばしょうがない。
だがしかし、こんな状況に心を痛めていた神様が
Z戦士達とサイヤ人達のパーティーを天界で開く事を決定。
実は、単に面白そうだったからパーティーを開く事を決めたのだが
一応、表向きの理由として妥当なところを主張しておく神様。
Z戦士以外に、親友のブリーフにも招待状を出して、早速準備に取りかかる。
サイヤ人側には、サイヤ人の妻であるブルマを通して
神様の旨を伝えた結果、地球に残ったサイヤ人達は全員出席OKの返事を貰えた。
そしてついに、パーティーは開かれる事となった。
26 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:19
ID:vuySFTiY
サイヤ人側は地球に残った全員と言っても、
ベジータ・ナッパ・ラディッツ・バーダックの四人だけが出席。
他のサイヤ人達は、ナメック星へと旅立ってしまった。
地球側は、テンシンハンを除く全員が出席。
最初のうちは、Z戦士達はサイヤ人に対して、ギスギスした態度をとっていたが
話してみると、思ったより悪い人達じゃなかったのか、
次第にサイヤ人に対しての敵意が薄くなり
今では、地球の戦士達とサイヤ人との楽しいパーティーへと変わっていた。
しかし、そんな中で、暗そうな顔をして隅っこの席に座っている輩が3人ほど居る。
ブリーフ・ラディッツ・ヤムチャの三人である。
「皆さん楽しそうだねえ、ヤムチャ君」
ブリーフが話しかけるも、涙を流しながら、下を向いて何も喋らないヤムチャ。
「皆さん楽しそうだね、えーっとラディッツ君だっけ」
こちらもブリーフが話しかけても、何も答えずに
寂しく酒を片手に持ち、ちびちびと飲んでいるラディッツ。
ヤムチャの泣き声と、ラディッツのちびちびと酒を飲む音が
合体して周りに寂しさを作り上げると、雰囲気に負けた
ブリーフが、孤独な目をして、懐からオカリナを取り出して吹き始めた。
少しの間、不思議な空間を作り出していた三人だったが、
ヤムチャが泣くのを止めてブリーフに語り始めた。
「ブリーフ博士、聞いてくださいよ、実は今日ね」
ヤムチャの話しは、今日の夜中まで遡る。
27 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:22
ID:vuySFTiY
時刻は午前3時。
ヤムチャは自宅にて、今日開かれるパーティーのことを考えていた。
正確に言うと、元恋人のブルマの事である。
神様の話では、ブルマも当日来る事に成っている。
別にヤムチャの心にブルマへの未練は一切ないのだが
実は、ちゃんと別れ話しもせずに、勝手に男を作って
結婚した元恋人に対して腹を立てていたのだ。
でもブルマも、ただ黙っているのは気が引けたのか、
ブリーフ博士を通じて、
サイヤ人と結婚しました、赤ちゃんも出来ました、別れて下さい。
この三つの言葉を、ヤムチャに伝えたのだが、
たったこれだけの言葉だったので、
火に油を注いだ結果となり、余計にヤムチャを怒らせてしまった。
この時、ヤムチャはブルマに対して復讐を決意していた。
つづく
182 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/08 07:31 ID:NgCkrBGY
>>前回25
夜も明け、遂に決戦の火蓋は切られた。
プーアルに出かけの挨拶をすませ、切り札を手持ちの袋に入れ、
意気揚揚とパーティー会場に飛んで行くヤムチャ。
家を出発してから3時間後、ヤムチャは
今日のパーティー会場である、神様の神殿へ到着した。
どうやら少し遅れたらしく、ヤムチャ以外の全員が揃っていた。
辺りを見渡すと、皆さん程よく楽しんでいて、
クリリンあたりは、気円斬で地球を真っ二つにしてやる等と
わけの解らない事を言っていた。しばらくクリリン達と騒いでいたヤムチャだったが
復讐の為に、ここに来た事を思い出すと、皆の輪から抜けて戦いの準備に入る。
まず最初に、手持ちの袋から鏡を取りだし、容姿を整える
ちょっとだけ、鼻毛とヒゲがあったらしく、すぐに抜き去った。
顔を両手でぺしぺしと叩くと
次ぎに秘密兵器、通販で買った異性にもてるフェロモンを取り出した。
これをまんべんなく体にかければ、戦いの準備がほぼ完了する。
後は、口に花でも咥えれば完璧。
薔薇を咥える程度では、少しオリジナリティーが無いので
家にあったアサガオを咥える。
戦いの準備は完了した、これで今日の戦はばっちりだ。
183 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/08 07:32 ID:NgCkrBGY
そもそも、ヤムチャは拳の戦いをするつもりは無い。
ブルマが自分に対して「ああ、こんなに魅力のある男だったなんて
振った自分が馬鹿だったわ、ごめんなさい」と言えば復讐できたと思っている。
それが復讐であるかはともかく、ヤムチャの戦の準備は完了した。
ヤムチャが流し目しながら、対戦相手であるブルマを捜す。
その時、不意に左肩を叩かれたヤムチャ。
そこには元恋人であるブルマが立っていた。
「久しぶりねヤムチャ」
「そうだなブルマ、かれこれ1年近くは会っていなかったな」
ブルマは妊娠しているので、お腹が大きくなっていた。
顔も少しふっくらとしている。
ヤムチャは久しぶりに会った、元恋人の姿に少々驚いていた。
「お父さんに貴方に伝えておいてと言っておいた言葉、
あれは、何ていったら良いか解らなかったから
たったあれだけの文章になっちゃったの、嫌な思いをしたでしょ、ごめんなさい」
ブリーフを経由して、伝えられた奴だなと気付いたヤムチャ。
「はは、そんなの気にしちゃいないよ、それよりもそろそろ出産かい?
元気な子供を産めよブルマ」
ヤムチャは、復讐の事なんぞすっかり忘れて、元恋人と話しを続ける。
ヤムチャも、ブルマが謝ってくれて満足したのか、復讐は止めてしまった。
過去の事を全て水に流して、二人の間にあった溝も無くなり
全てが上手く行った。最後には、ベジータとも仲良くなっていた。
184 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/08 07:34 ID:NgCkrBGY
ヤムチャの話しを聞いていたブリーフ。
今のところ、ヤムチャがこんなに泣いている理由は一つも無い。
「それでヤムチャ君、何でそんなに泣いているのかね」
「いえね、実は俺ドラゴンボール持ってきてたんですよ
復讐に失敗した場合の切り札だと思って。
でも復讐する気も失せたので、じゃあ何か他の事でも願うかと思って
シェンロン呼び出して、願い事言ったら
シェンロンに尻尾でぶたれたんですよ、
ウーロンにパンティー上げたくせに
俺の願い事は、叶えてくれないって言うんですよ、差別されたんですよ俺は」
ヤムチャの話しを聞いていたブリーフは、少しヤムチャに突っ込みをいれた。
「つまり今までの話しは前振りだったのか、
ヤムチャ君、話をする時はもう少し小さくまとめてくれると嬉しいのじゃが」
「次ぎからはそうします。それにしてもシェンロンめ
何でも願い事を叶えてくれると言っているくせに」
いつの間にか、横で話しを聞いていたラディッツは、ヤムチャとブリーフに少し質問をする。
「そのドラゴンボールと言うのは、願い事を叶えてくれるのですか?」
急に質問されて少しビックリするヤムチャとブリーフ、
「そうだよ、まあ普通は願い事は叶えてくれる、ブリーフ博士もそれで王様になったしな」
「そのドラゴンボールを僕に下さい!」
ラディッツがヤムチャの手を握り締めて叫んだ。
続く