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ヤムチャの大誤算。ピッコロと芋羊羹


「ちょうどサイバイマンが6匹いる・・・一匹ずつ戦ってみないか?」
目の前の頭悪そうなハゲがこちらを見て言っている。は?何言ってんのアンタ?
てかすでに『サイバイマン』とか呼んでた種を埋めて水かけてるのは何?
有無を言わさず戦わせる気満々じゃねえか。ふざけるな!
でも起こられたら怖いから黙っておこう。そんな事を考えているうちに
地面から緑色のキモイ奴がたくさん出てきた。ピッコロの親戚だろうか?
「よし、まずは俺からいこう」
雑魚の癖によくやるなぁ。まぁ俺じゃなくて良かった。あの緑の奴の
実力を良く見てから倒せるかどうか判断しないといけなかったから丁度いいぜ。

でしゃばりハゲは緑色の奴を押さえつけて顔面を殴打している。いわゆる
マウントポジションという奴だ。しかもあらかじめ持っていたナイフで
サイバイマンの腕を串刺しにして動けなくしている。なんていい手段だ。
さすが桃白白のような暗殺者を目指していただけの事はある。今度使おう。
どぐぉ
「ぐごっ?!」
おっとでしゃばりハゲが強烈なキックを受けた。物凄く痛そうな顔をして
口を鼻を押さえている。サイバイマンは・・・なんだ全然効いてねえじゃ
ねえか。所詮は雑魚か・・・
・・・あれ?俺ってハゲより弱かったんだっけ?やべぇよ。俺勝てねえ。
どうしよ・・・逃げ出そうかな〜。てあのハゲ何してんだ?手を合わせて
まるで気功砲を撃つようなポーズを・・・
「気功砲!」
どぉぉ・・・・ん・・・
おいおい、撃っちゃったよ。かなり息切れしてるし。これはやばいんじゃ
ないの?一匹倒してもいきなりそんなんじゃ・・・
「ギ・・ギギ・・・」
「な、何だと・・・」
「倒せてないのかよ!」
は!しまった!つい声に出しちまった!どうしよう、後で起こって四妖拳
+四身の拳で四×四=壱拾弐倍の攻撃力とか言われたら。多分勝てない。
あ、そうだ。ここであいつを殺せば何も問題なし!うん!そうしよう!
「な、何だこの妙な殺気は・・・!」
やべ、気づかれた。早く操気弾の準備しなきゃ。

「操気弾!」
「何?!」
「ヤ、ヤムチャさん?!何を?!」
俺が突然気を高め始めたから緑色の奴と小さいハゲが驚いてる。
ちなみに波平頭の美白野郎はでしゃばりハゲの見学でそれどころじゃないっぽい。
「ヤムチャ!ジャマをするな!こいつは俺が倒ぼぐぇぷっ!」
しゃべりながらいいアッパー貰ったんで口の中きったみたいだな。あれは痛そうだ。
大体俺が攻撃するのはお前でその緑色の奴じゃないんだ・・・ふふふ・・・
「ぐ、こうなったら・・・」
「完成だ!喰らえ天津は・・・」
「気功砲!気功砲!気功砲!気功砲!気功砲!気功砲!」
どどどどどどどどどど・・・
「何だと?!」
「天さん!落ち着いて!相手あっち!あっち!」
「ぐお?!あ、操気弾が衝撃で散っちまった!くそ!」
勝てないからってとち狂いやがってあのでしゃばりハゲめ・・・
俺に当たったらどうする気だ全く。しかも捨て身の気功砲
連発でもサイバイマンに5,6発直撃してんのにたいした
ダメージはなさそうじゃねえか。もしかしてこのサイヤ人たちと
俺たちって実力に天と地の開きがあるってことか?
いや多分気のせいだ。うん、そういうことにしておこう。
「ピッコロさん!あの人頭大丈夫ですか?!」
「わからん!」
「くそ!天津飯!攻撃があたってないぞ!ちゃんとよく狙え!」
「そういえばヤムチャさんさっき『喰らえ天津飯』て言ってませんでした?」
「あ、クリリンてめえ何お茶なんか優雅に飲んでんだ!俺にもよこせ!」
あの小さいハゲ胡坐かいて茶すすりながら気功砲の雨の中たたずんでやがる。
以外と大物だな小さいハゲ。

五分後、ドクターゲロの研究所
「馬鹿な・・・奴のエネルギーは無限か・・・?!」
ゲロの見ているモニターにはすでに三桁以上の数の気功砲を撃ってなお
汗しかかいていない天津飯が移っていた。
「こいつの細胞を研究すれば無限のエネルギーを作り出す事も可能かもしれん・・・
この後、ゲロが天津飯の細胞を研究し、16号、17号、18号を作った事は言うまでもない。


ヤムチャ達所在地へ戻る。
「気功砲!気功砲!気功砲!」
「あの人まだ倒せてませんよピッコロさん」
「いったい何を考えてるんだあいつは!」
ピッコロが起こって口に入れていた羊羹を前にいた餃子に飛ばす。
餃子があからさまに嫌そうな顔をする。
「あ、すまん。つい・・・」
ピッコロが餃子に頭を下げる。魔王もずいぶんなじんだなぁ五分の間に
「御飯、俺の熊さんのバッグに芋羊羹が入ってるから取ってきてくれ」
「はい、ピッコロさん」
ご飯は元気よく返事するとすぐ近くにあるバッグの地点まで歩いていった。
熊バッグのセンスは疑うけどな。
「気功砲!気功砲!」
天津飯は相変わらず無駄な事をやっている。サイバイマンはいい加減に
攻撃を読んで避けている。と、偶然御飯のいる場所まで走ってきて・・・
御飯にぶつかって転んだ。これ見よがしに天津飯が極限まで気を高める。
「はっはっはぁ!待っていたぞ!貴様が転ぶのをなぁぁぁ!気功砲!」
天津飯の放った気功砲がサイバイマンと、一緒に転んでいる御飯に
直撃する!
「ギギャァァァァ!」
「うわぁぁぁぁぁ!」

「ぎゃはははは!ついに俺は倒した!あの緑色の奴なぁぁぁ!げぎゃぎゃぎゃ!」
天津飯が妙な声で高笑いする。気功砲で舞い上がった砂埃が風で消える。
そこには、サイバイマンと御飯の亡骸ではなく、手を左右に広げている
ピッコロの姿があった。
「ピ、ピッコロさん!」
御飯がピッコロに駆け寄る。
「大丈夫だこんな攻撃・・・一発程度ならなんてことは・・・」
「畜生!まだ生きてやがったな!気功砲気功砲気功砲!」
どどどどどどどどどど
「ぐおーーーーーーーーっ!」
「ピ、ピッコロさ〜〜〜〜〜ん!」
どさっ
ピッコロは十数発の気功砲を受けてついに倒れた。
「ふ、ふふふ・・・御飯・・・お前と過ごした数ヶ月悪くなかったぜ・・・
強いて言えばあんな雑魚に殺されるなんて・・・無念・・・」
がくっ
ピッコロは僅かにあげていた首を下げ、目をつぶって動かなくなった。
「ピッコロさ〜〜〜〜〜〜ん!」
御飯が叫ぶ。そして、天津飯をきっと睨む。そして両手を額の前で合わせて
気を高める。
「許さないぞ!魔閃光!」
膨大な気が御飯の両手に集まり、天津飯に向かって放出される。が、
天津飯は笑っていた。
「この程度の物!俺の気功砲ではじき返してくれる!気功砲!」

天津飯の気功砲が魔閃光と衝突する!そして、一瞬で気功砲は掻き消えた。
「な、なに?!そんなはずはない!気功砲気功砲気功砲気功砲気功砲!」
ぺちっぺちっぺちっ
何発うっても全てはじかれる。魔閃光の勢いすら弱まらない。そして、
御飯の全力の魔閃光は天津飯に直撃した。
「ぎゃろぴらむっ?!」
天津飯は妙な声を上げて落ちていった。
「敵は取ったよ・・・ピッコロさん・・・」
御飯もその場に崩れ落ちる。全力を込めた攻撃で気をほとんど使い果たした
からだ。
シャっ
その倒れたご飯の横を何者かが通っていった。サイバイマンだ。天津飯のすぐ
前まで迫っている。
「ミドリオロナカマヲコロシタウラミダ!シネ!」
「ずいぶん地球言語に似た言葉を話すんだな」
最近出番がなかったヤムチャが他人事のように言う。気功砲をまともに浴びて
髪の毛がこげたのを怒っているからだ。サイバイマンが血まみれの右腕を
振り上げる。
「待ってくれ・・・!」
サイバイマンは声に静止され、振り向く。声の主は・・・御飯だった。

「そいつは殺さないでじっくりじっくり苦しみを与えてやるんだ・・・
それこそが本当の生き地獄!」
物騒な事を熱弁する御飯。目が本気だ。ちょっとその迫力にヤムチャはびびる。
「グ・・・ググ・・・」
「頼む!とどめは僕が30年くらいかけて刺すから!生かしてやってくれ!」
サイバイマンは・・・右腕を全力で振り下ろした。天津飯のすぐ横の岩盤に。
「ありがとう・・・サイバイマンさん・・・」
「ギ、ギギ・・・」
二人の間に友情が芽生えた。が、
ボン!
一瞬の光と効果音と共にサイバイマンは破裂して消えた。
「俺は手加減せずにやれといったんだ!」
「俺は主人公なのに出番がないからさっさと回せゴルァ!」
ヤムチャが叫んだ。その時、奇跡は起こった・・・

「ギギギ・・・」
「まさか本当にいきなり出番まで来るとはなぁ・・・」
ヤムチャがのんきに呟く。すでにピッコロは死に、御飯は力を使い果たし
クリリンは四匹のサイバイマンに囲まれて身動きが取れない。
「こうなったらやってやるぜ!真・狼牙風風拳!」
ヤムチャがそういっていつもの狼牙風風拳の構えをとる。そしてご丁寧に
自分で説明を始めた。
「この真狼牙風風拳は足元に気を集中させる事で防御力をアップし、
弱点を克服したいわば最強の狼!この俺に勝てるものは御空くらいしか
いない!」
強気なんだか弱気なんだかよく分からない発言をする。
「え、ヤムチャさんそれじゃ・・・」
「こい!サイバイマン!」
クリリンが何か言いたそうだったが他人を気にかけてる暇はない。
いつまでたっても動かないサイバイマンにこちらからかかっていった。
「ハイハイオゥ〜〜〜ッ!」
ビシバシベシダダダダダドゴガスボゴっ
壮大な効果音と共に、ヤムチャの両腕は曲がってはいけない方向に
曲がり、腕が使い物にならなくなった。
「な、何だと?!」
「ヤ、ヤムチャさんの馬鹿ーーーー!お留守な足を並以上に維持したら
今度は手がお留守になるじゃないかーーーー!」


ヤムチャ、殉職・・・
地球は滅びますた

終劇


ヤムチャの覚醒。ピッコロと温泉饅頭。に続く