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哀・戦士

 第一部 〜天下一武道会

 

 


270 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/18 16:01 ID:???
大海原にポツンと浮かぶ小さな島・・・そこにやけにノリのいい老人、一見ナイスガイ風に見える青年
そしてなぜかウミガメが一緒に暮らしていた・・・
「じいさん!ちょっくら都まで行ってくるぜ!なんか欲しいものはあるかい?」
「ふん、どうせ万引きしてくるんじゃろう。わしは天下の武天老師じゃぞ!万引きなどせんでも金には困らんというのに・・・大体、お主ももう二十歳になったのだからしっかりせんと・・・」
「うるせえな!俺の勝手じゃねえか!またエロ本でもかっぱらってくるぜ!ヘヘヘーイ!」
ジェットボートに乗って都へと向かった青年。それを見ながら老人がやれやれといったような表情を浮かべた。
「行ってしまいましたね・・・亀仙人様ももっときつく言わないとダメなんですよ」
ウミガメがそう言った。老人の名前は亀仙人。またの名を武天老師。伝説の武道家と言われた男である。
「いやな、ヤムチャの万引きしてくるエロ本にはいつも世話になっとるんじゃよ、いひいひ・・それを思うと止めるに止められなくてな・・・」
エロ爺の顔になる亀仙人。だが、付近を流れる雲を見ながら表情がどんどんと変わっていった。
「近頃、やけに胸騒ぎがするのう・・・ヤムチャの身に何か起きなければいいのだが・・・」

青年の名はヤムチャ。赤ん坊の頃、亀仙人に拾われ、それからずっと彼に育て上げられた。両親は不明。
女好きの亀仙人とは裏腹に女にはめっぽう弱いが、性格はしっかりと受け継いでいる。困難な壁にぶつかると
すぐに挫折してしまう。「俺はやらねえよ。見物だけだよ」が口癖。武道の神様に育て上げられただけに
それなりの戦闘能力は身についている。並みの人間なら100人束になってもかなわないとの亀仙人からのお墨付きだ。
だが逆にそのことがヤムチャの精神をうぬぼらせてしまっていた。

 

271 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/18 16:02 ID:???
「ふう・・・今日はあんまいいもんパクレなかったな。まあいいや。警察も蹴散らしてストレス解消したし」
都での用を終えた彼はジェットボートに乗り、家に帰ろうとしていた。ふと、家の方向を見ると上空になにやら黒い雲が密集している。
「なんだろうな・・・気になるな・・・ちょっと急いで帰るか」
ギアをトップギアにし、家へと飛ばすヤムチャ。どんなに飛ばしても家までは20分はかかる。いつもは
時間など気にしないヤムチャであったが妙な胸騒ぎを感じたため、無意識に時間を気にしていた。
ちょうどその頃、亀仙人の下では異変が起きていた。黒い雲が密集しだし、雷鳴もとどろいている。
「な・・・なんなんじゃ一体・・・これは・・・奴らが現れる時と同じ・・・」
「そう・・・その通りだ・・・」
突如、巨大な雷が亀仙人の目の前に落ちた。落下地点から現れる奇妙な化け物。亀仙人の額に冷や汗が流れる。
「や・・やはりそうか。魔族の者か・・・何百年ぶりだろうか・・・なぜ今になって地上に・・!?」
「ほう・・・俺が魔族だとよくわかったな・・・俺様の名はタンバリン。偉大なる魔族の王の刺客だ」
「まっ魔族の王じゃと!?ま、まさか・・・奴が蘇ったのか・・・・」
「貴様・・・我が大魔王さまを知っているのか?だったら貴様も危険人物だな。予定外だが貴様も殺してしまおうか」
亀仙人は震える声でウミガメに避難を命じた。「ヤムチャに伝えに行け。帰ってきてはならんと・・」
亀仙人の言葉を伝えにウミガメはヤムチャの元へと向かった。
「そうか・・・わかったぞ。貴様、その昔大魔王さまにたて突いたバカ共の一人だな・・・俺はまだ生まれてなかったが確か3人組みだ。一人は魔封波の使い手だったという。貴様も魔封波の使い手か?」
「あいにく魔封波は師匠の専売特許じゃ。わしには使えんよ・・・安心したか?」
「はっはっは・・・今の大魔王様に魔封波など通用せんわ!まあ、どっちにしろ貴様は今日死ぬわけだしな」
胸騒ぎの強くなっていくヤムチャ。一体何が起こり始めているのだろうか。 <つづく>


315 名前:哀・戦士 第2話[age] 投稿日:03/05/21 21:53 ID:???
金とありったけの食料を俺にわたしな。命だけは助けてやるぜ・・・」
脅迫され食料を渡す村人。そこにはヤムチャの姿があった。食料を受け取り去っていくヤムチャ。
その後姿がどこか覇気がない。家へと帰ってきたヤムチャにウミガメが罵声をあげる。
「ヤムチャ様!いつまでこんな盗賊まがいのことを続けるおつもりですか!亀仙人様はあなたをこんな人間に育てたわけじゃない!」
「ふん、こうでもしなきゃ食っていけねえだろ?あの辺にはカモがたくさんいるのよ。人生楽して暮らそうぜ」
「亀仙人様が命がけであなたのことを守ったというのに!それを踏みにじるおつもりですか!」
ウミガメが涙を浮かべながら置いてある亀仙人の遺影を指差した。じっと見つめるヤムチャが口を開く。
「あんな化け物、倒せるわけねえんだ。俺はやらねえよ。見物だけだよ」
それ以上何も言うことなくヤムチャは自分の部屋へと入っていった。涙を足ひれで拭きながらウミガメが亀仙人の遺影を握り締めた。
あの日、全速力で亀仙人の下へと帰ったヤムチャだったが時はすでに手遅れだった。途中で会ったウミガメに
事情を聞き、家に到着したヤムチャが目にしたものは化け物によって腹部を貫かれた亀仙人の姿だった。
瀕死の状態にもかかわらずヤムチャを見つけた亀仙人は逃げろと声にならない言葉を必死に叫んだ。
串刺しにされている亀仙人を見たヤムチャはその瞬間に極度のパニック状態に陥る。化け物は亀仙人を
手放しヤムチャの元へと向かってきた。ヤムチャにはここからの記憶がほとんどなかった。戦いを挑んだのだろうか。
気がつくと砂浜で倒れていた。目の前には下を向くウミガメ、そして無残な姿になった亀仙人の姿があった。
(あの時・・・あの化け物はこう言った・・・「お前を探していたよ・・・」と。奴は最初から俺が目的だったんだ。じいさんは本当は死ぬはずじゃなかった・・・)
ウミガメの話によると化け物に突撃したヤムチャは足蹴りをまともにくらい、はるか遠くの海の中に落ちたらしい。
化け物はそれを見て去っていった。化け物が去った後、ウミガメによってヤムチャは助けられた。
「俺だって、じいさんの仇を討ちたいんだ・・・でもどうしようもねえじゃねえか・・・勝てないものにはかてねえんだよ・・・」
ヤムチャはふとんの中でうずくまった。翌日・・・

316 名前:哀・戦士 第2話[age] 投稿日:03/05/21 21:54 ID:???
今日はいい獲物がいるかな・・・」
あいも変わらず強盗まがいの事を続けるヤムチャ。今の彼にはそれしかやることがなかった。
「ん?見つけたぞ・・・なんだガキか・・・まあいいホイホイカプセルぐらいは持ってるだろう」
「おい!ちょっと待ちな!」
前方を歩く小さな少年に対してヤムチャが叫んだ。
「ん・・・?なんだ、おめえ・・・オラになんか用か・・・?」
「俺はこのあたりを根城にしているヤムチャってもんだ。ガキ、天国を旅行したくなければ何かよこすんだな」
ふと少年の下半身を見てみるとなにやら尻尾のようなものがうごめいている。尻尾のアクセサリーか・・・ヤムチャは心の中で苦笑した。
「へ・・・?天国を旅行ってなんだ?それにオラはこんなもんしか持ってねえぞ」
そう言うと少年は星の模様のついた小さな球を取り出して差し出した。
「ガキ、俺をなめてるのか?まあいい、そいつを俺によこせ」
「そんな言い方じゃめー!!!」
「どうやら俺に稽古をつけてもらいたいらしいな・・・行くぜ!はい、はい、はいいいいい!!!」
少年はヤムチャの攻撃をひらりとかわし、握り拳を作った。
「ジャン拳グー!!!、チョキ、パー!!!」
「お・・・おうううううっ!!!」
正拳づき、目潰し、平手がそれぞれヤムチャにヒットした。悶絶するヤムチャ。
「こ・・・このヤロオオオ・・・」
「これ、何をしておるんじゃ、悟空」
背後から老人の声がした。殺気を感じてヤムチャはその場を離れる。だが、その先にはすでに老人が立っていた。
一瞬にして間合いを封じられたヤムチャはこの老人に亀仙人並の実力があることを悟った。
「争いはやめなさい。ちょっと聞きたいのじゃが、このあたりに武天老師様の家はなかったかの?」
「武天老師?あ、ああそれなら俺のじいさんのことだぜ。あんたら俺のじいさんの知り合いか?」
「そうじゃが。わしの名は孫悟飯という。この子はわしの孫の孫悟空じゃ。武天老師様と一緒に住んでるのか?」
「孫悟飯!?じゃあ、あんたがじいさんの一番弟子の孫悟飯か?よく話には聞いていたよ」
「そうか・・こんなにでかく、たくましくなるとはな・・・武天老師様は元気かの?」
「そ・・・それは・・・」
二人が話しをしている間に、悟空と呼ばれる少年が何か背中に背負って帰ってきた。

317 名前:哀・戦士 第2話[age] 投稿日:03/05/21 21:55 ID:???
じいちゃん、あんま速く歩くなって言ってるぞお・・・まったく情けねえ奴だなあ」
「ひい・・・ひい・・・うるさいわね!私はあんた達みたいな化け物とは違ってデリケートなのよ!」
悟空の背中には女の子が乗っていた。ヤムチャの動きが止まった。
「あら、いい男じゃない。ねえ、知り合いなの?孫くん!」
「いや、オラ知らねえ。いきなり襲って来たんだ。なんかよこせってよ」
ほとんど始めて接する年頃の女の子に対してヤムチャはどう接していいかわからなかった。ヤムチャは
10メートルほどの距離を取りながら彼ら一行を自分の家へと案内することにした。女の名前はブルマ。
夏休みを利用してある目的のために旅をしていたらしい。そこで出会った孫親子にボディーガードを
お願いしてここまでやって来たという。そうこうしているうちにヤムチャの家、つまりカメハウスへと到着した。
「ここだよ。じいさんも中にいるぜ・・・」
「武天老師様、悟飯です。むてん・・・まさか・・・そんなはずは・・・お亡くなりになったというのか?」
亀仙人の遺影を見ながら悟飯が震えながらヤムチャに問いかけた。ヤムチャはコクリとうなずく。
すると、となりの部屋からウミガメが出てきた。
「ウミガメ・・・ウミガメじゃないか・・・!まだ生きていたのか・・・!」
「ご・・・悟飯さん、いやいやお久しぶりですなあ・・・ごらんの通り武天老師様はお亡くなりになりましてな・・・」
「あの武天老師様がいったいなぜ・・・寿命か?それとも病死か・・・?」
ウミガメは事のいきさつを悟飯達に話し始めた。
「そうか・・・魔族が復活したのか・・・信じられんな・・・わしもほとんど知らない奴らじゃ・・」
「じいさんは俺のせいで死んだようなもんだ。俺がいなければ死ぬことはなかったんだ」
話を静観していたヤムチャが重い口を開いた。悟空、ブルマは家のなぜか家の中の探索をしていた。
「それはどういうことじゃ?ヤムチャ君。」
「あー!!!あった!あったわよドラゴンボール!!!」

318 名前:哀・戦士 第2話[age] 投稿日:03/05/21 21:55 ID:???
居間にかざってあったオレンジ色のボールを手に取りながらブルマが歓喜の声を上げている。
「そのボールを捜していたのか?いったいなんだってんだ?」
「ドラゴンボールっていってな。7個集めるとどんな願いもかなうらしいんじゃ。レーダーでこのあたりにあることがわかって、武天老師様の家の近くだからちょっとよってみたというわけじゃよ」
「どんな願いもって死人を生き返らせることもできるのか?」
「どんな願いもかなうってんだからそうなんじゃないかのう」
ボールを掲げながらうれしさをかみしめるブルマをよそに、ヤムチャは思った。このボールの力を使えば
亀仙人を生き返らせることができる。そしてあの忌まわしい化け物をこの世から消すことも出来る。
「あ・・・あの、ブ・・・ブルマさんでしたっけ・・・そのボール全部集めてどんな願いをかなえるつもりですか?」
「願い?ん・・・いい男は見つかったからあ、あとはいっぱいのイチゴかな?」
(く・・・そんなくだらない願いをかなえさせるわけにはいかねえ・・・)
ヤムチャは悟飯の前に座りこみ、頭を下げた。
「俺にもこのボールを集まるのを手伝わせてくれ!きっと役に立って見せるぜ!それから悟飯さん、あんたも武道の神と呼ばれた男だ。俺をあんたの弟子にしてくれ。奴らは俺を狙ってくる。死ぬわけにはいかないんだ」
「・・・さて・・・どうする?みんな・・・」
そう言った悟飯に対してブルマは大きくうなずいた。悟空もヤムチャの下へ行き、こう言った。
「おう、よろしくな!ヤムチャ」
「決まりじゃな・・・よし、旅のしたくをするんじゃ、ヤムチャよ」
数分後、旅のしたくを終えたヤムチャが亀仙人の遺影の前に立っていた。
「じいさん、きっと生き返らせてやるぜ。待っていてくれよ」
ウミガメに別れを告げ、3人の元へとヤムチャは走っていった。 <つづく>

392 名前:哀・戦士[age] 投稿日:03/05/24 20:34 ID:???
<第3話 「天下一武道会で待つ者は」>
ヤムチャが悟空達と行動を共にするようになったヤムチャ。
悟飯に弟子入りした彼の希望により、まずは悟空、ヤムチャの戦闘力アップの修行を行うことになった。
ドラゴンボール探しはひとまずおあずけである。ブルマがこの事を了承したのは言うまでもない。
「学校なんて行っても行かなくてもいいし。いい男は近くにいるしね。しばらく修行に付き合うわ」
4人はいったん悟飯の家へと向かった。修行に適している場所に向かったのである。
数日後、悟飯の家へとたどり着いた一行は、そこに坊主頭の少年を見つけた。家の前でうろうろしている。
「おい、なんじゃお前は。わしに何か用か?」
「は!わ、私はクリリンと申します。武道の神様と呼ばれる悟飯さんに修行を教わりたくやってまいりました」
少年の名はクリリン。以前いた修行寺を追い出され悟飯の下へとやって来たらしい。
何やら悟飯に対してみやげを持って来たらしい。その土産を見て悟飯はこう言った。
「お主・・・なかなかわかっておるな・・まあいいじゃろう。よろしくなクリリン。」
「は・・・はいっ!ありがとうございます!」
「俺もこないだ弟子にしてもらったヤムチャってんだ。よろしくなクリリン」
「ははは、おめえの頭、パチンコの玉みてえだな!!」
何はともわれ3人となった悟飯の弟子達の修行が始まった。時間が立つごとに兄貴風を吹かせるように
なるヤムチャ。クリリンはヤムチャをいい兄貴ぶんとしてみるようになっていった。
クリリンは背が近いせいかライバル心を燃やしていた。修行は順調に進んで行った。
「ねえ、ヤムチャ。修行もいいけどたまにはどっか遊びに行こうよ」
「い・・・い・・いえ、ブルマさん。俺はそういうの苦手ですから・・・」
月日がたつごとにヤムチャに迫ってくるようになったブルマ。女苦手のヤムチャは彼女を避けていた。
ヤムチャをものにするために残ったブルマだったがあまりの退屈さに耐えられず都へ帰ることになった。
「修行終ったら絶対連絡しなさいよ!それからヤムチャ!今度会った時はぜったいデートしてよね!」
予備のドラゴンレーダーを残したままブルマは都へと帰っていった。

393 名前:哀・戦士[age] 投稿日:03/05/24 20:34 ID:???
修行が始まってから約半年。3人の力は悟飯の想像以上に上がっていった。
中でも悟空の上がりようはすさまじく、すでに悟飯の手を手こずらせるほどだった。
ヤムチャもわずかに劣るものの悟空に匹敵するほどの力を身につけていた。クリリンはちょっと弱い。
「さて・・・お主達の力もかなりのものじゃ。ここらで腕試しをしてみんかの?」
ある晩飯の席で悟飯が言った。なんでも一週間後にある島で天下一武道会なる大会が開かれるらしい。
悟飯は最初からこの大会に出しても力負けをしないように3人を鍛えてきたのだ。
「つええ奴がたくさん出るんだろ?オラ楽しみだなあ」
悟空が満面の笑みを浮かべてそう言った。それを見てお前は気楽でいいよなと言うようにため息をつく
クリリン。ヤムチャも大会に出ることを了承した。
「なあヤムチャ!わくわくするな!強い奴と戦えるなんてよ!」
「悟空、お前はいつもそうだな。お前の影響で俺も本当の目的を忘れて楽しんじまいそうだよ」
「ヤムチャさんも余裕ですね・・・僕は緊張してます。僕だけまだかめはめ波が使えないし・・・」
「大丈夫だクリリン。俺たちは基本が出来てたんだ。少しの差は仕方ないさ。お前も出来るようになるよ」
そして一週間後、武道大会の日が訪れた。いちおう修行はひと段落したため、悟飯はブルマに連絡を入れた。
武道大会に応援に来て欲しいと伝えたかったのだ。悟飯は電話で場所などについて話し始めた。
「パパイヤ島?偶然ね。その島だったら昨日からドラゴンボールの反応が二つ現れたところよ。もしかしたら武道大会に出る人が持ってたりするのかもしれないわ」
「そうか。じゃあ一石二鳥ってところだな。ドラゴンボールも一緒に探せるしな」
ブルマは必ず応援に行くと悟飯に伝えた。準備の整った一行はいざパパイヤ島へと向かった。
それはまさに波乱の幕開けであった・・・


394 名前:哀・戦士[age] 投稿日:03/05/24 20:34 ID:???

「天津飯、餃子よ・・・お前達が一介の戦士として通用するかどうか武道会で試させてもうらうぞ」
「パイパイさん、俺たちはあなたを目標にして来たんだ。そんな心配は不要ですよ。なあ餃子。」
「うん!お師匠さまもパイパイさんも、心配無用。」
「パイパイよ。わしが育てたこの二人をバカにしてもらっちゃ困るな。」
「そうだな兄者。武道会が楽しみだな・・・」

「タンバリンよ・・・世界中の強者達が集まる大会が開かれるそうだ。強い武道家を野放しにしておくわけにはいかん。全員片付けてくるんだ」
「かしこまりました大魔王様。まあ今の世にそれほどの者がいるとは思いませんがね」
「念には念をということだ。ついでにその武道大会のゲームを楽しんでくるがいい」
<つづく>


434 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/26 21:04 ID:???
<第4話 邪悪な存在 >
悟飯の家を出発してから約3時間。ヤムチャ達一行はパパイヤ島へと到着した。
5年に一度開かれるこの世で一番の強者を決める大会、天下一武道会へ出場するためである。
受付を済ませたヤムチャ達は腹ごしらえをしに出かけることにした。悟空の腹の虫はなりっぱなしだ。
「おやおや、誰かと思えば孫悟飯じゃないか。まだ生きておったとはな」
後ろからの声を聞いたとたん、悟飯は眉間にしわを作り、振り返った。
「やはり鶴仙人か・・・お主こそまだ生きておったとはな・・・」
「ふん、貴様に言われたくはないわ。それよりあの亀仙人のバカはどうした?死んだか?」
悟飯は押し黙った。悟空は状況をよく理解していないのか宙返りなどをして遊んでいる。
悟飯達の様子を見て、鶴仙人がにやけた顔をしながらこう言った。
「なんだ・・・やはり死んだのか!はっはっは!あのバカがここまで生きられただけでも奇跡じゃよ」
「おい!あんまりじいさんをバカにすんじゃねえぞ!」
怒りを抑えられなくなったヤムチャが鶴仙人に殴りかかった。だがその拳は横にいる男によってさばかれた。
背の高い三つ目の男・・・ヤムチャと男はしばらくの間にらみ合った。
「よせ、天津飯。こんなばかども相手にしなくてええ。本選で痛めつけてやれ」
「貴様の弟子達か・・・」
悟飯がその強さを確かめるように天津飯をにらみつけた。彼はすっと後ろを向き、歩き始めた。
「まあ本選に残れるとは思えんがな!バカの弟子の弟子もバカということになりそうだの」
皮肉たっぷりにそう言い放ち、鶴仙人は去っていった。彼らとすれ違うようにこちらに近づいて
くる人がいる。ブルマだ。
「おひさしー!!ねえどうしたの?なんか言い合ってたみたいだけど」
「古い宿敵じゃよ。まあお前達は気にせんでええ」
「ヤムチャ!元気にしてた!?・・・何赤くなってんのよ!そっか、久々に会って私が色っぽく見えたんでしょ!」
「い・・・いやあ・・・」
ヤムチャの視線の向こうにはビキニ姿の女性が歩いていた・・・

 

435 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/26 21:05 ID:???
ブルマとの再開を果たしたヤムチャ達。
当然ヤムチャはブルマの執拗なアタックにあったことは言うまでもない。
例のドラゴンボールの話だが、やはりこの大会会場にいる人物が持っている可能性が高いという。
ドラゴンレーダーではそこまでは探せない。大会終了後にその話は持ち越された。
「さてと・・・お前達、そろそろ予選会場に行くんじゃ。わしはちょっとトイレに行く」
そそくらとトイレに行く悟飯。ヤムチャ達は予選会場へと向かった。
「ヤ・・・ヤムチャさん、僕緊張してきましたよ・・・だってさっきみたいな強そうな奴がいっぱいいるんでしょ?」
「大丈夫だよクリリン。あんな奴らたいしたことないさ、なあゴクウ?」
「いやあ、あいつは強いと思うな。オラますますワクワクしたきたぞ!」
「まったくお前って奴は・・・」
予選会場ではすでに試合が行われていた。予選の順番が後のほうだったヤムチャ達は他の選手
の戦いを見ることにした。そこで彼らは天津飯、餃子の力を見ることになった。
すべての予選を開始2秒で決めた天津飯。謎の術によって敵に触れることなく勝利をおさめる餃子。
その力にワクワクするもの・・・怯えるもの・・・反応はそれぞれだった。
やがて無事ヤムチャ達3人も予選を突破し、見事全員の本選出場が決まった。
喜びをかみしめるヤムチャ達の元へ天津飯たちが寄ってきた。
「おい、あんな実力で本選に出るなんざ、自殺行為じゃないのか?え?」
「ふん、消えろ。ぶっとばされんうちにな」
ヤムチャも負けていない。横ではクリリンと餃子が髪の毛について言い合っている。
言い争いも本選の組み合わせを決めるのと同時に収まった。出場人数は8人。
ヤムチャ、孫悟空、クリリン、天津飯、餃子。武道の達人と呼ばれるチャパ王。
バリンタという謎の男、そしてサモハン・ライスという老人の8人である。


436 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/26 21:05 ID:???
くじの結果、次のような対戦となった。

第1試合 ヤムチャVS天津飯

第2試合 サモハン・ライスVSチャパ王
 
第3試合 クリリンVS餃子

第4試合 孫悟空VSバリンタ

この対戦表は仕組まれたものだった。ヤムチャを叩きのめしたかった天津飯が
餃子の超能力で自分の思い通りの対戦表を作ったのだ。
当然、ヤムチャ達がその事実を知る由はない。だがひとつだけ確かなこと・・・
それはこの大会が陰謀に包まれていること、そしてさらに恐怖の事態が待っていることである・・・
<つづく>


454 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/27 21:36 ID:???
<第5話 武道大会開幕!>
天下一武道会の組み合わせも決まり、いよいよ第一回戦が始まろうとしていた。
「天下一武道会の開始です!一回戦はヤムチャ選手対天津飯選手!」
実況のアナウンスと共に盛り上がる観客達。そしてヤムチャ達が姿を現した。
「ヤムチャー!!!頑張ってね!!!」
目の前に陣取ったブルマからヤムチャに黄色い声援が送られている。だがヤムチャは答えようとしない
「おい!逃げ出すなら今のうちだぜ!」
天津飯を挑発するヤムチャ。激突の時は訪れる。
「それでは始めてください!!!」
開始と同時に天津飯へと突撃していくヤムチャ。ひらりと交わし攻撃を仕掛けようとする天津飯。
だがヤムチャもすでに天津飯の間合いへと入っていた。攻防を続ける二人。
戦いはやがて空高くまで達し、観客はそのハイレベルな試合についていくのがやっとだった。
「おい!なかなかやるじゃないか!でもこーゆうのはどうだ!?」
そう言ってにやけた顔をすると、天津飯はヤムチャのさらに上空へと浮かび上がった。
「どどん!」
指先から光線が放たれヤムチャを直撃する。地面へと落下していくヤムチャ。着地にはなんとか成功した。
「ち・・・よおし、こっちもとっておきを見せてやらあ・・・か・・・め・・は・・・め・・」
上空から降りてくる天津飯。ヤムチャは彼が地面に着地した瞬間を狙って、タイミングを計り始めた。
「波!!!!!」
天津飯が地面に着地した瞬間、ヤムチャからかめはめ波が放たれた。今は亡き亀仙人の必殺技だ。
だが天津飯は微動だにしない。そして両手を組み、気合を入れ始めた。
「かあああああああっ!!!」
天津飯が絶叫とともに気合を放出した瞬間、ヤムチャの放ったかめはめ波が跳ね返される。
焦ったヤムチャは上空へ飛び、かめはめ波を交わした。かめはめ波は観客を直撃し、ヤムチャもそれを目撃した。
「どどん!どどん!どどん!どどん!どどん!」


455 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/27 21:37 ID:???
上空で自由に身動きが取れずさらにかめはめ波が直撃した観客に目をとられていたヤムチャは
天津飯にとって絶好の的だった。天津飯の攻撃がヤムチャに迫る
(全部は弾けない・・・!!当たる!)
5発のうち3発を弾いたヤムチャだったが残りの2発がヤムチャの急所を直撃してしまう。
身動きも取れないまま、地面へと叩きつけられるヤムチャ。受身はもちろんとっていない。
天津飯はそれを狙っていたかのように上空へ飛び上がった。
「・・・ちいっ・・・!!」
上空からまっさかさまにヤムチャへと降下してくる天津飯。それはあきらかにヤムチャの足を狙っていた。
「やめろー!!!」
悟空が叫ぶと同じに天津飯の膝蹴りがヤムチャの右足の間接に直撃し、鈍い音がした。
だが、その一瞬の間に天津飯も場外の方向へと吹き飛ばされている。天津飯はそのまま場外へと落下した。
「まさかあの瞬間を狙っていたとは・・・」
わきで悟空達と一緒に試合を見ていたサモハン・ライス選手がそう言った。ヤムチャはかめはめ波を放ったのだ。
身動きのとれないヤムチャは天津飯の動きが止まった所を討つしかなかった。ヤムチャの足をつぶし、
一瞬スキが出来た無防備の天津飯をかめはめ波が直撃したのである。
「あ・・・え・・・えっと・・・場外!ヤムチャ選手の勝利です!!!」
会場中が沸きあがった。悟空、クリリンがヤムチャの元へとかけよる。そして場外からあがってきた
天津飯も。ヤムチャは悟空達に肩を抱かれ、運ばれていく。審判達もなにやら話し込んでいる。
「え〜協議の結果、ヤムチャ選手は右足骨折の重傷で試合続行が不可能のため、第1試合は天津飯選手の不戦勝という形になります!」
会場中からブーイングの嵐がとんだ。当の天津飯も納得がいかない表情をしている。
「ふざけるな!俺は場外に落ちて負けたんだ!不戦勝など納得できん!」
「気にするなよ・・・実力ではお前が完全に勝っていた・・・俺は運が良かっただけさ・・・」
試合会場の奥へと運ばれていくヤムチャが天津飯の対してそう言った。納得のいかない天津飯。
「天津飯よ!気にするな!下手な情に惑わされるようでは貴様は真の戦士とはいえんぞ!」
場外からの鶴仙人の言葉にしばらく下を向いてから、天津飯は奥へと入っていった。

 

456 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/27 21:38 ID:???

「ヤムチャ!大丈夫か?」
「い、いやあ大丈夫じゃねえな。とりあえずここで待機してるよ。この大会を最後まで見てたいし」
そう言うとヤムチャは悟空達の肩をはずし、横になった。しばらく体力の回復をはかるため、睡眠をとると言う。
「悟空!クリリン!頑張れよ!」
「ああ、まかせとけ!」
「ヤムチャさんの分までやってやりますよ!」
ヤムチャの激励に悟空とクリリンが笑顔で答え、走り去っていった。
一方、すでに始まっていた第2試合では以外な出来事が起こっていた。優勝候補筆頭と言われていた
チャパ王がサモハン・ライスという無名の老人に開始30秒で敗北したのである。
泡を吹きながらタンカに乗って運ばれていくチャパ王。それにつづいて舞台から降りてくるライスに
悟空達は声をかけた。
「なあ、今の人、じいちゃんがやったのか?すげえな・・・オラびっくりだよ」
「そうか?だがお主達もなかなかの腕前とわしは見てるんじゃじゃがな・・・」
「それにしてもじいちゃん、変な匂いがするな・・・・ちょっとくせえぞ」
「そ・・・それは香水の匂いじゃよ・・・ほれ、そっちの坊主、お主の試合が始まるぞ」
「あ、そ・・・そうだった!」
そして始まった第3試合、序盤、同じ鶴仙流同士、空を自由に飛びまわり、指先からの光線で攻撃を
しかけてくる餃子に苦戦するクリリン。だが、土壇場でかめはめ波を会得。餃子に直撃させることに
よって戦局は逆転。その後、餃子の妙な術で腹を痛められるが、からくもクリリンの勝利に終った。
そして第4試合、孫悟空と謎の男、バリンタとの戦いが始まろうとしていた。
<つづく>


503 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/29 20:57 ID:???
<第6話 孫悟空快進撃 そして・・・>
天下一武道会、第4試合 孫悟空対バリンタの戦いが始まろうとしていた。
二人が舞台へと上がってくる。悟空は相変わらずまぶしい笑顔でいっぱいだ。
対するバリンタという男はなにやら近寄りがたい異様な雰囲気をかもし出していた。
「では、第4試合、始めてください!」
試合開始の掛け声がかかると悟空はまずバリンタに対して手を合わせ、一礼をした。
一対一の勝負の際には相手にも敬意を払えという悟飯の教えからだ。だがバリンタはそんな
悟空を無視し、無防備の彼に対して攻撃を加えた。ふいをつかれ、場外へ飛ばされる悟空。
「悟空!危ない!!!」
クリリンがそう叫ぶと同時に悟空は下方向にかめはめ波を放ち、逆噴射でなんとか場外を逃れた。
「オ〜いちちちち。いってえなあ、じゃあ今度はオラの反撃行くぞ!!」
そう言うと、悟空は先ほど自分がくらった攻撃の再現をして見せた。すさまじい速さの悟空の
攻撃を受けたバリンタは場外へと吹き飛ばされていった。
「くっ!な・・・なんだと!?」
バリンタは場外へと落ちる前に背中の服の隙間から翼を出し、空へと退避した。観客から
歓声が起きる。
「な・・あんなのありかよ〜あいつに場外負けはねえってことか。よおし!オラだって!」
悟空は空を旋回しながら攻撃を図っているバリンタに対してジャンプした。タイミングは
ばっちりでバリンタは悟空の足蹴、パンチ3発を立て続けにくらい、地上へと叩き戻された。
バリンタも負けてはいない。悟空の実力を悟ったのか、今までの余裕はなくなり、猛ラッシュを
しかけてきた。応戦する悟空。パンチやキックの攻防が数分間続いた。お互いにかなりの打撃をくらっている。
「あんた、つええなあ。オラびっくりだよ。でもオラのほうがちょっと強かったかもな」
そう言うと悟空は今までとはけた違いのスピードでバリンタをかく乱し始めた。
「あんたは思いっきりやっても死なないみたいだからオラも戦闘用のパワーでいくよ!」
悟空は足払いを掛けてバリンタの体制を崩し、閃光のようなスピードの攻撃を加えた。
(こ・・・このガキ・・・魔族の俺がここまで追い詰められるというのか・・・!?)

 

504 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/29 20:58 ID:???
「足下がお留守になってたよ!」
平然とそう言い放つ悟空に対してバリンタの顔は苦渋に満ちていた。顔の形も変わり始めている。
「ガキ・・・なかなかやるようだがこういうのはどうだ?」
そう言うとバリンタは口をカパッと開け、悟空の方を向いた。構える悟空。口から
怪光線が飛びだし、悟空に直進していく。
「よっと!」
悟空は上空に飛び上がり怪光線をかわした。だが下を見渡すとバリンタの姿が見当たらない。
「ひっかかったなガキ!俺はさらに上だあっ!!」
「じゃあオラはさらにその上だったね!」
「な・・・なに・・!!」
「だだだだだだだだだだだだだだだだ!!!」
悟空のマシンガンのような攻撃に翼を出す暇もなく、バリンタは場外へと落ちていった。
「残像拳か・・・悟空の奴・・・いつの間に・・・」
会場からはそのすさまじい戦いぶりに歓声があがった。悟空に勝利の宣告がなされ、場外のバリンタ
に最期のあいさつをしに向かった。だがバリンタは誰に見られることもなく、その姿を消していた。
勝利の納めた悟空にクリリンが駆け寄りお互いの勝利を喜んでいる。そして舞台には準決勝第1試合
で対戦する天津飯とサモハン・ライスが現れた。
「さっきのヤムチャとかいう奴と同様、このじじいも只者ではない。気をつけて戦わんとな」
「まあそんなに気張ることはなかろう。楽しく試合をやろうではないか」
「楽しくだと!?戦いは命がけでやるもんだ!死を掛けている戦いに楽しいもクソもあるか!」
「ほう・・・そうか。じゃがお主の戦い方には何か違和感が感じられる。何かを抑えているような」
「ふん、試合前にそんなこと言って動揺させる作戦か?貴様はその程度だったわけだ」
試合前、舞台上の二人がなにやら言い合っている。怒鳴り声もまじっているようだ。
強者同士の戦い、観客のボルテージも頂点に達し、試合開始の合図がかけられた。


505 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/29 20:58 ID:???
準決勝第1試合、天津飯とサモハン・ライスの戦いは熾烈を極めた。
勝負はまったくの互角。力で押す天津飯に対して、ライスは技術で上回る。老獪というものだろうか。
試合開始から数分後、二人は再び舞台の上でなにやら話し始めた。
「お主・・・それほどの力を持っていながらなぜ鶴仙人などの下にいるのだ?もっとその力を有効に」
「ふん、俺は鶴仙人様達のような殺し屋を目指してるんだ!貴様のようなお遊びで戦ってるんじゃない!」
「殺し屋か・・ではなぜヤムチャの足を折ったのだ?お主はヤムチャを再起不能にするつもりだったのだろう。だったら急所を狙えばよいのに。お主はそれをためらった。わしの目はごまかせんよ」
「・・・・・」
「お主は本当は殺しのための戦いなどしたくないんじゃ。だったらなぜ鶴仙人などの下へおる!奴のように人に嫌われながら生活していきたいのか?」
「・・・そうか、お前は孫悟飯だな。今のセリフでわかったよ。動揺させてまで勝ちたいのか!」
「バレテしまったみたいね・・じゃがワシは本当にお主の将来の事を考えていっておるのだ。動揺などさせるつもりはない。その証拠をみせてやる」
そう言うと、ライス、いや悟飯は天津飯に背を向けて場外へと飛び、着地した。
「本当はちょっと腰にきてたんじゃよ・・・ワシの負けじゃ・・・」
「・・・あっさりと負けを認めた・・・く・・何故だ。ヤムチャって奴といい、何故・・・」
「え・・えっと場外です。て・・・天津飯選手の勝利です・・・」
悟飯は棄権とみなされ、この試合は天津飯の勝利に終わった。下を向きながら舞台を去る天津飯。
場外から上がってきた悟飯は天津飯の後を追うように舞台を後にした。

 

506 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/29 20:59 ID:???
(タンバリン・・・タンバリンよ・・・)
「は、はい!大魔王様!」
(まぬけめ!ゲームを楽しめとは言ったがまさか人間などに負けるとはな。しかもそんな重症を負いおって・・)
「申し訳ありません大魔王様。わ・・私の予想外に人間どもは力をつけているようです・・・」
(言い訳はよい!それよりもあのヤムチャとかいう人間、奴だけは始末しろ。奴が生きていたのも貴様が以前奴の死体をキチンと確認しなかったのが原因なのだからな!)
「は・・・はい・・・それだけは必ず・・・」
(よいか、今度失敗したら貴様はもう用済みだ。この意味がわかるな?必ず始末しろ!ワシもすぐにそちらに向かう・・・)
<つづく>


525 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/30 21:50 ID:???
<第7話 悪の勢力の宣戦布告 >
武舞台では、すでに準決勝第3試合が開始された。悟空対クリリン。同門同士の二人はなごやかで
そしてハイレベルな戦いを見せていた。
そんな中、試合が終わり、奥で休んでいた天津飯が試合を見ている悟飯の下へとやってきた。
「わかったことがある。貴様は俺に叩きのめされるのが怖かったんだ。だからわざと場外へ落ちた」
天津飯が問い掛けた。悟飯は少し下を向き何かを考えながら語り始めた。
「そう思ってくれても構わんよ。確かにあのままやってても負けてただろう。だがお主にさっき言ったことは本心じゃよ。そしてお主も心を動かされつつある。どうじゃ?」
「・・・ふん、俺があの程度の戯言で心を変えるとでも思っているのか?しかしわからん。なぜ貴様が変装してまでこの大会に?」
「わしの3人の弟子たち、奴らの上達具合はすさまじい。わしなどすぐに追い抜かれるだろう。じゃがうぬぼれてもらっては困るのでな。特にヤムチャあたりかな。上には上がいるとわからせたかったんじゃがな・・・」
「だが貴様は俺に負けてしまった。くくく、うまくいかなかったようだな。ざまあないぜ」
「そうじゃな。だがお主がきっとワシの代わりを務めてくれるじゃろう。決勝での戦いを期待しておるぞ」
「・・・お、俺は貴様の弟子を殺すつもりなんだぞ!なんとも思わないのかあっ!!」
「お主にはそんなことはできんよ・・・じゃあワシはトイレにでも行って来るかの・・・」
「・・・・・・ちっ・・・」
天津飯は軽く舌打ちをしながら去っていく悟飯の姿を見つめていた・・・


526 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/30 21:51 ID:???
悟空とクリリンの試合は終始悟空有利のまま展開していった。だがクリリンも意地を見せる。
これがガキ同士の戦いか?と観客達は驚き、おおいに湧き上がっていた。
武舞台から少し離れた一室。天津飯との戦いで傷ついたヤムチャが睡眠をとっている部屋である。
その部屋に迫る1つの影があった。悟空に敗れたバリンタ。いや、タンバリンだ。
「身動きが取れないのは好都合だ・・・たとえ起きたとしても足が動かせないしな・・・」
タンバリンが部屋に足を踏み入れたその時、ヤムチャが突如眼を覚ました。
「・・!!お、お前は・・!そうか、また俺を狙って・・・そんな殺気をぷんぷんさせて気づかないとでも思ったか?」
「ふん、気づいた所でどうなる。今の貴様は足を折られて身動きが取れん。」
「ち・・・・・右足は完全にダメか・・・」
かろうじて立ち上がったヤムチャだったが、狭い部屋の中、片足のみで攻撃をかわすのは不可能だった。
加えて天津飯戦での体へのダメージ。静止状態でも放てるかめはめ波を打つ体力も残ってはいなかった。
「・・・この殺気は・・・近いな・・・ヤムチャのいる部屋のあたりか・・ヤムチャが危ない!」
トイレで用を足していた悟飯はこの殺気を感じ、すぐ近くにあるヤムチャのいる部屋へと向かった。
全力でヤムチャの部屋へと向かう悟飯。部屋にたどり着いた時、タンバリンはヤムチャに対して
とどめを指そうとしていた時だった。
「いかん!ヤムチャー!!!!!」
・・・・・・・・・・・・・
武舞台では準決勝第2試合が終了していた。勝敗はクリリンの場外負け。すばらしい試合を見せた
2人に会場からは拍手の嵐がとんだ。悟空は休憩は取らず、そのまま決勝戦を行ってもいいと言う。
審判に呼ばれ、天津飯が武舞台へと上がってきた。両者が対峙し、試合開始の合図がかけられようと
していた。だが、突如、武舞台の上空ですさまじい雷鳴と不気味な暗雲がたちこめはじめた・・・


527 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/30 21:52 ID:???
ご・・・悟飯さん、だ・・・大丈夫か・・・?悟飯さん!」
武舞台で決勝戦が始まろうとしていた時、悟飯の命はすでに尽きようとしていた。
身動きの取れないヤムチャに対してタンバリンは攻撃を行った。それはまさに殺気を込めた殺しの
攻撃だった。かろうじてその場に間に合った悟飯はヤムチャの前に仁王立ちし、タンバリンの攻撃から
ヤムチャをかばった。悟飯の腹部にはタンバリンの右手手刀が突き刺さっていた。
「ヤ・・ヤムチャよ・・こやつの頭をしっかりつかんでおくのじゃ・・・」
「頭・・?わ・・・わかった!」
ヤムチャはタンバリンの頭部をしっかりと押さえつけた。タンバリンの手は悟飯の腹に刺さったまま
抜けない。
「か・・・か・・め・・は・・・め・・・波!!!」
タンバリンの頭部から下は超至近距離から悟飯のかめはめ波をくらってバラバラに吹き飛んだ。

528 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/30 21:53 ID:???
「ち・・・ちきしょう・・・・」
断末魔の叫びをあげるタンバリンの頭部。ヤムチャはそれを離し、壁へと蹴り飛ばした。
「・・・まだ喋れるか・・・?なぜヤムチャをそんなにまで狙うのだ・・答えるんじゃ・・・」
悟飯が今にも消えてしまいそうな声でタンバリンに問い掛けた。
「・・く、くっくっく、冥土のみやげに教えてやるよ・・・ある日、我等が大魔王様が、将来、我等を
脅かすかもしれないほどの力を持つ人間の存在を感じた。それが貴様だヤムチャ。魔王様は貴様が
将来我等の地上征服作戦の邪魔になるとおっしゃって私に抹殺を命じたのだ・・・」
「お・・・俺にそんな力が・・・?信じられん。だがそんなことより俺のためにじいさんや悟飯さんを傷つけたことが許せん・・・魔王って奴はどこにいるんだ!この俺が殺してやる!」
「フフフ、今すぐにでも会えるさ・・もうそこまで来てるよ・・会った瞬間に死ぬことになるがな・・」
タンバリンは意味深な言葉を残しながら絶命した。ちょうどその時、ヤムチャ達の耳にも外で鳴り響く
異常な雷鳴の音が届いた。そして武舞台では雷鳴が武舞台の中央に集まり、何かが姿を現した。
「・・・タンバリンめ・・・しくじりおって。手間を掛けさせる・・・」
「だ・・・誰だ!おめえ!オラ達の試合の邪魔すんなよ!」
悟空が突如現れたその化け物に対して怒鳴りつけた。
「タンバリンはこんなアリの糞ほどのガキにやられたのか・・・情けない奴だ・・・」
「うるせえ!ナメクジのふん!!」
「間違いない・・・ピッコロだ・・・ピッコロ大魔王じゃ・・・」
会場で試合を観戦していた鶴仙人が震えるような声でそう言った。
「ほう・・・ワシを知っているか・・・ちょうどテレビカメラもあるな・・・よし・・今、テレビを見ている人間ども!ワシの名はピッコロ大魔王、魔族の王だ!」
会場が騒然となる。ピッコロはさらに言葉を続けた。
「今日この日をもって、我々魔族は人間に宣戦布告する!ひ弱な人間に変わって我々が世界を支配するのだ!手始めに今日ここにいる武道家達を血祭りにあげる!」
<つづく>


531 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/30 23:29 ID:???
<第8話 絶望 >
武舞台にピッコロ大魔王が現れ、世界中に宣戦布告を宣言してる頃、ヤムチャの腕の中で孫悟飯の命が
尽きようとしていた。
「ヤ・・・ヤムチャよ・・・」
「な、なんだ悟飯さん!」
「よく聞け・・・カリン塔へゆけ・・・今のお前達では魔族すべてを相手にはできん・・強くなるのじゃ」
「カリン塔?い、いや俺はまだ悟飯さんに修行してもらいたいよ!また修行しようよ!」
「カリン塔に行けばお前の出生の事も少しわかるかもしれん・・・ワシにはもう語る力はない・・・悟空を・・・たの・・ん・・だぞ・・」
「ご・・・悟飯さん・・・死ぬな・・・死ぬなー!!!」
・・・・・・・・・・・・・
「天津飯!餃子!逃げるんじゃ!こっちに来い!はやく来るんじゃ!」
「・・・・・・・・」
「な、何をしておる!速くこっちに来るんじゃ!死にたいのかっ!?」
「・・・一緒には行けません・・・少し考えたいのです・・・ですからあなたとはここでお別れします」
天津飯が下をうつむきながら後ろを向き、ピッコロと向かい合った。餃子もその後を追う。
「バカめ・・・そんなに死にたいのか・・・!!」
「いいではないか兄者。これはチャンスだ。天津飯達が敵の親玉を消耗させて私がとどめを指す・・・」
世界への宣戦布告を終えたピッコロは武道会場にいる武道家達を全滅させるべく、気合を入れ始めた。
あたりにいた観客は津波のような勢いで逃げ出し、会場は一瞬にして殺伐とした雰囲気に包まれた。
「ああああああああああああああっ!!」
「て・・・天さん!僕の超能力が効かない・・・!!」
恐怖に満ちた声で餃子が叫んだ。横ではさすがの悟空も身動きが出来ないでいる。すさまじい威圧感を
その場にいた誰もが感じていた。そして奥の部屋にいるヤムチャも・・・
「俺のじいさんや悟飯さんを殺した奴がすぐそばにいる・・・俺が・・・殺してやる・・・!!」


532 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/30 23:29 ID:???
「つおおおおっ!!」
先手必勝とばかりに天津飯がピッコロに攻撃を仕掛けた。だが軽くいなされてしまう。
悟空、クリリン、餃子と、立て続けに全力の攻撃を仕掛けるものの、通用しない。
ピッコロは一歩も動かずに全員の攻撃をさばいていた。そして・・・
「ぐおっ!!」
4人が同じにうめき声を上げて倒れこむ。ピッコロの攻撃が命中してしまったようだ。
「み・・見えなかった・・・そんなバカな・・・」
「ふん、貴様らとワシでは次元の差がありすぎる・・・終わりにさせてもらうぞ・・・」
「待て!!」
ピッコロを呼び止める声。声の先には悟飯の亡骸をもつヤムチャの姿があった。悟空が駆け寄る。
「じ、じいちゃん!じいちゃん!どうしてだ!じいちゃあああああ〜ん!!!」
大声を出して泣きじゃくる悟空。そんなことは見向きをせず、ピッコロは攻撃を仕掛けてくる。
「上等だぜ・・・さあきやがれってんだ!俺を狙ってんだろ魔王さんよおっ!!」
「ヤムチャ!落ち着け!お前の・・いや、俺達のかなう相手じゃない!」
興奮し、ピッコロを挑発し続けるヤムチャを天津飯がなだめる。だが、ヤムチャは聞く耳をもたない。
「来いよ!!そのかわり、刺し違えてでもてめえを殺してやるっ!!さあきやがれ!き・・・」
天津飯の手刀がヤムチャの後頭部を揺らした。ふいをつかれ、彼はふいをつかれ気を失った。
と同じに天津飯は悟空、クリリン、餃子の3人に自分の所へと来るように命じた。悟空は悟飯の亡骸を
クリリンは気絶しているヤムチャをかかえて、天津飯のもとへと集まった。
「ん・・・?逃げる相談か?無駄だ無駄だ」
天津飯は腰を落とした。おでこのあたりで両手を開いた。
「太陽拳!!!」
とてつもない光があたりを包んだ。悟空達は目を開けていられない。それはピッコロも同じである。
「う・・・おおおおお!目が・・・!!!」
数分後、光が収まりピッコロがあたりを見渡すとヤムチャ達の姿は消えていた。

533 名前:哀・戦士[sage] 投稿日:03/05/30 23:30 ID:???
「こざかしい真似をしおって・・・ワシから逃げられると思っているのか。奴らの気を探れば・・・」
「ふん、あんな小物どもを始末してもなんの得にもならんだろう・・・」
「なに・・・・?」
ピッコロが振り向くとそこには1人の人間が立っていた。髪は三つ編み、服には”殺”とういう字。
横には天津飯達の師、鶴仙人がちょこんと座っている。
「何者だ貴様。人間ごときが生意気言いおって」
「私は世界一の殺し屋、桃白白という。以後、お見知りおきを・・あんたはさっき世界を征服すると言ったな・・・テレビカメラの前で・・」
「そうだ。我ら魔族が、長年の悲願を達成するのだ。そして地上は邪悪に満ち溢れた世界になる・・」
「そうか、そんな世界には賛成だ。だが世界を制するのは一つの勢力でよいのだ・・私と、我がレッドリボン軍だけでな・・・」
「それはどういう意味かな・・・?」
「目の前にいる敵の大将を黙って見過ごすわけにはいかんだろう。ここは殺し屋としての本領を発揮させていただく。」
「はっはっは!よおし、貴様のような生意気な人間は真っ先に殺す!五秒で終らせてみせよう・・・」

天下一武道会は世界中にテレビ中継されていた。もちろん、ピッコロが宣戦布告した際もカメラは
回っていた。そして、世界の2つの侵略勢力の長が見せる戦いも世界中にリアルタイムで流された。
人々はそのあまりにもすさまじい戦い、壊滅していくパパイヤ島の都市、そして逃げ惑う人間達が
牧添をくらって死んでいく姿を見ながら、20年前のサイヤ人襲撃以来の絶望感と恐怖感にさいなまれて
いった。だが皮肉にもこの桃白白の突然の台等によって、ヤムチャ達はピッコロ大魔王の追撃から逃れ
生き延びることができたのである。  <つづく>

917 名前:哀・戦士 <第9話>[sage] 投稿日:03/06/28 20:57 ID:???
ヤムチャ達がパパイヤ島を脱出した後、島は、ピッコロと桃白白の戦いによって壊滅状態になった。
お互いの技量を見越してか、2人は、自分の勢力の兵に援護を頼んだからだ。
桃白白は地上最悪の軍隊、レッドリボン軍。ピッコロはもちろん魔族の戦士達だ。
レッドリボンの兵士は普通の人間である。魔族の戦士達は人間ごときとなめてかかっていた。
だが、レッドリボン軍は、サイヤ人達が撤退する際に残していった。超技術を利用していた。
それによって完成した戦闘服は、魔族の攻撃を簡単に防ぎ、携帯型エネルギー弾発射装置による
攻撃で魔族をやや圧倒していた。数でまさる魔族の軍は、ものすごい勢いでそれを打破しようと必死だった
そしてその戦いは全世界にテレビ中継されていた。

「ヤムチャ、起きろ・・・」
「ん・・・て、天津飯・・・ここはどこだ?」
「さあな、俺達はあそこから逃げるのが精一杯だった。」
ヤムチャは周りを見渡した。横には大声で泣いている悟空の姿があった。
目の前で悟飯が死を目撃してしまった悟空。精神的にはまだ幼い彼には衝撃が大きかったのだろう。
クリリンも悟飯に弟子入りしてきた身だけあって、悲しみに満ちた表情をしていた。
「悟空・・・泣くな。そういえば悟飯さんはカリン塔に行けと言っていた。知ってるか?」
「ひっく・・カリン塔?知ってるさ。オラ、じいちゃんと何度も行ったよ」
「よし、孫悟飯の言うことだ・・・そのカリン塔って奴に行ってみるか。」
数日後、一行はカリン塔へと到着した。とてつもない高さを誇るこの塔だったが彼らとっては
たいした高さではなかったようだ。ここに住んでいるカリン様。一行は彼に話を聞くことにした。
「カリン様、久しぶりだな・・・じいちゃんが・・しんじまったよ・・・」
「そうか・・・ピッコロ大魔王が復活するとはな・・・それに桃白白、あんな人間がこの世におった
とはな・・・」
天津飯と餃子が下を向く。


918 名前:哀・戦士 <第9話>[sage] 投稿日:03/06/28 20:57 ID:???
パパイヤ島はメチャクチャじゃ。誰も生きている者はおらんだろう」
「カリン様・・・俺に修行をつけてくれ!!悟飯さんは俺のせいで死んだんだ!強くならなくては!!」
ヤムチャが決死の表情でカリン様に詰め寄った。少し困った表情をしながら、カリン様が話し始めた。
「残念じゃが、今のお前達はわしより強い。修行をつけても意味がないのじゃよ・・・」
「そ・・・そんな・・・」
「じゃが、わしはお前達が今日ここに来ることがわかっておった」
ヤムチャ達が不思議な顔をしながら、カリン様に問いかけた。
「なぜです?」
「・・・神様が教えてくれたからじゃ・・・」
「か・・・神様・・!?」
一通りの説明は省略し、神様に会ってから聞けというカリン様。一行は認められた者を証明する鈴を
受けとり、神様のいる宮殿へと向かった。
宮殿ではピッコロにそっくりの老人と、黒い顔をしたとぼけた男が待っていた。
その老人に殴りかかって行こうとした悟空を天津飯が押さえつけ、老人に問いかけた。
「あなたが神様ですか?」
「そうだ、お前達を待っておったぞ」
「どういう意味だ?」
神様は今の状況についての説明をはじめた。ピッコロ大魔王とは、神様の悪い心が抜け出して、生まれた
者だということ、ドラゴンボールを作ったのは神様だと言うことなど、ヤムチャ達が知るよしもなかった
話だらけだった。
「今地上はピッコロ達魔族と桃白白のレッドリボン軍との戦いによってメチャクチャになろうとしている
お前達はそれを阻止するために、ここで修行をするのだ」
「修行?神様が修行をつけてくれるのか?」
「お前達にはこのミスターポポに、基礎を教わってもらう。その後、一人ずつ、奥にある精神と時の部屋
に入ってもらう」
「そんなに修行しないとダメなんですか?」


919 名前:哀・戦士 <第9話>[sage] 投稿日:03/06/28 20:58 ID:???
クリリンが、少し、心配そうな表情をしながら、問いかけた。
「今のお前達は魔族の高等戦士と同じぐらいの力だ。魔族にはそんな奴がゴロゴロといる。とても太刀打ちできる相手ではない」
「強くなれるんなら、構わないさ!!オラはじいちゃんの仇を討ってやるんだ!!」
悟空が意気揚々と答えた。それに呼応するようにヤムチャ達も神様の方を向き、深くうなずいた。
「頼んだぞ・・私は嫌な予感がするのだ・・・20年前、サイヤ人たちが地球に襲来した時のような、何か不吉な予感がな・・・」
この日から、ヤムチャ達の長く、そして短い修行の日々が始まった。

遠い宇宙・・・
「ベジータさま、あと半年で地球に到着します」
「地球か・・・懐かしいな。なあ、バーダックさんよ」
「ああ、あの忌々しい隕石さえ落ちてこなければ、俺達はあの星を制圧できたものの・・・」
「あれから俺達サイヤ人の過酷な日々が始まったからな。惑星ベジータは消滅し、サイヤ人は俺達4人だけに・・・まあ俺には関係ないことだがな」
「ふ・・・だが、地球に行けば、惑星ベジータの復活もありえるぞ。ドラゴンボールがあればな・なあ、スラッグさん」
「ええ、地球には昔、ナメック星の危機の際に送り込まれた龍族のエリートがいるはず。きっとドラゴンボールを作っているはずだ」
「・・・くっくっく、温厚なナメックにもあんたみたいな悪がいたとはな。ナメックを攻めた時には最長老って奴も殺しちまって石になっちまったからな」
「ドラゴンボールさえ手に入れたら、あのフリーザ達の支配からも逃れられるだろう・・・」
「そうだなバーダックさん。そういえば、地球にはあんたの息子を置いてきたんだったな?」
「そう・・カカロットだ。ちゃんと命令を守っていれば、今頃少しは働いてるはずだ。奴は下級戦士だったからな」
「ラディッツよ。弟に会えるのが嬉しいか?」
「弟なんておもっていませんよ。奴はただの道具です。」
「いい答えだ・・・楽しみだな地球に着くのが。ナッパ、久しぶりに暴れてやろうぜ」
<つづく>


 


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