病的なベジブル
第11話
ブルマ「なにっ!あの三つ目に負けただと!?」
素っ裸でカプセルコーポレーションに帰ってきたベジータ(ブルマ)。シャワーを浴びたあと、ばったりブルマ(ベジータ)に会ってしまい、いろいろ聞かれる羽目に。
ベジータ「そんなに怒鳴らなくていいじゃない。負けたわけじゃないけど」
ブルマ「くそっ!オレの身体で戦っていながらなんて無様だ……。いい恥だぜ」
ベジータ「そんなこと言ったってしょうがないでしょ。人と戦ったことなんてないんだから」
ブルマ「フン!で、どうするんだ。ヤツらもボールを集めているんだろ」
ベジータ「孫くんにでも頼もうか」
ブルマ「バ…バカ言うな!カカロットの力を借りるてたまるか!」
ベジータ「じゃあ…どうすんのよ」
ブルマ「お前が倒せ」
ベジータ「……は?」
その日の早朝――。ヤムチャはベジータ(ブルマ)に呼び出された。
庭で組み手をしようというのである。
ヤムチャは前日の深夜、遊びながらだらだらボールを1個見つけてきた。残すボールは天津飯たちがベジータ(ブルマ)との戦いのあと、もう1個のボールを見つけたので、残すボールは天津飯たちが持っている3個だ。
ヤムチャ「何だよ。いきなり。こっちは疲れてるんだぜ?」
ベジータ「ごめん、ごめん。でもちょっと予定が変わっちゃってさ」
前日、ブルマ(ベジータ)からカラダにもう少し慣れればいい動きができるようになるとアドバイスされ、ベジータ(ブルマ)はヤムチャ相手に特訓を開始したのだ。
身体の動かし方は身体が覚えている……あれだけの莫大な気を持っていながら、三つ目のハゲごときに遅れをとるはずがない……
そうブルマ(ベジータ)は言った。
さすがに戦いの勘やら経験は天津飯のそれに遥かに劣るが、それも無視できるほど気の総量はけた違いに高いはずだと。
ベランダからブルマ(ベジータ)も見ている。
ヤムチャは目の前のベジータにちょっとたじたじするも,中身はブルマなんだと言い聞かせ,構えをとる。
いくらベジータの姿と言ってもブルマには負けられない…と界王様から学んだすべてをぶつけ本気で立ち向かうヤムチャ。
最初のうちはガードされつつもヒットしていた攻撃が次第にあたらなくなってくる。
そのうち,すべての攻撃は軽くベジータ(ブルマ)に交わされてしまようになってしまった。あまりにもあっさりと。
たとえまともに当たったとしても大したダメージを与えられないこともヤムチャは悟った。
そのやりとりを見てブルマ(ベジータ)は気がついた。
ブルマ「やはり……動きがスムーズだ…。オレのときより……。まさかとは思ったが。
たしかギニューのヤロウはカカロットのカラダをうまく使えずにこのオレに負けた…。
だが…逆の場合もありうるということか……! あの女…」
そう。ベジータとなったブルマは本物のベジータより気の扱いがうまかったのだ。ベジータ本人よりカラダの使い方をモノにしていた。
まぁブルマ(ベジータ)は二人の動きをはっきり見えるわけではないが,女の直感がそう伝えていたのかもしれない。
ベジータ「いいわ!いいわ!だんだん慣れてきた!
すご〜い。ヤムチャの攻撃が止まってみえるわよ!」
かぁっと赤くなるヤムチャ。何かベジータとブルマ両方にバカにされた気さえしてくる。いや実際,そうなのであるが。
ヤムチャ「くそっ!くそっ!」
ベジータ「あれ…うーん…何か…」
いきなり考え込むベジータ(ブルマ)。何かひっかかるところがあるようだ。言葉では言えないようなもどかしさみたいなものが。
ヤムチャ「どうした?ブルマ」
攻撃の手を休めるヤムチャ。
ベジータ「何かね。胸の奥…というか心の奥というか…どこかにひっかかるものがあるのよ。何かこう…押さえみたいなものがね」
ヤムチャ「押さえ…?何を押さえているんだ?」
ベジータ「それがわからないから悩んでいるんじゃない」
ヤムチャ「あ…ああ。そうか。」
言いたいことがあるようだが何も口出しできないヤムチャ。
ヤムチャ「ところでさ……最後の3個は今日中に探すんだろ…」
ベジータ「その最後の3個を手に入れるために今、頑張っているのよ!
天津飯さんたちが今、持っているの!
力ずくで奪わないといけないのよ!」
ヤムチャ「そ…そうなの…?」
ベジータ「あんたが天津飯さんたちを軽く倒せるくらい強ければこんなことしなくてもいいのよ…」
ヤムチャ「はは……そりゃそうだ……」
すごすごと退散するヤムチャ。
結局、一日中、ヤムチャは特訓に付き合わされることになった。
次の話へ
戻る
トップへ