病的な




第七話



ブルマ「あの女め。オレがこんな低レベルな飛行機を操縦できないとでも思ったか!」
ブルマ(ベジータ)がカプセルコーポレーションの飛行機に乗り込みながら言い放つ。
地球よりずっと機械文明が進歩した異星で育ったのだ。ブルマ(ベジータ)は機械の扱いにも長けていた。

ブルマ「よーし。待っていろ。カカロット!!…………うわっ!くそっ!こっちのボタンか!」
飛行機はブルマ(ベジータ)を乗せ頼りなげに発進した…。
数時間後、飛行機は孫家に無事に到着した。

ブルマ「くそ〜〜。道に迷ったぜ…。このカラダでは気を探るのが難しいぜ……」
ぶつぶつ文句をいいながら飛行機を降りるブルマ(ベジータ)。このあたりでは既に夕暮れに近い。
悟空の家のドアを叩くと、チチが出てきた。
チチ「あっれぇ、ブルマさんじゃねぇべか!どうしただ?急に」

ブルマ「あ……なんだ……カカ…悟空はいるか?」

チチ「悟空さはすぐ近くで修行しているだ。もうすぐ帰ってくるはずだ。ん?悟空さに用事か?」

ブルマ「そうか。じゃあ、外で待たせてもらう」

チチ「何言ってるだ〜、家ん中、入って待つだよ!ほら!」

ブルマ「いい……いいって!…おい!」
強引に家の中に招かれるブルマ(ベジータ)。外見が外見なもので、あまり人とは係わり合いたくなかったが、チチの力には勝てなかった。

ブルマ(くっそ〜〜。気づかなかったがこの女、力ありやがる!さすがカカロットの嫁だけある!…いや、ブルマの方が弱いだけなのか!?まぁどうでもいいが…くそっ!さっさと帰って来い!カカロットめ!)
出されたお茶にも手をつけずイライラしながら待っているブルマ(ベジータ)。ブルマが一言も喋らず無愛想なツラをしているのでチチは妙に不安になっている。しばらくすると、外で声がした。

「さようなら!ピッコロさん」「たまにはオランちで飯くってかねぇか」「何度も言ってるだろ!オレは水だけでいいんだっ!」「じゃあそのキバ何のためについてんだ?」「知るかっ!」
どうでもいいような会話が聞こえる。

ブルマ「来たか!?」

ギィッっとドアが開き、汗だくの悟空と悟飯が家に上がりこんでくる。

悟空「ただいま〜〜!チチけぇったぞ!ん?あれ?ブルマか?」

悟飯「こんにちは。ブルマさん」

ブルマ(ベジータ)は挨拶もせず、立ち上がるとじっと悟空を見ている。
そこへチチが現れ悟空に耳うちをする。

チチ「おかえり悟空さ。……ブルマさんが来たんだどもよ、何か全然はなさねぇし、何かおめぇ悪いことでもしたんじゃねぇのか?」

悟空「えぇ……オラ何もしてねぇ…はずだぞ……」

そこへブルマ(ベジータ)がわって入る。
ブルマ「カカ……ゴ…ゴクウ…ちょっと話がある」

ぎょっとする悟空とチチ。
チチ「ほれ!み…みれ!おめぇ何かしたんだべ!!どうする!何か弁償しろと言われてもカネねぇだぞ!」
悟空「そ…そんなこと言ったってオラに身に覚えねぇよ!!」
大慌てしている二人。さすがに悟空もブルマには弱いようだ。そんな二人をよそにブルマ(ベジータ)はイライラを募らせている。

ブルマ「おいっ!か…簡単な質問だけだ!」

悟空「あ…ああ!その前にメシでも食おうぜ。な!」

ブルマ「いや…オレはだな…」

しかし、悟空とチチに強引に一緒に夕飯を食べていくよう説得されてしまい、しぶしぶ待つことに。ブルマ(ベジータ)も腹がへっていたのでまんざらではなかったのだが、長居をするとボロがでるおそれがある。

悟飯「何かブルマさん変……」

誰もが持つ疑問を今の悟空とチチにはもつ余裕がなかった……。




ガツガツガツガツ……。
下品に出された夕食を食い尽くしていくブルマ(ベジータ)。
唖然と見ている悟空たち。
悟飯(きたなっ……)
そう思ったが、言葉には出さない悟飯。

チチ「……ブ…ブルマさん、もっとあるだぞ…。たくさん食ってけ!な!」
チチは気を使って料理をどんどん出してくる。ちょっとでも機嫌を悪くさせないようにとの配慮だ。

ブルマ「げぇっぷ…。いや。もう食えん。それより……」

悟空「あっ…あっあの…オラ…よーし、悟飯!風呂でもはいっか!」

悟飯「は…はい…」

逃げるようにして悟空親子は外のドラム缶風呂へと向かった。悟飯も今日のブルマからはただならぬ気配を感じているので関わりあいたくないようだ。

ブルマ「ちょっ…まっ…」

チチ「ブ……ブルマさん。お茶でもどうだ?」

切れ気味のブルマをおさえようとするチチ。何かとんでもないことを言われそうでビクビクだ。

ブルマ(くっ……。まさかカカロットのやつ、オレがベジータであることをうすうす気づいているのか…?だから…避けるように…くそっ…)

風呂からあがってくる悟空。
ブルマ「おい!カカ……」

悟空「あ〜。オラ疲れちまったなぁ…?あ?ブルマ?よぅ!お前も風呂入っていけ!何なら泊まっていくか!うん。それがいいんじゃないか?よーし!オラ、寝る」
チチが悟空に寄ってきて再び耳打ちする。
チチ「ど、どういうつもりだ?悟空さ!」
悟空「いや…風呂入らせたあと、酒でも飲ませて、寝かせりゃ忘れちまうって!きっと!」

チチ「そっ、そうか!それでいくべ」
同レベルの夫婦。

ブルマ「おい!待て!オレはただ……」

チチ「ブルマさん!さぁ風呂でも入って、ゆっくりしてけろ。酒もあるだぞ。ほれほれ」
チチの強い力に押されて外のドラム缶風呂まで連れてこられたブルマ(ベジータ)。
チチ「タオルはここにおいとくだ」
そういってチチはさっさと家に入っていってしまった。

ブルマ「……くっそぉ。意地でも聞かないつもりだな……。まぁいい。時間はある。」
そう言って服を脱ぎ始めるブルマ(ベジータ)だったが……
ブルマ(…そ…そういえば…あの女のカラダだったな……。……フン。まぁいいだろ
昨日は有無を言わさず寝かされたからシャワーも浴びてないし…)
意識しているのか、目をカラダからそらしながら全裸になり、ドラム缶風呂につかった。
ブルマ「ふぅ………」
空を見上げると満天の星空が広がっている。
それをただ眺めながら、体をさする。
ブルマ「はっ!」
自分のカラダと妙に感触が違うと思いはっとする。改めて今、自分は、今までとは異なる肉体の中にいることを気づかされた。
ブルマ(こんな筋肉じゃあ…力が出ないのも当然だぜ…くそっ)
…と自分の細いうでをまじまじと見つめる。



そのころ……カプセルコーポレーションでは……。
ブリーフ「知らんよ…。いつの間にかいなくなっておった」

ベジータ「あいつぅーー!何所行ったのよ〜〜!!」
ドラゴンボール探しから一時帰宅したベジータ(ブルマ)が泣きそうになりながら、カプセルコーポレーションを走り回っていた……。






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