ヤムチャ編 最終章 アナザーワールド2
ヤムチャ VS 麦わら海賊団
最後に生き残るのは誰だ!?
6.ゾロ
ヤムチャはゾロを裏拳でふっとばす。……はずだったが,ゾロの腕力はヤムチャの予想以上だった。
裏拳を三本の剣で受け止めると,必殺技の鬼斬りを繰り出す。
左右の腕を交差させた構えから,両腕を一気に左右へ開く鬼斬りは「出せば100%敵がふっとぶ大技」と言われる大技だ。
ヤムチャも剣の威力をまともに受け宙へと舞い上がる。が空中で体勢を立て直すと,そのまま地面に着地した。
ゾロ「どうなってやがる。斬れやがらねぇ」
ヤムチャ「ちっ!逃がしたか。まぁいっか。最初の目的通り,お前から捕まえるか。そっちから出向いてくれてありがとよ。」
ヤムチャは奥義,狼牙風風拳の構えを取る。ヤムチャ自身のスピードをもっとも効率よく活かす技。
ヤムチャはゾロの腕力を見抜いていた。剣の鋭さ自体は,何とか界王拳で肉体を強化することにより耐えることが可能だ。
しかし,その繰り出される威力は別だ。ゾロは半壊したビルを持つほどの呆れた腕力を持つ。ならば攻撃を受ける前に素早く倒してしまえばいい。
ヤムチャ「狼牙風風拳!!」
ヤムチャ大得意の必殺技!恐るべきスピードでゾロとの間合いを一気に狭める。が,この技,ほとんどと言っていいほど相手を倒したことがない。
こ の と き も ま た し か り 。
ヤムチャ「はいは…あどぅッッッッあああああ」
ゾロは攻撃を交わしながら下半身にまわりこむと,秘技,龍巻きを繰り出した!
カラダを回転させながら,3本の刀の威力で相手を吹っ飛ばすという技だ。
ドゴォ!!
まともにくらってヤムチャの体は,再び宙を舞った。剣圧が生み出す気流でさきほどよりさらに上空へと投げ出される!
だが,普通の者なら地面に叩きつけられ大ダメージを負ているだろうが,舞空術を使えるヤムチャは空中にぴたっと静止し,さほどのダメージを受けることがなかった。
ヤムチャ「あ〜。びっくりした。狼牙風風拳…やっぱ使えないのかな……」
哀しげに呟くヤムチャ。
ゾロ「ちっ!化けモノか…。こうなりゃやっぱり居合いで行くしかないか…」
一方ゾロは,腕力でふっとばしてもさほどのダメージを与えられないことから,鉄をも切り裂く獅子歌歌で迎え撃つ準備だ。
三刀流のゾロがあえて一本の刀のみを使用する技……居合い!
一本の刀に全エネルギーを注ぎ,「斬る」ことに集中した必殺の剣……それが獅子歌歌だ。
ヤムチャ「よーし。思った以上に防御が高いし…スキを作るしかねぇか」
ヤムチャは構えをとると,今度は木々を飛び交った。
スピードを利用してゾロを翻弄しようという企みだ。
しかしゾロは神経を研ぎ澄ませ,ヤムチャの呼吸を探る…。
ヤムチャ「スプリングホッパー!!」
ハイエナつながりのベラミーが愛用した意味不明な技。ヤムチャも得意としていたらしい。木々の間をサルのように飛びまわりゾロのスキを見計らうヤムチャ。
ヤムチャ「もらった!!」
ゾロの後頭部めがけてヤムチャが突撃する!!
その気配を察知しゾロが動く。
ザンッ!!
恐るべきスピード。
ヤムチャの体はまっぷたつ!!
獅子歌歌が決まった!
…かに見えたが
残像拳。
ヤムチャ「古い手にひっかかるんだから〜」
ゾロの目の前にヤムチャがいた。ゾロの腹にヤムチャの一撃が決まる。
ゾロ「ごふぅッ」
吐血するゾロ。だがゾロは必死で耐える。最後の最後まで戦おうという強烈な意志が刀を離さない。刀を振り下ろそうとするゾロ。
ヤムチャ「やるじゃねぇか!よーし!ならばオレの最高の技で眠らせてあげるぜ!新・狼牙……」
ヤムチャが技を繰り出そうとしたとき、ゾロは気を失ってしまった。
ヤムチャ「ちっ……。まぁいいや。新とか言ってもぶっちゃけただの狼牙風風拳と全く同じだし」
あっそ…と読者は思った。
戦いを終え,ゾロをかつぎあげるヤムチャ。
ヤムチャ「やれやれ。恐ろしい相手だった。ま,あとは楽勝だけどな」
気のゆるみは防御のゆるみ,ケツの穴のゆるみである。
ヤムチャ「あがががが〜〜ッ!!??」
ずぶっ…
ケツの穴に何かが突き刺さった。
ヤムチャ「ひいぃっ!ひぃっ!」
泣き叫んでうずくまるヤムチャ。めりこんだのはトナカイの角。
激しい痛みがケツの穴から全身に広がる。
そのスキをついて何かが,倒れている剣士を連れ去ろうとした。マズイ!と思ったヤムチャは,ワケもわからないまま気功弾を連発した。
気配が去っていく。
どうやらゾロを連れ去られるのを阻止できたようだ。
朦朧とした意識の中,見たモノは先ほど見たトナカイとあのにっくき長っ鼻が逃げていく姿であった…。
怒りに打ちふるえるヤムチャ。追いかけようとして,さっきの落とし穴にまた転げおち,びしょびしょになってしまった…。
島のある場所でナミ,ウソップ,チョッパー,ロビンはひとかたまりになっていた。
ロビン「そう。剣士さんもやられたの…」
チョッパー「サンジもやられたぞ。たぶん。サンジの服が落ちてた」
ウソップ「くそっ!どうすりゃいいんだ! え?…何で服が…?」
ナミ「き…きっとホモなのよ!」
ウソップ「そんな感じじゃなかったが…むしろサンジと同じ波動を感じたぞ…。
そうだ!こうなったら最後の手段…ナミ,ロビン…お前ら脱げ!」
ゴンッ…鈍い音が響く。
チョッパー「ナミ強いぞ!ゾロより強いぞ!」
ナミ「サンジくんと同じだったら楽なのにね」
ウソップ「いてて……よ〜し。じゃあこういうのはどうだ?」
作戦会議をする一同。
一方,ゾロをかついで必死の思いで,船にまで戻ったヤムチャはつかの間の休息をとっていた。もうすぐ夕暮れである。
奴らは所詮,海賊。仲間を見捨てて逃げてしまうかもしれないのだ。早めにケリをつけねばならない。
ヤムチャ「今日中にあの鼻,ぶっ殺してやる!」
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