ヤムチャ編 最終章 アナザーワールド2
ヤムチャ VS 麦わら海賊団
最後に生き残るのは誰だ!?
5.ナミ
その頃…。
ゾロはロビンに会い,ヤムチャのことを知らせていた。
ロビン「そう。そんな人が」
ゾロ「とにかくヤバイらしいぜ。ルフィが全く歯が立たなかったらしいからな。ナミに会ったら隠れているように言ってくれ」
ロビン「…で,あなたはどうするの?剣士さん」
ゾロ「ん?だから…そいつをぶったぎってくるからよ。それまで隠れていろってんだ」
ロビン「頼もしいわね。ウフフ」
あんまり大変そうじゃない二人。その二人とは島の正反対のところに怯える二人がいた。
ウソップとナミ。
ウソップ「だ〜か〜らよ〜!ルフィがやられちまったんだよ!アホ!」
ナミ「どうすんのよ!」
ウソップ「しらねぇよ!どうにかしてあいつをやっつけねぇと。待てよ。いい方法がある…。」
ウソップがナミに耳打ちする。
ナミ「イヤよ!!」
ナミの怒鳴り声が森に響く。
ウソップ「あ!バカ!しーっ!ヤツは空も飛べるし…こうするより方法がねぇんだよ!」
ナミ「……わかったわ!」
ヤムチャ「ぷふぅ〜……すっきりしたぁ」
ヤムチャはサンジを倒した泉で身体を洗っていた。
ヤムチャ「あの長っ鼻!ゆるさねぇ。しかしまずは剣士とか言うヤツだな。…ん?」
泉から出て耳をとぎすませる。何やら声がする。女の声だ。
ヤムチャはすばやく体をふくと,服を着る。前のように変態扱いされないように,とのヤムチャなりの学習だ。
声は近づいてくる。
ナミ「たすけて〜誰か〜」
泥まみれの服を来た女性が森を歩いている。
ヤムチャ「お♪いい女!ラッキー♪うひょひょ!」
ヤムチャは,ナミの前にすっと現れた。驚くナミ。ヤムチャは叫ばれる前にナミの口を押さえる。
ヤムチャ「心配なさらずに。お嬢さん。どうしましたか?」
ナミ「か,海賊に追われているんです。助けて下さい」
ヤムチャ「おぉ!それはお気の毒に。実は私も海賊を追っているんです。いいでしょう。私がその海賊をぶったおします」
ナミ「ホ…ホントですか!ありがとうございます」
ヤムチャ「…で,その海賊はどこに?長っ鼻だと嬉しいんですがね!」
そのとき茂みに隠れていたウソップはびくっと体を振るわせる。
ウソップ(ね…狙われている!!)
ナミ「え?ええ…そうです長っ鼻!私が案内しますわ!」
ヤムチャ「え…」
案内って…必死で逃げてきたんだろ?…そう思ったヤムチャだが,急にナミがヤムチャの手を握ったので,疑問はどこかに飛んでいってしまった。
ヤムチャ(積極的な子…)
ナミ「こっちです」
ナミにひっぱられ,森の中をゆく。歩いている途中で,ヤムチャはしきりにナミを口説こうとしていた。しばらく行くとナミは急に立ち止まった。
ナミ「あ!あそこをまっすぐ歩いていくと,海賊のアジトに到着しますよ」
ヤムチャ「あ,そいつはどうも。」
…とヤムチャはふわっと浮いた。飛んで行こうとしたのだ。
ナミ「ぅわー!わー!」
ヤムチャ「ど,どうしました? あ,これは舞空術と言って…」
ナミ「いえ。あ。おほほほ。あの…飛ばない方がよろしいかと。連中はその…大砲とかも持ってますし。狙い打ちですわ」
ヤムチャ「心配なさらずにお嬢さん。わたくしには大砲など効きませんから!うはははは!」
それでも,しつこく飛ばないように説得するナミ。ヤムチャもそこまで言うならと,歩き出した。不用心に悠々と歩を進めるヤムチャ……
どしーーーん!
ヤムチャの姿がナミの視界から消える。
ウソップの作った落とし穴に落ちたのだ。
茂みから様子を窺っていたウソップは,すぐに次なる罠を作動する。
ヤムチャ「ぅお〜ビックリしたぁ…ん?」
ヤムチャが上をむくと…
ヤムチャ「ぅわぁぁぁぁぁぁぁ」
ドバァッ……
上から大量の海水が降ってきた。
ヤムチャ「しょっぱぁぁっ!な,何だ!こりゃぁ!あ!!!」
海水につかりぐしょ濡れのヤムチャが見上げると,そこには,宿敵の長っ鼻・ウソップの顔がのぞいていた!
ヤムチャ「て…てめぇはさっきの…!」
ウソップ「だははははっ!ざまぁ見ろ!力が入るまい!なんせ海水だしな!
くらえ!ウソーップハンマー!!」
ウソップは金槌を取り出すとヤムチャの脳天めがけて投げつけた!
ごち〜〜ん!!
ヤムチャ「おぉごぉぉ!!??」
わけがわからないヤムチャ,まともに金槌をくらって悶え苦しむ。あまりのことに気を消していたままだったので,ダメージはすさまじかった。
ウソップ「おれは海の勇敢な戦士…キャプテ〜ン・ウソーップだ!」
ヤムチャ「ぅおおお……。ウソップか…!キサマの名は忘れねぇぜ…」
とヤムチャは海水の中からふわっと浮かびあがった。両手で頭を押さえながら。
ウソップ「え…?え…?」
ヤムチャ「こ…殺してやる!!」
ウソップ「悪魔の実の能力者じゃないのかよ!能力じゃないの!?」
ふわ〜っとウソップの目の前まで浮き上がるヤムチャ。ぐしょ濡れだ。
涙目になってぷるぷる震えまくっているウソップ。
こちらもいつ下半身がぐしょ濡れになるかわからないほどの怯えようだ。
ウソップ「あっ!裸の美女!」
ヤムチャ「なにっ!?」
振り返れば森。
ヤムチャ「……」
ササササッ…。
後ろで草をかき分けて逃げる音。
ヤムチャ「きさまぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ヤムチャは気を体中から放出させて,飛びあがり,ウソップめがけて一直線に…・・
ウソップ「ひぃぃぃ〜〜〜!!」
ギィィィンッ!!
鋭い音が鳴り響く!
ヤムチャとウソップの間にはいつの間にかゾロが入り込んでいた。ゾロの剣はヤムチャの突撃をかろうじて止めていた。
ヤムチャ「ジャマだぁぁぁッ!」
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