ドラゴンボール最後の願い
第28話 ヤムチャの思惑
では裏舞台を見てみよう。
約束の3時間後の決闘に備え,着々と準備を進めるヤムチャ一味。
既に残り時間は2時間を切っていた。
サタンの邸宅の会議室では最後のチェックを行っていた。
メンバーは一時ヤムチャのサポーターになった18号,現代トランクス,ウーロン,パン…。
それにパンからの要請を受けて助っ人となったミスター・ブウ。
敵なのか味方なのか怪しいブラ。それにヤムチャに振り回される不運な未来トランクスである。
あんまり人数を引き連れても無駄なので,クリリン,亀仙人,ウミガメにはプーアルの看病をお願いしてある。
ブラ「やっぱりヤムチャさんの考えていた通りよ!パパはボールを持ってこないで,遠くで待機しているママに預けてあるわ。」
ヤムチャ「よし…こちらの思惑通りだ。じゃあ。ブラちゃんはそろそろジェット機で約束の場所で待機していてくれるか?時間もないしな」
ブラ「ええ。でもちょっと待って。気になることがあるのよ。
パパたちだって,戦いの最中,たとえばヤムチャさんたちが逃げ出しちゃって,ママのところへ奇襲をかけたりする対策をとってないはずはないと思うんだけど」
ヤムチャ「うーむ。まぁオレは逃げるだろうな。普通」
ウーロン「逃げるなよ……」
現代トランクス「しかし…母さんはでかい気を持ってないし,ボールはあの例のボックスに入れているんでしょ?
場所が見つかるはずがないって自信はあるんじゃないのかな」
ヤムチャ「いや…ブルマのことだ。そこらへんはちゃんと対策を考えていそうだ」
ブラ「それにね。何かパパがドラゴンボールと一緒に変なロボットを持って来たのよ」
ヤムチャ「まさか…」
パン「あのときのフリーザって言う…」
未来トランクス「フリーザ!? やつはまだ生きているんですか!!」
ブラ「大声出さないでよ!かっこいい方のお兄ちゃん!
…たぶん機能はしてなかったわ。でも,確かママが頭の方をいじってたから…」
現代トランクス「かっこいい方のお兄ちゃんって……」
ヤムチャ「なるほど。そいつを操ってボディーガードにするってことだな。
一番真っ先に戦いから逃げるであろうオレがブルマの元へ行ってもいいように…。
わかってやがる。考えたな。オレじゃフリーザに到底かなわん」
現代トランクス「…でも…オレがウーロンさんについていけば問題ないですよね。18号さんもいるし」
18号「もともとあたし1人で大丈夫なんだろ?そのフリーザってやつなら」
ヤムチャ「ああ,ノープロブレムだ。だが,何かあるといけないからな。
やつらこっちには二人のトランクスがいるって気づいてないのが致命的だったな。」
しかし妙に嫌な予感がぬぐい去れないでいた。計画を緻密におこなっても最後まで何がおこるかわからないからか,それとも…。
ヤムチャ「よし!移動を考えて時間ギリギリだ。そろそろ配置につこうぜ」
不安を払拭するかのようにヤムチャは声をあげた。オーゥという皆の威勢のいい気合いがヤムチャの心を少しだけ晴らした。
こうして,ヤムチャ,ブウ,パン,未来トランクスは決闘の場所に行き,ブラはそこを観察できる高台に身を隠した。
かなり距離が離れているが望遠鏡では十分観測できる。
ブラは何やらブルマに連絡をとっている。
ブラ「異常ないわ。ママ。お兄ちゃんにヤムチャさん,パンちゃんもブウさんも皆そろってる……」
ブルマ『誰か戦いの最中逃げ出したらすぐに伝えてね。ここへ向かった来る可能性はあるからね』
ブラはヤムチャに作戦をパァにされた後も両陣営に互いの情報を売って漁夫の利をたくらんでいたのだが,
プーアルの為に必死になって頑張っているヤムチャに心を打たれて,完全にヤムチャの味方となったのであった。
ブラはヤムチャの指示で,ブルマに知られてもいいような…むしろ知っていれば欺きやすくなるような情報だけを流していたのである。信頼させるために嘘の情報はまだ流していない。
勿論「小遣いアップね!」はブラ本人が勝手に付け加えていたのであるが…。
ブルマとベジータも一応,ブラがヤムチャの仲間であるかもしれないと疑いは持っていた。
……が特に嘘の情報を持ってくるわけでもないので,泳がせていたというわけである。
仮にヤムチャの仲間であってもブラの情報に流されなければいいだであると踏んでいたのだった。
一方,現代トランクス,ウーロンは18号に連れられブルマの待機している場所へむかった。ブラの作った特殊レーダーを使えば場所はまるわかりだ。
ウーロン「じゃ…じゃあ。オレが18号におぶさるよ…」
18号「や…やなこった。あんたは下。首ねっこつかんで連れてってやるよ」
現代トランクス「じゃ…オレが18号さんにおぶさるんですか…。何か照れるな…」
ウーロン「くそぉ羨ましいぜ!」
ヤムチャ「いいなぁ」
現代トランクス「じゃあ…失礼します…」
18号「……トランクス……。どこ膨らませるてるんだよ…」
現代トランクス「す……すみません…。」
18号に密着して,興奮を抑えきれないうぶな現代トランクス。人妻とはいえ,若々しい18号に背負われて正常でいろと言うほうが無理だ。
ふわりと飛び上がっていく18号たちを見送るヤムチャたち。
気がない18号は移動しているのをベジータに感づかれる心配はない。
ブルマがスカウターを使っていたとしても同じことだ。
ヤムチャ「ふぅ。これで…あとは奴らがブルマからボールを奪えば完了だな…。
ベジータの気もゆっくり動いている。
オレらもそろそろ行くぞ。約束の場所に」
未来トランクス「やはりヤムチャさんの予想通り,父さんはボールを持たずに母さんに預けたんですね……」
ヤムチャ「ああ。さすがのベジータもブウには絶対に勝てるとは言い切れん。
悟空もやられちまったんだからな。ヤツもわかっている。
おまけに今,ブウは悟空も吸収しているしな。ベジータも警戒しているだろ。
万が一ベジータがブウにやられたとしても……だ。」
未来トランクス「そうか。ボールを奪われなくてすむ……というわけですね」
ヤムチャ「……一種の賭けだったんだがな。ブルマにボールを預けるというのは」
未来トランクス「しかし…大丈夫でしょうか?」
ヤムチャ「何?何でだよ…?」
未来トランクス「いえ…あの中の誰かが自分の願いを叶えてしまうんじゃないかって…」
ヤムチャ「…え……。いや……それはないだろ…結託した仲間なんだから……
いや…それは………ないよな……」
未来トランクス「……知りません……。」
ヤムチャはずっと昔にウーロンが神龍に願いを叶えたときのことをふと思い出した。
ブルマが待機 ベジータ
(ドラゴンボールが (空のボックスを持ってくる)
特殊ボックスに入れられ ○
入っている)
メカフリーザも待機 ヤムチャ,未来トランクス
パン,ブウ が待機
●
← 18号,現代トランクス,ウーロン
(18号が運んでいるため気を
行動がばれない)
パン「あの〜…ヤムチャさん。あたしふと思ったんだけど」
ヤムチャ「何だい?」
パン「わざわざ18号さんに頼まなくてもさ,どっちかのトランクスが飛行機に乗ってブルマさんのところへいいだけじゃない?」
ギクッとするヤムチャ………と作者。
未来トランクス「それもそうですね。オレもこの世界のオレもフリーザがボディーガードになってても一撃で倒せますし……どうしてですか?」
ヤムチャ(言えない……。ホントは18号におぶさりたかっただけだなんて…。
当初は,オレに変身させたウーロンをここに置いて,オレは18号に乗っかってブルマの元へいこうとしてたんだけど。
それだけの為にウーロンと18号を作戦に組み込んだんだよな…。
しかしウーロンの変身時間が5分だってこと忘れてたからな…。
別の作戦にするしかなかったんだ)
ヤムチャ「あ…あははは。いやぁさ,ブルマが何,準備してるかわからないだろ。
もしかしたら,18号対策もできてるかもしれないし,トランクスの弱点も知ってるかもしれないし。
ウーロンなんかお色気攻撃でダウンするかもしれないし。
それに飛行機で近づいてみろ。遠くでも音でばれる。
ブルマに警戒されてしまったらスマートに奪うことができなくなる!
それとまぁ18号の場合はスピードは乗り物の比じゃないし,ブルマがジェット機で逃げた場合でも気を発散せずに追いかけることができるだろ!」
未来トランクス「ははぁ,なるほど。策は二重三重にってことか。
あらゆる最悪のことがおこっても対処できるようにしているんですね!さすがです」
パン「ヤムチャさん。すご〜い」
ヤムチャ「さて…くだらんおしゃべりは終わりだ…!……来るぞ!」
作者(言えない……。
ホントは18号を使って下ネタを書きたかっただけだなんて…。
当初は18号を登場させないようにすればよかっただけなんだけど,軽い下ネタをどうしてもはずしたくなくて…。
まぁ単なる自己満足SSだから我慢してもらうとしよう)