ドラゴンボール最後の願い

 

第21話 パンとヤムチャの活躍

 



さて…ヤムチャとパンがフリーザを撃退したあと…え?ヤムチャ,何もやってなかったって…?そ…そんなはずはない。
ヤムチャ「そ…そうだぞ!必死にパンちゃんの無事を祈ってたんだ!!これ以上の貢献があるか!!」
パン「何言ってるの?ヤムチャさん」
ヤムチャ「何でもないよ……」

行く先にヤムチャのアジトが見えてきた。ちょうど別の方向からもトランクスが帰ってきた。むこうもこちらに気づいて近づいてきた。
トランクス「あれ…ヤムチャさん…」

ヤムチャ「お…おい!!トランクス!!出歩くなって言っただろ!この時代の連中と会ったらどうするんだ!話がややこしくなる!それにプーアルの看病をしてくれって言っただろ!」

言い合いながら3人はアジトへと降りていく。

トランクス「だ…大丈夫ですよ。たびたび返って様子をみてましたし。あと…フリーザの情報を…」

ヤムチャ「フリーザ!? あっ。そっか。お前フリーザを追っていたんだもんな。それなら安心しろ,フリーザならこのオレと…このパンちゃんが!!」

トランクス「ぇえっ!!ホントですか…!?この子が……。こんな小さいのに…すごい…。で気になってたんですけど誰です?」

そこへいつもと少し雰囲気の違うトランクスに驚いてしゃべらなかったパンがやっと口を開いた。3人は既にアジトの中へと入っている。

パン「ねぇ……ヤムチャさん…この人…トランクスじゃないの…?」

ヤムチャ「いやまぁトランクスだけど…。違う世界のトランクス…。で,この女の子が悟飯の娘のパンちゃん」

トランクス「悟飯さんの娘さん!?」

これには驚いた未来トランクス。

パン「ねぇヤムチャさん〜。もっと詳しく教えてよ〜」

ヤムチャ「熱は……どうやらさがっているな。あぁ。ちょっと待ってな。」

ベッドに寝ているプーアルの熱を手で計りながら,ヤムチャは応えた。

ヤムチャは冷蔵庫から冷たいジュースを持ってきて椅子にこしかけた。

ヤムチャ「ほら。まぁ飲みな。ん……
そ…。そうだ……。オレはバカだ。
このトランクスの力を借りればもっとうまくいったんだ…。少なくともあのWハゲにはボールを奪われずにすんだのに…」

パン「だからぁ,説明!」

ヤムチャ「お…おう。そうだった。
このトランクスはオレたちと違う次元の世界からやってきたトランクスなんだ。オレらの世界が今,こうして平和に保たれているのはコイツが未来から危機を教えにきてくれたんだ…。」

パン「えーっ?どうなってたの?」

ヤムチャ「人造人間に破壊されつくす絶望の未来だ」

トランクス「えぇ。人は何億人も殺され街は壊され…もう地獄ですよ」

パン「人造人間って18号さんみたいな?」

ヤムチャ「みたいっていうか…そのものというか…違うというか…」

トランクス「えっ!?この世界には人造人間がまだいるんですか!!なぜ…!?破壊されなかったのですか!?」

ヤムチャ「いや…その…お前の世界の人造人間とはどうやら違ってたようでさ…」

トランクス「わ…わからない…」

パン「あたしもわかんな〜い」

ヤムチャのへたくそな説明は1時間にも及んだ。
コップのジュースもとうに空になっていた。

トランクス「はぁ…何となくわかりました。」

パン「あたしはサッパリ。でも,このトランクスが別の世界のトランクスだってことはわかったわ!」

ヤムチャ「そこまでしかわかってないの!?それ一番最初に言ったことじゃん」

パン「でもこっちのトランクス,カッコいいよね!大人っぽい!この世界のトランクスはな〜んか甘えん坊でさ」

ヤムチャ「まぁ…こっちの方が年下なんだけどな。6つも…。」

パン「じゃあこっちのトランクスなら…そんなに年も違わないし…それに格好いいし…えへへへ〜」

パンは照れながらもトランクスの腕をつかむ。トランクスもはにかみながら席を立つ。

パン「じゃあ。そろそろ行こうよ,ヤムチャさん。サタンおじいちゃんのところへ」

ヤムチャ「そうだな。よし!」

すっかり仲良くなった未来トランクスとパンを見ながらヤムチャは

(それでもトランクスはロリコンになっちまうな)

と真面目に考えていた。

 

3人は,ブウの気を探りその方向へと向かった。
始終,パンは未来トランクスにベタベタだった。ヤムチャは完全に蚊帳の外。
トランクスも少々困り気味であった。

ヤムチャ「おっ。奴らの動きが止まった。……方向からしてサタンシティか……」

パン「わかった。家で待機するのよ。きっと」

ヤムチャ「なるほどな。悟飯やベジータが奪いに来てもそう派手に暴れられないってわけだ。まぁオレらは押してだめなら引いてみるという作戦だがな」

トランクス「あの……そのパンちゃんのおじいさんって方は一体……」

パン「現役の世界チャンピョン!地球を救ったヒーローよ!まぁそんなに強くないけどね!」

ヤムチャ「パ…パンちゃん!……お前には人造人間戦のことをあまり詳しくいいたくないんだよなぁ……。これ終わったらいくわけで…」

トランクス「そ……そうですね」

前方にサタンシティが見えてきた。上空まで来るとサタンの大きい豪邸も見える。

パン「じゃあ,あたしにまかせてね!」

パンはウィンクをするとまっすぐサタンの邸宅へと降りていった。

それを見ながらヤムチャはトランクスをからかう。

ヤムチャ「ははは。どうやら気に入られちまったなぁ」

トランクス「よ……よしてくださいよ。互いに次元が違う世界の住民…。
深い仲にはなれませんよ…。決して……。」

ヤムチャ「相変わらず真面目だな。お前さんは…。冗談だよ」

 

――その頃。サタンの部屋ではパンがヤムチャの助言をもとに必死にサタンを説得していた。

パン「おじぃちゃぁん。ダメぇ?」
上目遣いでサタンを見つめるパン。

サタン「パンちゃん……。」
サタンが高価そうな椅子に座り,うーんと悩んでいる。
さすがに孫に甘いサタンといえどもおいそれとはボールを渡せない様子だ。ブウが頑張ってあの悟空から守り抜いたボールでもあるのだ。
サタンの傍らにはいつものようにブウがいる。
相変わらず無表情にパンとサタンのやりとりを見ながらクッキーを食べている。

パン「空の飛び方ならあたしが教えてあげるって!」

サタン「だってやっぱり大変じゃないか……」

パン「空を飛び方を覚えれば,かめはめ波も撃てるようになるかもしれないよ!
同じ気の操作なんだから!」

サタン「ホントかい!?パンちゃん」

実際,かめはめ波を撃つのには,潜在能力の高さもかなり関係するところではあるが,ここは嘘も方便というやつである。

パン「うん! 気のコントロールを覚えれば,カラダも若さを保てるし,頑丈になるんだよ。ブウに頼らなくても,普通の武道家なら1人でやっつけられるようになるよ」

サタン「そ…そうなんだ。」

パン「何でも自分の力で身につけることが大切よ!」

サタン「そうだね。パンちゃん。悟空さんたちも地道に努力したからあんなに強くなったんだもんね…」

サタンは懐からドラゴンボールを取り出し,じっと見つめてから,パンにすっと差し出した。ほころぶパンの顔。

パン「わーい。ありがとう!おじいちゃん」

サタン「パンちゃんにはかなわないな…」

ポリポリと薄くなった頭髪をかく。

サタン「ところで,パンちゃんの願いは何なんだい?」

パン「おじいちゃんったらレディにそんなこと聞くなんて失礼よっ!」

サタン「ご…ごめんよ。パンちゃん」

パンは小悪魔的にクスクスと笑うと窓から飛び出していった。

残されたサタンは,心配そうに首を傾げる。

サタン「失礼なことなのかな…。どっちにしてもパンちゃん,全部集められるかな。
まだベジータさんも悟飯くんもいるじゃないか。
ブウさん,すまんがもしパンちゃんから手伝ってほしいという依頼があったら,手伝ってやってくれないか?」
ブウ「いいぞ。サタンの好きなもの。オレも好き。」

そう言ってブウはにかっと笑った。

 

 

 

現在のドラゴンボールの状況

悟天(3),悟飯(2),ベジータ&ブルマ(1),ヤムチャ&パン&未来トランクス(1)


 

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思いがけず一個のボールを手にしたヤムチャ。だが強敵はまだまだ多いぞ。油断するな!ヤムチャ!してもしなくても変わりないけど。

 

 

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