ドラゴンボール最後の願い

 

第14話 ヤムチャ 諭す (カスミン調)

 




さて…何話ぶりだろうか。やっとヤムチャの話に戻る。

ヤムチャは天津飯に敗れた後,ずっと天津飯の後を追っていたのである。今はその天津飯を敗ったトランクスを追いかけている。

だが,ボールを取り返す作戦はない。ただ,スキを見計らって奪い去るしかない。

遥か前を飛ぶトランクスの動きがふいに止まる。

ヤムチャ(ん?どうしたんだ?)

急にトランクスがきびすを返しこっちに向かって飛んでくる。あっという間に目の前まで迫ってきた。

トランクス「ヤムチャさんか…。妙な小さい気がこそこそ追いかけてくるんで気になってたんですよ」
ヤムチャ「げっ。ばれてたのか!」
トランクス「目障りなんで,消えてもらいます。」
ヤムチャ「ちょっ…ちょっと待って!」

殺気立つトランクス。なきそうになるヤムチャ。

ヤムチャ「待ってくれ!トランクス…お前の願いは何だ?」

トランクス「貴方には関係ないでしょう!」

ヤムチャ「ははーーん。何かの悩みを解決してもらおってんだな…」

トランクス「なぜ…それを…」

ヤムチャ「……願いを堂々と人に言えないこと…それにムキになるところからオレはそう判断した。
     …そしてその悩みは…」

トランクス「はいはい。わかりましたよ。貴方には嘘は通じそうにない。
      オレ,女性の前に出るとあがっちゃって,まともに話すことができないんです。
      それで彼女もできず…。悟天なんか何人もの女の子とつきあっているのに…」

ヤムチャ「…いや…あいつはどうかと思うが。やっぱりな。
     ブルマから聞いたことがある。奥手で困ったもんだってな。」

トランクス「母さんが…?…ったく……」

ぶつぶつ文句を言うトランクス。一方ヤムチャは何故か強気になっている。さきほどまでびくびくしていたのに。

ヤムチャ「トランクスよ。そんな程度の悩み…神龍に願う必要はない!!」

トランクス「何っ!」

ヤムチャ「そんな他愛のない悩みなど自分で解決できなくてどうする!」

かつての自分のことなど棚に上げてえらそうに説教をし出すヤムチャ。

ヤムチャ「オレもな…。いや…オレはお前以上にあがり性でな…
     女性の前にたつだけで気絶しそうなほどのウブだったんだぞ…」

トランクス「そういえば母さんから聞いたことがある…
      ヤムチャさんは昔,女性の前にすらまともに立てなかったと…」

ヤムチャ「しかし…必ず自分の力で克服するぞと願っていたらいつの間にか平気になっていたんだ。
     それ以後オレは(女に関する)どんな困難が立ちふさがろうとも
     クリアしてくることが出来たのさ。
     たとえドラゴンボールでそんな願いを叶えたところで
     お前は本当の意味で強くなれないんじゃないか?
     もし願いを叶えて彼女ができてたとしよう。
     そしてその女性とケンカしてしまったら,お前はそれを解決できるか?
     できまい。そんなに単純なことじゃないんだよ」

トランクス「ヤ…ヤムチャさんの言う通りだ。
      ハードルを自分の力で一つ飛び越えないかぎり…前には進めない。」

ヤムチャ「まぁそんなに気にすんな。女性に関する悩みならオレにまかせろ。
     アドバイスならいくらでもしてやる」

トランクス「ホントですか!」

ヤムチャ「ああ。もちろん。……でだ。お前のドラゴンボールを…」

トランクス「…えぇ。ボールは渡しましょう。で,ヤムチャさんの願いは?」

ヤムチャ「プーアルが病気なんだ。原因不明の。医者も手の施しがないってサジをなげてな…」

トランクス「そうですか…。」

陰鬱な顔をするヤムチャにトランクスはボールを差し出す。

トランクス「頑張って下さい…」

ヤムチャ「ああ。サンキュー!」

ヤムチャ2個のドラゴボールをゲット。

トランクス「それにしてもヤムチャさん…気づいてないのだろうか…。股間が破けていることに……」


 

さて…現在のボールの状況は…

ヤムチャ(2),悟飯(1),ベジータ(1),ブウ(1),ピッコロ(1),悟天(1)

 

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恋愛は痛みがないと成長しませんね…。


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