ドラゴンボール最後の願い
第11話 天津飯VSトランクス
天津飯「ふふふ。こうまでうまくいくとはな。レーダーにボール…。しかも一番弱いヤムチャから手に入れられるとは…。運は完全にオレたちのほうにむいてきているぞ」
餃子「ウン!」
天津飯「必ず……お前の願い叶えてやるからな!」
軽快に空を飛ぶ二人。天津飯が手元のレーダーを確認する。
天津飯「むっ!狙っているボールが動き出したぞ。近づいてくる…。」
餃子「だ…誰?」
天津飯「わからん。だが,勝負運は今日はばっちりのはずだし」
天津飯が自分で自分を安心させようと必死に自己暗示をかけている。そんなことはおかまいなしにボールの反応はどんどん近づいてきた。
天津飯「この気は……トランクスだ!」
慌てて隠れようとする天津飯&餃子。
天津飯「都合のいいことに下はジャングルだ!身を隠せられる!何から何までついているぜ!」
二人は急いで下に横たわるジャングルへと降りていった。鬱蒼と茂る熱帯性の植物に身を隠しながら上空の様子を探っている。
やがてレーダー上でボールの反応が自分たちの持っているボールの反応と重なり合った。
つまりその保持者が上空まで来ているということになる。
天津飯「やはりトランクスだ。ずいぶん成長したな。未来から来たあいつとウリ二つだな」
どうやり過ごそうかと考えている天津飯。――が。
餃子「あ…あいつまっすぐこっちへ降りてくるよ!」
天津飯「な…っ。なにぃ!?
バカな!ちゃんと気を消してるのに…」
餃子「だって……ボールの反応で…」
天津飯「あっ!そうか!! どうしよ!」
当たり前のことなのに驚きあわてふためく天津飯。
トランクス「ん?何か声がしたかな?」
意味もなく手でバッと口を押さえる二人。そうしている間にもトランクスは降下してくる。
天津飯「そうか。餃子。ボールの反応で見つかってしまうのなら,ボールをここに置いてオレたちは別の所へ隠れよう。」
餃子「意味ないじゃん……それ」
天津飯「えっ。何でだ!?」
ガサ……天津飯の背後で草をかきわける音がした。振り返ると不思議な顔をしたトランクスと目が合う。
トランクス「え……?」
天津飯「太陽拳!!」
トランクス「ぐわっっっ!!??」
まさか人がいるとは思わなかったトランクスは完全に油断していた。まともに太陽拳の閃光を浴びてうめいている。
そのスキに天津飯はトランクスの脳天に肘撃ちを喰らわし,地面へと叩きつけた。
超化させなければ腕は五分と五分……天津飯の経験がそう教えていた。
天津飯「新・気功砲!!」
軽くジャンプし,トランクスの真上から必殺の気功砲を発射。
ザンッッ!
…と空気を切り裂くような鋭い音を立てて,トランクスの周囲の地面がえぐりとられた。
天津飯「はっ!はっ!はっ!」
餃子「天さん!やめて!死んじゃうよ!どっちも」
なおも連発する天津飯。みるみる血の気を失っていく天津飯を餃子は止めに入った。
天津飯「はぁ…はぁ…やったか?」
「やったか?」と言う台詞を誰かが言った場合,やってない場合100%。このときもまた然り。
綺麗に真四角にあいた穴の中から素っ裸のトランクスが現れた。黒こげになりながら。
手にはドラゴンボールが握られている。一瞬のうちにガードしたのだろう。
トランクス「……なんてことすんですか。あなたは。超サイヤ人にならなかったら死んでましたよ…」
天津飯「なッ…。ピンピンしてやがる……。」
驚愕しながらもトランクスのさらけ出された股間をじっと見つめる。
トランクス「なっ…なに見ているんですかっ!」
天津飯「え……あ…いや…。……くっくっく。面白い。ここからが本番だ。」
トランクス「いいでしょう。どなたかは知りませんがボール頂きますよ」
天津飯「新排球拳!!いくわよ〜〜〜!!」
数秒後――。
トランクス「さて……。確かにボール頂きましたよ。服もね。あとレーダーも貴方に壊されてしまったんでもらいます」
素っ裸にされてのびている天津飯。餃子も白目を向いている。
天津飯のもっていた小さい袋に自分のボールと天津飯から奪ったボールを入れた。
二人のことなどもはや見向きもせずさっさと空へ舞い上がるトランクス。
トランクス「けっこう強い人がいるもんだなぁ。悟空さんの昔の仲間だろうか。
よく話に出てくるパンプットさんかも…。ナムさんかな…?」
どうやら悟空たちの会話に天津飯はめったに出てこないようだった。
二個のドラゴンボールを早くも手に入れたトランクス。…だが,彼を追う怪しい影の存在を彼はまだ知る由もなかった。
一方,天津飯たちは意識を取り戻した。トランクスがそれほど強い攻撃をしなかったからであるが…。
天津飯「くっそォ…。まだ諦めんぞぉ…。必ずリベンジしてやる…!」
復讐に燃える天津飯。果たして天津飯はトランクスからボールを奪い返せるのであろうか。
トランクスを追う影とは……。まさかヤムチャじゃないよね?
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