ドラゴンボール最後の願い

 

第一話 悟空の企み あとどーでもいいキャラの飛び入り参加

 

ついに最後のドラゴンボール争奪戦が始まった!
願いを叶える者は果たして……?

 

巨大な気が半球体の天界から八方へと拡散していく。
ドラゴンボール争奪戦に参加した者たちが,目的のドラゴンボール目指して一直線に飛び立ったのだ。
そんな中,悟空だけが余裕で天界に残っている。天界の端でしゃがんで下界を見下ろしている悟空。ときどき手元のレーダーを見ながら。
デンデ「ご…悟空さん?出発されないのですか?」
悟空「いやぁ。オラには瞬間移動があるしな」
不可解な行動に疑問を思ったデンデにいつもながら軽い調子で答える悟空。
デンデ(そうか。悟空さんはレーダーに動きがあるまで待機し,動きがあったら瞬間移動で奪いに行くつもりなのか。体力も無駄に消費しなくていい…。)
悟空の魂胆がわかったデンデ。待ちこがれている悟空の表情を見ながら感心する。

一方…他の面々は…
ベジータ「カカロットの奴…天界に残っていやがる…!そうか…。瞬間移動だな……。フン。考えたな…だが,ドラゴンボールを手にするのはオレだ!!はーはっはっはっは」
意味不明に笑いながら全力で飛ばしていくベジータ。

 

こちらはサタンとブウのペア。
サタン「ブウさん!そ…そんなに飛ばさないで…」
ブウのマントにしがみつきながら叫ぶサタン。
ブウ「早くしないと取られちゃうぞ。ボール」
サタン「も…もうすぐですから…。あっ!あの煙をふいている山から反応が…」
レーダーを見ながらブウに位置を教える。どうやら目当てのボールは活火山の火口の中のようだ。
ブウ「よーし。突撃するぞー」
サタン「え!?ちょ…ちょっとタンマ…タ……ひぃぃぃぃぃ〜〜〜」


クリリン&18号ペア――。
クリリン「後ろからでかい気が追ってきている…。ヤムチャさんかな…」
18号におぶさりながら,後ろを振り返るクリリン。
18号「ヤムチャ?誰だい?そいつ」
クリリン「ほら。プーアルの主人の」
ヤムチャ「ああ…。あいつか。ほおっておいても問題ないよ」
クリリン「そうだけど。ヤムチャさんずる賢いからな〜…」
悪口を言われているとも知らず二人を必死に追いかけるヤムチャ。
追っているというより同じドラゴンボールに向かっているのだが。
ヤムチャ「くそっ…!どんどん離されていく…」
突然ヤムチャの背中に何かがぶち当たった。
そのまま下に広がる森林地帯に墜落する。
ヤムチャの激突によってできたクレーター。もうもうと土埃がたちあがっている。そこに二つの影が降り立つ。
ヤムチャ「くそっ。だ…誰だ…!!お…お前は…」
ヤムチャは目を見張った。その男は自分とともに地球の平和のために,悪と戦った孤高の戦士…天津飯と餃子だった。
天津飯「よぉ。相変わらずだな」
ヤムチャ「て…天津飯!!…ひ…久しぶりだな…。何年ぶりだ?」
思いがけない人物の登場に,つきとばされたことを少し忘れるヤムチャ。
天津飯「知らんな…。ところで…そのレーダーを渡してもらおう」
ヤムチャ「…!?…ま…まさかお前もドラゴンボールを…」
天津飯「そういうことだ。あそこに居なかったからといって参加できないわけではないだろ?ふっふっふ」
ヤムチャ「なるほどな…。何を願うか知らないが…力尽くで奪ったらどうだ?」
ヤムチャはささっと狼牙風風拳の構えをとる。
ヤムチャ「新狼牙風風拳!Ver.2!」
天津飯「おもしろい!!」


20秒後――…


天津飯「さて…南南西に400km…か」
奪ったレーダーを見て天津飯はつぶやく。二人は最も近いドラゴンボールの場所に向かった。顔をボコボコに腫らして倒れているヤムチャを後目に。
ヤムチャ「えぐっ…えぐっ…。ちくしょぉぉ〜〜」

 

ひっく…ひっく…森の中で嗚咽するヤムチャ。

しばらく泣いたあと,むくりと起きあがって,パンパンと服のほこりを払う。
ヤムチャ「くそぉ〜……。まだあきらめねぇぞ。プーアルの命がかかっているんだ」
しかし,レーダーをまず取り戻さなければ話にならない…。
天津飯たちから奪い返せるだろうか。いや…カメハウスに一個おいてあったな…。ではまずカメハウスに行ってみようか?だがふといい考えを思いつく。
ヤムチャ「ちょっと待てよ…。何も奴らと競争する必要なんてないんだ…。」
そうつぶやき,カプセルコーポレーションに向かう。

 

その頃――。
ブウはマグマの中に落ちていたドラゴンボールをいち早く見つける。
ブウ「サタ〜ン!やったぞ!ボール見つけた!!」
火口から飛び出し,近くで待機していたサタンを呼んだ。サタンも駆けよってくる。
サタン「よっしゃー!ブウさん。よくやった!あと6つだ!楽勝!!」
ブウ「よし!次のボール探しに向かうぞ」
サタンはボールをリュックにしまうとまたブウの背にまたがり,振り落とされないようにマントをぎゅっとつんだ。
サタン「では行きましょう!ブウさん!レッツゴー!」
ドンッッと勢いよく出発するブウ&サタンペア。

 

一方,悟空はドラゴンボールの動きを察知していた。レーダーを見ながら言う。
悟空「おぉ!?動き出したぞ。この気はブウか。さすがにはぇぇなぁ〜〜。」
立ち上がり二度三度,屈伸する。
悟空「よし!行ってくっか!ひさびさにワクワクすんぞ」

ビッ!!

悟空は天界から瞬間移動によってあっと言う間にブウたちの元へ移動した。
海上をぶっとばしていたブウたち。その前に悟空がいきなり現れた。
急ブレーキをかけるブウ。とばされそうになるサタン。
悟空「よぉ。おめぇたちのボールをいただこうと思ってな」
サタン「ご…ごご悟空さん…!」
ブウ「いやだ。オレ,サタンのためにボール集める」
悟空「そう言うと思ってたぜ。じゃあ戦おうぜ。」
サタン「ブ…ブウさん…」
ブウは心配するサタンを適当な島に降ろすと,上空で悟空と向かい合う。
悟空「いやぁ…ワクワクするぜ。ブウ!何年前だろうな。おめぇと戦ったのは…。チチはドラゴンボールで『悟天の女遊びをやめさせたい』らしいけど…。
オラ,実はみんなと戦えるのが楽しみなんだ。チチにはわりぃけど」
ブウ「オレも楽しみだぞ。」
悟空もブウもニヤリと笑う。不安げに空の二人を見上げているサタン。
孫悟空 VS ミスター・ブウ決戦開始。

 

二番目にドラゴンボールを見つけた者は……。
カメハウスにクリリン&18号夫妻がやってきた。
クリリン「いひひひ。一個はもともとここにあったんだ。」
カメハウスには亀仙人とウミガメとウーロンがいた。
なぜか亀仙人とウーロンはやけにすっきりした表情で,ウミガメはちょっとなきそうな顔だった。
そんな彼らの様子を気をとめることもなく,カメハウスに入るなり急いで二階にあがっていった。
二階の寝室に保管しておいたドラゴボールをとりに行くクリリン。が…
クリリン「ぎえぇぇ〜〜!!??取られている!!」
二階からクリリンの叫び声が聞こえてきた。階段から転げおちてくるクリリン。
18号「ホントにないのかい?さっきまで反応があったじゃないか」
クリリン「あぁ。それを…まさか…」
頭をさすりながらクリリンはウーロンのほうをむいた。殺意に満ちた表情で…。
18号「……あんたかい?」
ウーロン「ぎぇっっ!! バカ言うなよ〜!! ドラゴンボールならヤムチャが取っていったんだよ。ちくしょー。オレも集めようと思ってたのにさぁ…。ヤムチャがむりやり…」
亀仙人「そ…そうなんじゃよ!ヤムチャが急に現れての!」
ウーロンと亀仙人が落ち着かない様子で必死に弁解する。
レーダーを見ると確かにこのカメハウスにはボールは既になく,離れたところに反応があった。
クリリン「ホントだ…。ヤムチャさんが…?後ろにいた気がしたのに……どうやって先回りを…?」
18号「どうせまたずるいことしたんだろ?すぐに追いかけよう!クリリン!」


人里離れた渓谷――…
深い谷間の底でベジータがひっそりと佇んでいた。澄んだ川の底には目の前にはドラゴンボールが沈んでいるのが見える。
ブウがドラゴンボールを見つけているころ既にベジータもドラゴンボールの一つを見つけていたのだ。
ベジータ「くっくっく。おっぱじめやがったな。戦っているのはブウか。そうなるだろうと思って,やつらが戦い始めるまで手をつけなかったんだ。」
そう言ってポケットからホイホイカプセルをとりだす。
ボンッ
派手な音を立てて現れたのは特殊なボックス。ドラゴンボールから出る電波を遮るというモノだ。ここにボールを入れ,意気揚々と飛び立つベジータ。
ひとまずはカプセルコーポレーションで待機だ。
悟空の奴が残りの6つのボールを集めるまで…。

 

 

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