ヤムチャ編 最終章 その後… 〜ナメック星編〜




〜登場人物〜
孫悟空...主人公。ブルマと結婚した。家はカプセルコーポ。

孫悟飯...悟空の息子。髪は青い(水色)。

クリリン...悟空の親友。チチと結婚。

ウパ...クリリンとほぼ互角の強さ。背は悟空より少し低い。

ピッコロ...原作と変わらない。ただしサイヤ人編では死ななかった。

ヤムチャ...フリーザの元部下でヤムチャ軍の首領。悟空と同等の力を持つ。

プーアル...ヤムチャの相棒。実はずっと側についていた。

ブルマ...悟空と結婚。次の子供の名は絶対パンツ系にしたいと思っている。

 


1.ナメック星へ



ヤムチャが目覚めるとそこはカプセルコーポレーションの一室だった。
ヤムチャは自分がフリーザという宇宙の帝王の部下であることを皆に語った。一同は驚きを隠しきれなかった。

さらに,フリーザはおそらく近いうちにナメック星に乗り込み,ドラゴンボールで不老不死を願おうとしていることを告げた。

悟空と戦う直前に盗聴したところ,既に出発したらしい。

そんな恐ろしい奴が不老不死になどなったら大変なことになる,と皆は考え,ナメック星に行くことに決めた。

また,ピッコロは自分の故郷の者たちが苦しんでいるのをほおってはおけないと,いつのまにかいい奴になっていた。

話を聞いていた界王からフリーザには手を出すなと言われたが,うまくドラゴンボールを奪ってすぐ逃げればいい,と丸め込んだ

だが,悟空もピッコロも戦う気まんまんであった。

行くのは悟空,悟飯,ウパ,ピッコロ,ヤムチャ,プーアル,そしてブルマである。

ブルマは行きたくなかったのだが,宇宙船の故障などに備えて仕方なく乗り込むことになった。

やはりクリリンは,チチに怒鳴られていた。

「ダンナが宇宙旅行なんてしてる暇はねぇだ!娘の受験勉強は始まってるだぞ!親がまともな職につかねぇでどうするんだ!」

しかし,クリリンは堂々と言い返した。

「仲間の故郷が壊されかけているんだ!! 見捨てるような奴は男じゃない!」

ピッコロは「ヘッ...バカが!」と言い捨てたが,窓から空を見上げた眼には明らかに光るものがあった。

クリリン「っつーわけで,オレはいけないから...」

ピッコロ「結局行かないのかよ!」

堂々と言ってはみたものの後が怖いのでクリリン辞退を宣言。家庭を大事にするクリリン,しかし皆の評判は悪かった。

一方ヤムチャの方はというと,不安が残るものの,未来を知っていることもあって少しは安心していた。

が,フリーザに裏切りがばれたときの恐怖はさすがに拭いきれなかった。

ピッコロやウパたちはまだヤムチャを信じ切ってはいなかった。

ヤムチャが語ったのは時間が逆行したあとから今までのことで,それ以前のことについては全く話さなかったのである。

乗っていくのはサイヤ人の丸形宇宙船の改良型だ。

ナッパやラディッツ,悟空の乗ってきた宇宙船の部品をくまなく使って合計3機つくられた。

3機,造ったのは悟空やピッコロがナメック星に行くまで修行したいからと言い出したためで,2機には重力発生装置がつけられている。

どちらも100倍の重力を発生させられるが,悟空とヤムチャは実力が近いのでペアを組んだ。

ピッコロ,悟飯,ウパは,別の一機。重力装置がない船は,ブルマとプーアルが乗った。

3機は同時に発進し,ナメック星へと旅立っていった。

浦島効果とかまったく気にせずに,船は順調に航行する...はずだったが,途中,悟空とヤムチャの乗った宇宙船が故障してしまった......。
はてさてどうなることか。

しかし主人公は遅れて到着するというパターンに無理矢理させているような気がしても気にしてはならない。



2.悟空VSフリーザ


悟空とヤムチャが宇宙船の故障で立ち往生している間に,ナメック星では,ドラゴンボール争奪戦が繰り広げられていた。

もちろんベジータ,フリーザ軍,そして悟飯たちの間で,である。

悟空たちの宇宙船がようやくナメック星到着まであと数十分という頃。

ナメック星にはギニュー特戦隊が来てたり,フリーザは最長老のもとへ向かってたりと,争奪戦は終わりに近づいていた。

ついに悟空とヤムチャの乗った宇宙船がナメックに到着した。場所は,フリーザとネイルが戦っている場所のすぐ近く!ネイルはすでに深いダメージを負っていた。フリーザは宇宙船に近づいていった。

悟空とヤムチャ,外へ出る。

悟空「なんてことだ...。やたら強ぇ気をもった奴がゴロゴロいやがる」

ヤムチャ「フリーザめ。ギニュー特戦隊をよびやがったな...」

二人はあたりを見回す。ふいにヤムチャの顔が青ざめた。その視線の向こうには果たしてフリーザがいた。

悟空「何だって!? あいつがフリーザ!? なるほどすげぇ気だ!」

フリーザ「お久しぶりですね。ヤムチャさん。わたしのドラゴンボール探しに手伝いにきてくれたのですか? ......それとも......」

フリーザは既にヤムチャの裏切りを知っていた。命令外の地球への侵略はもちろん,ドラゴンボールの存在を前々から知りつつも,それをフリーザに教えなかったことに怒っていたのだ。

フリーザは臨戦態勢だ。ヤムチャがふるえているのを見て悟空は言った。

「おめぇは悟飯たちのところへ行ってくれ!むこうもやばい!こいつはオラが何とかする!」

ヤムチャは悟飯たちのもとへ急いだ。自分がいてもどうにもならないことを知ったいたからだ。悟空には勝算があった。

「思ったよりおめぇとんでもない奴じゃねぇな」悟空は余裕で言い放つ。

「わたしにそんなクチを聞いた者は始めてですよ。いいでしょう。宇宙の帝王の力を見せてやりますか。」

フリーザ対悟空の戦いの火蓋が切って落とされた。


悟空対フリーザ。勝負は互角!

悟空の思いがけない強さに驚く。悟空の戦闘力は100倍の重力の修行で9万ほどまでにあがっていたのだ。

さらに界王拳を使えば戦闘力は数倍に跳ね上がる。

一方,悟飯たちのところへ向かったヤムチャ。

到着したときには,悟飯,ウパが既に倒され瀕死の状態だ。ベジータもダメージを受け佇んでいた。

ピッコロはいないようだ。単独行動しているのだろうか。

ヤムチャの登場に驚くリクームたち。ヤムチャはウパたちに仙豆を与えた。

リクーム「誰かと思えばヤムチャじゃねぇか。随分久しぶりだな。何しに来た?」

ヤムチャ「お前たちを倒しにきたぜ」

リクーム「へっ!? 何だって!? 聞いたかよ!ジース,バータ!」

ギニュー特戦隊のメンバーはヤムチャとはソリがあわなかった。特にヤムチャを嫌っていたのはジースだ。リクーム,ジース,バータはヤムチャを囲む。

ジース「奇遇だな。オレらもこの仕事が終わったあと,貴様に罰を与えるように言われてるんだ。理由は自分で考えるんだな」

バータ「命まで取れとは言われてないが......言い訳は何とでも作れるぜ!」

ヤムチャ「お前らごときがオレにかなうと思っているのか?ギニューも呼んでこい。手間がはぶけるぜ」

リクームたちは確かにヤムチャに始めてあったときに比べて数段パワーを増していた。

しかし,ヤムチャは100倍の重力修行で驚くほど力をつけていたのだ!

リクームたち3人同時に相手をするヤムチャ。

ベジータはヤムチャとは面識はなかったが,噂だけは耳にしていた。ギニュー特戦隊レベルのフリーザの部下がどこかにいると。しかし,今見ているヤムチャの強さは明らかに噂以上!

「ア......アイツがヤムチャ......」

驚愕のベジータ。ヤムチャはリクームとバータを倒し,ジースに言った。

「フン。話にならんな。ジース,ギニューを呼んでこい。」

ジースは泣きそうな顔をして飛び立った。

ウパはヤムチャに,すべてドラゴンボールをフリーザに奪われたことを伝えた。

ヤムチャ「そう思って,わざわざ隊長を迎えにいかせたのさ。隊長はオレが相手するから,その間にドラゴンボールを奪い返すんだ。」

悟飯「ウパさん!ずっと向こうの方向で2つの凄い気がぶつかりあっています!」

ベジータ「この気はカカロットとフリーザ!!」

ヤムチャ「そういうことだ。悟空は今,フリーザと戦っている。」

ジースがギニューを連れて戻ってきた。悟飯たちはボール探しに行き,ベジータもヤムチャのスキをついてその後を追う。

ヤムチャ対ギニュー!ギニューは最大戦闘力を開放する。ヤムチャも界王拳を使う。

ギニュー「せ...戦闘力...18万!? それが貴様の真の力か!」

ヤムチャ「そうだ。これが今オレの出せるすべての力だ。お前はフェアな奴だが,ここで死んでもらう」

ギニュー「くくく......とんでもない強さだぜ。ならば......」


空を飛ぶベジータ。遠くで悟空のパワーを感じる。

「このパワーは……あのヤムチャすら超えている…!ま,まさか…超サイヤ人…!!」

場面は変わって悟空対フリーザ。ほとんどの互角の戦いだったが…。

「あなたはまだ力を隠しているようですね…。」

「バレたか…」

「しかしそいつを計算に入れてもわたしに勝つことはできない」

フリーザの挑発に悟空はついに全力の界王拳10倍を引き出す!戦闘力90万!戦闘力53万のフリーザも防戦一方だ。フリーザの顔が歪む。

その戦いをすぐ近くでピッコロは見ていた。ピッコロは単独行動をとっていた。そして,悟空に押されているフリーザから不気味な気配を感じ取っていた。このまま悟空の勝利かと思われたが…。


ヤムチャに圧倒されるギニュー。自分の身体を傷つけ,ついに秘策 ボディチェンジを使う。

「がはっ…気に入ったぞ。その身体……!! チェーンジ!!」

ヤムチャはニヤリと笑った。

「その技なら研究済みだ!!」

ボディチェンジがかけられる直前に,ヤムチャはふところから先ほど捕まえたカエルを取り出した。

「しまっ……!!」

バヂッッッ!!!! カエルと入れ替わるギニュー。カエルもギニューも下にまっさかさまに落ちていった。

「さぁて,お前はどう料理しようかな。ジース?」

「悪夢だ…隊長がやられるなんて…うわぁぁぁぁぁ〜!フリーザ様ァーーーッ!!」

ジースは逃げ出した。が,ヤムチャは操気弾のかまえをとり,

「そうはいかんぞ。いけっ!自動追尾操気弾ッ!!」

操気弾はジースを追い,彼方へと消えていった。そして,ヤムチャは悟空の援護へと向かった。






3.形勢逆転!フリーザの超変身



悟空対フリーザ。悟空の強さにフリーザは全く動揺していない。

ピッコロ「フリーザの落ち着きは何なんだ。何か手が残されているのか......」

それもそのはずフリーザには変身能力が隠されていた。フリーザの気が膨らみ,身体が変化しはじめた。変身完了。

「ハァッハァッ...!待たせたな。こなってしまっては前ほど甘くはないぞ。何しろ力がありあまってるんだ」

「............!!!!」

悟空は言葉が出ない。フリーザの気は悟空の最大パワーを軽く超えていたからだ。

フリーザ第二形態の戦闘力は100万以上!今度は悟空が一方的にやられだした。

ピッコロ「まずい...!このままでは......」

助太刀にいっても足手まといになるだけ。ピッコロは自分の無力さを悔やんだ。そのときすぐ近くで,小さなナメック人の気があることに気がついた。

ピッコロが近づくとキズだらけのネイルが倒れていた。

「オレと融合しろ」ネイルはピッコロにそう告げた。ナメック戦士の隠れた秘技......融合!二人が融合すれば今のフリーザでも勝てる!と。
同意したピッコロとネイルは融合し,超パワーを手に入れた。

悟空の攻撃はフリーザに全く通じない。フリーザの一撃でアバラが砕かれる。悶絶する悟空,それでもフリーザの攻撃はやまない!

フリーザ「フィニッシュだ!」

ドンッ!

そのとき,助けにきたヤムチャの操気弾がフリーザの背中にヒットする!

フリーザは少しぐらついたが,ノーダメージだ。ヤムチャの方に振り向くフリーザ。

「ヤムチャか。まぁ待っていろ。コイツの次にキサマもじっくり遊んでやるって!」

ヤムチャがあきらめかけたとき,強力な気がふいに傍らに出現した。

「ここからはオレにまかせろ...!お前は悟空を連れて逃げろ!」

「ピッコロ!わかった...。しかし悟空は瀕死だ。このままでは......」

「デンデに...いや...最長老さまの家の方が近いか...。そこへ連れて行け!」

ヤムチャは悟空をかつぐと教えてもらった方向へと飛んでいった。フリーザと対峙するピッコロ。さらに高レベルの戦いが始まった。



少し時間が戻るが,悟飯・ウパはドラゴンボールを奪うためフリーザの宇宙船へと来ていた。

ウパたちが到着する前にベジータも来ていた。悟飯たちはレーダーでドラゴンボールを発見した。

さて,これをどこに隠すか。いろいろ考えているとベジータが現れた。

「キサマら,死にたくなければいますぐ龍を呼び出し,オレを不老不死にするんだ!」

ウパが飛びかかるが,あっさりと捕まり地面にたたきつけられた。

「こいつの命がいらなければ,好きにするがいい」

仕方なく神龍を呼び出そうとするが,なぜか現れない。ナメック語で言わなければならないらしい。ならば最長老たちから聞き出してこいとベジータは悟飯に命令した。

行く途中で,悟飯はデンデと会うことができた。行けばベジータを不死にしなければいけないが,行かないとウパが殺される。

悩み抜いた末,デンデを連れていった。

デンデがベジータのもとに到着した。デンデが呪文を唱えはじめると空が暗くなった。ナメックの神龍,ポルンガが出現。

ベジータは歓びの声をあげる!が,不意をつき悟飯がベジータに殴りかかる!

ベジータ対悟飯!ベジータも悟飯も死にかけから復活してパワーアップしていた。

ベジータ苦戦。こいつも超サイヤ人に近づきつつあるのか!? ベジータは焦りが増していた。

その頃,変身したフリーザはピッコロと壮絶な戦いを展開していた。

突然,空が暗くなった。ピッコロは気づいた。

「ドラゴンボールを使ったか!?」

「なんだとッ!? ドラゴンボール!?」

てっきりドラゴンボールはギニューが守っているものと思っていたフリーザはあわてた。

「オレさまのドラゴンボールをぉ よくもよくも〜!」

フリーザは気を全開にした。ドゥンッ!!そして,全速力で基地に向かった。ピッコロも慌ててあとを追いかける!

「どいつもこいつもこのフリーザを出し抜きやがって!!願いを叶えるのはこのフリーザ様だ!! キサマら下等生物ではなーーーーーい!!」


悟飯対ベジータ。

悟飯のパワーもあがっていたが怒りの力を借りてないため,ベジータには及ばなかった。悟飯は大ダメージを受け,意識を失った。

「さぁ,コイツの息の根を止められたくなかったらオレを不死にするんだ!! オレが不死になってもキサマらには手を出さん!

いいかよく聞け!ドラゴンボールで誰を生き返らせてもフリーザがいる限り再び殺されるだけだ!奴に勝てるのは不死になったオレだけだ!」

ウパは仕方なくデンデにベジータを不死にするように言った。

「わかった。その者,ベジータを不老不死にしよう」

ポルンガがそう言った直後のことである。

グォォォォォー...!!

ベジータが光に包まれた。

恍惚とした表情のベジータ、ニヤリと笑う。

ベジータの野望完成!ベジータは今、不老不死を手に入れたのだ!

嬉しさのあまり絶叫するベジータ!


ベジータ「あーはっはっはっは!!!! これでフリーザに勝てる!ついでにうっとおしいキサマらも片づけてやる!」

ウパ「は,話が違うぞ!ベジータ!!」

ジリっと歩み寄るベジータ。

ベジータ「しねぇッ」






4.ベジータの野望完成!


ついに不老不死になったベジータ!

ベジータ「これでフリーザに勝てる!うっとおしいキサマらも片づけてやるぜ!」

ウパに歩み寄るベジータ。そこに,フリーザが恐ろしい気を放ちやってきた!

「あれは!? ドラゴンボール!!  オレを不老不死にしろォォォーーーー!!!」

「\∪Δ♂§ЙYЭЫЪю♀$±ЧЮ⊥ΛΠИЛФ!!(←ナメック語)」

続いてやってきたピッコロがナメック語で何事か叫んだ。するとポルンガは

「わかった。二つ目の願いは最初の願いを打ち消そう。」

「なにぃッ!? は!? ちょッ…おい!!」

「なんだとォッッ!?」

同時に声をあげるフリーザとベジータ。ベジータの身体からシュウゥと煙のようなものが立ち上った。

呆然とするベジータ。ピッコロは驚異的な聴覚で,ポルンガの声を聞いていたのだった。

空が明るくなり,ドラゴンボールは石に戻った。最長老が死んだのだ。

「意味わかんねぇ〜ッ!!」

「キサマらゆるさん…。ゆるさんぞ〜〜〜!!!! 1人残らず生かしては返さん!」

困惑するベジータをよそにフリーザは第二の変身を始めた。驚きを隠せない一同。フリーザはまだ二つの変身を残していることを聞き,絶望した。

「フリーザのヤロウが同じ願いと立て続けにいいやがったからオレの願いが相殺されたのか…!

おまけにドラゴンボールもただの石に…!これがドラゴンボールの裏ルール!

フリーザのヤロウめ…許さんぞ!」

1人で怒って1人で納得しているベジータ。その間に,デンデは悟飯を回復。

第三形態フリーザはピッコロを瞬く間に倒した。悟飯の怒りの底力を出すが及ばず。フリーザは最後の変身へ。

フリーザの最終形態の強さは想像を絶していた。ベジータの強引な瀕死復活も役に立たず,ベジータは倒れた。

ベジータがとどめを刺されようとしたまさに寸前,悟空が到着した。

悟空は,最長老が死ぬ前に回復させてもらい,さらに潜在力まで引き出してもらっていた。

「誰かと思えば死んでいなかったんだね。キミ」

「随分,可愛くなっちまったな。フリーザ」

悟空のパワーにフリーザを含めた皆が驚いた。ベジータは悟空にサイヤの誇りを託して逝く。悟空はフリーザといい戦いをしていた。

その頃,ようやくヤムチャが到着。

ヤムチャも最長老からパワーを引き出してもらっていたが,悟空のスピードには全然およばなかったのだ。

悟空,フリーザに圧され始める。隠していた実力に差があった。20倍界王拳も通じず,元気玉に全てを賭ける。

時間がかかる元気玉,すぐにフリーザに気づかれてしまった。

「バレてしまったな。オレが少しでも時間をかせぐ!!」

ヤムチャがフリーザに突撃。ピッコロも悟飯たちから気をもらう。

いかにパワーのあがったヤムチャとはいえ今のフリーザの前では赤子同然。フリーザに羽交い締め。

「ぐ…ぐふっ……。オレもここまでのようだ……。さらばだ…プーアル…」

意識が朦朧としてきた。ピッコロがフリーザに頭部にケリをいれ,ヤムチャの危機を救ったが怒りを買っただけだった。



その頃−。ブルマと一緒にいたプーアルに異変が起こっていた。

「どうしたの?プーアル……何か変よ?」

「ヤムチャさまが…あぶ…ない…ヤムチャさまが……」

ドンッ!ギャウゥッ!

その瞬間,プーアルは凄まじいスピードで飛んでいった。

「……プーアル……?」


うずくまるピッコロ。喉を掴まれ苦しがるヤムチャ。

「裏切り者には当然の報いだな。さて,お前を殺し,にっくきサイヤ人をゆっくりいたぶるか…」

腕に力が入れられ,ヤムチャは死を悟った。そこに,何かがやってきた。

「何か」はフリーザに強烈な体当たりをかまし,フリーザは勢いよく吹っ飛んだ。

「プーアル!?」

「ヤ,ヤムチャの飼い猫…!?」

「なぜ,プーアルにあんな力が……ま,まさかゲロが……!?」

今のプーアルには強力な気を感じない。まさか人造人間!?

「あのヤロウ…まさかプーアルを実験に使うとは……!! なんてことだ…。

ヤツの実験は既に完成していたんだ……(それにしてもなんてオイシイ役を持っていくんだ…プーアル)」

ゲロ自身,プーアルの力は知らなかったので本人は失敗だと思っていたが。

「今のは痛かった…。痛かったぞォォォ!!」

今度はフリーザが突撃し,プーアルがふっとぶ。岩場に激突し,苦しがるプーアル。

フリーザは星自体を消そうとエネルギー球をつくりだす!

だが,そのとき悟空の作り出した巨大な元気玉がフリーザを襲った!!フリーザに直撃!誰もがこれで終わりだと思った。



しかしフリーザは生きていた。まずはピッコロを撃ち倒した。ヤムチャがフリーザを押さえ込み,叫んだ。

「今のうちに悟空を連れて逃げろッ!」

次の瞬間ヤムチャの腹は手刀で貫かれた。激痛が走る。

(ハハ…死んだな…こりゃ……だが,今のオレは最高に輝いてるぜ……このまま死ねるなら本望だ…ぐふっ…)

「くくく。逃がすと思うか。一匹残らず始末してやる!」

フリーザはウパを中空で爆死させた。

「悟空さーーーーん!!」

ドォォォン!

そのとき悟空に変化が起こった!

「許さんぞォォ〜!フリーザァァ!」

プチンッ!

大地が震え,空気が張りつめた!黄金の気に身を包んだ怒りの戦士,超サイヤ人の誕生!

「悟飯!ピッコロを連れて今すぐこの星を離れるんだ!!まだ生きている!オレの理性のあるうちにさっさと消えるんだッ!」

プーアルは絨毯に変身し,ピッコロと悟飯をのせて飛び立った。

超サイヤ人対フリーザの因縁の対決が始まった。戦いは熾烈を極めた。

ナメックの中枢がフリーザによって破壊され,異変が始まった。フリーザは100%のパワーを開放。

一方,地球の神の特権により地球のドラゴンボールが使えるようになり,ドラゴンボールでフリーザやベジータに殺された者たち(悪人のぞく)は生き返った。


(生き返った者:ベジータ,ウパ,デンデ,ヤムチャ,最長老,ナメック人たち全員,ナム,パンプット,チャパ王。餃子はピッコロ編で生き返ってるので生き返れない)



さらにわずかに復活したポルンガの最後の願いで悟空とフリーザを除いた皆は地球へ移動した。

滅びゆくナメック星では悟空とフリーザの最後の戦いが行われていた……。








5.終幕


「やめだ」

悟空はフリーザに冷たく言い放つ。フリーザのパワーは既にピークを過ぎていた。

それに気づいた悟空はもう戦いをやめると言い出したのだ。

「フッ…。凄いモノだな。超サイヤ人の力というのは…。」

フリーザは妙に落ち着いていた。

「怒りの戦士か……。」

「あぁ…単なる怒りじゃねぇ。仲間が傷つけられる怒り。それがオレにパワーをくれた。」

「ベジータにはなれなかったワケだ。以前のオレならそんなこと,一笑にふしていただろうが,今なら信じられる……。

オレの部下に1人の変わり者がいた。今から10年以上前にそいつはとつぜん現れた。」
「ヤムチャか…」

「ああ。そいつはオレのどんな部下とも違う感じがした。猫を連れていてな,そいつはその猫の為なら自分の命を賭す覚悟もあったようだ。

オレには,そいつの気持ちを全く理解できなかった。オレの部下全員もそうだっただろう。

オレは今までずっとそのことを考えてきた。そんな心など何の意味があるのかとな。

ヤムチャという男が現れていなければとても信じられなかっただろう…。

他人を思いやる気持ちが力を生むなどということを……」

フリーザは涙を流していた。

「フフフッ。今になって諭されるとは…。だが遅すぎたようだ……。

行け。早くこの星を脱出しろ……。ゴフッ…」




そう言ってフリーザは倒れた。悟空はむなしそうな顔をして無言のまま飛び去った。



<<ヤムチャ編 最終章 その後… 〜人造人間編〜 に続く>>


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