残酷な神が支配する
- 950 名前:残酷な神が支配する :03/08/30 15:08 ID:???
- お父さん、お母さん、俺は何故生まれてきたのですか?
彼は、親の顔を見たことも無かった。
彼が産声をあげたのは、駅構内のロッカーの中。
おぎゃあ、おぎゃあ、と寂しく泣いていた。
親切な老夫婦が拾ってくれなかったとしたら、彼は、今生きていないだろう。
彼は目を覚ます。
何を、昔の、もう忘れたことを夢見ているのだ―――
彼は、目覚めのブラックを飲み干し、外に出る。
外はちょうど、太陽の一番高い時刻である。
止めろ、俺を照らすな!! 止めろ、止めろ…
彼はまた、自分の生きている意味を感じ取れなくなっていた。
『人間に、無駄に生まれてきた奴はいない』誰かは、そう言った。
ひどい、あまりにも、この言葉は、彼には、ひどい……
敵に倒される為だけに生まれてきたというのか!? それを、『無駄ではない』というのか!?
彼には、図りかねていた。自分は、本当に強いのか、弱いのか――
彼の名はヤムチャ。敗北の人生を歩む男――
お父さん、お母さん、僕は、どうして生まれてきたのですか?