ヤムチャさんは失業中
502 名前:ヤムチャさんは失業中【1】 :02/10/07 03:36 ID:fSMGCBdI
ヤムチャは困っていた。
ブルマとケンカして、まあいつもの事だからほとぼりが冷めるまで
アイリーンの家にでも転がり込んでおくか、とか思って
しばらくして帰ったらブルマとべジータがデキていて、しかも
自分の部屋だった筈の空間は生まれてくる赤ん坊の為に模様替えの真っ最中だった。
不条理だ。この世の中は不条理だ。
いきなり住所不定の無一文になってしまったヤムチャはそう思った。
ちくしょう、べジータめ。オレが伝授してやった女の引っ掛け方(苦労性参照)
をよりにもよってブルマに使いやがって。絶対に許せん、仕返ししてやる!!
けどやっぱり恐いので諦めた。
そんな訳でヤムチャはホームレスの無職になった。
もちろん、貴方の職業は何ですか?と聞かれたらヤムチャは自信満々で
武道家だ、と答えるだろうが、ぶっちゃけ足元がお留守で第一回戦敗退したり
己の力に慢心して油断したあげく敵の自爆の道連れになっているようでは
収入を得られるわけがなかった。
ヤムチャは考えた。
テレビでは、ミスターサターンだかサンタだか、とにかく濃ゆい顔のオヤジが
世界チャンピオンとして脚光を浴びている。
試合もテレビで流れるのだが、ハッキリ言って超達人レベルのヤムチャから
みたら、児戯にも等しい失笑ものだ。
今のオレならコイツを蹴落として世界チャンピオンになれる!!
ヤムチャはかなりその気になった。
が、仲間に知られたら白い目で見られそうなので諦めた。
彼は見栄を大事にする男であった。
503 名前:ヤムチャさんは失業中【2】 :02/10/07 03:37 ID:fSMGCBdI
ヤムチャは更に考えた。
やはり、普通に就職するべきか。ヤムチャは決断した。
さっそく履歴書を作る。
氏名: ヤムチャ
××××年 ○月 □日生 (満 3×歳) 男
住所: なし 連絡先 なし
学歴: 星立 中華飯店幼稚園 中退
職歴: 荒野の盗賊 (彼女が出来たからやめた)
武道家
賞罰: 第21回天下一武道会 第一回戦 敗退
第22回天下一武道会 第一回戦 敗退
第23回天下一武道会 第一回戦 敗退
趣味: ナンパ
特技: ナンパ 狼牙風風拳 操気弾 ダジャレ
健康状態: 生き返ったばっかりなのでとても元気
志望の動機: とにかく金がないから。
完璧だ。
ヤムチャは履歴書を各企業に送った。
が、どこからも返答はこなかった。
504 名前:ヤムチャさんは失業中【最終話】 :02/10/07 03:37 ID:fSMGCBdI
ヤムチャは焦りながら、更に考えた。
考えろ!考えるんだオレ!オレの何を活かせばいい?オレにも天職があるはずだ!
3分間たっぷり考えて、カップ麺をひもじくすすりはじめた時、彼に考えが浮かんだ。
名案だった。何でこんな事を最初から思い付かなかったのか不思議だった。
ヤムチャは次の日さっそくモデル事務所を訪ねた。
「オレ、容姿とスタイルには自信があります!どうですか!」
「顔に傷があるからダメだね。」
一言で切り捨てられた。
ヤムチャはヒモになった。
(ヤムチャさんは失業中 完)