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強襲サイヤ人〜その時ヤムチャが動いた〜


【ストーリー】

 地球に進行して来たサイヤ人・ラディッツに息子をさらわれてしまった孫悟空!
 原作と違ってピッコロは助けに来ない! 絶体絶命の大ピンチ!
 戦えるのはその場にいたクリリン、それに居場所がわかっているヤムチャだけだ!

 悟空とクリリンは、まぁ役にはたたないだろうが念のためヤムチャも仲間に誘うことにした。

俺は今、地球に侵攻して来たサイヤ人――悟空の兄――とやらの居場所に、飛行機で移動している所だ。
さらわれた悟空の息子がかぶっている帽子にドラゴンボールがくっついていたことが幸いしたのだろう。
ドラゴンレーダーを使えば、サイヤ人の居場所がわかるのだから。

だが、今現在戦える戦士は俺と悟空とクリリン。このたった三人だけだ。
果たして、この三人でサイヤ人とやらを倒すことが出来るのだろうか?
と言うか、悟空はともかく俺やクリリンなんて何かの戦力になるのだろうか?
せめてここに天津飯が居てくれたなら……いや、それは言うまい。
無いものを欲しがったところで、手に入るわけではない。
結局のところ、戦えるのは俺たち三人のみ。それだけでサイヤ人を倒さねばならない。
倒せるだろうか? ではなく、倒さなければならないのだ。
そうでなければ、この地球はサイヤ人によって滅ぼされてしまうだろう。

「ハァ……」
飛行機を操縦しているクリリンに聞こえないように、そっと溜め息をつく。
そうだ、そもそもどうして俺がこんなところに居るんだろうか?
俺は、少し前のことを頭の中に思い浮かべた。

***************回想開始******************


「と言うわけで、力を貸してくれ」
いつの間にか家の中に入り込んでいた悟空が発した最初の言葉がこれだった。
「いや、何がどういうわけなのかさっぱりわからんのだが」
半眼で、うめく。
黒髪黒目、鍛え抜かれた無駄のない肉体、少年の様な好奇心に溢れる光を宿した瞳。
それだけなら目立ちはしないだろう。が、その身に亀のマークの入った緋色の道着など纏っているものだから
いやがおうにも人目を引く存在ではある。
もっとも、この家の中では人の視線を気にする必要も無いのだが。

目の前の男の名前は孫悟空。
五年前、この世に蘇った悪の大魔王ピッコロを倒し、世界を平和に導いた正義の味方。
絶対的な才能と戦闘センスに恵まれ、大きなポテンシャルを秘めた最強の戦士。

初めて会ったのは10年以上も前だったか……
あの頃はもっとチビだったのに、人間の成長とはわからないものだ。


そんなことをボーっと考えている間に、悟空が色々なことを説明していた。
サイヤ人のこと、ラディッツのこと、さらわれた息子のこと。
それらを説明し終わった後、悟空はさっきまでよりも数段強い口調で
「悟飯を助けるのに力を貸してくれ」
なんて、俺に頼み込んできた。

サイヤ人……
この男が、悟空が俺に助けを求めるほどまでに恐れる存在。
悟空を軽くあしらうほどの力を持った戦士。

……対して、こちらの戦力は悟空とクリリンのみ。
この二人に俺が加わったところで、恐らく勝ち目は無いだろう。
悟空クラスの戦士がもう一人いるならともかく、俺やクリリンなんかじゃ、助けにもなるまい。
大体、俺には女の子とデートする約束があるのだ。
はっきり言って、悟空の息子や地球の危機などに構っている暇は無い。


「すまない、俺では足手まといになりそうだ」
なんて、オブラートに包んで断ってみる。
そりゃそうだ。「今からデートだから」なんて理由で断ったりしたら、サイヤ人に殺される前に悟空に殺されてしまう。
けっこう長い付き合いとはいえ、大魔王を倒したほどの男だ。怒らせるのは得策ではない。

……ピンポーン
突然、玄関からチャイムがなった。
おかしい、今日は来客の予定は入ってなかったはずだ。
不審に思いながらも、玄関まで歩いていく。
もしも新聞の勧誘だったりしたら、狼牙風風拳をお見舞いしてやろうなどと思ったりした。
……が、扉を開けた先に立っていたのは、予想に反して新聞の勧誘やセールスなどではなかった。
「ヤムチャさん、約束の時間にはちょっと早いですけど、待ちきれなくて来ちゃいました!」
えへへ、という感じに笑いながら来客者である女性が言う。
……ああ、新聞の勧誘員だった方がどんなによかっただろうか。
女性の名前はマロン、風貌については略すが、端的に言えば本日ヤムチャとデートをする約束をしていた――
――つまり、ヤムチャの浮気相手なのである。


「なぁ、約束って何のことだ?」
いつの間にか玄関先までやって来ていた悟空が聞いてくる。
まったく、本当に神出鬼没な男だ。どうやら俺のプライバシーなどお構いなしのようだし。
とりあえず、マロンのことはなんとかして誤魔化し通さねばなるまい。
この男に知れたら、後々色々と厄介なことになる。
ブルマに報告なんてされた日には、この家――つまり、カプセルコーポレーションの住居――にも、住めなくなってしまう。
それは、困る。今更荒野のハイエナ時代の生活に戻るつもりなんてさらさら無いし、
このハイテクな家になれちまったら、岩山をくり貫いて作っただけのアジトになんか適応も出来そうに無い。
だが、そんな風にゴチャゴチャと考えていたのがいけなかったんだろう。
「はい。ヤムチャさんは、今日わたしとデートする約束なんです」
なんて、マロンの奴が悟空にぶちまけてやがったりしていた。
「い!? で、デート!?」
悟空の奴が、大げさなまでに驚いている。
……だが、あの驚きは「フリ」だ。悟空とは旧知の仲である俺にはわかる。
あれは悟空の手のひとつ。つまり、「驚いたフリをして、次の言葉を出しやすくする」と言う技だ。
「驚きを表現した後には言葉を続けやすい」と言う人間心理を利用した悟空ならではの会話方法である。

さて、さっきも言ったとおり、俺と悟空とは旧知の仲である。
友人といってもいいかもしれない。それほど俺たちは互いをよく知っている。
互いをよく知っているということは、それはつまり次の相手の行動や言動にある程度の察しがつくということでもある。
……つまり、この場合
「へぇ……そうかそうか、ヤムチャ、今日はデートの約束があったのか。
 確かにデートは大切だよな。おめぇにとっては悟飯の命や地球の運命よりも優先されるもんな。
 あーあ、けどオラちょっとショックだな。ヤムチャがオラの子供よりもデートを大切に思ってるなんて。
 そう言えばあの時(ヤムチャと悟空の初対決)の勝負の決着がまだついてなかったよな。
 オラとしてはここで決着をつけてもいいんだぞ、ヤムチャ」
なんて、関節をポキポキと鳴らしながら言うんだ。この男は……

*************回想終了********************


と言うわけで、完全に脅されて連れて来られたわけである。
ちなみに、そんな方法で俺を連れてきた悟空はと言うと、
「……しかしヤムチャが世界平和よりも女の子とのデートを優先させるなんてなー
 予想はしてなかったことも無いけど、オラちょっとビックリだ」
などと、しつこくネチネチと言って来ている。
「……悟空、わかった。もうわかったから、俺が悪かったからさ……
 頼むから、ブルマにだけは言わないでくれ……」
我ながら情けない。が、仕方ない。
これも今の生活を維持し続けるためだ。といっても、サイヤ人に殺されるのなら今の生活もクソもないのだが。
「ん? 女の子とデートをするのがいけないことなのか?
 オラよくわかんねぇや。はははっ」
嘘だ。絶対嘘だ。
こいつはわかってやっている。いわゆる確信犯だ。
大体コイツ、何で筋斗雲に乗らないんだ?
もしかして、乗らないんじゃなくて乗れないんじゃないだろうか?


そんなやり取りを続けているうちに、どうやら目的地についたらしい。
眼下には広がる荒野。大きなクレーター。そして、その荒野の中に立たずむ一人の男。
……あれが、サイヤ人。最強の戦士、悟空の兄。
悟空が、次にクリリンが、静かに敵の待つ大地へと降り立つ。
俺も遅れることなく、その動きを追い、大地に降りる。
目の前には、ただそこに存在するだけで周囲に威圧感を振りまく男。
……やはり、勝てないかもしれない。
そんな俺の弱気を知ってかしらずか、悟空にもいつものような余裕は無い。
お互いにピリピリした一触即発の状況の中、先に口を開いたのは敵のサイヤ人だった。


「ほう、よくここがわかったな、カカロット」
言いながら、目元の装置をなにやら操作する。
ピピピ、という機械音とともに、その装置のレンズ部分に文字――だろう、恐らく――が写る。
「戦闘力206に、そっちの長髪は177か。
 はっはっはっ、こんなゴミどもを連れて来て一体何をしようと言うのだ、カカロット?」
サイヤ人――ラディッツ――が高らかに笑う。それは余裕の笑いだ。
それもそのはず、例え俺やクリリンの様な戦士が何人いたとしても、奴にとっては何の脅威にもなりそうにはないのだから。
その、そこにいるだけで感じる圧倒的な威圧感に気おされる。
駄目だ、逃げよう。どう考えても勝てそうに無い。
「決まってんだろ。オラの息子を取りけぇしに来たんだ!」
一人気おされていない……否、気おされていないように振舞っているだけかもしれないが、はっきりとした口調で悟空が答えた。
「ハッ! その程度の未完成な戦闘力で、この兄に勝てるとでも思ったか!?」
言い放つラディッツ。その声には、はっきりと「怒り」が込められている。
「貴様を仲間にするのはもう無しだ! 一族の恥め、死んでしまえッ!」

ラディッツの体が、突然膨れ上がる。
……いや、それは錯覚だ。ラディッツはただ超高速でこっちに突っ込んできただけだ。
その動作があまりにも速すぎるから、体が膨張したように見えただけだろう。
それらの情報を瞬時に理解し、反射的に前方へと拳を打ち出す。
……が、打ち出した拳は何も無い空間を切っただけだった。
「こっちだ!」
直後、後ろから来た重い衝撃に、俺の体は前のめりに倒れる。
何が起こったのか、理解できなかった。
だが、俺と同じように前のめりに倒れるクリリンが視界に入ったとき、俺はようやく現状を理解できた。
……なんてことだ。このサイヤ人は、超高速の突撃状態から、俺の拳が打ち出されるのにあわせて体の向きを変え、
俺が拳を打ち出しきる前に後方に回り込み、俺とクリリンを二人まとめて一撃で殴り倒したというのか……!


倒れこみながらも、俺の意識はなぜか冴え渡っていた。
右手に気を集中させ、軽く気孔波を放つ。
その反動を利用し、俺は体を浮き上がらせつつ前方へと移動する。
空中で前周りに回転し、勢いを殺しながら着地した。
すばやく、さっきまで自分が立っていた場所へと振り向く。が、視界に入ったのは倒れたクリリンだけだった。
「上だ、ヤムチャ!」
悟空のするどい声に反応し、上を向く。
次の瞬間目に映ったものは、空中から高速で降り注ぐ光の塊だった。
「くっ!」
今から切り返すことは出来ないと判断し、横っ飛びに飛ぶ。
その判断は正しかったようだ。一瞬遅れて、俺のいた地点は光の奔流に飲まれていた。
大地に衝突した光の塊は膨れ上がり、そのまま大爆発を起こす。
それにより生じた爆風により、俺はまたも吹っ飛ばされることになった。

着地し、次の攻撃に備えるが、ラディッツの追撃は無かった。
どうやら、先ほどの攻撃で巻き上げられた埃が、ラディッツから俺の身を隠してくれているようだ。
だが、こちらからはラディッツの位置がわかる。奴はまだ空中に静止したままだ。
ラディッツとの位置関係を把握し、頭の中で何枚もの絵を思い描く。
その絵は奴を、ラディッツを打ち抜く光、気の奔流、直進するエネルギー……
それらひとつひとつの絵をまとめ、ひとつのイメージとして完成させる。
イメージしながらも、気を拳へと集中させ、高めていく。
――そして、叫ぶ!
「かめはめ波ーーーーーーー!」
拳から打ち出されたエネルギーは、埃を払いながらラディッツへと突き進む。
イメージした通りの形、スピード……かめはめ波は、完全に成功した。
そのまま突き刺さる。ラディッツは回避運動を取る暇も無く、光の奔流に飲み込まれていった。


「かめはめ……波ーーーーー!」
それに合わせるようにして、横合いから俺の放ったものよりも数段威力の高いかめはめ波が打ち込まれる。
悟空の放ったソレは、俺のかめはめ波と交差するようにラディッツを直撃した。
……勝った。そう確信する。まさかこれだけの攻撃を食らって、生きていられるハズが無い。
そう、ハズが無いのに……
「今のは、なかなかの攻撃だった……」
光が収まったとき、そこには傷を負いながらもほとんど体力を失っていないラディッツの姿があった。
「一時的にだが、戦闘力が934と768まで上昇した……
 なるほど……貴様らは、戦闘力を自在にコントロールできると言う事か」
冷静さすら失っていないラディッツ、どうやら今の攻撃は殆ど無意味だったようだ。
むしろ、埃を払ったことによりこっちの姿が向こうからも丸見えになっていることを考えると、失敗だったかもしれない。
「く、くそっ!」
例え意味が無かろうと、もう一度かめはめ波を放つしかない。
今の俺たちに出来る反撃は、恐らくそれだけだ。
悟空の方を見やる。と、どうやら同じ考えらしい。かめはめ波の構えを取り、気を高めている。
……が、

「おいおい、今度はこっちの番だろう?」
言うが早いか、ラディッツの両手からエネルギーの塊が生まれる。
そのエネルギーは、俺と悟空に向かって一発ずつ、それこそ一直線に向かってきた。
……駄目だ、早すぎる。避けきれそうに無い。
かめはめ波のモーション中だったから、すぐには動けない。どうやらこれは直撃しそうだ。
――ああ、こんなことならちゃんとデートしとくんだった。
……と、突然エネルギーの軌道が横にそれる。いや、横から飛んできた気孔波によって強制的に変えられた。
その気を、俺は知っている。俺の永遠のライバル、天下一武道会で優勝したこともある男。
「どうやら間に合ったようだな。昔、足を折ってしまった借りは返したぞ、ヤムチャ!」
やはり、天津飯だった。

「ちっ……さっきから、雑魚がうじゃうじゃと……
 面倒だ! 全員まとめて消し去って……! な、何だ!? 体が動かん!」
突然、上空にいるラディッツの動きが止まる。
「チャオズが超能力で奴の動きを止めている! 今のうちにやれ!」
どうやら、チャオズも来てくれているらしい。
とにかくこれはチャンスだ、この機を逃すつもりは無い。
すばやく、かめはめ波を撃つ体勢に入る。悟空も俺と同じ考えのようだ。既にかめはめ波を撃てる状態になっている。
「か〜、め〜……」
悟空と俺の声が重なる。
「は〜め〜……」
気が、高められていく。
「はーーーーーーーー!!」
二人同時に放ったかめはめ波は、交差し、空中に美しい光のクロスを生み出した。


ラディッツが、またも光の奔流に飲まれる。
だが、これではさっきと同じだ。こんな攻撃ではラディッツを倒すことなんて出来ない。
「気円斬……」
と、後ろから聞こえた声に振り向く。そこには、意識を取り戻したクリリンが立っていた。
腕を高く掲げたクリリンの、その腕の先には円形の気の塊が浮かんでいる。
恐らく、あれが気円斬。クリリンの新必殺……
「バッ!」
掛け声とともに投げ出された気円斬は、弧を描いてラディッツの元へと突き進む。
……そして、俺たちが放った奔流する気――かめはめ波――ごと、ラディッツを真っ二つに切り裂いた。

勝負は付いた。下半身と上半身とが離れたラディッツが、空中に静止できなくなる。
ドサリと音を立てて、ラディッツの体は地上に落ちた。
「く、くくく……まさか、このオレを倒すとはな……」
真っ二つになりながらも、それでもラディッツは上半身だけで器用に話す。
「だがな……オレが死んだことを知って、二人のサイヤ人がこの地球にやってくるだろう……
 それは、一年後。それまでの、つかの間の平和をせいぜい楽しむがいい……グハッ!」
言って、ラディッツは力尽きる。
……こうして、ひとつの戦いが終わりを迎えたのであった。

空を見上げる。いつの間にか、空は一面真っ赤に染まっていた。
「俺たちは、勝った……だが、これで戦いが終わったわけじゃない……」
みんなの顔を見渡しながら、静かに言う。
「これからも長い戦いが続くだろう……が!」
ここで、一呼吸置く。みんなもゴクリと唾を飲み込んだ。
「仲間がいれば、オレたちは戦い抜くことが出来る! オレはそう信じている!」
グッと、拳を握り締める。握り締めながら、叫ぶ。
「みんな、戦いは今始まったばかりだ……だが、だからこそッ!」
ここで、場内のモチベーションは最高潮に達する。
「オレたちは勝ち抜くと……この夕日に誓おうッ!」
スタンディングオペレーション! そして、俺たちは夕日に向かって走り出したのであった。
明日へとつながる熱い想いを、確かにこの胸に感じて……ッ!

漢たちの戦いが、今始まった……ッ!



ピー、申し訳ございませんが、やむを得ぬ事情により「ヤムチャ・夕日の誓い」は打ち切りとなりました。
今週のこの時間からは、三年B組金八先生をお送りさせていただきます。

くれーなずむー街のー ひかーりとー影のー

                            おしまい