飲茶外伝 - たまにはヤムチャが活躍する物語を考えようぜ




飲茶外伝

Reprint


605 :飲茶外伝 :02/09/18 04:10 ID:jyCH06Bc

ヤムチャ外伝--天下一武道会その後--

マジュニアことピッコロ大魔王と孫悟空の壮絶な戦いが繰り広げられた天下一武道会。
そんな中で「足元がお留守ですよ」という最大の屈辱を味わってしまったヤムチャ。
そのせいで世間からも、恋人のブルマからも呆れられてしまった。

だがそれには大きな訳があったのだ―
覚えているだろうか。前大会のヤムチャVS天津飯の戦いを。

そう、ヤムチャはその戦いで足を折り、
それは古傷となっている。今現在も痛み出すことがあるのだ。
一生治ることの無い爆弾を足に抱えていたのだ。

ヤムチャは思った。
新技の操気弾、そしてこの俺の最強必殺、狼牙風風拳―
古傷を治し、この技を極めればこのヤムチャ様に敵はいない。
三つ目のハゲにも鼻なしのハゲにも負けないはずなんだ。
占いババの館のミイラ君にだって勝てるんだ。
もう、足元がお留守ですよ、なんて言わせない。

仙豆でも治らなかった足。
しかし、ドラゴンボールなら…

ヤムチャはドラゴンレーダーを拝借し、旅に出るのであった…
これは天下一武道会が終わった3ヶ月後のお話である。

606 :飲茶外伝 :02/09/18 04:13 ID:jyCH06Bc

最初に手に入れた、四星球。
悟空から借りることができた為苦労はしなかった。
この調子なら楽勝かなと思ったヤムチャだが、立ちふさがる敵が次々と現れる。
最初に立ちふさがったのは、かつて同じようにドラゴンボールを集め、
一度はヤムチャを捕らえたこともある彼らであった。

ピラフ一味。
ピラフマシーンに乗り込み、ドラゴンボールを持つヤムチャに突如襲い掛かる。
あの小僧じゃない―
ならば倒せるのでは?
ピラフ「シュウ、マイ、行け。こいつなら倒せる!」
シュウ&マイ 「はっ!」

舐められたものだ。俺のかめはめ派で粉砕してやる。
ヤムチャ「かーめーはーめー」
シュウ&マイ 「!」
ヤムチャ「派ーーーーーーーーっ!!!」

ドゴーーンという爆発音。
勝ったな…!!!
シュウ&マイ「ふっふっふっふ…」
効いてないだと!
ヤムチャのかめはめ派では、ピラフマシーンを破壊することは出来なかった…
ピラフ「こいつは何か利用価値があるかもしれん、捕らえろ!」
こうしてヤムチャは捕まった…

607 :飲茶外伝 :02/09/18 04:15 ID:jyCH06Bc

ヤムチャ「くそぉっ!!」
囚われのヤムチャ。前に囚われた時は悟空が大猿になって暴れてくれたお陰で脱出できた。
しかし、今は違う。一人なのだ。
牢屋を破壊しようにも、威力の無いかめはめ派や、
爆発しない操気弾では不可能。まして不完全な狼牙風風拳では無理だろう。

絶望のヤムチャ。
しかし、ヤムチャを救う者が居た…
「プーアル!」

プーアルの手引きにより無事脱出に成功したヤムチャ。
そうとは知らず、寝室で熟睡中のピラフ一味。
プーアルがこっそり忍び込み、ドラゴンボールを奪い取る。
奪われた四星球。そしてピラフが所持していた三星球。
こうして2個のドラゴンボールがヤムチャの元に集まったのである。

608 :飲茶外伝 :02/09/18 04:16 ID:jyCH06Bc

他には無いのかと探す。

ヤムチャ「さて…」
ふと、マイの布団の中に二つの膨らみを発見する。
ここにもドラゴンボールが、、、
・・・ん?前にもこんな事があったような…
まあいい。ヤムチャは手を布団に入れる。
マイが起きる。
マイ「・・・・・・・・・」
もみもみ。
ヤムチャ「・・・ん、柔らかい・・・?ま、まさかこれは!」
マイ 「…キャァァァァァァァ!!!痴漢ーーーーーーーーーー!!!」
マイの強烈なビンタが炸裂!!

ヤムチャ「…ふっ」
寝込みを襲い、左頬に大きな手形を残しつつも満足げにヤムチャは、
次のドラゴンボール探しへと、逃げるように旅立つのであった。
昔なら気絶してもおかしくなかったヤムチャが、女に免疫を持ってしまい、
こうも満足してしまわれるとなんだかとっても切ない気持ちになるプーアルであった。

プーアル(これじゃ、ブルマさんも呆れるなぁ)

907 :飲茶外伝 :02/09/21 12:51 ID:ArMF7ThP

足元がお留守だという弱点を克服させるために
二個のドラゴンボールを手に入れたヤムチャであったが、
彼に新たなる難敵が立ちはだかった。

プーアル「ヤムチャ様〜、レーダーに反応が」
ヤムチャ「・・・ん?3つ固まっているな。俺の他に集めてる奴がいるのか、
ん?何、残り2つも固まっている!?」
どういう事だ。ドラゴンボールを集めている奴が2人も居るってのか・・・
プーアル「…反応が近づいています!」
ヤムチャ「何者…!!お、お前は桃白白!」

その時、ヤムチャは思った。あの屈辱の天下一武道会の勝敗を。
餃子  VS 桃白白 桃白白の勝ち。
天津飯 VS 桃白白 天津飯の勝ち。
すなわち、桃白白に勝てれば餃子よりは強いことが証明されるのだ。

ヤムチャ「まさか貴様がドラゴンボールを集めているとはなぁ・・・」
桃白白 「ふっ、これの事か。俺には興味が無い。俺の目的は貴様らを殺す事だ。
    だが、俺の力では孫悟空や天津飯は倒せん。だが貴様ごとき殺すのは簡単な事」
ヤムチャ「できるかな?貴様のようなクズに!」
その時、ヤムチャは思った。
凶器とか使われたらどうしよう・・・
スーパーどどん波とか、俺、防げるかなぁ・・・
でも善戦できれば、餃子よりは強いって証明されるよな。うん。

横で見ていたプーアルは思った。
ヤムチャ様じゃ、勝てないよな・・・
っつーか、いい加減見捨てようかな・・・

908 :飲茶外伝 :02/09/21 12:52 ID:ArMF7ThP

ヤムチャ「いくぞ! 狼牙風―」
桃白白 「甘い!足元がお留守だ!」
桃白白の強烈な足払い。ヤムチャはまともにくらってしまう。
転ぶ際、不運にも頭を強く叩きつけ気絶する。
余りにも弱いヤムチャに呆れてしまい、止めを刺さずに行ってしまう桃白白であった。
「鶴亀両方の中でも一番雑魚だな、この男」という捨て台詞を残して。

唖然とするプーアル。しかし有難いことに戦闘前に桃白白のドラゴンボールは
放り投げられていたので、たやすく得ることが出来た。これで4つ。

さすがに可哀想なヤムチャに対しプーアルは一計を閃く。

ヤムチャが目覚めると、目の前には桃白白が倒れていた。
俺は、勝ったのか・・・
桃白白「見事だ…これを持っていけ」
そういうとドラゴンボールをヤムチャへ手渡す。
俺は、餃子よりも強いんだ。そう自覚し、自信を付けるヤムチャであった。

無論、この桃白白はプーアルが変化したのである。

プーアル(これで良かったのかなぁ・・・はぁ。なんでこんなに弱いんだろう)
ドラゴンボールの力でヤムチャの足元がお留守になる事が解決され、
少しは強くなることをマジで願うプーアルであった。

528 :飲茶外伝 :02/09/25 22:42 ID:VtOAomHU

残るドラゴンボールはあと3つ。
レーダーで確認する。位置はここから西へ約100キロ。
・・・西の都だ。そうか、ブルマが集めているのか―

ブルマ「ヤムチャ、あなたの持っているドラゴンボールを出しなさい」
ヤムチャ「いったい何を願うつもりだ?」
ブルマ「・・・あなたのその腐った性根を神龍に直してもらうのよ!!」
ふ、わかってないな。それでも俺の恋人か。桃白白を倒した俺ならば餃子よりは上。
天津飯とは互角。弱点さえ直せば、天津飯はおろか悟空やピッコロにだって負けはしない。
ブルマ「・・・もう一度言うわ。ドラゴンボールを出しなさい!」
ヤムチャはブルマの言葉に従いドラゴンボールを地面に置く。
その瞬間、ドラゴンボールに注目し、隙ができたブルマに対し狼牙風風拳をぶちかました。
許せ、とは言わん。お前は俺の大事な恋人だ。わかってくれるはずだと、一方的に思うヤムチャ、
一方、薄れゆく意識の中、ブルマはヤムチャとは別れようと決心したのであった。

神龍を呼び出す。ついにこの時が来た。空は暗くなり、ドラゴンボールが光りだす。神龍が現れる―
ヤムチャ「神龍よ。この俺の足を、足を直してくれ!」
若干の間が辺りを包む。そして神龍が口を開ける。
神龍「・・・その願いは叶える事は出来ぬ・・・」
どういうことだどういうことだどういうことだどういうことだ!!!
……は!?まてよ、そうか、そうだったのか!!
俺の力はすでに、神龍をも超えているのか!!
一人で錯乱し、一人で納得するヤムチャ。
その為、神龍が言う本当の理由を聞き逃す。

神龍「・・・あまりにもお留守すぎて、私ではどうすることもできんのだ・・・」
横で聞いていたプーアルはあまりにも残酷な真実を知り、静かに泣いた―

543 :飲茶外伝 :02/09/25 23:46 ID:VtOAomHU

俺は神龍の力をも凌ぐ。ヤムチャの確信。いや過信だが、、、、
ヤムチャ「プーアルよ、俺はまずあの屈辱を晴らしに行く」
あの天下一武道会での屈辱。あのオヤジ。いくら神に乗っ取られていたとはいえ、
絶対に許すことはできない。奴を倒すのだ。一人旅立つヤムチャ。

普通のオヤジが危ない!!
プーアルは困った。ふと辺りを見る。空は闇に覆われたままである。
そ、そうだ!これだ!!神龍への願いがまだだったんだ!!
そしてプーアルはとある願いを神龍に頼んだのである。
神龍「・・・その願いなら、叶える必要がないかもしれんが…まぁやってみよう」

そしてヤムチャはボロボロになって帰ってきた。オヤジに負けてしまったのだ。
俺はただのオヤジに負けてしまった、あのオヤジは只者ではなかったのか・・・?
ヤムチャは考える。神龍の力をも超える俺が負けたのは何故なのかと。
・・・だが中々答えは出てこなかった。やがてヤムチャはあてのない旅に出た。
もう一度修行をやり直そうと決心して。
プーアルは後悔した。あの願いはある意味成功だった。オヤジを救うことができた。
だが…

旅に出て数年が経つ。
悟空がラディッツと戦い相打ちとなり、サイヤ人が地球に来る―

544 :飲茶外伝 :02/09/25 23:47 ID:VtOAomHU

長い旅の中、ヤムチャは確かな強さを得た。慢心ではない。過信でも無い。
確かなる自信。神様の元での修行。天津飯、クリリン、餃子…
彼らとの組み手では、勝つことこそ出来なかったものの確かな手ごたえを感じ取れた。

そして地球にサイヤ人が降り立つ。運命の日。
戦いは始まった。天津飯がまずサイバイマンを倒す。次は俺の番だ。

すべてが順調だった。全く相手を寄せ付けない展開。決め技としてかめはめ波。だが―

自爆。サイバイマンとの相打ち。
ベジータが言うような油断では無い。薄れゆく意識の中、敗因を考える。
俺は死ぬのか…何故? ヤムチャにはわからなかった。

あの日、あの時プーアルが神龍に願った内容、それは―

「ヤムチャ様が負けますように―」

この日以降、ヤムチャが戦闘において勝利した日は無い。
だが神龍に願いをかなえてもらっていなくても、神龍が言うように勝てなかったのかもしれない。
ヤムチャが戦闘において勝利を収めたのは、クリリンの機転によって倒せた、
占いババの館での透明人間との戦い以降無いのだから―


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