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ヤムチャ・サーガ

 

258 名前:ヤムチャ・サーガ[sage] 投稿日:03/07/16 02:35 ID:???
ヤムチャは悩んでいた
なぜ、自分は悟空やクリリンにとり残されたのか?
なぜ、荒野のハイエナと呼ばれ恐れられた自分が
コンプレックスに苛まされねばならないのか
そして、ヤムチャはドラゴンボールを使う決意をした
その望みは『自分が活躍できる世界に行きたい』というものであった
神龍により願いがかなえられた瞬間
ヤムチャを含むZ戦士たちが世界から消えてしまった

気が付くとヤムチャは美しい城を見下ろす丘の上に立っていた
とりあえず、眼下に見える城を目指し舞空術で飛んでいこうとする
しかし、どうしたことか飛ぶことが出来ない
仕方なく、トボトボと歩いて城を目指すことに

ようやく城にたどり着いたヤムチャ
町の中心に程近い広場に近づくとそこには人垣が出来ていた
何か面白そうだと近寄ってみるが、どうにも何が行われているか分からない
仕方なく、手近な人間に話を聞くことにした
どうやら町の人間の話では最近になって魔王が現れ、世界に危機が迫っているのだという
しかし、この広場には伝説の剣が刺さっていて
力自慢の者たちがその剣を抜き、世界を救ううべく集まってきているのだという

(ほう、力自慢か!)
元より腕っぷしには自信のあるヤムチャである
剣を抜くべく長蛇の列の最後尾についた
待つこと数時間、ついにヤムチャの番がやってきた
狼を模した柄を持つその剣は易々とヤムチャの手により引き抜かれた
ざわめく群集を掻き分け鎧を着た屈強そうな男がヤムチャの前に膝をついた
狼牙風風剣を引き抜いたヤムチャに是非、王の元を訪れてほしいと

はてさて、あの技と同じ名を持つこの剣を引き抜いたヤムチャ
これからどうなることやら


274 名前:ヤムチャ・サーガ[sage] 投稿日:03/07/17 02:32 ID:???
伝説の剣を抜いたことで王の間に謁見を許されたヤムチャであった

「ここが王の間だ。失礼がないようにな。」
そう言うとヤムチャをここまで連れてきた兵士は去っていった。
そして入れ替わるようにやってきた大男にヤムチャは見覚えがあった
「お・・・お前はナッパ!?」
ヤムチャに前に現れた男は紛れもなくサイヤ人の戦士・ナッパであった。
なぜこの男がここに、いや、それよりもこの男がここにいるということは・・・
思索にふけるヤムチャをよそに王の間の扉が開かれた。
眼前に広がる豪奢な風景、そしてその中心にはあのM字禿げ、もといベジータが腰を下ろしていた

(どうなっているんだ?)
ここはヤムチャが活躍するための世界である。
ベジータをはじめとするサイヤ人などに存在されては困るのだ。
理由は簡単だ。彼ら超戦士がいては自分はヘタレのまま・・・
ここは神龍の用意してくれた世界ではなかったのか?
一人物思いにふけるヤムチャにベジータが口を開いた。
どうやらこの世界に現れた魔王により王女がさらわれてしまったらしい。
王の目的は王女の奪還と魔王の打倒だと言う
そのためには伝説の剣を引き抜いたヤムチャの力が必要であると。

どうやらこの世界ではサイヤ人とはいえ、自分たちと比べても
それほど大きな力を持っていないようである。
そのことに気付いたヤムチャは血気盛ん
俺が魔王を倒してやるといわんばかりの勢いになったが
魔王の名を聞いた瞬間、彼の目の前は暗転した。
その名もピッコロ大魔王。彼がその生涯で戦いにもならなかった男の一人である
どうやらZ戦士たちもここに来ているのだとようやく気がついたヤムチャ
そしてベジータ王はそんなヤムチャに相棒を用意してくれるという

はてさてヤムチャの相棒とは一体・・・


279 名前:ヤムチャ・サーガ[sage] 投稿日:03/07/17 11:54 ID:???
なんと、ヤムチャの活躍する世界にZ戦士たちが、そしてヤムチャの相棒とは・・・

パチン!!
キザったらしくベジータが指を鳴らすと向かって右側の通路から人影が現れた
ブルマだ!!その姿にさらにヤムチャは驚きを隠せない。
(ブ、ブルマまで・・・いや、これはチャンスだ。ベジータの馬鹿め!!
ふっ、旅の相棒はブルマか・・・)
ニヤニヤとあんな妄想、こんな妄想に耽るヤムチャをよそにベジータは
ブルマの姿をしている人物に声をかける
「プーアルよ、お前は狼牙風風剣を抜いたその勇者と共に旅をするのだ。」

「え!?、プーアル?」
「初めまして、勇者様。私の名前はプーアルと言います。あなたのお名前は?」
「いや、プーアルって何で?だってお前どう見てもブルマじゃんよ。」
どうやら鳥山明自身失念したとしか思えないプーアルの変身能力を
ヤムチャもまた忘れてしまっていたようだ。
そして、ブルマ、もといプーアルの平手が呆けるヤムチャを襲う。
「王女様の名を呼び捨てにするとは何事ですか!!」
散々、殴られた覚えのあるブルマの平手は平気だったが、
王女という言葉にヤムチャは敏感に反応した。

(あ、そっか、ベジータが王様ってことは、王女はブルマなわけか・・・ははっ)
BOM!!うなだれるヤムチャの目の前でプーアルは本来の愛らしい姿に戻った。
「いかにも、先ほどまでの姿は我が妻・ブルマだ、
勇者ヤムチャよ、ブルマを救ってもらいたい。引き受けてくれるな。」
ギロリとニラミをきかせるベジータを前にパブロフの犬のごとくヤムチャは頷くしかなかった。
「旅の案内はプーアルがしてくれるだろう。では、頼んだぞ。勇者ヤムチャよ!!」

ブルマと二人、ウハウハの旅のはずがこの世界でもやはりお供はプーアル
はてさてこれからヤムチャを待ち受ける運命とは一体・・・


305 名前:ヤムチャ・サーガ[sage] 投稿日:03/07/17 22:12 ID:???
この世界でもお供はプーアル、ヤムチャの旅が今始まる

「さーて、じゃぁ、魔王のいるとこに案内してくれるか、プーアル」
「ムリですよ。今のヤムチャ様ではピッコロ大魔王に指一本触れることは出来ないでしょう」
分かっていたことだ。自分が相手にもしてもらえなくなった最初の相手。
それがピッコロ大魔王であった。しかし、負け犬のような人生はもうこりごりだ。
勝たねばならない。そして、勇者様として一生、モテモテの生活を送るのだと固く心に誓った。
「では、俺はどうすればいい、プーアル?」
「まずは仲間が必要です。そうですね王様から薬草をたくさん頂きましたが
回復系の仲間がいた方が何かと心強いですし。」

プーアルの話によるとこの世界では魔法を使える人間が少なからず存在するという。
そして、魔法の中にも回復系の魔法を得意とする僧侶
攻撃形の魔法を得意とする妖術使いなどが存在するというのだ。
「なぁ、プーアル俺は魔法を使えないのか?」
「そのうち使えるようになるかもしれませんが、今はレベルが低すぎますからね。」
「れ、レベル!?」
「はい、敵と戦うことでレベルが上がっていきます。
レベルが上がると魔法や特技を覚えることが出来ます。
ちなみに今のヤムチャ様は何の魔法も特技も使えません。」

どうやらこの世界ではこれまでの常識は通用しないようだ。
となると、プーアルの言うことに従った方が何かと間違いを犯さずに済む。
そう考えたヤムチャはプーアルの進言に従い僧侶の仲間を探しことにした。
「で、僧侶ってのにはどこに行けば会えるんだ?」
「ここから南に多林寺という寺があります。そこに住む者に協力してもらうとしましょう。」
「多林寺・・・どこかで聞いたような名前だな。」

はてさて、すっかりボケたヤムチャを待ち受ける仲間とは一体・・・


347 名前:ヤムチャ・サーガ[sage] 投稿日:03/07/18 13:59 ID:???
僧侶の仲間を探すべく、多林寺へと向かうヤムチャであった

「さぁ、ヤムチャ様、町を出ればモンスターの巣窟です。気を引き締めてください。」
「モンスター!?いや、だってここに来るまでそんなもんいなかったぞ。」
「ご都合主義です。」
「あぁ、なるほどな・・・」
ご都合主義、かつて、さんざんヤムチャを苦しめた作者の嫌がらせの一つだ。
サイヤ人は強い、地球人にはかなわない。
その差を埋めたと思ったら今度は超サイヤ人なんてものまで出てきた。
そうして、自分は落ちぶれていったのだ。ヤムチャはそう信じていた。
「まぁ、いい。どんな奴でもかかってこいってんだ。」
「頼もしいですね。ヤムチャ様!!」
「ふっ、よせ、照れるじゃないか。」
「じゃぁ、あそこに最弱モンスター、ズルイヨがいます。まずあれと戦って
戦いの基本を覚えましょう。」

プーアルの促す先には半透明でプニプニとしたゼラチン状のモンスターがいた。
いや、どちらかというとモンスターというよりはマスコットキャラだ。
(あれなら勝てる・・・)
ヤムチャはそう考え、ズルイヨに飛び蹴りをあびせた。
しかし、ズルイヨの体に弾き飛ばされ、したたかに頭を打ちつけてしまう。
「ぐわー!!」
頭を抱え、痛がるヤムチャにズルイヨの追い討ち、ズルイヨの得意技ボディプレスだ。
「ヤムチャ様!!そいつに打撃は効きません。狼牙風風剣を抜いて戦うのです。」
「うるさい、こんな奴に伝説の剣なんて使うか。くらえ、かめはめ波だ!!」
そういうとヤムチャは両手を前に突き出した。
しかし何も起こらなかった。
「ば、バカな・・・かめはめ波が打てないなんて。」
先刻、舞空術が使えなかったことを思い出し思索に耽るヤムチャ。
(そうか、この世界では俺は舞空術もかめはめ波も使えないんだ・・・)

最弱モンスター相手に苦戦するヤムチャ、はてさて、こんな調子で多林寺にたどり着けることやら

377 名前:ヤムチャ・サーガ[sage] 投稿日:03/07/19 01:47 ID:???
最弱モンスター・ズルイヨに苦戦するヤムチャ、勝機はあるのか

「早く、狼牙風風剣を抜くのです、ヤムチャ様!!」
「ちっ、しゃーねーな、そんなに天国を旅したいか、ズルイヨ!!」
言い放つが早いか、ヤムチャは背中の鞘に収めた狼牙風風剣を抜いた。伝説の剣が一閃、
かつては青龍刀を振って蛮勇を轟かしたこともある。勝負あり、そう思ったヤムチャが感じた手応えは鈍いものだった。
「ヤムチャ様、よけて!!」
プーアルの叫び声に気付くより早く、ズルイヨのボディープレスがヤムチャを襲う。
「ぐわっ!!」
伝説の剣をもってしても倒せない。恐るべし、ズルイヨ!!

「ヤムチャ様、相手もダメージを受けています。さぁ、トドメをさして下さい。」
最弱モンスター相手に苦戦を強いられ、半ば呆然としているヤムチャであったが、
最後の気力を振り絞り、狼牙風風剣を振り下ろした。
ヤムチャの第二撃を受け,ズルイヨは消滅し、一枚の硬貨に変わった。
「やりましたね、ヤムチャ様!!」
「あぁ、手強い敵だった。ズルイヨ、お前は俺の強敵(とも)だ。」
「えーーーっ!!ズルイヨなんてこの辺りには腐るほどいますよ。
これくらいで手強いなんていってたら多林寺の僧侶は力を貸してくれません」
「えっ、そうなの・・・」
「はい、ほら、あそこにも、向こうにもいっぱいいるでしょ。」
そう言われてふと辺りを見渡すと周りには点々とズルイヨが散在している。
「まずはズルイヨをいっぱい倒してレベルを上げましょう。
その前にHPが少なくなっているから薬草をすって飲まないと。」
「HP!?って何?」
「HPというのはヤムチャ様の体力です。ほら、ヤムチャ様の頭の上にゲージがあるでしょ」
そう言われて頭上を見ると確かに天子の輪がついていた頃のように棒線が浮かんでいるのではないか。
「それが全て赤くなったらヤムチャ様は死んでしまいます。死にたくなければ薬草を飲むなり、
宿屋に泊まるなりでHPを回復させないと。すでにHPが半分以上減ってますからね、薬草をすって、サイヤ国特製青汁にしましょう。」
「あ、青汁!?」

最弱モンスター相手にダメダメなヤムチャ、はてさて、サイヤ国特製青汁とは一体・・・

485 名前:養護学校=ヤムチャ・サーガw[sage] 投稿日:03/07/19 15:08 ID:???
最弱モンスターにすらてこずるヤムチャ、こんな調子で大丈夫なのか?

「さぁ、ヤムチャ様、王様から頂いた袋の中に薬草とすり鉢があります。
それでサイヤ国特製青汁を作りましょう。」
「青汁・・・って、ヤな予感がするんだが。」
「つべこべ言わずにやれやゴルァ!!」
突如、2ち○んねらと化したプーアルの尻尾がヤムチャを襲う。
「あべし・・・」
ヤムチャのHPを示すゲージが一気に減少し、痙攣を起こしている。

「や、ヤムチャ様!!一体何が・・・マズいこのままでは死んでしまう。
こうなったらミキサーに変化」
BOM!!どこからともなく煙が巻き起こりその中からミキサーが出現する。
さらにプーアルが前もって上空へ投げていた薬草がミキサーに納まると
うぃぃぃんと小気味良い音を立てて薬草が緑色の液体に変わっていく。
そして、ミキサーが空を飛び出したかと思うと緑色の液体はヤムチャの口元へ運ばれた。
「○△×□・・・サイバイマン先生、どうしてエレベーターボーイはいないんですか?」
どんな夢を見ていたのだろうか、うわごとを口にして起き上がるヤムチャ。
だが、次の瞬間、火がついたように飛び上がり辺りを走り始めた。
その時、犠牲になったズルイヨは総勢16体。

「あー、さすがに青汁10人前は不味かったかな・・・ま、いっか
パララッパッパパー、ヤムチャはレベルが上がった!!」
「マズーーーい、もう一杯」
「えっ!?まだ飲みたいんですか?」
「いや、何か口をついただけでいりましぇん・・・」

妙に青汁に対して弱気なヤムチャ、はてさてレベルアップの成果はいかに・・・

676 名前:ヤムチャ・サーガ[sage] 投稿日:03/07/20 03:03 ID:???
憎いあんちくしょう(青汁)のおかげでレベルアップしたヤムチャであった

「ぜっっってえ、二度と飲まないからなあんなもん!!」
ヤムチャは青汁(10人前)の一気により完全に青汁恐怖症となっていた。
「もう、お婿に逝けない・・・」
「じゃぁ、僕が責任を取ってあげますよ、ヤムチャ様。」
「イラネ・・・」
「「何言っとんじゃ、このボケがゴルァ!!」
再びヤムチャを襲う2ち○んねらープーアル
だが、ヤムチャはその攻撃をひらりとかわした。
「バカな!?僕の攻撃が当たらないなんて、伝説の勇者は化け物か?」
だが、プーアルも歴戦の強者、攻撃の手を休めない。
まるでその尻尾は意思を持っているかのごとくヤムチャに襲い掛かる。
「見える!!」
そう、ヤムチャには全てが見えていた、プーアルの攻撃の入射角度もその軌跡すらも

そう、今、ヤムチャはこの世界の住人ならば逃れることの出来ない青汁という呪縛から開放された
人間(ヒト)の新たなる進化形・ヤムタイプに進化したのだ。
「ヤムチャ様・・・これほどまでのレベルアップを」
感動のあまり今にも泣き出しそうなプーアル
(あんなもん二度と飲みたくネーからな、当たったらお終いだ)
「ヤムチャ様、目指す多林寺はここから歩いて3日ほどの距離にあります。」
「そんなにあんの!?あのさー、プーアル、バスとか車とかないわけ?」
「ハァ?なんですかそれ?」
「いや、いいです。」
そんなこんなで3日の距離を歩いて多林寺は目前に迫っていた
空腹によってもHPが減ることを知り、結局、青汁の呪縛からは逃れられないヤムチャであった。
もちろん、彼がヤムタイプでなくなったのは言うまでもない・・・

ついに到着した多林寺、はてさて求める仲間はやはりあの男なのか・・・

709 名前:ヤムチャ・サーガ[sage] 投稿日:03/07/21 01:51 ID:???
ヤムチャの前を走り去っていったクリリンらしき男、彼が求める僧侶なのか?

(たしかにあれはクリリンだった。そういえば、多林寺か・・・
どこかで聞いた気はしたがクリリンが昔いたという流派の名だな)
「ヤムチャ様、どうしたんですか?」
「いや、なんでもない。行こう、プーアル。まだ見ぬ仲間が待っている」
内心、青汁以外の回復方法がほしいことをおくびにも出さず、ヤムチャは言った。

そして、ついに多林寺の門前に立ったヤムチャたち
ベジータ王の書簡をプーアルが渡すと門番は仰々しく門を開いた。
王の使者ということで案内人が用意され、ヤムチャたちは修練場と呼ばれる場所へ誘われた。
少数精鋭の亀仙流とは違い、熱気みなぎる修行者たちに圧倒されるヤムチャ
「ヤムチャ様、あそこにいらっしゃるのが大僧正様です。
まずはあのお方に旅の目的を話して選りすぐりの僧侶を仲間にもらいましょう。」
(選りすぐりの僧侶か・・・クリリン、それはお前のことだよな)
ヤムチャはかつての仲間に心の中でそう語りかけた。

「かくかくしかじかで・・・」
「あい、わかった。」
プーアルと大僧正の間で交わされた会話はとても事情を説明している風ではなかった。
「え!?いや、それで分かるの?」
ヤムチャが驚くのも無理はない。しかし、そんな疑念は一瞬で消え去った。
「これもご都合主義ですよ、ヤムチャ様。」
笑いかけるプーアルにヤムチャはただ頷くしかなかった。
「えーと、ここにいる僧侶は好きに使ってくれていいということです。
ただ、彼らと1対1の勝負をして勝てればという条件付きですが。」
「ふっ、ナメられたものだな。じゃぁ、ここの僧侶全て仲間になってもらうとしようか」

意外にも話はすんなりといった、はてさてヤムチャは何人の僧侶を仲間にできることやら
って目的変わってんジャン!!