パープルレインのキュイ
707 名前:作者の都合により名無しです [sage] 投稿日:03/04/29 15:51
ID:IV/dskjY
銀河系から遥か離れたナマズ座星雲というところにある惑星ヘアボールにキュイという名の
盗賊がいた。
彼は武術の天才で、両手から無数に放つ紫色の連続エネルギー弾が彼の必殺技であった。
人は皆、その技の見た目から彼を「パープルレインのキュイ」と呼んだ。
彼は20歳近くまで、武術の才能を悪用して盗みの限りを尽くしていた。
―しかし、そんな彼の人生にも転機が訪れた―
キュイはナマズ座星雲の星々から盗みの限りを尽くしてしまった。つまり、ナマズ座星雲にある
金銀財宝のすべてを彼は手に入れてしまったのだ。
そこで、彼は余所の星雲に行き、盗みを働く計画を思いついた。それには、新しい世界を覗いて
みたいという若さゆえの欲求も手伝っていたのだ。
キュイは相棒のウェリトンを自宅に呼んでそのことを話した。
「ふ〜ん、いいんじゃない?その計画」
ウェリトンはキュイの計画に大賛成の様子だ。
「それと、今回は金銀財宝の盗みだけじゃなく武術の腕試しもしたいんだ」
キュイはニヤリと笑って旅?の真意を語った。
「ふーん・・・まぁ、おまえに勝てるヤツなんていないだろうけどな」
ウェリトンはそう言うと、キュイとふたりで大笑いした。
708 名前:作者の都合により名無しです [sage] 投稿日:03/04/29 15:51
ID:IV/dskjY
旅支度をして惑星ヘアボールを発ったキュイとウェリトン。乗り物はオストラリ星人から
奪った高速円盤「エアズロック10号」だ。一通りの設備は備えてある。
半年ほど飛んだであろうか。ようやくナマズ座星雲の隣にあるパープア星雲に到着した。
「あー!やっと着いた。長旅なんてするもんじゃないね」
ウェリトンは旅の疲労とフラストレーションがたまっているのか、パープア星雲を見て絶叫した。
「ああ、やっとだな。とりあえず生物のいそうな星を探そう」
キュイはそう言うと、生物探知レーダー機「ニューオーリン」のスイッチを押した。
すると、円盤のてっぺんから1つのアンテナが出てきて、超音波が発信された。
一応、これもオストラリ星人の作ったものである。
3日ほど星雲の中を周遊していたら、ようやく生物のいる星を発見した。
「どんなお宝が眠っているかな」
ウェリトンは嬉しそうな口調で言った。
「どんな強者がいるかな」
キュイは好奇心と緊張感が混ざった表情でつぶやいた。
「とにかく楽しまなくっちゃな」
キュイとウェリトンは顔を見合わせて笑った。
711 名前:作者の都合により名無しです [sage] 投稿日:03/04/29 18:27
ID:KvlypR6f
キュイとウェリトンが降り立った星は大型の惑星で、太陽系の土星ほどの大きさだった。
空はどんよりとした曇りで、荒野が辺り一面続く。気温は10℃前後であった。
人のいる気配はなかった。当然民家も見当たらない。
「シケた星だなぁ!めぼしいお宝はなさそうだよ」
ウェリトンはつまらなそうに言い放った。
「下りた地点が悪かっただけかもしれないぜ。これで人を探そう」
キュイは手に持っていた機械を顔に装着した。
「スカウターか。こりゃぁ手間が省ける!」
ウェリトンはキュイと2年前に盗みに入ったシドーニ星の王家の宝箱に入っていた機械を
指して言った。この機械は生物を探知し、その戦闘力(強さ)を数値化して表すことができる
優れものであった。無線機能も付いている。ふたりがスカウターという正式名称を知っているのは、
単に本体と一緒に取扱説明書があったからである。
「では」
キュイはそう言うと、スカウターのボタンを押した。
ピピピピピ
スカウターが駆動している。
「おい、あっちの方に反応があるぞ」
キュイは自分たちから見て左の方向を指して言った。
「そうか、いこうぜ!」
ウェリトンは勢い込んで言うと、空を飛んで行った。
「本当にせっかちなヤツだな」
キュイはウェリトンの後を追った。
712 名前:作者の都合により名無しです [sage] 投稿日:03/04/29 18:28
ID:KvlypR6f
ふたりは1万キロほど飛んでいた。
「だだっ広いだけで何もない星だなぁ」
ウェリトンは再び落胆した表情を見せた。
「確かにな。まぁ、俺は腕のたつ野郎がいてくれればいいんだがな」
キュイはむしろそっちの方が気がかりらしい。
「おい!あそこに誰かいるぜ!」
ウェリトンは持ち前の視力の良さで人の姿を見つけた。
「下りよう」
キュイはそう言うと、ウェリトンと共に地上へ下りた。
人は4人いた。大柄の短髪、中肉中背の長髪、大柄のスキンヘッド、小太りの中年であった。
「誰だ?貴様らは」
短髪がふたりを睨んで言った。
「俺の名はキュイ。惑星ヘアボール出身の大盗賊だ」
「そんでもって俺は相棒のウェリトン」
「惑星ヘアボールのキュイ・・・風の噂で聞いたことがあるぜ」
スキンヘッドがつぶやいた。
「それにしても、何でこいつスカウターを?」
長髪がキュイのスカウターを指して、不可解な表情をして言った。
「これか?これはある星で頂戴した物よ・・・っていうかお前たちも持ってるじゃねぇか」
キュイは連中を当分に見やって言った。
「何かいわくのありそうな奴らだね」
ウェリトンは好奇心に満ちた表情で連中を見た。
<つづく>
713 名前:パープルレイン [] 投稿日:03/04/29 18:28
ID:KvlypR6f
新作うpします。キュイはフリーザ一味の主要キャラの中ではヤムチャ的なポジションと
思われるので主役に抜擢しました。服装はフリーザに出会うまでは黒装束(白ではないです)を
着ている姿を想像してください(相棒のウェリトンも黒装束)。
ウェリトンの名の由来。
キュイ→キウイ→ニュージーランド→首都→ウェリントン→ウェリトン
作品名は『パープルレイン』です。
714 名前:パープルレイン・第五話 [sage] 投稿日:03/04/29 19:07
ID:KvlypR6f
「ごちゃごちゃぬかしてないでとっとと帰んな」
スキンヘッドが啖呵を切って言った。
「それに、この星は我々が占領下に置いたのだ。もちろん金銀財宝もな」
中年は落ち着いた口調で言うと、シッシッと追い払う手振りをした。
「命を助けてやるだけ感謝しろよ、コソ泥が!」
長髪は威勢良く吼えた。
「おい!世紀の大盗賊様を前にしてコソ泥だと?」
キレたウェリトンは長髪を睨みつけながら歩み寄った。
「やめとけ!ラディッツ!俺たちに遊んでいる時間はないんだ!」
スキンヘッドは長髪―ラディッツに向かって叫んだ。
「しかしよ、ナッパさん・・・」
ラディッツはスキンヘッド―ナッパに向かって渋い表情を見せた。
「そんなに遊びたいんなら勝手にするがいいさ。王子に叱られても知らんぞ」
中年はラディッツに向かってそう言うと、
「さぁ、我々は先に帰るぞ。早く報告しないといけないしな」
近くにある球状の乗り物を指して、ナッパと短髪に乗るよう促した。
「・・・俺も遊んでから帰ります」
短髪はラディッツに付き合うことにしたらしい。
「勝手にしろ。俺たちは知らんからな」
ナッパはそう言い捨てると、中年と共に球状の乗り物に向かって歩いていき、
乗り物に乗って飛び立っていった。
<つづく>
724 名前:パープルレイン・第六話 [sage] 投稿日:03/04/30 18:31
ID:6dBdYUH/
「へへへ、ではお楽しみといくか」
短髪は不敵な笑みを浮かべて言った。
「俺はキュイをやるぜ。エアロ、いいだろ?」
ラディッツは短髪―エアロに聞いた。
「ああ、構わないぜ。じゃあ俺はそっちのアフロ野郎だ」
エアロはウェリトンの髪型を指して言った。
―一方―
「キュイ、あいつらの強さはどうなんだ?」
ウェリトンはキュイにスカウターを使うよう促した。
「待ってろ・・・出たぞ。短髪の戦闘力3,200、長髪の戦闘力1,500だ」
キュイはエアロとラディッツの戦闘力を測定してウェリトンに告げた。
「ちっ!結構強いじゃん」
ウェリトンは敵を見て呟いた。
―そして―
「どれどれ、スカウターのスイッチ切ってたからな」
ラディッツはスカウターのスイッチをオンにしてキュイの戦闘力を測定した。
「・・・・・マジかよ・・・・・9,100って」
「なっ!?故障してんじゃねぇの?」
エアロは自分のスカウターを使ってキュイの戦闘力を測定した。
「・・・・・・・どうするよ?グルドさんもナッパさんもスカウターのスイッチ切ってたから
俺たちの今の会話聞いてないだろうし・・・」
エアロは不安な表情をして空を仰いだ。
725 名前:パープルレイン・第七話 [sage] 投稿日:03/04/30 18:32
ID:6dBdYUH/
「おい、どうした?かかってきなよ!」
ウェリトンは及び腰になっている敵を見て叫んだ。
(雑魚が調子に乗りやがって!)
ラディッツはウェリトンを睨み付けて心で呟いた。
「作戦変更だ。サイバイマンが2体残っているから、それ+俺でキュイを殺る。
おまえはアフロ野郎を殺れ。いいな?」
エアロはラディッツに小声で言った。
「・・・ああ、わかったよ」
ラディッツはエアロの提案を不承不承受け入れた。
―そして―
「貴様の相手はこの俺だ!」
ラディッツはそう叫ぶと、ウェリトンに飛びかかっていった。
「そうこなくっちゃ」
ウェリトンは素早く構えをとると、迎撃した。
パンチやキックの攻防。
パワー、スピード、ともにラディッツが上であるにもかかわらず、ウェリトンはラディッツの
攻撃の全てを巧みにガードしていた。
「クソッ!なんで一発も決まらん!?」
ラディッツは焦りの表情をにじませながら叫んだ。
「ハハハ、ウェリトンの視覚、聴覚、嗅覚、触覚はナマズ座星雲にいる生物の中でも
ダントツのものだ。味音痴なのが玉に傷だがな。力任せの攻撃をしても見破られるぞ」
キュイは焦っているラディッツをニヤニヤして見ると、相棒の健闘を称えた。
<つづく>
21 名前:パープルレイン[sage] 投稿日:03/05/01 20:58
ID:???
「よ〜し、ぼちぼち俺も反撃するぞーっ」
ウェリトンはそう言うと、素早く人差し指と中指で突きをラディッツの額に一発見舞った。
ドス!
しかし、ラディッツにダメージは無い。
「なんだ?その突きは?虫を殺す技か」
ラディッツはニヤリと笑うと、ウェリトンの顎を狙ってひざ蹴りを繰り出した。
ドカッ!
ウェリトンはかろうじて両腕でガードした。
「なら、これはどうだっ!」
ラディッツは右手からエネルギー波を放った。
バシッ!
エネルギー波はウェリトンの胴体を直撃した。吹き飛ばされ地面に倒れるウェリトン。
「大丈夫か?」
キュイは心配になって声をかけた。
「・・・な〜に、平気平気。これを仕込んでおいてよかったよ」
ウェリトンは懐から金属製の板を取り出した。それはあと一歩で穴が空きそうであった。
「フン、つまらん小細工をしおって」
ラディッツはウェリトンを蔑みの目で見た。
「へへへ、抜かりの無い性格なもんでね」
ウェリトンはそう言うと、ニヤリと笑ってラディッツを見た。
「んんっ!?」
ラディッツは構えをとろうとしたが身動きができなかった。
22 名前:パープルレイン[sage] 投稿日:03/05/01 20:58
ID:???
「貴様・・・また何か小細工をっ!?」
「へへへ、秘孔を突かせてもらったよ」
ウェリトンがそう言うと間もなく、ラディッツは突然意識を失いバタリと倒れた。
「フフフ、東都龍拳か」
キュイは倒れたラディッツを見てニヤリと笑った。
「俺の家系に代々伝わる一子相伝の術「東都龍拳」。もろい奴なら今の一発で
即死なんだけど、タフだなそいつ。気を失っただけだ」
ウェリトンはピクリとも動かないラディッツを指して満足げな表情を見せた。
「おのれっ!ナメた技を使いやがって!!」
エアロはウェリトンを睨み付けて叫んだ。
「勝負あったね。とどめを刺してもいいんだけど、無駄な殺生は極力しない主義でね」
ウェリトンはくるりと背を向けてキュイの元へ戻った。
「2〜3日したら目を覚ますと思うよ」
ウェリトンはラディッツを指してエアロに言った。
「グッジョブ!ウェリトン」
キュイはウェリトンの労をねぎらった。
「あのエネルギー波をモロに食らってたらアウトだったよ」
ウェリトンは安堵のため息をついた。
「今度は俺がやるよ」
キュイはそう呟くと、エアロの方に向かっていった。
「ほどほどにね」
ウェリトンはキュイの後姿を見て言った。
<つづく>
33 名前:パープルレイン・第十話[sage] 投稿日:03/05/02 19:13
ID:???
「サイヤ人の下級戦士ひとりを倒した程度でいい気になるなよ」
エアロはキュイとウェリトンに対してそう言い放った。
「・・・?こいつ、サイヤ人だったのか」
キュイは倒れているラディッツを見て呟いた。
「言っておくが、俺たちは宇宙の帝王・フリーザ様の忠実なる部下、選び抜かれた戦士だ。
貴様らのように宇宙の辺境でぬくぬくと生きているチキンとは訳が違うんだ!」
エアロは精一杯の虚勢を張った。
「フリーザ・・・何!?お前たちフリーザの手下なのかっ!?」
キュイはこれ以上ないくらいに驚きの声を上げた。
「へへへ、そうさ。俺たちに戦いを挑んだこと、後悔させてやる!」
エアロはそう言うと、手に持っていた小ビンからふたつの粒を取り出し、地面に植えた。
すると、地面から2匹の生物が出てきた。
「キュイよ、確かに貴様の戦闘力は凄い。しかし、俺とサイバイマンを相手にどこまでやれるかな?」
エアロとサイバイマン2匹はキュイに襲いかかった。
(フン、サイバイマンとかいう化け物、戦闘力1,000もないじゃねぇか)
スカウターでサイバイマンの戦闘力を測定したキュイは心で呟くと、猛スピードで2匹を蹴散らした。
「ウギャギャーーーッ!」
吹き飛ばされた2匹のサイバイマンは、近くの岩肌に全身を強打した。
(早いっ!)
エアロはキュイの攻撃を見て心で叫んだ。
キュイはすぐさまエアロの前に立ちはだかり裏拳を放った。
バキッ!
すごい勢いで吹き飛ばされるエアロであった。
34 名前:パープルレイン・第十一話[sage] 投稿日:03/05/02 19:14
ID:???
キュイの裏拳を食らって吹き飛ばされたものの、なんとか空中で態勢を立て直したエアロ。
(奴のパワー、戦闘力以上のものがあるな!)
エアロは頬をさすりながら心で呟いた。
「ほほう?なかなか頑丈だな」
キュイもエアロのタフさに脱帽した。
(いくら俺がタフでも奴の攻撃を連続で食らったら死んでしまう。こうなればあれを・・・)
エアロは心でひとつの決断をすると、右手を広げて天にかざした。
それに合わせて、
「ウキキーッ!」
サイバイマンの片割れがキュイにすごい勢いで飛びかかっていった。
「これでどうだっ!」
キュイはそう叫ぶと、サイバイマンに向けてエネルギー波を放った。
どーん!
エネルギー波はサイバイマンに直撃した。サイバイマンは跡形もなく消し飛んだ。
「殺ったぞ!」
ウェリトンは叫んだ。
その間にもう一匹のサイバイマンが素早くキュイの後方に回り込み、抱きつこうとした。
「キュイうしろーっ!」
ウェリトンはキュイの後ろにいるサイバイマンを指して叫んだ。
「こしゃくなっ!」
キュイは振り返ったが、サイバイマンに抱きつかれた。
「ちっ、何をする気だ!?」
キュイがサイバイマンを振りほどこうとしたその時、サイバイマンの体は大爆発を起こした。
<つづく>
100 名前:パープルレイン・第十二話[sage] 投稿日:03/05/05 16:14
ID:???
サイバイマンの大爆発によって辺りに爆風と砂埃が舞った。
「キュイーッ!」
必死の形相で叫ぶウェリトン。
爆風と砂埃が収まると、無傷のキュイが仁王立ちしていた。
「俺は大丈夫だ、ウェリトン!・・・しかし、サイバイマンとかいう化け物め、自爆するとは何て執念だ」
キュイはサイバイマンの自爆攻撃を目の当たりにして深いため息をついた。
「ちっ!やはりこの星の土では弱っちいサイバイマンしかできんか!」
相変わらず右手を上に上げたポーズを取っているエアロ。
「今の攻撃程度では俺には全く通用しないぞ。降参しろ!」
キュイはエアロに最後通告を出した。
「ほざけ!貴様らはこの俺様の手で殺してやる!」
エアロは吼えると、上げていた右手を地面に振り下ろし、掌でタッチした。
「アンフォーゲッタブル・ファイヤー(焔)!!」
エアロが叫ぶと、突然、強烈な地震が発生し地割れができた。
「な、何だ???」
ウェリトンはビックリして叫んだ。
すると、キュイの足元から直径2メートルほどの火柱が噴出した。
それを間一髪避けたキュイ。
「マグマに飲み込まれて死ね!!」
エアロは右手を振りまわすと、マグマの先端がキュイに向かってきた。
「操ることもできるのか!」
キュイは上空に飛んでマグマとの距離をとり始めた。
101 名前:パープルレイン・第十三話[sage] 投稿日:03/05/05 16:15
ID:???
「貴様がいかに頑丈でもマグマの高温に耐えられるかな?」
逃げるキュイに向かってエアロは叫んだ。
「キュイ、パープルレインを使え!」
ウェリトンは防戦一方に見えるキュイに向かって思わず叫んだ。
「こんな奴に使うことはない!これで充分だ!」
キュイはそう言うと、右手からエネルギー弾を放った。
「こしゃくなっ!」
エアロはエネルギー弾を避けようと上空へ飛んだ。
しかし、エネルギー弾は空中でパチンコ玉程の大きさに分裂し、上下に分散した。
そして、分散したエネルギー弾の下半分が地面を、上半分が避けようと飛んだエアロに直撃した。
ドドドドドドドドドドドド!!
エアロの体には無数の穴が空いた。
「ぐああーーーっ!」
エアロは断末魔の叫びと共に地上に落下した。マグマも力なく地上にヘナヘナと落ちていった。
「キターーー!パープル・ショットガン!!」
ウェリトンはキュイの技を見て嬉々とした声を上げた。
倒れているエアロの元に着地したキュイ。
「フフフ、残念だがお前はもうお終いだ」
キュイは勝利宣告をした。
「・・・フッ、貴様らのとった行動は全部惑星フリーザの人間に知られているぞ・・・つまり、貴様らは
もうお終いだ・・・ゲホッ!」
エアロはキュイにそう言い返すと、血を吐き絶命した。
102 名前:パープルレイン・第十四話[sage] 投稿日:03/05/05 16:16
ID:???
キュイの元に駈け寄るウェリトン。
「あ〜あ、フリーザか。ヤな奴敵に回しちゃったね」
ウェリトンは落胆した表情で呟いた。
「こうなってはしょうがないな。まぁ、こんな宇宙の僻地にフリーザが直々にやって来るとは
思えんから、しばらく様子見だ。刺客には充分注意するということでいいだろう」
「しばらく隠遁生活するの?」
「それじゃあナマズ座星雲を出た意味がないだろ?まぁ、フリーザ本人と鉢合わせなけりゃ
俺たちだけで何とかなるぜ、きっと」
「そうこなくっちゃ!それでこそキュイ!」
「とにかく、この星のお宝を頂戴して他の星を表敬訪問だ」
こうしてキュイとウェリトンは1日でお宝を全部漁り、この星を去った。
キュイとエアロの戦いから10ヶ月ほどが経過した。
―惑星フリーザでは―
グルドとナッパは惑星フリーザに帰還し、フリーザにパープア星雲全部を侵略、制圧した旨の
報告をした。
「ご苦労様でした。しかし、いやな報告も入ってますよ。エアロさんが殺されました」
フリーザは無表情で言った。
「は?・・・するとキュイとかいう男に・・・」
グルドは驚いた表情で呟いた。
「ラディッツの奴はどうなったんです?」
ナッパはフリーザに向かって思わず叫んだ。
<つづく>
118 名前:パープルレイン・第十五話[sage] 投稿日:03/05/06 21:20
ID:???
「落ち着きなさい。無事ですよ、ラディッツさんは。あと3日程で戻るでしょう」
フリーザは相変わらず無表情だ。ラディッツが生き残ったことに不満でもあるかのように―
「しかし、エアロを殺るとはなかなかの腕前ですな」
グルドは頭の中でキュイの顔を思い出して呟いた。
「フフフ。殺すには惜しい男かもしれませんが、私の全宇宙制覇の目標を邪魔する方には
消えていただくしかないでしょう」
フリーザは薄ら笑いを浮かべて言った。
「ならば、私がキュイの首を獲ってきましょう!」
グルドは勢い込んで言った。
「いいえ、それは駄目です。あなたには近々発足予定の、ギニューさんをリーダーとした
特別チームの一員として動いていただきます。この任務には1週間後にネシア星から戻ってくる
ベジータさん、ラディッツさん、それとあなたのサイヤ人トリオに行っていただきます」
フリーザはナッパを指してそう告げた。微妙な含み笑いを湛えて―
フリーザの脇を固める二枚目の男と太った男もニヤリと笑っている。
「はぁ、了解致しました」
ナッパはそんな周囲の雰囲気に気付かない様子で、二つ返事をした。
―1週間後、ベジータという少年が惑星フリーザに帰還した―
ベジータは戦闘民族サイヤ人の王子である。少年なのに圧倒的な強さを持っているので周囲から
神童扱いされていた。しかも、フリーザのお気に入りでもあった。
自室に戻りナッパを呼ぶベジータ。そして、ナッパからパープア星雲での出来事を聞いた。
そのことはフリーザから詳細はナッパに聞くように言われていた。話を聞き終えると不機嫌
そのものの顔で吼えた。
「ちっ、まったく人遣いの荒いお方だぜ!」
119 名前:パープルレイン・第十五話[sage] 投稿日:03/05/06 21:21
ID:???
「まぁ、そう怒るなよベジータ。盗聴でもされてたら事だ」
ナッパはベジータの機嫌をとるように甘い口調で言った。
「俺はいつになったら惑星ベジータに帰れる?ひょっとしておやじの野郎、俺を身売りしたんじゃ?」
「バカいっちゃいけねぇ!王はあんたをいつも気にかけているぜ」
「フン、どうだか」
「今は我慢の時ですぜ。あんたが成長して超サイヤ人になるのを見るのが俺の夢なんだから。
ここでヤケを起こされちゃ適わなねぇや」
「おだてたって無駄だぞ。自分が超サイヤ人になることを望んでいるくせによ」
「ヘヘヘ、あんたには敵わなねぇよ」
「そんなことより、゙フリーザ様”直々のご命令とあってはすぐに発たなければならんだろう。
すぐにラディッツに旅の支度をさせるんだ」
「了解しやした」
ベジータは部屋を出ようとするナッパを呼び止めた。
「ちょっと待て。例のキュイとかいう奴、どこにいるかわからんのだろう?」
ベジータはそのことを不審に思ってナッパに聞いた。
「へぇ。見つけて殺すまで帰ってくるなということらしいですぜ」
ナッパは首をすくめてやれやれのポーズをとると、去っていった。
「ちっ、厄介な仕事を押し付けやがってよ!」
ベジータは近くにあった椅子を蹴飛ばして叫んだ。
こうして、フリーザの魔の手がキュイにじわじわと忍び寄るのであった。
<つづく>
140 名前:パープルレイン・第十七話[sage] 投稿日:03/05/08 13:00
ID:???
キュイとウェリトンのふたりはパープア星雲で盗賊家業を繰り返していた。
パープア星雲の半分強を旅したが、生物のいる星々は全てフリーザの手下に落されていた。
幸運(?)にも、お宝は手付かずで残っていたので全て回収したがキュイの心は晴れなかった。
「どうしたんだい?キュイ」
そんなキュイの様子を見てウェリトンは聞いた。
「ああ、ちょっとな・・・・・」
「ひょっとしてフリーザのこと?今のところ何も起きていないんだからいいじゃん」
「そうだな・・・。しかし、相手はあのフリーザだ。奴はとんでもない強さを持っているだけでなく
人望もあるため宇宙の名だたる戦士が進んで部下になっているらしいからな・・・」
キュイはまだ見ぬフリーザの姿を想像して呟いた。
その時であった。
「あれっ?」
ウェリトンはふと上空を見上げると何かを発見した。
「あちゃー。どっかで見たことのある真ん丸い宇宙船だぁ」
視力の優れるウェリトンは上空から降ってくる3つの光を見ると、そう呟いた。
「どうやら刺客のおでましらしいな」
キュイも上空を見上げて呟いた。
3つの宇宙船は猛スピードで降下し、キュイたちのいる場所から4,000キロほど離れた
地点に落下した。
「行ってみる?」
ウェリトンは好奇の目を落下ポイントの方に向けて言った。
「フリーザかも知れんぞ?」
「なぁに、そうだったら向こうから来ようがこっちから行こうが同じことさ」
こうしてふたりは宇宙船の元へと飛んだ。
141 名前:パープルレイン・第十八話[sage] 投稿日:03/05/08 13:00
ID:???
宇宙船から出てきたベジータ、ナッパ、ラディッツの3人。
「この星にいるかな・・・」
ナッパは疲れきった表情で言った。
「フン、まだ10箇所しか廻っていないんだぞ。そう都合よく見つかるかよ」
ベジータはヤケ気味に叫んだ。
「あ、あの王子・・・スカウターに反応が・・・」
ラディッツは恐縮してふたりの会話に入って言った。
「んん?本当だ・・・かなり早いスピードだぜ」
ナッパはスカウターのボタンを押すとそう呟いた。
「どうやらこの星に潜んでいたらしいな。せっかくだ、少し楽しむか」
ベジータはニヤリと笑って指を鳴らした。
キュイとウェリトンはベジータたちのいるところに到着した。
「あっ!あのスキンヘッドとロン毛!」
ウェリトンは久しぶりに旧友に出会ったかのような素っ頓狂な声を上げた。
「ベジータ、あのナマズみたいな顔した奴がキュイだ」
ナッパはキュイを指して言った。
「ほう?貴様がキュイか・・・」
ベジータはキュイを睨み付けて言った。
「いかにも」
キュイはうなずいた。
<つづく>
147 名前:パープルレイン・第十九話[sage] 投稿日:03/05/08 20:51
ID:???
「王子、気を付けてくださいよ。奴は戦闘力が1万近くありますので・・・」
ラディッツはキュイを指して言った。
「そんなことはわかっている!貴様は邪魔だからあの岩陰で俺たちの戦いを見て勉強してろ!」
ベジータはラディッツに向かって怒鳴った。
「お、俺は戦わなくていいんですか?・・・わ、わかりました・・・(ヤッター!)」
ラディッツはビクビクして答えると、岩陰に潜んだ。
「おい!貴様ら!俺は戦闘民族サイヤ人の王子・ベジータ様だ!この前は俺の同朋を
いたぶってくれたそうじゃないか!俺たちに盾突く奴は皆殺しだ!」
ベジータはキュイたちに向かって叫んだ。
「お前らは全員サイヤ人か?ハッハッハッ、天下に名だたるサイヤ人がフリーザの犬とはな!」
キュイはそう言うと、大笑いした。
「おい、てめえ!ぶっ殺してやる!」
ナッパは逆上してキュイに飛びかかろうとした。
「やめろ、ナッパ!あいつは俺が殺る。おまえはあっちだ」
ベジータはグッと怒りを抑えると、ウェリトンを指して言った。
「あ〜楽しい。ウェリトン、おまえに出てこいってよ」
「え〜っ?本当に血の気が多いな、サイヤ人は」
ウェリトンはそう言いながら渋々前に出た。
構えをとるウェリトンとナッパ。
「ヘヘヘ、戦闘力たったの893かよ」
ナッパはスカウターでウェリトンの戦闘力を測定すると、馬鹿にした笑いを向けた。
「ふん、力任せの野蛮人とは違うのさ」
ウェリトンも皮肉な目をナッパに向けた。
148 名前:パープルレイン・第二十話[sage] 投稿日:03/05/08 20:51
ID:???
「その減らず口、ぶっ潰してやる!」
ナッパは猛然とウェリトンに襲いかかった。
ウェリトンは持ち前の五感(味覚以外)をフル回転させてナッパの攻撃を読み取ろうとした。
ドカッ!
ナッパの放ったパンチを両手でガードするウェリトン。しかし、ナッパのパワーは想像以上で、
パンチの圧力でウェリトンの体は吹き飛ばされた。
「くおおっ!?」
ウェリトンはなんとか空中で態勢を立て直したものの、ナッパはすでに目前に迫っていた。
「ちっ!これでも食らえっ!東斗龍拳奥義・東斗千手殺!!あたたたたたたたたたたたたたたた
たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた、ほあちゃあっ!!」
ウェリトンは正拳突きを無数に放った。
正拳突きはナッパの全身を捉えた。ナッパは両腕で顔面をガードしていた。
ウェリトンは正拳突きを放つのを止めると、
「お前はもう、死んでいる」
と宣告した。
「全身の秘孔という秘孔を突くとは・・・」
キュイはウェリトンの技を見て唾をゴクリと飲んだ。
「ナッパさーん!・・・ああ、俺のときのように気絶じゃ済まないかも・・・」
岩陰で戦況を見つめていたラディッツはナッパに向かって叫ぶと、落胆の表情をした。
「殺ったか!?」
キュイはピクリとも動かずつっ立っているナッパを見て叫んだ。
「・・・・・・・ツボマッサージとはなかなか気が利くじゃねぇか」
ナッパはニヤリと笑って言い放った。
149 名前:パープルレイン・第二十一話[sage] 投稿日:03/05/08 20:51
ID:???
「なにっ!?秘孔を突いたのにピンピンしてる!!」
ウェリトンは奥義がナッパに全く通じていないことに唖然とした。
「残念だったなぁ。俺らは弱虫ラディッツと違ってやわな鍛え方をしてねぇのさ」
ナッパは不敵な笑みを浮かべて言うと、素早くウェリトンにアイアンクローを極めて持ち上げた。
「ヤバイ!ウェリトン。東斗龍拳が通用しないんじゃおまえに勝ち目はない!俺と代われ!!」
キュイは声を張り上げた。
「ふざけるなよ。こいつは俺の獲物だ。貴様はベジータに殺されろ!」
ナッパはキュイを睨み付けて言った。
「キ、キュイ・・・手出しするな・・・勝敗はまだわからないよ」
そう言うものの、ウェリトンの頭蓋骨はキシキシを悲鳴を上げている。
「相変わらずナメた口を・・・」
ナッパは凄みを帯びた口調で言うと、ウェリトンを掴んでいる手からエネルギー波を放った。
「ウェリトーーーン!!!!」
キュイはたまらず叫んだ。
ぐおおおーーーん!
ウェリトンの頭部は跡形もなく消し飛ばされ、胴体以下だけが虚しくナッパの足元に崩れ落ちた。
「うおおおーーーーーーーっ!!」
慟哭するキュイ。
「そうわめくなよ。てめえらだって俺の仲間を殺ってくれたんだからよ」
ナッパはニヤリと笑って言った。
「所詮、戦闘は殺し合い。お互い様というところだな」
ベジータは冷笑して言い放った。
150 名前:パープルレイン・第二十二話[sage] 投稿日:03/05/08 20:52
ID:???
「ふざけやがってこの猿どもがっ!この代償はでかいぞ!」
キュイは怒りを顕わにして叫ぶと、ナッパに向けて目から怪光線を放った。
ぎゅおーーーん!
しかし、ベジータが素早く放ったエネルギー弾に阻まれてしまった。
「貴様の相手はこの俺だと言っただろう?」
ベジータはナッパの元へつかつかと歩み寄り、タッチをした。
「選手交代、って奴だな」
ナッパはニヤリと笑うと、ラディッツのいる方へ歩いていった。
「せいぜい楽しませてくれよ」
ベジータはそう言うと、構えをとった。
「エテ公は全滅させてやる!」
キュイはそう叫ぶと、構えをとった。
パンチやキックの攻防が始まった。パワー、スピードで若干リードしているベジータ。
それを豊富なテクニックでかわすキュイ。
「ハアハア・・・ガキのくせにやるな」
キュイはベジータの猛攻をなんとかしのいで、息を切らせながら言った。
「俺は宇宙一の天才だ!それに、戦闘力だって貴様より上だ!」
ベジータはそう言い放つと、猛スピードで飛び蹴りをキュイの左頬に放った。
バキッ!
勢いよく後方に吹き飛ばされるキュイであった。
<つづく>
222 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:03/05/14 20:16
ID:???
『パープルレイン』作者です。
人がまだいるようですね。といっても本当に書きこみ少ないね。。。
ところで、DBは実質上マジュニア編が最終章だという意見をよく目にしますが(2ch内で)、
漏れもその通りだと思います。
なぜなら、
1)マジュニア編までは敵キャラ(鶴仙流やピッコロ大魔王など)の必殺技に個性があったが、
サイヤ人編以降にそれは弱くなり、エネルギー波、エネルギー弾一辺倒で強さやタフさのみが
強調されて戦闘シーンが淡白。
2)1)に加えてナメック星編から激しくなる強さ(戦闘力)のインフレ。
3)サイヤ人編以降Z戦士(便宜上こう呼ぶ)をストーリーの脇に追いやったのがもったいなかった。
皆個性的で味のあるキャラたちなのにね。
漏れの中ではDBはマジュニア編まで。それ以降はない。しかし、サイヤ人編で見せたピッコロの
魔貫光殺法とクリリンの拡散エネルギー波+気円斬は除く。
なぜこんなことを言うかというと、『パープルレイン』を書いていて自身で激しくつまらなく感じたから。
サイヤ人編より前を対象にしたはなしを書けばもうちょいマシな中身になったのかもしれないと
思ってます(レベルは大して変わらないけどw)。
とりあえず、『パープルレイン』の続きをはしょって書いてみました。
223 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:03/05/14 20:17
ID:???
1)キュイとベジータの死闘。キュイ「パープルレイン」を放ちベジータにダメージを与える。
両者決定打を放てないまま膠着状態。そこへひとりの男が登場。戦闘を中断させる。
男はバータと名乗る。バータはベジータたちに、フリーザが惑星ベジータを破壊し、
サイヤ人を全滅させたと告げる。大慌てのベジータたちは足早にキュイの元を去る。
2)バータはキュイに会いに来た理由を告げる。それは、バータのボスがギニューという男に
10年前、ボディーチェンジという技で体を取り替えられてしまい、以前の強さを失ってしまった。
その体を取り戻すべく対ギニュー(フリーザ)共同戦線を張って欲しいと依頼。
キュイ、相棒ウェリトンの敵討ちもありバータの仲間になることを受諾。
3)キュイ、バータの生まれた星「惑星スーノブランド」に到着。ボス「マガーリン」と出会う。
マガーリン、キュイの格闘センスに惚れて直々に稽古を付けると宣言。厳しい修行始まる。
3年間の修行で戦闘力18,200までアップ。
4)4年に1度惑星フリーザで開催される格闘技の祭典「V-1」(ViolenceのV)に
キュイ、バータ、マガーリン出場(バータとマガーリンはフリーザによって賞金首に
指定されているため覆面姿)。
対戦組み合わせ
Aブロック
第1試合: アプール vs ドドリア
第2試合: マガーリン vs ナッパ
第3試合: アオジール
vs バータ
第4試合: ギニュー vs ラディッツ
Bブロック
第1試合: ゴヤー vs ベジータ
第2試合: グルド
vs ザーボン
第3試合: キュイ
vs ジース
第4試合: ピマーン vs リクーム
(マガーリン、アオジール、ゴヤー、ピマーンはオリキャラ)
A、B両ブロックの優勝者で決勝戦を行い、勝った者がフリーザとエキシビジョンマッチをやる。
ルールは天下一武道会と同じ。
優勝賞金は直径1メートルのダイヤモンドとフリーザの手形。
224 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:03/05/14 20:17
ID:???
5)Aブロック第1試合→ドドリアのコブラツイストでアプールはギブアップ。数秒で決着。
第2試合→ナッパの力任せの攻撃を難なくかわし、衝撃波で場外へ吹き飛ばす。
第3試合→アオジールの敵のスピードを極端に遅くさせるエネルギー波を食らい
バータ苦戦。しかし、汗をかくとエネルギー波の効力が弱まるという
欠点に気付き、宇宙一のスピードを取り戻したバータ辛勝。
第4試合→ラディッツ棄権の為、ギニュー不戦勝。
Bブロック第1試合→鋼の肉体を持つゴヤー。ベジータの猛攻をものともしないが、その代わりに
攻撃力が無く決め手に欠ける。普通に攻撃しても通じないと悟ったベジータ
は、武舞台のきわでゴヤーを挑発。キレたゴヤーが突進してきたところで 身を翻し場外へ突き落とす。
第2試合→V-1を極端に嫌うザーボン。やる気の無いザーボンにはっぱをかける
フリーザ。一方、普段からザーボンに嫌味を言われっぱなしのグルドは
見返すチャンスとばかりに猛攻を仕掛ける。じわりじわりと詰め寄るグルド
だったが、ザーボンの気合の一撃にあえなく撃沈。
第3試合→打倒サイヤ人に燃えるキュイ。対するはフリーザの特別部隊「ギニュー
特戦隊」のホープ、ジース。レベルアップしたキュイの実力の遥かに上を
いくジースにキュイは悪戦苦闘。いたぶられ追い詰められたキュイの頭部に
ある突起(中は空洞)から突如、もくもくと紫の煙が出てくる。
それを吸ったジースは幻覚症状に見舞われ発狂する。
ジース、戦闘不能になりキュイ勝利。紫の煙「パープル・ヘイズ」は謎のまま。
第4試合→ギニュー特戦隊メンバーで屈指のパワーを持つリクーム。
身軽で素早いピマーンの独特の戦法に戸惑うもワンパンチで圧勝。
233
名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:03/05/14 22:27
ID:???
5)準決勝
Aブロック
第1試合:ドドリア vs マガーリン
→ドドリアのパワー重視の攻撃をナッパ戦と同じようにかわそうとしたマガーリン。
しかし、桁違いのパワーを持つドドリア相手に防戦一方となってしまう。
後一歩までマガーリンを追い詰めたドドリアであったが、マガーリンの必殺技
「ミルキー・ストーム」を食らい、あえなくギブアップ。
第2試合:バータ vs ギニュー
→宇宙一のスピードでギニューを翻弄するバータ。しかし、ギニューの体はボスのマガーリンの
もの。思いきった攻撃ができずにいる。そんな様子と凄まじいスピードを見たギニューは
直感で覆面の正体がバータであると指摘する。怒ったフリーザから公開処刑を命じられた
ギニューは、戦闘力を開放させ猛攻を仕掛けてバータに重症を負わす。
それでも向かってこようとするバータを見てフリーザ感心。命は助けてやるから部下になれ
と告げる。断るバータであったが間もなく力尽きる。駈け寄るマガーリン。
マガーリンの正体もわれて会場の雰囲気は一触即発。このけりはブロック決勝でやれ、と
フリーザのお達しを受けるギニューであった。
Bブロック
第1試合:ベジータ vs ザーボン
→ベジータもザーボンから陰湿な嫌味を言われているひとりであった。試合開始前にも
猿呼ばわりされたベジータは我を失う。そんなベジータの様子を見て楽しんでいた
ザーボンであったが、ベジータが不意に出したキン蹴りを食らい悶絶。
ダメージよりも辱められたことに対してショックを受けたザーボンは戦意喪失で棄権。
第2試合:キュイ
vs リクーム
→キュイ、パープル・ヘイズを出そうとするがうまくいかず。逆に隙を突かれリクームの
強烈タックルを食らってしまう。またもやピンチのキュイ。やむを得ずパープルレインを
繰り出すが、リクームにダメージを与えることができなかった。
キュイ、リクームの前に敗れる。
試合終了後、リクーム、突然意識を失う。微量ながらパープル・ヘイズが出ていたのだ。
リクーム、戦闘不能のためキュイが決勝進出。
234 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:03/05/14 22:27
ID:???
6)決勝戦
Aブロック
マガーリン vs ギニュー
→マガーリンは自身の体を取り戻すための秘策があった。それは、自身がボディ―チェンジを
マスターしたことだった。しかし、戦闘力に大差があるためなかなかギニューのスピード、
間合いを捉えることができない。そして、ギニューの攻撃に耐えきれなくなってきた
マガーリン。そんなマガーリンを追い詰めながら楽しむギニューは、とどめの一撃を見舞おうと
接近してきた。今がチャンスとばかりにボディ―チェンジを繰り出したマガーリンだったが、
近くを飛んでいた蚊に当たってしまいあぼーん。勝敗は時の運であることを印象付ける。
Bブロック
ベジータ vs キュイ
→ライバル対決再び。パワー、スピード、テクニック全てにおいて実力伯仲のふたり。
キュイはパープル・ヘイズをあえて封印してガチンコ対決を挑んだ。
結果は、キュイがパープル・ショットガンでベジータからギブアップを奪った。とどめを
刺そうとしたが、フリーザに阻止される。
フリーザに「戦闘力うんぬん抜きにして素直に楽しめる試合だった。ふたりのこれからが
非常に楽しみです」言わしめたほど充実した試合だった。
7)決勝戦 ギニュー vs キュイ
天敵のマガーリンがいなくなり居丈高のギニュー。しかも、先のキュイの戦いを観戦して
技を研究し尽くした、とギニューは豪語した。格闘技の師匠を失い、悲しみを胸に秘め戦いに
挑むキュイ。キュイの感情が最高潮に高まると、例のパープルヘイズが再び巻き起こった。
煙を吸うまいと口を塞ぐギニューだったが、煙は皮膚を通して体内に入っていった。
しかし、強大な戦闘力を持つギニューはジースやリクームのように戦闘不能に陥ることは無く、
ダメージが残るのみであった。
それでなんとか実力が均衡した両者は死闘を繰り広げ、最後はキュイがパープルレインを
使って勝利を手にした。
235 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:03/05/14 22:28
ID:???
8)フリーザとの対面
キュイは様々な戦士と戦うことによって自身の内にある好奇心を満たしていった。
そして、世の中にはまだまだ上がいることを身をもって知った。自分が優勝できた
のは運によるところが大きいと自覚しながらも、結局それが一番なのだと相棒や
師匠の死を振り返って思うキュイであった。
ひょっとしたら、宇宙の帝王と恐れられているフリーザを自分が倒してしまうかも
しれないと思い身震いするキュイ。フリーザとのエキシビジョンマッチが始まる。
パープル・ヘイズを出そうと力むキュイ。しかし、煙が出ることはなかった。
そもそも、自身の突起から煙が出るようになった原因すらよくわかっていない状態で、
そう都合よく煙を出せるわけがない。キュイ万事休す。
しかも、フリーザの圧倒的な存在感に気圧されるばかり。
キュイは延命の為やむなくフリーザの軍門に下ることを決心するのであった。
その後、再びパープル・ヘイズを繰り出すことができたか否かは言うまでも無い。
キュイの最後はベジータに瞬殺されるのだから―
<おわり>