OH MY!!ヤムチャ
OH MY!!ヤムチャ :03/01/16 07:49 ID:??? 新連載大増3ページ!! 第一拳 「朝だ、新学期だ、今日もかっこよくいくぜ!」 「朝だポポーーーーーーー!!」 ここは西の都、日の出からちょうど2時間後にコケコッポポの鳴き声が響き渡る。 「おっはよーーーー!!親父ぃ、腹が減ったぞ!メシメシィーーーー!!って、あり?」 空のちゃぶ台を見てヤムチャは急ブレーキをかけた。 「ったくよぉ親父ぃ?」 「グォーー、ゴァーー…一日一殺…ムニャムニャ」 ヤムチャが隣の部屋を覗くと、布団の上で胡座をかいて逆立ちで眠っている桃白白がいる。 「ったく、今日から新学期だって、半年前から言っておいたのに案の定寝てやがる。まぁ、いつもそうだけどさ」 ヤムチャの親父、桃白白の家は西の都の外れでしがない暗殺業を営んでいる。 本人は暗殺業をうまく隠しとおしているつもりだが町中に知られている。といっても、平和な西の都で暗殺の依頼なんて滅多にないし、 反対に狙われるということもない。しかし、そんなわけでヤムチャの家は貧乏このうえない。 「今日の飯の心配を子供がしなくちゃいけないなんてな。仕方ない、朝のウォーミングアップも兼ねて獲物を獲るか」 ヤムチャは外に出た。ズーンズーン…ちょうどよく獲物になりそうな八つ目恐竜が歩いている。 腹を空かせていたらしく、ヤムチャを見つけると向きをかえて襲ってきた。ヤムチャは前足の一撃を軽やかにかわす。 八つ目恐竜は視界から消えたヤムチャを必死に探す。が、見つからない。その時、頭上から声がした。 433 :OH MY!!ヤムチャ :03/01/16 07:50 ID:??? 「いくぜ…狼牙風風拳!!」 目にも止まらぬ連撃で八つ目恐竜を仕留める。 「ふう、これで、あと1か月は食事に困らなくて済みそうだな」 家に入るヤムチャ。コケコッポポの鳴き声よりもうるさいいびきがまだ聞こえる。 「…朝飯は俺が作るか。この獲物でちゃっちゃとな」 台所でヤムチャは目にも止まらぬ包丁さばき、鉄鍋さばきを披露する。誰に見せるわけでもないが。 足はほとんど必要としない、料理という分野をヤムチャは得意としていた。 「あらよっと、『八つ目恐竜の四段目玉焼き』二丁上がりぃ!」 ちゃぶ台に料理を運ぶヤムチャ。隣の部屋からは、相変わらずいびきの音しか届かない。 「先に食べるか。いっただきそうですよ〜!」 説明役:プーアル「今、ヤムチャさまが言った『いただきそうですよ』。これは、『いただきます』と『ごちそうさま』と さらにその後、食器を持って立ち上がるときに、膝をちゃぶ台の縁にぶつけた相手に皮肉をこめて言う『足元がお留守ですよ』 をまとめて言ってしまおうという、画期的な言葉なんです」 434 :OH MY!!ヤムチャ :03/01/16 07:51 ID:??? 「朝飯ができたってのに、親父はいつまで寝てんだ〜?まだあの馬鹿の殺人いびきが聞こえるよ…あれ?」 ヤムチャの目の前が急に斜めに傾いた。 「馬鹿者、これは昨日からずっと腹の音だ。今度、わしの悪口を言ったら、首の骨だけじゃ済まさんぞ。死点を突いてやる!」 ―――――――――――閑話休題―――――――――――――― 「いってぇな親父、危うく死にそうなところだったじゃねえか」 「ふん、敵に背中を見せるお前が悪い」 グーグー腹を鳴らしながら桃白白は言った。 「ほらよ、親父の分の飯もできてるぜ。腹の音がうるさいからとっとと食え」 「ん…その前に、便所だ…昨日拾い食いした数の子の粒が当たったみたいだ…」 「腹減ってたんじゃないのかよ!」 先に食べ終わったヤムチャは学校に行く仕度をした。 「じゃあ親父、今日から学校だから行ってくるな。うわっ、くっせえよ!!」 ヤムチャは逃げるかのように家を飛び出した。トイレから擦れ声で呟く桃白白。 「暗殺業も誰に狙われるか、わからんもんだな。まさか道端の数の子以外にみみずにまで罠が仕掛けられていたとは…」 次号に続くよね 435 :OH MY!!ヤムチャ :03/01/16 07:55 ID:??? お知らせ 次号から題名が『OH!!MY ヤムチャ』 に変わります。よろしくな!! 480 :OH!!MY ヤムチャ :03/01/19 14:18 ID:??? 第二拳 「ハイエナは下手に一人じゃ行動しないぜ じっと機をうかがうのさ」 ヤムチャの家からヤムチャの通う、西の都立カリントウ小学校までは約10キロ離れている。カリントウ小学校は西の都の ど真ん中に位置する。ヤムチャは毎朝、歩いて学校へ向かう。 「あーあ、なんで家までバス来ないんだろ」 不満をたれながらだらだら歩くヤムチャの横を雲が通りすぎた。『筋斗雲タクシー』というノボリを掲げている。 「ちっ、ムカツクぜ」 タクシーに乗っている父親と子供に視線をぎらつかせるヤムチャ。 解説:プーアル「『筋斗雲タクシー』は権力に幅をきかせていて、商用空域では舞空術が禁止されています。 しかも客を選ぶことで有名で、心が清い人しか乗せてもらえません。 だったら儲からないだろ!ってツッコミが聞こえますね。そこは御安心を。 噂によれば、このタクシー会社の社長は、料理評論家もやっていて、その印税で食べているという話ですから。 いますよね、こういう、余ったお金で余計な事業を興す奴。ヤムチャさまなんて、きっとそれで失敗して 多額の借金を抱え込む典型例のいい見本になりそうです。 おっと、話がそれてしまいましたね。筋斗雲タクシーのことですが、ヤムチャさまが乗せて貰えるわけがないですね」 481 :OH!!MY ヤムチャ :03/01/19 14:18 ID:??? 「おはよう、ヤムチャ!」 一時間ほど歩いたところで、向こうからヤムチャのもとに二人の人影が近づいてきた。ピッコロとサイバイマンである。 「おはよ、今日も青いなピッコロ。サイバイマンは一段としゃがれてんな」 「うるさいハゲ!ところでお前、何を食べているんだ?」 ピッコロは何かをくちゃくちゃ噛んでいるヤムチャの口を指差す。 「ああ、これか?朝飯だよ。まあ、見ててみろって」 ヤムチャはそう答えるなり、懐から八つ目恐竜の歯と目玉焼きを取り出した。 「まずはこの歯を砕く、狼牙風風拳!」 高速の拳が八つ目恐竜の歯を粉々にする。 「そして、お次は懐に温めて柔らかくしておいた目玉焼きにまぶせば…『歯目ん玉キャラメル』のできあがりよ!」 「食えるかぁーー!!」 ピッコロの目潰しが『歯目ん玉キャラメル』ごとヤムチャの目を襲う。さらに、ダメ押しの魔貫光殺砲を放った。 「ぐああああああああああ!」 頭から溢れるよだれを抑えきれずにいたサイバイマンは、地面にばらけた『歯目ん玉キャラメル』を拾い集めて食べ、 ヤムチャたちの横でこっそりと歓喜の声をあげた。 「OH!!MY ヤッ・ムッ・チャ〜〜〜!」 説得:プーアル「両手で足の小指を押さえながら飛び上がってしまうほど、おいしいものを食べたとき 実際にそのリアクションをしながら『OH!!MY ヤッ・ムッ・チャ〜〜〜!』と叫びましょう。私はやりません」 そのころ、ヤムチャの家『ころし屋 たおぱい白』では、腹を下した桃白白のどどん波が止まらず 便器がサイズオーバーで破壊寸前だった。 「もう二度と数の子とみみずだけは拾い食いせんぞ…」 桃白白は、かすんでいく意識の中で紙に誓った。 第三拳はこれまでのくだらん展開とは打って変わってシリアスに!次号に続くよね