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未来


837 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/01/31 19:56 ID:???
ブルマはある装置を組み立てている。その装置はブルマの目的を達成するために 
彼女自身で考えて作成した装置である。装置の作成にはカプセルコーポレーション 
の研究員数名を導入してあたったが、彼らには装置の全体像は知らせていない。 

ブルマは考える。いつも浮気ばかりしている彼氏のことを。自分は果たして彼と 
結ばれる運命にあるのだろうか、私は彼を愛しているそう思っていても、向こう 
にその気が無い以上はどうしようもない。だが、この装置を作った事で彼の気持ち 
が分かる。いや、そうじゃない自分達の未来が分かる。ヤムチャと結ばれる運命 
なのか、そうでないのか。そのことがこの装置で分かるのだ。 

カプセルコーポレーションでは装置の組立作業が行われている。既に各研究者達 
の手により、部品は完成していた。後はそれを組み立てるだけでブルマの望みは 
叶う。自分達の未来を知ることができるのだ。 
838 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/01/31 19:57 ID:???
ブルマが装置を組み立て始めたのは第23回天下一武道会が終了してからである。 
あの日、ブルマとヤムチャは些細な理由でケンカしてしまった。ブルマはいつも 
通り一回戦で敗れたヤムチャに対し、「また負けちゃって、もう出なきゃいいのに」 
と言ったのである。彼女にとってこの一言は些細な事であった。だが、ヤムチャに 
とっては違う。彼にとって天下一武道会は遊びごとではなかった。いつも通り 
の事であっても、一回戦負けは屈辱的なことなのである。そのため、ブルマと 
ヤムチャはケンカした。 

ブルマはその時思ったのである。自分は果たしてヤムチャと結ばれる運命なのかと 
彼と結ばれるのなら、どうしてこんなにケンカするのか。もしかしたら結ばれない 
運命にあるのかもしれない、と思ったのである。だから、彼女は今の装置を考えた。 
そして、その装置が今日完成したのである。 

カプセルコーポレーション研究員の一人がブルマに質問した。 
「やっと、私の願いが叶う。これで全ての運命が分かる」 
「ブルマさん、この装置は一体‥‥?」 
「この装置はね‥‥私の運命を調べる装置よ」 
「運命を調べる装置ですか、しかし‥‥この装置にはおかしな点が‥‥」 
そういって彼は装置の完成図をブルマに見せる。 
「全体的なことは、まだ分かりません。ですが、ここの部分を見る限り 
 この装置は人類破滅をもたらすような‥‥そんな気がするのですが」 
「破滅‥‥しないわよ」 
研究員は装置とブルマの言葉に疑問を抱きながらも、一応その場を去っていった。 
「そう、この装置はただ調べるだけのもの。運命をね」 
ブルマは一人つぶやいた。 
839 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/01/31 19:57 ID:???
ブルマが装置を完成させたのと同じ頃、西の都の小さなホテルで二人の男が 
語り合っていた。 

「まさか、あんたが生きていたとは」 
「俺もあんたは死んだものだと思ってたよ。この間の天下一武道会を見るまではな」 
「このワシはそう簡単には死なんよ。一応、世界一の殺し屋だからね」 
「ふふふ‥‥一回戦で負けはしたが、あんたは最強だ。そう思っていいよな」 
「あぁ。ワシは誰にも負けん。殺し合いならな」 
「その言葉を信じてお前に殺しを依頼したい」 
「ほう、誰を殺したいのかな」 
「この書類に載っている連中、全員だ」 
「たやすい事だ」 
「殺しの方法は‥‥‥だけ、守ってくれればいい」 
「了解した」 
「殺しの料金だが、ここに用意したもので足りるか?」 
「あぁ、充分だ」 

そう言って、殺し屋桃白白は飛び立った。 
そして、もう一人の男、桃白白に殺しを依頼した男、その男の名は 
元レッドリボン総帥ブラック。 
レッドリボンの恐怖が再び始まろうとしていた。 
840 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/01/31 19:58 ID:???
桃白白が殺しを依頼された次の日。西の都で一人の女が消えた。 
女の名はランファン、彼女は第21回天下一武道会出場者であった。 

『NHK(西の都、放送協会)です。昨夜未明、西の都一丁目に在住の 
インストラクター、ランファンさんが仕事の途中で失踪しました。 
ランファンさんの持ち物が職場に残されている事から、警察では何らかの事件に 
巻き込まれた可能性が高いと見て、捜査を続けています。 

「突然、いなくなったんですよ。えぇ、ダンスを教わっていた時です 
 もちろん勝手にいなくなるような人ではありません。 
 昨日はいつも通り元気な姿を見せてくれました。特に失踪するような理由の 
 ある人じゃないですね。明るくて素敵な女性でしたよ 
 突然いなくなって私達もビックリしています」 

ランファンさんが勤めていた、ダンススクールの生徒は失踪についてこのように 
語りました。警察では周辺の住人にランファンさんの目撃証言を求めています。』 


テレビを見ていたヤムチャは懐かしい名前の突然の失踪に驚いた。 
ランファンといえば、2大会前の天下一武道会に出場した女である。 
「天下一武道会出場者の失踪か‥‥まさか他の連中も消えやしないだろうな」 
冗談のようにつぶやいたヤムチャの言葉はこの後現実のものになっていく。 
841 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/01/31 19:58 ID:???
翌日、ヤムチャの予感は的中した。二人の人間が姿を消したのだ。 
パンプットとチャパ王である。両者の消え方はランファンと同じで 
仕事途中に突然消えてしまったのである。それも荷物を残したままでの失踪だった。 

三件続いての失踪事件、警察は三人が何らかの事件に巻き込まれた可能性が高いと 
判断し、さらに同一犯による犯行であると推定して捜査を開始した。 

そして、西の都に住む一人の男に警察は捜査を依頼した。その男の名はヤムチャ。 


西の都には賞金稼ぎの制度が存在する。事件の解決が困難を見たとき、 
民間人にその解決を求めるのである。そして、事件を解決した民間人には事件の難易度 
に応じた謝礼が支払われる。ヤムチャは西の都において過去最高額の謝礼を 
もらった人間であった。そのために、警察は彼の腕を信頼し最初から捜査に 
導入したのである。 

「ヤムチャ君。君にはいつも助けられていて、申し訳なく思っているよ」 
「西の都の平和を守るため、俺は当然のことをしてるだけですよ」 
「そう言ってもらえると助かる。実は君に今起きている連続失踪事件の犯人を追って 
 もらおうと思ってな、お願いできるかな」 
「もちろんです。すぐに解決して見せますよ、この俺がね」 
「これは頼もしい、期待してるよ。頑張ってくれたまえ」

850 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/01 14:35 ID:???
ヤムチャは警察の依頼を受け、捜査を開始した。 
まずは考えをまとめるため、カプセルコーポレーションに戻る。 

ヤムチャは事件に取り掛かるとき、必ず新聞を見る事にしている。 
一度見た記事をもう一度チェックする。そうすることによって考えをまとめるのである。 
そして、このときの彼は眼つきが鷹のように鋭くなるのだ。 
そんなところに相棒のプーアルがやってきた。 

「ヤムチャ様、新しい事件ですか?」 
「ん‥‥プーアルか、そうだ。警察から捜査の依頼を受けたんだよ 
 今テレビを騒がしている、あの連続失踪事件の捜査依頼だ」 
「あの事件ですか‥‥僕はヤムチャ様にあれにだけは関わって欲しくないんですけど」 
「なぜだ?」 
「だって、失踪したのは全員天下一武道会出場経験者ですよ。 
 それも西の都に住んでいる人ばかりです。だったら、ヤムチャ様も‥‥」 
「ふっ、じゃぁ、お前は俺が失踪した連中と同じだとでも言うのか」 
「同じです。天下一武道会出場経験を持ち、西の都に住んでいます」 
「違うね、俺は強い。失踪が本人の意思でなく、誰か犯人による犯行ならば 
 俺は大丈夫だ」 
「そうですか、でも気をつけてください。何か嫌な予感がするんです」 
「プーアル、俺を信じろ」 
851 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/01 14:36 ID:???
ヤムチャは事件の新聞から目を離し、事件の本格的な捜査を始めた。 
まず最初に始めたことは、西の都に住む天下一武道会出場者の名簿を作成する事である。 
これには警察と天下一武道会実行委員の力を借りて行った。その結果、西の都に 
住んでいる天下一武道会出場経験者はヤムチャを除けば以下の四人である事が分かった 
シェン、アックマン、バクテリアン、ギラン 


シェン‥‥、ヤムチャはこの名を見たとき、かつての苦い思い出がよみがえった。 
だが、それと同時に奇妙な違和感も感じた。 
「この男の名は本当にシェンと言うのか、そして本当に西の都に住んでいるのか」 
名簿にリストアップされただけなのだが、ヤムチャにはその事がおかしいと感じたのだ。 

「なぁ、本当にこの男の住所は西の都で間違いないのか」 
「えぇ。武道会名簿にはそう記載されていますよ。 
 本人の記述なので間違いないと思います」 

武道会実行委員の一人がそう答えた。 
だが、ヤムチャはこの住所を記述したのが神様であることを知っている。 
だとすれば、本当にこの住所に間違いはないのか‥‥ 
それとも、シェンと呼ばれる中年男は他のところに住んでいるのではないだろうか。 

事件には関係ないかもしれない、だがヤムチャには「シェン」という名前が 
頭の片隅から離れなかった。 
852 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/01 14:36 ID:???
ヤムチャは名簿を眺めながら考える。 
(さてと、どうしたらいいものか‥‥この事件はつかみ所がなさ過ぎる。 
 だから俺に捜査の依頼が来たと言えば、それまでなんだが、 
 もう少し情報が欲しいところだ。目撃証言、なによりそれが欲しい 
 だが、目撃者がいないんだ。どうすればいい?) 

ヤムチャは再度考え始めた。 
(目撃者が出てこないのは事件発生から日が経ってないからだろう 
 だが、二日で三件もの事件を起こすような敵が相手だ。ゆっくり待つことはできない 
 だとすれば、残された方法は一つしかない) 

ヤムチャはプーアルの言葉を思い出した。 

---「ふっ、じゃぁ、お前は俺が失踪した連中と同じだとでも言うのか」 
---「同じです。天下一武道会出場経験を持ち、西の都に住んでいます」 
---「違うね、俺は強い。失踪が本人の意思でなく、誰か犯人による犯行ならば 
--- 俺は大丈夫だ」 
---「そうですか、でも気をつけてください。何か嫌な予感がするんです」 

(嫌な予感か‥‥、だがそんな事を気にしてはいられない。 
 目撃者が出てこないのなら、俺が目撃者になる。天下一武道会出場者に 
 直接俺がコンタクトする。そして、犯人を捕まえてやる) 

ヤムチャは名簿をみてバクテリアンの家に向かった。 
853 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/01 14:37 ID:???
バクテリアン、第21回天下一武道会でクリリンを苦しめた男。 
いや、クリリンだけではない。ヤムチャも悟空も苦しんだ、世界最臭の男である。 
ヤムチャはその彼にコンタクトをとることにした。 
なぜ世界最臭の男をターゲットにしたのか、それは彼ならば目をつぶっても 
その存在を鼻で確かめる事が出来る。彼に異変が起こったのならすぐに察知できる。 
そのため失踪してもすぐに分かると考え、バクテリアンをターゲットにしたのである。 

ヤムチャは住所を見てバクテリアンの所在を確認する。ブルマの家からは かなり離れた 
ところに住んでいるようだ。バクテリアンの住所は西の都郊外だ。 
それもそのはずだろう。彼は世界最臭の男なのだから。 周りへの迷惑を考えるならば 
街中に住めないことも理解できるというものだ。 

ヤムチャはすぐさま、彼の家に向かった。バクテリアンに近づくであろう犯人の顔を 
見るために。 

ヤムチャはバクテリアンの住所に近づく、だが‥‥どうしてだろう。異臭がしない 
「まさか、もう既に‥‥」 
ヤムチャは悪い予感を感じ、急いでバクテリアンの家に向かった。 
家の前についても異臭は全くしなかった。 

カチャリ、ドアをゆっくりと開ける。カギは掛かっていない。 
「失礼‥‥‥誰かいませんか」 
だが、返事は無かった。バクテリアンは既に失踪した後だったのだ。 
854 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/01 14:38 ID:???
ヤムチャはバクテリアンの住居を隈なく調べることにした。 
意外にも清潔で匂いの少ない住居、だがそれは住人の不在を意味している。 
ヤムチャは一瞬、この家が本当にバクテリアンの住居なのかを疑ってしまった。 
それほどに、彼の家は奇麗で匂いが少なかったのである。 

まず、状況を確認する。最初に確認すべきこととしては冷蔵庫である。 
冷蔵庫の中身を確認することにより、この家の住人がいつまで家にいたのか 
それを調べることが出来る。ヤムチャは冷蔵庫を開けて中を確認した。 

「牛乳に魚、それと肉もあるな。どれも賞味期限が過ぎていない 
 まだ、この家の住人が失踪していないと考えても問題なさそうな日付だが」 

冷蔵庫にはバクテリアン失踪の証拠は存在しなかった。だが、鍵をかけずに家を出る。 
このようなことを普通の人間がするだろうか、この家は確かに留守なのである。 
そして、鍵が開いていた。ヤムチャはしばらく待つことにした。30分ほど待って誰も 
帰ってこないようだったら、この家の住人が失踪したと考えて間違いあるまい。 

「待っている間に、念のために確認しなければならないことがある」 

そう言って、ヤムチャは家を出た。そして向かったのは隣の家である。 

「すいません、警察のものですが」

885 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/02 22:00 ID:???
>>854 

警察の人間であることを明らかにすることにより、質問をしやすくする。 
今回、ヤムチャにはこの手段が許されているのである。 

隣家から住人が出てきた。 

「すいません、奥様。伺いたいことがありまして 
 隣の家の方についてですが、隣はバクテリアンさんの家ですね?」 
「えぇ、もの凄く臭う方なんですよ」 
「そうですか。で、最近彼に変わった事はありませんでしたか?」 
「そうですね‥‥。今朝からずっと彼を見てないって言うことぐらいですかね」 
「そうなんですか(まずい、既に失踪していたか‥‥)」 
「えぇ、住人がいないので近所の人間で勝手に家の掃除をやったんですが‥‥ 
 掃除している間にも彼は戻って来なかったですね」 
「分かりました。捜査のご協力感謝します」 
「もう、これだけでよろしいの?」 
「えぇ、十分です。助かりました」 


清潔な家がバクテリアンの住居であることが分かった。近隣の人間が勝手に掃除 
したのは、彼の不潔さが既に公害の域に達しているからだろう。そして、 
その事は間違いなく、ここにかつてバクテリアンがいた事を意味する。 

だが、今はその彼ももういない。既に消えてしまっているのだ。 
886 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/02 22:01 ID:???
ヤムチャは再度、バクテリアンの住居に入り犯人の手がかりとなる証拠を探し始めた。 
犯人の手がかりそれは犯人の行動を示すものである。すなわち、犯人の行動によって 
残された物証、もしくは犯人と出会った人間(被害者)の行動により残された物証 
である。だが、バクテリアンの家にはそのどちらも存在しそうにはなかった。 

清潔すぎる。そう、住人の勝手な清掃により奇麗になりすぎてしまったバクテリアン宅 
このことが、捜査の大きな障害になっているのだ。 

「これでは、行動の痕跡などすぐに消えてしまう。犯人に繋がる手がかりなど‥‥」 

一人で愚痴を言いながらも、ヤムチャは部屋を探し始める。何でも良い、とにかく 
手がかりが欲しいのだ。 


彼は一時間近く部屋を探したが、結局手がかりは見つからなかった。仕方なくもう一度 
隣家に行き、清掃したときに見つかった物について確認することにした。 


「すいませーん、先ほどの警察です」 
「あら、また警察さんのお役に立てるんですか?」 
「えぇ度々申し訳ありません」 
「いーえ、こっちも警察さんの役に立ちたいんですよ。で、今度の用件は?」 
「実は‥‥バクテリアンさん宅で何か奇妙なものを見かけませんでしたか?」 
「奇妙なものって言われても‥‥そうねぇ、あの人が飼ってたゴキブリとか‥‥」 
「バクテリアンさんが普段、決して持たないようなものはありましたか?」 
「そうねぇ‥‥あ、あったわ。清潔な布が一枚。入り口においてあったの」 
887 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/02 22:01 ID:???
「それだ!!」 
「あら、手がかりになるかしら?」 
「えぇ、それを見せていただけませんか」 
「いいわよ、家で使おうと思って今朝方持ってきたのよ」 

そう言って、奥さんは布を一枚持ってきた。 

「ちょっと、よろしいですか。確認させていただきます」 

ヤムチャは布を手にとって確認した。白地の布に赤い文字が刻まれている。 
RR‥‥レッドリボンを意味するマークだった。 

「まさか、いや。そんなはずはない、あの軍隊は悟空が六年前に滅ぼしたはず」 
「どうかしました?」 
「奥さん、申し訳ありませんが、こちらの布は警察が証拠として預かりたいのですが」 
「もちろん、構いませんよ」 
「ありがとうございます」 


ヤムチャは捜査に協力してくれた、住人に再度お礼を言った。 
そしてそのまま、証拠である布を持って警察に向かった。 
888 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/02 22:02 ID:???
ヤムチャが警察に向かっている頃、レッドリボン総帥ブラックと桃白白の二人が 
アジトにいた。ブラックは怒っていた。桃白白が契約に違反したのである。 

「どう言う事か説明してもらおうか」 
「説明も何も、依頼通りに殺しをやっただけだよ」 
「嘘をつけ!」 
「私はここまでヤレとは言ってないぞ」 
「何をそんなに怒っているんだ。お前さんが頼んだことじゃないか」 
「‥‥だから、頼んだこと通りにやってないと言うんだ」 
「何のことだね?」 
「これを見ろ」 

そう言ってブラックは新聞を桃白白に見せた。 

「契約では‥‥を守れと言ったはずだよな」 
「守ったさ。ワシはね」 
「なんだと?」 
「嘘は言わないよ」 
「だが、新聞にはハッキリと‥‥これは遊びじゃないんだぞ」 
「わかっとるよ」 
「なら、こんな事はするな」 
「やっとらんよ、大体ワシに契約違反をする理由がどこにある」 
「うぅ‥‥、もういい、話が合わん」 
「怒りすぎは健康に良くないぞ」 

そう言って桃白白はアジトを去った。 

「殺人マニアめ、今度契約を破ったら許さんぞ」

890 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/02 22:03 ID:???
さらに同時刻、カプセルコーポレーション内。 
そこにブルマとプーアルの二人がいた。 

「ブルマさん、この装置は一体何に使うものなんですか?」 
「ふっふっふ。これはね、天才科学者ブルマ様が開発した究極装置 
 その名も、‥‥‥その名も、えーっと‥‥‥‥」 
「考えてないんですね」 
「うるさいわね、今すぐ考えるわよ」 
「まるでカマクラみたいな形をしてるから、『カマクラ』がいいですよ」 
「ちっちっち、この装置の目的から考えると『ヤムチャ』が一番よ」 
「ヤムチャですか‥‥なんか、一回戦で負けそうな名前ですね」 
「うるさい! これでイイの」 


そう、これで良いのだ。この装置は自分とヤムチャのためにある。 
だから名前はヤムチャ。7年前間の恋人と同じ。ブルマの一番好きな名前だ。 

「『ヤムチャ』、頑張ってね。私の未来を見せて頂戴」

897 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/03 09:42 ID:???
ヤムチャは住人の協力により入手したRR介入を示す証拠を警察に持っていった。 
「警部、新たな失踪者が出ました」 
「何だと‥‥」 
「失踪者はバクテリアン氏、第21回天下一部同会出場者です」 
「‥‥‥やはり、何者かの連続犯行なのか‥‥‥‥」 
「そのことですが、犯人に繋がる有力な証拠を入手しました」 
そう言って、ヤムチャは布を警部に渡した。 
「これは‥‥‥このマークはレッドリボン、まさか奴等が関わっていると言うのか」 
「RR軍は六年前に壊滅した軍隊です。彼らではなく、彼らに関係のあるものの犯行 
 ではないかと考えます。」 
「その前に説明してくれ、どうしてこの布一枚が証拠になるのかね 
 これが犯人の手がかりに何故なるのだ」 
「失踪者バクテリアンは世界一の体臭を誇ります。その彼の持ち物なら、その布が 
 清潔なはずはありません。恐らくは犯人の遺留品かと‥‥」 
「そうか、わかった。では他の失踪者の家も再度調べる。同じ物があるかをな」 
「お願いします」 
ヤムチャは警察署を去った。 
898 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/03 09:42 ID:???
ヤムチャは家に戻り、事件のことを考えていた。 
(三日で四人の人間が失踪した。それも突然 
  1日目:ランファン 
  2日目:パンプット、チャパ王 
  3日目:バクテリアン 
 四人に共通するのは西の都在住の天下一武道会出場経験者、この失踪に関連が 
 ないと考えるほうが無理だ。恐らくは元RR軍人、それも天下一武道会の達人と 
 闘える腕前を持つものの犯行に違いない) 


「ヤムチャ様、怖い顔をして‥‥事件のことを考えてるんですか」 
「ああ、今日犯人を示す有力な証拠が見つかったんでな」 
「犯人‥‥やっぱり、連続失踪事件は誰かの仕業なんですね」 
「ああ、間違いない」 
「ヤムチャ様、この事件から手を引いてください。前にも言いましたが、悪い予感が 
 するんです」 
「無理だ。犯人のねらいは西の都在住の天下一武道会出場者、俺が引いても相手が 
 追ってくる。それに、俺の正義がこの事件を許さない」 
「ヤムチャ様‥‥」 
なぜだろうか、プーアルはヤムチャに会えなくなるような予感になった。 
(大丈夫ですよね、ヤムチャ様) 
899 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/03 09:43 ID:???
翌日、ヤムチャは警察署に向かった。RRの布について話を聞くためである。 
「おはようございます警部。昨日の結果をうかがいに参りました」 
「よくきてくれた。昨日の圏だが、RRの布が他の失踪者宅からも見つかった。 
 ランファン、チャパ王の自宅からだ」 
「パンプットの家からは?」 
「まだ見つかっていない。だが、状況から考えてパンプットも同じ事件に巻き込まれた 
 のだろう」 
「そうですか。とにかく、これで決まりました。犯人は元RR関係者です」 

警察の調査により、犯人がRR関係者であることを確信したヤムチャは犯人の姿を 
確認するためにアックマン宅に向かった。 
残りの武道会出場者はアックマン、シェン、ギラン。そしてヤムチャである。 
900 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/03 09:44 ID:???
その頃、カプセルコーポレーション内では研究者達の間に重苦しい空気が流れていた。 
以前ブルマが研究者達と共に作った装置、その完成図を分析した結果この装置が人類を 
滅亡させる機能を有していることが分かったのだ。 
「ブルマさん、納得のいく説明をしてもらえますか」 
「この装置『ヤムチャ』はね危険なものじゃないわよ」 
「ですが、装置にはこのようなものが‥‥、これでは殺戮兵器と同じです 
 人間一人殺すだけなら、まだ我慢もできますが、これは西の都全体を滅亡させます」 
「そんなものじゃないってば、占いみたいなものよ」 
「それで納得できると思いますか、我々はガキじゃないんですよ。説明してください 
 この部品は何なんです。説明が無ければ、装置は我々で破壊します」 
「‥‥もう、破壊しても無駄よ、既に『ヤムチャ』は動いているわ」 
「なんだって、あなたは西の都を消すつもりですか」 
「大丈夫なんだって」 
「‥‥‥‥」 

究極の装置『ヤムチャ』は既に動いていた。 
この装置は一度動かせば、必ず目的を達成する。そのように作られているのだ。 
だからもう、装置を破壊しても無駄なのである。 
901 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/03 10:52 ID:???
数時間後、アックマン宅。桃白白の仕掛けたトラップにより 
アックマンは致命傷を負っていた。 
「貴様、卑怯者め」 
「何を言う、殺し合いに卑怯も何も無いだろ」 
「くっ、許さんぞ」 
そう言ってアックマンは槍を取り出した。 
「ハァッ」 
アックマンの一撃は音速を超え、槍の先から衝撃波が出る。 
桃白白は音速の一撃を紙一重でかわし、衝撃波をはじき返す。 
「もう一撃だ」 
アックマンは渾身の一撃を繰り出す。音速を超えた槍は衝撃波を出し、空気の摩擦により
先端が燃えている。だが、桃白白は指一本でそれを止めてしまった。 
「つまらんな、もっと景気のいい技は無いのか」 
(こ、こいつ、強い! だが、この俺は殺されんぞ) 
「技が無いなら死ね」 
「早まるな、今から究極の必殺技を見せてやる。アックマイト光線だ」 


その頃、ヤムチャはアックマン宅で大きな気のぶつかり合いを感じた。 
「間違いない。アックマンの家で誰か二人が戦っている。急がなくては 
 片方の気は今にも消えそうだ」 
902 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/03 10:53 ID:???
アックマンは額に両手の人差し指、中指を当て気を集中する。 
「ほう、それが必殺技か。ならば、こちらもそれ相応の技を見せてやる」 
桃白白は右手をはずし、中の砲塔をアックマンに向ける。 
「準備完了」     「ロックオン」 
「アックマイト光線」 「スーパーどどん波」 


ヤムチャは二つの気が大きな高まりを見せているのを感じた。決着が近い。 
「急がなくては、どちらかが死ぬ」 


二つの必殺技はうねりを上げて迫りあう。そして、 
スーパーどどん波がアックマイト光線を飲み込んでいく。 
「あ‥‥あ、そんな」 
「グッバイ、アックマン」 
アックマイト光線を消し去り、勢いの衰えないスーパーどどん波は 
そのままアックマンをも飲み込む。 
「ぐぼっ‥‥げ‥‥‥」 
アックマンは跡形も無く消し飛んでしまった。 

この瞬間、ヤムチャが現れた。 
903 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/03 10:53 ID:???
「はぁ‥‥はぁ‥‥間に合わなかったか、だが見つけたぞ 
 お前が犯人だな、桃白白」 
「貴様はヤムチャ」 
「もう逃がさんぞ、桃白白」 

「ヤムチャ君、ワシはまだ捕まらんぞ」 
そう言って、桃白白はアックマンの窓から逃げ出した。 
「逃すか!」 
それを追うヤムチャ 
「ほれ、パスじゃ」 
桃白白はヤムチャに何かを投げた。 
「爆弾か」 
とっさにかわすヤムチャ。破裂する爆弾。一瞬のうちにあたりは深い煙に覆われた。 
「爆弾ではなく、煙幕だよ。今日君に死なれると困るんでな」 
煙幕といっても、大きな炸裂音がする物である。 
ヤムチャの耳は方向が感じられなくなる程度に麻痺していた。 
「君に伝えたいことがあってね、次ワシと会った時、君は死ぬ 
 意味はわかるかね」 
「あいにくと馬鹿なんでな」 
「なら、みっちり教えてやるよ。戦場でな」 
そう言って桃白白は去っていった。 

924 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/04 18:48 ID:???
アックマン死亡のニュースはその日のうちに西の都中に報道された。 
西の都在住の武道会出場者殺害ということで、マスコミは以前からの連続失踪事件 
との関連について語っていた。 

だが、この時点ではまだ警察から二つの事件の関連性についての言及はなかった。 

なぜならば、ヤムチャは警察に桃白白の事を語らなかったからである。 
警察の情報能力なら、桃白白の居場所を見つけるだろう。 
そして乗り込むに違いない。だが、相手は世界一の殺し屋だ。 
警察が介入しても死人が増えるだけ、ヤムチャは相判断したのだ。 

桃白白と戦える力は世界にも限られている。ヤムチャはある人物の力を借りるため 
カメハウスに向かった。 
925 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/04 18:49 ID:???
アックマン死亡数時間後、ブラックと桃白白はアジトにいた。 
ブラックは桃白白が殺害の証拠を残したことで激昂しているようだ。 

「何て事をしてくれたんだ。言ったはずだぞ、殺しの証拠はRRのマークだけにしろと」 
「邪魔が入ったんでな、証拠の隠滅をしている時間がなかった」 
「言い訳するな、姿を見せない元RR軍人が起こすなぞの失踪事件、得体の知れない恐怖 
 だが、確実に迫ってくる恐怖、それで西の都を混乱させ、RR復活を徐々に人々に 
 知らしめる。そしてカプセルコーポのあの力を手に入れれば、RRは完全に復活し、 
 世界を手中に収められるんだ。そのための重要な計画なんだぞ」 
「だったら、どうせバレても問題なかろう」 
「徐々にやることが重要なんだ。今はまだあの力を手に入れていない。 
 今、RRが殺人を犯していると警察が確信すれば、必ず操作の手が及ぶ。そうなると 
 我々は戦力がない。だからお前には証拠を残さず、一日一人だけ殺せといったのだ 
 どちらの約束も破りおって、この無能が」 
「証拠の隠滅をし損ねたことは申し訳ない。だが、ワシは一日一人しか殺してないぞ」 
「嘘をつけ、二日目にチャパ王とパンプットを殺してるだろ」 
「ワシが殺したのはチャパ王だけだ」 
「何だと‥‥じゃあ、パンプットはどうしたんだ」 
「知らんよ。じゃ、ワシは失礼するぞ」 
926 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/04 18:50 ID:???
ヤムチャはカメハウスに到着し、クリリンに協力を依頼した。 
「すまない、突然のお願いで。新婚の悟空は邪魔したくないし、 
 天津飯は場所がわからない。お前意外にやつと戦える人間はいないんだ」 
「捜査に協力しますよヤムチャさん。俺も桃白白は許せませんから」 
「ありがとう、クリリン」 
クリリンとヤムチャはカメハウスを離れ、カプセルコーポに向かった。 
「ただいま」  「お邪魔します」 
「ヤムチャ様、お帰りなさい」 
「プーアル、ついに犯人がわかったぞ桃白白だ」 
「桃白白、世界一の殺し屋が相手なんですか」 
「あぁ、悟空と天津飯にやられても、まだ懲りない男だ。三度目の戦いで引導を 
 渡してやる」 
「ヤムチャ様、無理はしないでください。相手は強いはずです」 
「正直ヤムチャさんでは厳しいと思う」 
「おい、クリリン、そんな事言うなよ」 
「ヤムチャ様‥‥」 
「大丈夫だよ、そのために俺がいるんだから。二人でかかれば怖くない」 
「あぁ、その通りだ(二人いればな)」 

その日は三人とも、明日に備え練ることにした。ヤムチャの考えでは桃白白は行動を 
明日起こす。殺害した死体を消し、証拠も残さないためには邪魔の入らない環境が 
望ましい。だが、今日は殺人事件がおきたため警戒が厳しく何も出来ないはずだ。 
そして桃白白のペースから考えて、殺害を一日あけるとは考えづらい。だから、明日 
桃白白は行動を起こす。ヤムチャはそう考えたのだ。 
927 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/04 18:53 ID:???
ここは桃白白が宿泊しているホテル。その中で彼は刀の手入れをしていた。 
「ヤムチャ、あの小僧の仲間、今日はあいつのせいで失敗した。許すわけにはいかん 
 明日のターゲットはヤムチャだ」 
桃白白は刀を構える。そして、 
「シャッ」 
大きな気合と共に空を切り裂いた。 
「狙った獲物は確実にしとめる。それが世界一の殺し屋だ。 
 覚悟するんだなヤムチャ」 
928 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/04 18:54 ID:???
翌朝、ヤムチャとクリリンは桃白白を捕らえるため、天下一武道会出場者の 
家に向かった。残りは二人、シェンとギランである。 
「ヤムチャ様、やっぱり桃白白と戦うんですか」 
「あぁ」 
「考え直してもらえないでしょうか、僕は夢を見たんです。 
 ヤムチャ様に二度とあえなくなる夢を」 
「お前は夢と俺のどっちを信じるんだ」 
「ヤムチャ様です。けど、不安で」 
「俺を信じるなら心配するな。必ず奴を仕留めてみせる」 
それだけ言うと二人は出発した。 


カプセルコーポレーションから出てしばらくすると、ヤムチャが喋りだした。 
「クリリン、二手に分かれるぞ」 
「え、でもプーアルの見た夢のはなしも‥‥ 
 それにヤムチャさん一人で桃白白に勝てる保証はないし‥‥」 
「残りの武道会出場者は俺を除いて二人、シェンとギランだ 
 二手に分かれたほうが確実に桃白白を仕留められる」 
「勝算はあるんですか、たった一人で」 
「俺達は武天老師の弟子だ。勝算はそれだけで十分」 
「‥‥‥わかりました」 
こうして、ヤムチャはシェンの所にクリリンはギランの所へと向かった。 
929 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/04 18:55 ID:???
ヤムチャが向かった家の表札に『シェン』という文字はなかった。 
だが、住所は間違いなく武道会名簿のものだ。『シェン』とはそもそも、神様が作った 
偽名である。その名前がここに記述されている可能性は元々低かったのだ。 
故にヤムチャはここに『シェン』の名がなくても、ここが『シェン』と呼ばれた 
中年の家であることを確信していた。 

『シェン』の家は住宅街にある。朝の通勤が終わった頃なので人気は少なくなっていた。 
もし、この状態で桃白白が犯行を犯しても、誰も気づかないであろう。 
そう言う雰囲気が漂っていた。 

もし、ここに本当に『シェン』がいるのなら、桃白白ならアッと言う間に 
犯行を終えてしまうだろう。そう考えたヤムチャはすぐさま家にはいることにした。 

「失礼します、警察のものです」 
ドアを開けるヤムチャ。だが、ノブを回した瞬間ドアが爆発した、トラップだ。 
神速の動きで爆風をかわし、致命傷を避けるヤムチャ、その背後に桃白白がいた。 
「ハァッ」 
桃白白渾身の蹴りをまともに浴びるヤムチャ、そして桃白白はゆっくりと言った。 
「ここにおれば来ると思っていたぞ」 
ヤムチャvs桃白白、開戦 

933 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/05 09:05 ID:???
「次に会ったららヤムチャは死ぬ。この意味を教えてくれるんだったな、 
 俺の馬鹿は半端じゃないぜ」 
「得意なんだよ、教えるのは」 

二人の間に緊張が高まる。先に仕掛けたのは桃白白だ。 
右回し蹴り。紙一重でかわしヤムチャの右フック。が、あたらない。 
今度はヤムチャから仕掛ける、右正拳上段、桃白白は右手の甲でそらし、 
そのまま打つ。ヤムチャは後ろに下がり、これをかわした。 
二人の攻撃は熾烈を極め、激しさ正確さ共に最高レベルだ。 
だが、お互いの攻撃が致命になることはない。二人は互角なのだ。 

次の瞬間、桃白白が間合いを取り喋りだした。 
「ヤムチャ君、殺し合いに必要なことの一つは何だと思うね」 
「知るか! 波」 
ヤムチャはかめはめ波を放つが、桃白白はどどん波で相殺する。 
「殺し合いとは狂気に入ったほうが勝つ」 
934 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/05 09:08 ID:???
「ぬかせ!」 
ヤムチャは再び間合いを詰める。貫き手、手刀、足刀。だが全てかわされた。 
桃白白の反撃、右正拳中段、ヤムチャは斜め前によけ、間をさらにつめる。 
が、それを追って桃白白のバックブロー。すんでの所でかわすヤムチャ。 
しかし、頬が裂け血が流れた。 
「馬鹿な、かわしたはずだ」 
「これが狂気だよ」 
桃白白が追い討ちをかける。みるみるうちに、形勢は桃白白に傾く、ヤムチャは全身を 
打たれ、頬には十字の傷が出来る。 
「とどめだ。スーパーどどん波」 
迫り来る必殺技を避ける力のないヤムチャ、だが死ねない。 
「俺はプーアルを裏切れん! カァッ」 
凄まじい気合と共にスーパーどどん波をかき消した。 
「馬鹿な、お前にそんな力など‥‥」 
「覚悟するんだな、俺は手負いの方が怖いぜ」 
(何だ、この男。気の質が変わった) 
ヤムチャの中の狼が今目覚めた。 
935 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/05 09:09 ID:???
戦いは桃白白が押している。だが、追い詰められた手負いの狼は 
今までとは違った気配を見せている。 
(自分を信じろ、今はワシが有利だ。奴は武器に気付いてない) 
桃白白の顔を冷汗が伝う。彼は右手の暗器を握り締めた。 

「シャァッ」 
桃白白は左拳で技を繰り出す。ヤムチャはかわすが、さらに桃白白は足技を繋げる。 
これもかわしてヤムチャの反撃、 
(このタイミングだ) 
ヤムチャの反撃にあわせ、桃白白は右手に握った釘状の武器をそのまま突き出す。 
ヤムチャが紙一重でかわせば、武器が眉間に突き刺さる。 
「死ねい」 
渾身の一撃、だがヤムチャは拳をかわす。そして暗器も1mm以下でかわした。 
「馬鹿な‥‥」 
驚愕する桃白白の横面をヤムチャの蹴りが捕らえた。 
936 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/05 09:13 ID:???
「もう、そんなオモチャは通じないぜ」 
「そのようだな」 
そう言って桃白白は一本の剣を取り出す。 
「もう暗器は使わない」 

桃白白が剣を構える。 
「中段、守りの構えか」 
「いや、鶴仙流剣術、攻撃の構えだ」 

中段の構えの基本は相手の喉元に切先を当て、敵が不用意に攻撃してきた場合 
それを突きで返すことにある。だが、桃白白の中段はそれとは違っていた。 
明らかに攻めの構えである。桃白白の気迫が守りに入った者のそれとは違うからだ。 
そう、この構えは隙を見せればすぐにでも突くという、攻撃の構えなのだ。 

「ワシに剣を使わせたのはお前で二人目だ。これがワシの切り札」 
桃白白の気が高まる。剣に腕に、いや全身に気が充実しているのが分かる。 
これが必殺技だ。 
「ならば、俺も最高の技を出す」 
ヤムチャは狼牙風風拳の構え。 

互いの気が高まり、場が緊張する。 
勝負は一瞬、決着は一撃 

953 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/05 19:01 ID:???
同時刻、クリリンは走っていた。ヤムチャと桃白白の戦いを感じたからではない。 
それも理由の半分だが違う。クリリンは見たのだギランが消えるところを、そして 
気付いたのだ失踪事件の犯人が桃白白だけでないことに。 

「ヤムチャさんに知らせきゃ、桃白白どころじゃない。 
 それ以上の恐ろしい何かがいる」 

クリリンはギランが消えた原因を知らない。 
「何者が消したのか」 
「なぜ消したのか」 
目の前でギランが消えた事実以外、彼は何も知らない。だが、いやだからこそ、 
直感した。ギランを消した『何か』は桃白白より恐ろしいと。 

だから、走る。恐ろしいものを知らせるために、とにかく走るのだ。 
954 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/05 19:02 ID:???
クリリンは懸命に走った。だが、こけてしまった。 
突然だった。走ることには慣れているはずの彼が突然こけた。 

「こんなに急いでいるのに‥‥」 

再び立ち上がり、走り出そうとする。 が、立てない。 
クリリンは自らの足を確認して驚愕した。 

「足が消えてる‥‥」 

クリリンの足は膝から下が全て無くなっていた。 
ギランと同じ悪魔が彼を襲ったのだ。 

「なんで、どうしてなんだよ」 

彼は叫ぶが、もう止まらない。少しずつだが、確実に彼の体は消えていく。 
膝、腰、胴、胸、徐々に上のほうへと 

「ちっくしょー。一体何が起こってるんだよ」 


クリリンの体は全て消えてしまった。 
955 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/05 19:03 ID:???
ヤムチャと桃白白が構えあって数分が経過した。 
両者とも全く動かない。だが、凄まじい気迫のぶつかり合いが感じられる。 

そして、桃白白が動いた。中段からそのまま喉を突く必殺の突きだ。 
桃白白の足先から、膝、腰を通って肩から腕へ徐々にだが、一瞬のうちに力が 
流れていく。そして、その力が両拳に達したとき、彼の持つ刀が必殺の刃に変わった。 
鶴仙流、最強奥義中段突き。 

ヤムチャは狼牙風風拳でこれを迎撃した。 

桃白白の突きを右拳のひねりでそらす。剣術の極意、切り落としの応用だ。 
そして、そのまま右を顔面にぶつける。続けて左、また右、狼牙風風拳が炸裂した。 
桃白白の体が宙に浮きはじき飛ぶ。 

勝負あり。 

31 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/06 14:03 ID:X8HLyZs0
ヤムチャは桃白白のところに歩み寄る。既に桃白白の意識はない。 
彼は考えていた。この世界一の殺し屋をどうするべきかを、ヤムチャに与えられた 
選択肢は三つある。一つは警察に引き渡すこと、一つはこの場で殺すこと、一つは 
放っておくことである。 

警察に協力している人間として本来ヤムチャがとるべき行動は警察への引き渡しである。 
だが、この桃白白は世界最強の殺し屋である。警察に引き渡したら何が起こるか 
考えるまでもなかった。故に理想的なものはこの場で殺してしまうことである。 
ここで桃白白を殺し、死体を警察に引き渡すことがヤムチャのとるべき、最良の選択だ。 

しかし、頭ではわかっていても、ヤムチャにその行動は取れなかった。 
桃白白はヤムチャの仲間天津飯と餃子の師匠である。前回の天下一武道会で天津飯は 
桃白白を生かしたまま勝利した。天津飯にとって桃白白を殺すことなど簡単であった 
にもかかわらず生かしたのである。むろん、武道会だったからということも考えられる。 
だが、それ以上に師匠だからという理由が大きいことは明らかであった。 

この男を殺すのか、ヤムチャは悩んでいた。 
仲間のために生かすか、それとも人類の平和のために殺すか 
ヤムチャに全ての決定権が与えられている。 
32 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/06 14:06 ID:X8HLyZs0
不意に桃白白が目を覚ました。意識が戻ったのである。 
「ヤムチャ君、トドメを刺したまえ。 
 君は勝利者だ。その権利と義務がある」 
だが、ヤムチャは答えない。 
「ワシはもう動けんぞ。殺せ、今ならば容易い」 

「桃白白。おまえに聞きたいことがある。なぜ、おまえは人を殺すんだ」 
「殺し屋が人を殺す理由など金のために決まっている」 
「ならば他の質問だ。なぜ殺し屋をやっている」 
「格闘しか能のないワシができる数少ない仕事の一つだからだ」 
「‥‥」 
「選択肢などいくつもなかった。生きるためには仕事が必要だったが、 
 ワシに選べるものなど、ほとんどない」 
「生きるために殺し屋になったと言うのか?」 
「そうかもな」 

(同じだ‥‥この男は俺と同じだ。生きるために盗賊になった昔の俺と全く同じなんだ) 

「殺し屋なんてな、質素なものだよ。一人一億の金を取ったはいいが 
 それでも、生活が苦しい。人間一人殺すのは意外と金がかかる。 
 ある時はトラップを使い、ある時は毒を使い、またある時は他の殺し屋に依頼する 
 あらゆる手段を使ってターゲットを殺す。 
 さらに殺しを繰り返していくと、今度は警察や賞金稼ぎから逃げるための費用 
 も必要になってくる。そうなってくると一億じゃ足りないとさえ、思えること 
 もあった。なのに、仕事の数は非常に少ない。指名手配されたワシがアルバイト 
 などやるわけにもいかず、生活は苦しくなる一方だったんだ」 
33 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/06 14:07 ID:X8HLyZs0
桃白白の言葉は一般の人間なら、信じるに値しないものである。だが、 
ヤムチャは違った。盗賊だった頃の自分と桃白白は同じである、だから桃白白の言葉が 
真実であることにヤムチャは気づいたのである。 

「桃白白、お前のことを可哀想だとは思わん。 
 だが、俺にはお前を殺す権利は存在しないようだ」 
「‥‥‥」 
「お前は昔の俺と同じだ。お前を殺すのなら、俺も死なねばならん」 
「‥‥‥」 
「生き延びろ、桃白白。いつか、殺し屋をやらなくても良い時代がくるまでな 
 俺が生まれ変わったように、お前もいつか変わる時がくる。 
 その時まで生き続けるんだ」 
「‥‥‥生かしてくれたこと、感謝はせんぞ」 

「構わん、もとより俺の勝手だ」 

51 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/07 09:28 ID:7buEIMlN
その頃カプセルコーポではプーアルがヤムチャの帰りを待っていた。プーアルの不安は 
ますます大きくなっていた。どうしてだろう、今までこんな不安は感じたことがない。 
敵が桃白白でも、ヤムチャはきっと勝つ。プーアルなら信じられるはずだ。 
でも、今回は違う。ヤムチャは帰ってこない気がする。 
「ヤムチャ様、早く戻ってください。僕を安心させてください」 
祈るようにつぶやくプーアル、その前にヤムチャが現れた。 
「待たせたな。全て解決したぞ、桃白白は倒した」 
「ヤムチャ様、良かった。無事だったんですね」 

プーアルの心配は外れた。‥‥と、一瞬彼自身は思った。 
だが、次の瞬間信じられないことが起こった。 
52 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/07 09:29 ID:7buEIMlN
プーアルの体が消えていく。 
「え‥‥何が起きたんですか、僕の尻尾が‥‥」 
「プーアル、お前‥」 
「消えていく、僕の体が。 あぁ、ヤムチャ様にあえなくなる予感は 
 この事を指してたんだ。僕が消えるんだ」 
「しっかりしろ、今から何とかする」 
「無理ですよ。もう」 
プーアルの体は既に半分以上消えていた。ヤムチャは「何とかするといったが、 
その実どうして良いのか分からない。彼の目の前でプーアルは消えていく。 
止められない、ヤムチャにはどうすることも出来ない。 

プーアルは完全に消えてしまった。 
「プーーアーーーーール」 
ヤムチャは大きな声で相棒の名を呼んだ。だが、応える者はもういない。 
53 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/07 09:30 ID:7buEIMlN
プーアルが消えてから数日が経った。西の都では多くの人々が消えた。 

「こんばんわ、NHK西の都放送協会)です。数日前から起こっている連続焼失事件の 
 被害者は既に30万人に上り、西の都全体の半分に及びます。警察では原因の解明に 
 取り組んでいますが、人手が足りず解明は困難を‥‥」 

ここまで説明した時点でニュースキャスターが消えた。 
人々は確実に消えていった。残った人達もいつ消えるか分からない恐怖におびえていた。 

ヤムチャは人々が消えた原因を探っていたが、一向に手掛かりはつかめなかった。 

96 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/08 09:22 ID:1h79qpSu
その頃、西の都のあるホテルで一人の男が状況を観察していた。桃白白である。 
彼は既にヤムチャ戦のダメージを回復していた。 

桃白白は考える。失踪事件、いや消失事件のことを。この事件の犯人は誰だ。 
姿を見せずに人を消すことができるのは誰だ。 

桃白白はブラックの言葉を思い出した。 
---「カプセルコーポの『あの力』を手に入れれば、RRは完全に復活し、 
--- 世界を手中に収められるんだ。」 
あの力、ブラックが言ったそれこそ、今回の事件を起こしている原因だ。 
桃白白はそう直感した。 

「あの力とやらが、これ程までに凄いとは。これではワシの仕事がなくなるぞ 
 それに、この消失事件を野放しにしておけば、ワシの命も危ない」 

そう呟き、桃白白はブラックのアジトに向かった。 
この事件解決の手がかりを得るため、ブラックに会わなくてはいけない。 
彼はそう考えたのだ。 
97 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/08 09:23 ID:1h79qpSu
桃白白はブラックのアジトに到着した。狭いアジトであったため 
一目でブラックがいないことを理解した。ブラックの部下に質問する。 

「ブラックはどこに行ったのかね」 
「極秘任務で出張中です。詳細は知らされておりません」 
「いつ出た?」 
「今朝の8時に出発されました」 

桃白白は部下の報告を聞くと、そのままアジトを出た。 

カプセルコーポレーションだ。ブラックはそこにいるに違いない。 
『あの力』を手に入れるため、カプセルコーポに向かったのだ。 

桃白白はブラックを追うため、カプセルコーポに向かった。 


その頃、カプセルコーポでは捜査に行き詰まったヤムチャのまえに一人の研究者 
が現れた。そして研究者はヤムチャに信じられないことを伝えた。 

「ヤムチャさん、今回の消失事件のことを全てお話しします。 
 事件の犯人はブルマさんです」 

106 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/08 19:07 ID:bFgJ+dsB
研究員は説明した。 

「今回の消失事件はブルマさんと我々で作った装置が原因です。 
 狙った複数の人間を徐々に消していくことができる装置、それが我々の作ったもので」 
「なんだと‥‥」 
「その装置を使えば、今回のような事件が起こります」 
「てめぇ‥‥‥今さら何言ってるんだ」 
ヤムチャは鬼のような形相で研究員を睨む。 
その形相におびえる研究員、 
「す、すいません。我々も装置の全貌は知らされてなかったんです」 
「言い訳になるか!!」 
「装置が完成して初めて、その機能を知ったんです。 
 機能を知った時はもちろん、装置の破壊を考えました 
 ですが、その時には既に起動していて‥‥」 
「いつ知ったんだ?」 
「一週間ほど前です‥‥」 
「ふざけるなよ!」 
「我々は何も知らされてなかったんです。本当です、ブルマさんに言われて‥‥」 
研究員の言葉は真実である。だが、激昂したヤムチャは冷静になれなかった。 
ぶん殴る、この研究員を許す事はできない。ヤムチャはそう考えた。 
107 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/08 19:07 ID:bFgJ+dsB
「てめぇ、覚悟しやがれ」 
そう言って、拳を握り締めるヤムチャ。怯える研究員。 
だが、次の瞬間。研究員の体が少しずつ消え始めた 
「てめぇも消えるのか??」 
「あ‥‥ついに私も‥‥‥ヤムチャさん、この装置はあなたなら‥‥」 
研究員は何かを言いかけたまま消えてしまった。 
「殴り損ねたぜ。だが、真犯人が分かった。ブルマだ、あいつは許さん 
 ブルマに言ってこの事件を解決する。必ず、元に戻す」 

ヤムチャは怒り狂っていた。相手が恋人であったとしても、 
この事件で相棒を失っているのだ。怒るのも当然といえる。彼はブルマを探し出し、 
怒りをぶちまけることにした。 

カプセルコーポの中を走る。そして、見つけた。ブルマだ。 
108 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/08 19:08 ID:bFgJ+dsB
ヤムチャはブルマを見つけると、すぐさま胸倉をつかみ、脅すように話し掛ける。 
「見つけたぞ、てめぇ!! 何やらかしやがった」 
「ちょ、ちょっと。突然何なのよ」 
「とぼけてんじゃねぇ、今起こってる消失事件はてめぇが原因だろ」 
「消失事件って‥‥今起こってるのは、ヤムチャのための‥‥」 
「俺のためだと、ふざけるなよ。プーアルも消えた、クリリンも消えた。 
 みんな消えたんだぞ、それのどこが俺のためだ」 
「説明すればわかるわよ。お願いだから落ち着いて」 
ヤムチャの目は血走り、怒り狂っている。まずは落ち着かせないと話が出来ない。 
「分かりたくねぇよ。てめぇのせいで何人が消えたと思ってるんだ」 
「消えてないわ。だから、手を離して」 
胸倉をつかむヤムチャの手を引き剥がそうとするブルマ。だが、力では圧倒的に 
ヤムチャが強い。 


怒っているヤムチャ、怯えているブルマ。共に冷静さを欠いている。 
そのために、全く話が進まない状況になっていた。 

そんな状況の中、RR総帥ブラックが部下を引き連れて現れた。 
「ブルマ博士、『あの装置』をいただきにきた」 

191 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/12 17:51 ID:5RWx5A+X
桃白白はカプセルコーポに向かっている。 
最初はブラックを探し、この消失事件の謎を解くために向かっていた。 
だが今は違う。今はヤムチャを探すためにカプセルコーポに向かっているのだ。 

彼は数分前に自らの死を予感していた。彼は今までも何度か「危険」を感じたことがある。 
「危ない」とか「負ける」とか、そう言った予感は何度も感じてきた。 
だが、今回の予感はそんなものではない。「死ぬ」と感じたのである。 
このような予感は彼にとって初めてであった。 

桃白白は考える。なぜ、死を予感したのかではない、死を予感したとき何をすべきか、 
を考えた。 
ブラックを探し、消失事件の謎を解くことか? 
消失事件の犯人を捕まえ、絞め殺すことか? 
いや、違う。桃白白は警察でもなければ探偵でもない。彼は殺し屋なのだ。 
殺し屋が死を感じたときに為すべきこと、それは殺し以外の何ものでもないはずだ。 

だから、殺す。ヤムチャを殺す。 
自分にとって最後のターゲットの一人であり、殺し損ねた男。 
その男を見つけ、殺すことこそ今やるべきことだ。 

桃白白は急ぎ、カプセルコーポに向かった。 
自分の命は後数分しか持たない、理由はわからないが、はっきりとそう言える。 
だから急がなくては殺し屋としての誇りを守るために。 
192 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/12 18:15 ID:5RWx5A+X
その頃、カプセルコーポではRRが『装置』を奪おうと強引な手段に入っていた。 

RRにとって『装置』は狙った人間を消去する機能を持つものであり、世界征服に 
欠かせないものであった。しかし、現実にはこの『装置』は乙女の夢を叶えるささやかな 
ものであり、世界征服などは決してできない。RRはその事を知らないのである。 
もっとも、現時点でこの『装置』について詳細を知るものは設計者であるブルマしか 
いないのだが‥‥ 

ともかく、RRは強引に装置を奪おうとしていた。だが、カプセルコーポにはヤムチャ 
がいる。RRごときが敵う相手ではない。ブラックの連れてきた部下達は一人、また一人 
と倒されていった。 

「っくそ、なんて強さだ」 

ヤムチャもこの装置の秘密を知らない。RRがこれを手に入れれば、世界を征服できる。 
そう勘違いしているからこそ、精一杯努力し『装置』を守る。ともあれ、ヤムチャの 
絶対的な強さにより、『装置』はRRの手から守られている。 

「なんて事だ。最強の軍隊RRが‥‥‥ 
 桃白白さえいればこんな奴にも負けんというのに」 
「たとえ、桃白白が来たとしても装置は渡さん。世界征服など俺が許さん」 

そう言って装置を守るヤムチャの目の前に一人の男が現れた。 
桃白白である。

332 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/17 17:29 ID:ZfXru0uv
CCにまた一人の男が現れた。ブラックたちに引き続き二度目の登場である。 
元来CCは世界最高峰の警備施設を持つ。だが、装置の働きにより、CCの警備員は 
ほとんど残っていなかった。ゆえに不法侵入者が増えたのである。 
ブルマは思う。本来、不法侵入者の増加は憂慮すべき事態だ。だが、今は違う。 
このことは装置が正常に動作している証拠だ。恐らくはあと数分で目的が達成される。 
ヤムチャと自分以外の全ての人間が姿を消す。そうなれば、ヤムチャと二人っきりで‥‥ 
ブルマは計画が成功しつつあるのを喜んでいた。 
二人の約束された「未来」はすぐそこにある。 
333 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/17 17:30 ID:ZfXru0uv
RRvsヤムチャの戦いに桃白白が参戦した。既に大勢は決している。 
だが、それを覆せる戦力が桃白白である。 
この予想していなかった参戦に対し、ブラックは嬉々として言う。 
「よくぞ来てくれた。お前がいればまさに百人力。 
 RRのためにあの装置を奪ってくれ」 
その言葉を聞き、あきれた顔で桃白白がこたえる。 
「ブラックさん。悪いが、ワシはもうRRのためには戦わんぞ 
 それに、あんた装置を奪ってどうするつもりだ。 
 既に消えつつあるその体では役に立つまい」 
そう言われて、ブラックははじめて気付いた。自分の体が消え始めている。 
在るべきはずの足がない。 
334 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/17 17:30 ID:ZfXru0uv
「馬鹿な‥‥俺が消えるのか!」 
ブラックは現実に起こっていることが信じられないようだ。 
だが、確実に消えている。消えていく、もうあと一分も持つまい 

「なんてことだ、これでは装置を奪っても役に立たない」 
そう言ってブラックはゆっくりと装置に近づいていく。足がなくなっているので 
膝だけで歩く。膝がなくなれば腕で歩く。そうして、装置に近づく。 
装置の目の前についたときには、ブラックは既に体の半分以上を失っていた。 

「こんなモノ。俺が破壊してやる!」 
ブラックは装置を殴る、だが、殴るべき手がない。仕方なく肘を打つ。 
しかし、肘もなくなった。「モウ ダメダ」とブラックの口が言葉を作る。 
だが、喉まで失った彼の体が声を発することはなかった。 

ブラックは消えてしまった。 

389 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/19 17:51 ID:C1WxSB9y
「ブラックさんは消えてしまったね。もう残っているのはワシと 
 そちらさん二人しかいない。しかし、恐らくはワシも後わずかで消えるだろう」 
桃白白はブラックの消えた場所を見つめながら語った。 
(よく気づいてるじゃない、あの装置が消すのは私とヤムチャ以外のすべての人間 
 だから、あんたが誰なのか知らないけど、確実に消えるわよ) 

「先ほどまでワシは、ブラックを探してこの事件の真相を知ろうと思っていた。 
 だが、すぐに消え行く人間がそのようなことを気にする必要があるだろうか? 
 消えることを直感してからそんなことを考えたのだ。そして、結論は 
 やはり、事件の真相など考える必要はないというものだった。 
 代わりに消え行くワシがするものとしたら、殺し屋としての誇りを示すことではないかと思う」 
桃白白はヤムチャのほうを向きながらゆっくりとした口調で話す。 
だが、その姿からはとてつもない殺気が感じられた。 

ヤムチャは桃白白の殺気を受け、自らも殺気を放つ。 
「殺し屋としての誇りを示すということは、つまり俺を殺すということか?」 
「そうだ」 

二人は静かに構えた。もう、これからは言葉など要らない。 
390 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/19 17:51 ID:C1WxSB9y
ヤムチャは狼牙風風拳の構え、桃白白は剣を左手に持ち、右手はスーパーどどん波の砲塔を構える。 
二人はお互いの構えのまま、ふくみ足を使い徐々に間を詰めていく。 
互いの距離が3mほどになったとき、桃白白が動いた。 
「スーパーどどん波!!」 
ヤムチャはそれを避けずに、右拳で迎撃した。「ハァッ」スーパーどどん波がはじける。 
そのまま、ヤムチャは右拳を桃白白にあてに行く。だが、それを見越した桃白白は剣で迎撃した。 
ヤムチャの拳に、剣が突き刺さる。ヤムチャはとっさの動きで何とか、剣から逃げた。 

一連の動きで、ヤムチャと桃白白の形勢は一気に桃白白に傾いた。 
(ついてるぞ、奴とワシの力は互角。拳を失った場合の戦力ダウンは戦いに大きく響く) 
桃白白は追い討ちをかける。スーパーどどん波をCCの天井に向けて行った。 
ヤムチャはつられて天井を見てしまう。だが、スーパーどどん波はガラスを突き抜けただけで 
天井を壊しはしなかった。そして、その瞬間に桃白白が迫ってきた。 
「鶴仙流剣術、大地斬!!」 
桃白白の力任せの一撃をまともに食らうヤムチャ。「とった!!」勝利を確信する桃白白。 
だが、傷が浅い。桃白白の剣はヤムチャの肩口で止まっていた。 
「ばかな!! ワシの剣で切れぬものなど」 
桃白白も、切られたヤムチャも事態が理解できない。懇親の一撃を食らったのに、 
まだ生きている。それはお互いにとって不可思議な出来事だった。 

しかし、そのことを理解していたのが一人いる。ブルマだ。 
(さっそく、消え始めたわね。あの男の足がもう消えている。 
 どんなに強いのかは知らないけど、消えていく体じゃ戦えないわよ) 

395 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/19 19:25 ID:C1WxSB9y
桃白白は自分の体を確認する。足が消えている。(来るべき時がきたか‥‥) 
しかし、彼はあきらめない。自分の体が消えてもまだ戦える。 
いや、体が消えつつある今だからこそ戦える。 

彼は殺し屋だから、人が死を覚悟したときどれだけの力を発揮するのかを知っていた。 
今まで殺してきた人間たちの一部は死ぬ間際にものすごい勢いで抵抗してきた。 
それは人間の本能がなせる業だろうか、ロウソクは尽きるときにこそ、激しく燃え上がるという。 
ねずみは追い詰められれば天敵の猫さえ噛み砕くという。 
それは人間だけではなく、生物、いやこの世に存在するすべてのものが持つ真理。 
桃白白はそれを知っていた。 

だから、自分が消える。そう思ったとき、自分には最期の力が最強の力が 
出せると信じていた。そしてその力こそ、ヤムチャを倒すのに最も有効であると考えていたのだ。 


ヤムチャは桃白白を見て言う。 
「決着はついたな。お前は決して弱くなかった。だが、その体では戦えまい」 
その言葉に、桃白白はさらに気を上げてこたえた。 
「何を言うか! 真の決着はこれからだよ」 
396 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/19 19:25 ID:C1WxSB9y
両足を失った、桃白白がヤムチャに突進する。 
(もの凄い気迫だ。だが、気迫だけではどうにもならない) 

ヤムチャは膝の力だけで何とか歩いてくる桃白白を蹴飛ばす。 
しかし、桃白白はくじけない「まだだ、これからが真の恐怖」 
そういいながら、ヤムチャに向かってくる。膝から上もほとんど失った彼の足は 
並の人間が操作する限り機能を持たないはずだが、桃白白は並の人間ではない、太ももだけで 
体をヤムチャに向けて操縦する。しかし、ヤムチャは互角の腕を持つ相手である。 
やはり、桃白白は蹴り飛ばされる。 

「その執念は認めてやるが、俺にはかなわないぞ」 
「くっくっく、君にはわかるまい。私は殺し屋として最高の地位を持っているんだ。 
 だから、殺し屋としての誇りを示さなくてはいかん。君を殺さなくてはだめなのだ」 

桃白白はヤムチャとの絶対的な戦力差を感じながらも待っていた。 
自分に窮鼠の力が宿る瞬間を。死ぬ間際に見せる最後の力を。 
その力があれば、この体でもヤムチャに勝てる。 
397 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/19 19:26 ID:C1WxSB9y
「殺し屋万歳!!」 
桃白白は両足の機能を完全に失ったため、両腕で飛び上がった。 
桃白白が示すべきは殺し屋としての生き様、見せるべきは世界一の誇り。 

両腕で飛び上がり、体をクルクルと回転させる。この体では一撃が限界 
ならば、力をためなくてはいけない。そのために回転して勢いをつける。 
桃白白は両腕で高く空に舞い上がりながら、回転の勢いを強くしていく。 

「これが最後の一撃!!」 
桃白白は回転の勢いをつけたまま、ヤムチャに突進していく。 

「無駄なことを」 
凄まじい回転運動をしている桃白白の体から、その拳が連続して打ち出される。 
とてつもないスピード、だが、相手は互角の力を持つヤムチャ。拳の一部はあたるが、 
そのほとんどは防がれてしまう。次第に桃白白の回転エネルギーはなくなっていった。 
最期には桃白白は力尽きて、落ちてしまった。この時点で彼の体は両腕の半分を失っていた。 

「万策尽きたな。俺の勝ちだ」 
勝ち誇るヤムチャ。しかし、この時桃白白は自分の体に最期の力が宿っているのを感じた。 
398 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/19 19:27 ID:C1WxSB9y
桃白白は半分になった両腕の力を使い。飛び上がる。両腕は既に攻撃力をなくしている。 
最期に攻撃能力を持つ部位は「舌」。RRブルー将軍を屠った一撃。これをもって戦う。 
正真正銘最後の一撃。 

最期の力を持って突進する桃白白の体をヤムチャは弾き飛ばそうとする。だが、桃白白は 
一切の力を受け付けない。「な!!」ヤムチャは桃白白のなぞの力に恐怖する。 
「これがワシの最期の力!」 
そういって、首の力だけで反動をつける。そしてそのまま舌を突き出す。 
ヤムチャはその舌を防御しようと両腕で体を守る。だが、その両腕を突き破り桃白白は 
突進する。狙いは喉、ここに舌を突き刺す。 

「勝った」桃白白はそう確信した。両腕を破壊し、ヤムチャを守るものは何もない。 
この後は喉を突き破るだけである。だから、確信した。 

しかし、この時点で彼の舌はなくなっていた。そして、喉を貫くはずの計画は失敗し、 
ただ力なく桃白白の頭がヤムチャにぶつかっただけに終わった。 

「怖かった‥‥」 
ヤムチャはそう呟いた。決着はついた。 

583 :未来 :03/02/25 13:25 ID:qdwiuru+
桃白白が消え、CCには二人のみが残された。これにより、ブルマの計画は完了した。
計画はまず、装置を使い自分とヤムチャ以外のすべての人間を一時的に消し去り、
その後、二人で愛を確かめ合うというものだった。邪魔者が消えたことで計画は九割方
達成され、残るはヤムチャと愛を結ぶのみである。周りの人間が消えている時間は
装置の設定により今から24時間としてある。愛し合う時間は十分にあった。

ブルマが計画の成功を喜んでいると、そこにヤムチャが話し掛けてきた。
彼は先ほどの戦いの熱気も冷め、落ち着きを取り戻したようだ。
「さて‥‥、さっきは聞き忘れたが、装置の事を教えてもらおう」
二人とも落ち着いたため、会話が進み始める。ブルマはこの問いに静かに答えた。
「この装置は、厳密に言うと違うけど、私とあなた以外のすべての人間を一時的に
 消し去るものよ。私はヤムチャと二人きりになりたいからこれを使った」
そういいながら、ブルマはヤムチャに歩み寄る。しかし、ヤムチャは後ずさり、
怒りを込めていった。
「二人きりになるだと‥‥お前はそんな目的のために世界中をパニックにしたのか!」
ヤムチャにはブルマの目的が理解できなかった。
「私はたとえ、世界をパニックにしても、あなただけを愛したい」
これは狂愛。ブルマの愛は常軌を逸していた。


584 :未来 :03/02/25 13:26 ID:qdwiuru+
このブルマの愛に対し、ヤムチャは戸惑う。異常なほど強く、そして歪んだ愛。
これを受け入れるかどうかという問題は、ヤムチャの愛と正義をかけた問いでもある。
彼がブルマと知り合って既に7年近く経つ。その間、二人の間には喧嘩や浮気といった
様々な事があった。だが、どんなことが起こっても、ヤムチャが彼女を愛している
ということに変わりはなかった。今、この7年間不変の愛が揺らいでいる。

「コイツを許すわけにはいかない」
正義の魂が訴える。
「ブルマの愛には応じなくてはいけない」
愛の心が叫ぶ。
どっちだ。自分は何を選ぶべきだ。ヤムチャの心は大きくゆれた。

本来ならば、迷う必要などない。彼女のしたことは許されない。だから、悩むことなく
正義の魂に従えばよい。しかし、7年は重い。ヤムチャは悩む、どうしたらいいんだ。

そんなヤムチャの悩みを見透かしたように、ブルマが言った。
「私のしたことは許されない。でも、この地球上で何よりあなたが好き。
 だから、許されなくてもかまわない。ただ二人で愛し合えればそれでいい」


585 :未来 :03/02/25 13:27 ID:qdwiuru+
この言葉を聞き、ヤムチャの心が傾く。正義より愛、やはりそれが正解。
少しずつそう思い始める。だが、次の瞬間、ブルマが‥‥‥
「ブルマ、お前‥‥‥まさか」
ヤムチャが困惑する。装置の製作者までなぜ‥‥
「私が‥‥‥嘘でしょ。どうして、消えるのよ」
なぜ消えていくのかブルマにもわからない。だが、間違いなく彼女の体は消えていく。

二人が焦る。
「俺が助けてやる。教えろ、何をすればいい。どうすれば止められる」
「こうなったら、もう止められない。
 ‥‥体のことなら大丈夫。24時間後には元に戻るから」
「24時間、それだけ待てばいいんだな」
「えぇ、そうよ」
最後の一言をブルマは力なく答えた。
彼女は思う。
(消えていくことに問題はない。けれども選ばれなかったことが辛い。
 どうして、私じゃないんだろう。これだけ彼を愛しているのに‥‥)
ブルマは涙する。そして、静かに消えていった。

誰もいなくなったCCに館内放送が流れる。
「指定の二人を除く、全ての人間を一時消去しました」

635 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/26 14:16 ID:d+3MgRpO
ブルマが消えたことで先ほどの問いに対して、ヤムチャに若干の猶予が与えられた。 
正義と愛を書けた問題は一旦先送りである。 

さて、時間はたっぷり24時間与えられたが、それが長すぎる時間であることは容易に 
想像できた。なにせ人が誰もいないのだ。何をして過ごすのかが重要な問題になる。 
これに対し、ヤムチャは最初、CCにある多くの娯楽施設を使って時間をつぶそうと 
考えた。しかし、なぜかそれ以外に重要なことがあると感じた。 
感じたことに理由はない。強いて言うならば『運命』。そうこの予感こそ、ヤムチャの 
運命に向けた第一歩だ。 

彼は先ほどの館内放送を思い出す。『指定の二人以外』、確かにそう聞こえた。 
だとしたら、自分以外にも後一人の超された人間がいるはず。そう考え、もう一人を 
探すことにした。 

これこそ、今のヤムチャに運命づけられた使命なのだが、当然彼は知らない。 

CCを出て、もう一人の残された人間を探すヤムチャ。西の都に人の気配はなく、さらに 
ヤムチャは他の都市についてはほとんど知らないため、探すと言っても、あてもなく 
うろつくだけである。けれど、あてない彷徨なのに、彼はある一カ所を目指していた。 
それも無意識にである。 

どれほど歩いただろうか、既に西の都を出て、隣の町に着いていた。 
「ここだ、ここにもう一人がいる」 
ヤムチャはそう感じた。そしてさらに感じるまま、ある一軒の家に入る。 
ノックもせず、呼び鈴も鳴らさず、まるでその家が自分の家であるかのように入る。 
そして、家の中のある部屋へと進んでいく。 

ヤムチャが部屋を開けると、そこには一人の少女がいた。 
突然の来訪者にとまどいを隠せない少女。彼女は問う。 
「あなたは誰?」 
しかし、ヤムチャは答えなかった。代わりに同じ質問を返す。 
「君こそ誰だ」 
636 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/26 14:17 ID:d+3MgRpO
二人の間に奇妙な空気が流れる。 
「目の前にいるのは誰だ」 
知らないはずなのに、十年来の友人のような、心の底から懐かしさや愛おしさといった 
感情がわき出る。この人は誰だ。お互いが抱く共通の疑問。 
二人は知らない、この相手こそ、自分と結ばれる運命にあることを。この相手こそ、 
未来のパートナーであることを。二人はまだ知らない。 
だが、本能がそれを感じたのだ。 

ここで唐突だが、ブルマが作った装置について説明する。 
あの装置は指定した人間全てを消去する機能を持つ。今回ブルマが入力した条件は 
・ヤムチャと結ばれる運命にある女性 
・ヤムチャ 
この二人をのぞく全ての人間である。ブルマが条件入力したとき、彼女は自分こそ 
ヤムチャと結ばれる人間だと思っていた。しかし、実際にはブルマはベジータと 
結ばれる。だから、彼女の計画は失敗した。 

ともあれ、今ヤムチャのまえにいる少女こそ、運命に約束された女性だ。 
二人は近づき、ふれあって互いの名を名乗った。 

ヤムチャと少女は語り合う。 
お互いにぎこちない。本能が求め合っているからだ。初対面の人間をいきなり 
求める事は理性が許さない、だからぎこちなくなる。しかし、それもやがて‥‥ 

語り合う二人の言葉は次第に少なくなっていき、互いにふれあい始める。 
そして、最後は本能の赴くままに愛し合う。 
お互いが感じた。『この相手こそ運命の人である』と。 
二人の愛は深夜まで続いた。そして、裸のまま眠りについた。 
637 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/26 14:17 ID:d+3MgRpO
翌朝、二人は同時に目を覚ました。ともに朝食をとり、お互いのことを語り合う。 
そして、時間はどんどん過ぎていった。 
二人の会話は尽きることが無く、もうすぐ24時間が経過しようとしている。 
そして突然、周りに人の気配が増え始めた。一日たったのである。 

人々は一斉に戻り始め、事件の解決を告げていた。 
「みんなが戻ってきた」 
「あぁ、これで全てが終わった」 
ヤムチャと少女は人々の帰還を喜び合う。しかし‥‥ 
喜び合うのもつかの間、今度やヤムチャが少女の前から姿を消してしまった。 
人々が元の場所に戻ったため、ヤムチャもまた、CCに戻されたのだ。 

「な、なんだ。突然‥‥」 
ヤムチャの周りの景色が変わる。それも一瞬で。ここはCCの中。 
目の前にはブルマがいる。闘いに敗れ、力尽きた桃白白とブラックもいる。 
ここは装置が動作を終了したとき、ヤムチャがいた場所。 
あまりに突然の出来事に、あっけにとられるヤムチャ。 
「俺は夢を見ていたのか‥‥」 
運命の少女とともに過ごした時間は、まるで夢のようだ。 

しかし、そんなヤムチャを見て、ブルマが思う。 
(ヤムチャが装置の力で何を見たのか、わたしには分からないけど 
 そこで起こったことは決して夢じゃない。あなたは運命の人に出会ったはず) 
638 名前: 未来 [sage] 投稿日: 03/02/26 14:17 ID:d+3MgRpO
〜・〜・〜・〜最終回〜・〜・〜・〜・〜 
時をしばらくして、ヤムチャはこの夢のような出来事をほとんど忘れかけていた。 
あれは装置が見せた夢。ヤムチャはそう思い、忘れようとしていた。 
もちろん、少女のことを忘れることなど、現実にはできず、何度か彼女の 
家に訪れたことがある。しかし、不思議なことに少女には一度も会えなかった。 

そして、数年後。ブルマがベジータと結ばれた。 
「ショックだよなぁ、俺」 
ヤムチャの言葉である。しかし、これに対しブルマは思う。 
(あなたは既に運命の人に出会っているはず、いつかきっと会える日が来る。 
 だって、二人は結ばれることを約束されているのだから) 


さらに数年が経過した。クリリンは18号と結婚し、悟飯もビーデルと結ばれた。 
そして、ヤムチャもついに運命の少女と再会する。 
再会した二人の間には愛が芽生え、二人は結ばれた。 


これから始まる。永遠の未来、二人はずっと愛し合う。 
(完)