他漫画対決第一弾
ヤムチャvs鬼丸美輝
444 :他漫画対決第一弾 :03/02/20 21:54 ID:u8OfSynk 「そんな、オラが‥‥全く手も足も出せずに負けるなんて」 また一人、大戦鬼・鬼丸美輝の新たな被害者が出た。彼の名は孫悟空。 漫画界においてトップクラスの実力を誇る男である。その彼も鬼丸美輝相手には 全く歯が立たなかった。 事は数日前にさかのぼる。最初はベジータだった。彼は無謀にも大戦鬼に勝負を挑み 当然のように敗退。その後は悟飯、悟天とDB屈指の実力者達が立て続けにやられ 続けた。そして今、主人公の孫悟空さえも為す術無く散ったのである。 今、トランクスが大戦鬼に復讐のため立ち向かった。しかし、恐らく敵わないだろう。 そのため、母ブルマはヤムチャにコンタクトをとった。大戦鬼に敵いうる能力を持つ者 ‥‥‥‥‥‥か、どうかは分からないが、ともかくもトランクスよりヤムチャの方が 可能性があるとして、ヤムチャに救援を要請したのである。 そして、その頃。 「やはり、勝てない。‥‥‥‥この最強の敵には僕たちでは勝てないのか」 トランクスも敗れ去った。恐るべきは鬼丸美輝、鬼丸流葬兵術の使い手。 445 :他漫画対決第一弾 :03/02/20 21:54 ID:u8OfSynk ここはカプセルコーポ、ブルマの個室。ブルマが慎重な面持ちでヤムチャに話しかける。 「恐らくは今頃、あの恐ろしい娘にトランクスもやられているわ」 ヤムチャはその話を聞いて恐怖する。 「それで俺にどうしろと言うんだ」 「闘って欲しいの」 ブルマは即答した。(何を馬鹿なことを‥‥)ヤムチャの顔がゆがむ。 「サイヤ人達も敵わなかった相手に俺が勝てるとでも言うのか」 「勝てる‥‥‥可能性ならあるわ。詳しくは説明できないけど、 これはヤムチャにとっても汚名挽回のチャンスよ」 「わかった」 汚名は返上する物なのだが、ヤムチャは気づいていなかった。 大戦鬼・鬼丸美輝。マイナー故に誰も知らぬ可能性を持つ者。 だが、その実力はサイヤ人達をも恐怖する。その事に間違いはないであろう。 ここは鬼丸美輝の住む街。今日もまた、大戦鬼による被害者が悲鳴を上げる。 この町にヤムチャが乗り込んだ。ヤムチャにとって汚名挽回のチャンスがやってきた。 446 :他漫画対決第一弾 :03/02/20 21:55 ID:u8OfSynk 大戦鬼vsヤムチャ。大方の予想は大戦鬼の勝利である。だが、この物語の主人公は ヤムチャだ。万一、逆があるかもしれない。そしてDBのキャラ達はそれを望んでいた。 「サイヤ人の仇をとってくれ」 これが彼らの共通の願いである。 二人の対決は商店街で行われることになった。商店街と言っても人通りは多くない。 この商店街の鬼丸飯店正面で対決は行われる。すなわち、敵の本拠地において戦いは 行われるのだ。相手にとって地の利があると推定されるこの場所での戦いはDB側の 望んだことである。最強のZ戦士としての誇りのため、小娘一人に負けたことを 良しとせず、相手の本拠地において確実に叩き勝利を我が手にせんとする考えからである。 ちなみに、理由は定かでないが鬼丸側はこの申し出を一度は却下した。 その後、これまた理由は定かでないがこの申し出を受けることになった。 ともかく、ヤムチャvs鬼丸美輝。開戦である。 両者が闘技場に姿を現した。 「ふぅ、腕が鳴るね。今度の相手はアンタかい?」 若い娘。それも美形だ。だが、その表情、態度、言葉。どれをとってもヤムチャを なめきっているのが手に取るように分かる。これが鬼丸美輝。最強クラスの腕前を持つ 看板娘。家業の中華料理店を邪魔し続け、街の中では不良達に大戦鬼と恐れられる女だ。 「ヤムチャvs鬼丸美輝。先攻ヤムチャ。始め!!」 開始の合図とともにヤムチャが動いた。 447 :他漫画対決第一弾 :03/02/20 21:55 ID:u8OfSynk 「飲茶流包丁術八手拳」 かけ声とともに、ヤムチャの腕が高速で動く。あまりの速さのため、腕が8本に見える。 そして、それぞれの腕が、各種の野菜、肉類を刻んでいく。 「あれは、ヤムチャ様が盗賊時代身につけた技です。8つの料理を同時に作り上げる大技 それら8つの料理が作り出すハーモニーはまさに天国。食す者を恍惚の境地へ誘う」 プーアルが技の解説をする。だが、それに対し『無敵看板娘』の太田が言う。 「あれじゃ駄目だ。美輝ちゃんには通じねぇ、彼女は常識を越えた技を持っている」 ヤムチャの凄まじい技に燃え上がるZ戦士。 「勝てる、勝てるぜヤムチャ」 対照的に表情の暗くなる『無敵看板娘』の太田、神無月、西山ら 「駄目ですわ。これだけでは鬼丸さんには勝てるはずありません」 双方の思惑をよそに、鍋、釜、フライパンと次々料理を完成させるヤムチャ。 それらの料理が組み合わさったとき、究極の美味『飲茶流満干全席』は完成する。 ヤムチャの腕の本数が徐々に少なくなる。それとともに料理の完成度も上がっていく。 最後、元通り二本になったとき。ヤムチャが静かに言った。 「これで完成。『飲茶流満干全席』一人前だ」 食卓に、目にも鮮やかな料理がズラリと並んだ。「すばらしい」見る者全てが驚嘆の 声をあげる。この究極料理を対戦者の鬼丸美輝が食す。 448 :他漫画対決第一弾 :03/02/20 21:56 ID:u8OfSynk 鬼丸美輝は出された料理を食べていく。確実にだが迅速に、その動きまさに大戦鬼。 サイヤ人達も舌を巻くほどのスピードで料理を食していく。むろん、このことは彼女 の能力にのみ起因することではなく、ヤムチャの滅茶苦茶うまい料理のせいでもあった。 「ふぅ。うめぇ、お前天才だな!」 鬼丸美輝はヤムチャの料理を食べ終え、そのうまさを絶賛した。周りの者達はその様子を うらやましそうに見つめる。だが、彼女を知る者達はこれから始まる恐怖に怯えていた。 「本当の恐怖はこれからだ」 ベジータが震える。その様子にいつもの自信はない。 食事を終え、箸を置き、静かに構える大戦鬼・鬼丸美輝。 「さぁて、今度はわたしがアンタに振る舞う番だね」 大戦鬼の目が光る。その様はまさに地獄の鬼。 「貴様がどんな料理を作るかは知らんが、俺は決してうまいとは言わんぞ」 ヤムチャが唸る。自分の料理が負けるはず無い、彼には絶対の自信があった。 「アンタの料理に答えるために、わたしも複数の品目を作ってやるよ 8つじゃないけどな」 そう言って、美輝は料理を始めた。彼女が作る料理は三つ。 461 :他漫画対決 :03/02/21 12:09 ID:AMPcyOAe 「鬼丸流葬兵術、大地印"足"!!」 相撲で言うところの四股を踏む動作。美輝が四股を踏むと、その衝撃で辺りが煙に 包まれる。「これじゃ何やってるのか見えねぇぞ」気を感じ取って相手の動きを把握する Z戦士達も格下の美輝の動きは目で見るしかない。煙に巻かれた状態では何も見えない。 ギンッ、ガンガンガンッ、ギリギリギリッ 奇妙な音が辺りにこだまする。とても料理をやっている音には聞こえない。 その音はまるで鉄板をのこぎりで叩き、さらに無理矢理斬りつけているような そんな音である。その不気味な音がこだまする中、次第に煙が無くなってきた。 しかし、完全に視界が開ける前に調理が完了した模様。 「終わったよ」 美輝が言う。辺りはまだ、若干の砂煙に包まれていた。 「わたしの料理は三品ある。まずは鬼丸飯店の人気メニュー。チャーハン"毒盛り"」 ヤムチャの目の前に見たこともない、青色のチャーハンが差し出された。 しかし、これはまだ恐怖の始まりでしかない。 462 :他漫画対決 :03/02/21 12:10 ID:AMPcyOAe ヤムチャは目の前に差し出された料理を見て凍り付く。(これは料理か?) 素直な彼の疑問だ。数々のサイヤ人を屠った美輝の料理(?)、それを見て戸惑うヤムチャ 「食べたくないなら、良いんだよ。アンタの不戦敗になるだけだ」 連戦連敗のZ戦士にとって負けは許されない。この料理を食さねば負ける。しかし、 食せば死。ヤムチャに究極の選択が迫る。しかもコレはまだ一品目なのだ。 「ヤムチャ様、食べてください。盗賊時代に培った胃袋は並の毒には負けません」 プーアルの一言が、ヤムチャの決心を固める。レンゲをとり、"毒盛り"に立ち向かう ヤムチャ、そして食う。「デンデ!!」神に祈るZ戦士達。レンゲで一口目を口に運ぶ。 「ぶはッ」吐きそうになるヤムチャ。しかし、吐けば負けだ。必死で口を押さえ 残りを口にかけ込む。口いっぱいに頬ばり、無理矢理水で流し込んだ。 胃袋に激痛が走る。だが、「サイバイマンにやられたときに比べれば‥‥」 文字通り必死でこらえるヤムチャ。 それを見て嗤う美輝「アーハッハ。こいつ毒食ってるよ」 その姿はまさに外道。これぞ鬼丸美輝。「あれに僕はやられたんだ」呟く悟飯。 美輝の凄まじい料理により決着は付いたかと思いきや、ヤムチャは耐えた。 「くっくっく、耐えたぞ。さぁ、次の料理を出せ」青白い顔になりながらも、 必死に強がるヤムチャ。しかし彼は美輝の恐ろしさをまだ知らない 463 :他漫画対決 :03/02/21 12:11 ID:AMPcyOAe 「オラもここまでは耐えたんだ。だが、二品目は‥‥」 あたりを包む、砂煙が若干落ち着き、周りが見えるようになってきた。 美輝の残り二品は、小さな器と大きな器の二つである。まずはどちらが出てくるのか。 美輝は小さな器を手に取り、ヤムチャに差し出した。 「お湯に通して、ポン酢で味付けしてみたんだ」 そう言って、器を開ける。 「石を味付けしてみた」 ‥‥‥‥明らかに今回も料理ですらないものが出た。 「おい! ちょっとまて、これは料理じゃないだろ」動揺するヤムチャ 「まぁ、そこらへんの認識は人それぞれだろ」不遜な態度で応える美輝 (絶対に違う)周りの人間は全員そう思った。 二品目の料理を前に固まるヤムチャ。これこそが、悟空をも屠った一撃。 もはや、食べなくてもZ戦士達の勝利では。そういう、ムードさえ漂う。 だが、ヤムチャは気付かない。彼のプライドが許さないのだ。 おもむろにヤムチャは右手に気をため始めた。「繰気弾!」石めがけて 必殺技を放つ。「そ、そうか。石が砕ければ食べるのは簡単」トランクスが叫ぶ。 繰気弾を浴び、石は砕け散った。 「さぁ、食べるぜ」ヤムチャは既に砂と化した石を食していく。 無論苦痛だ、しかし、天津飯に折られた足の事を考えれば‥‥‥この程度のこと! ヤムチャは必死で石を食った。 「フッ! やるじゃないか。でも、次はそうはいかないよ」 最強の三品目に続く 466 :他漫画対決 :03/02/21 13:25 ID:AMPcyOAe 三品目の器、それは小さな子供一人入ってしまいそうなそんな器である。 「中華料理と日本料理の夢の合体超大作。それがこの三品目だ」 そう言って料理をヤムチャの目の前に差し出す。 そういえば、周りを確認すると一人少なくなっているような‥‥ あのZ戦士1存在感の薄い男がいないような気がする。「誰だっけ?」全員が そんな疑問を持つような男。それがいない。ともかく、美輝の三品目だ。 これを片付ければZ戦士の勝利。美輝が器のふたを開ける。 「餃子の生け造りだ」 全員が凍った。そこにいるのは間違いなく餃子(チャオズ)。器の中に服を着たまま 横たわっている。 「クロロホルムを嗅がせてね。眠らせたんだよ」 確かに眠っているだけだ、餃子はまだ生きている。これを食べろというのか? 「私の勝ちだね」勝利を確信する美輝。 「チャオーーズ!!」泣き叫ぶ天津飯。 辺りに緊張が走る。これが大戦鬼の実力なのか。 いや、っていうかもうDB側の勝利じゃないのか? これは反則だろう。誰もがそう思っていた矢先、あの男が動いた。 467 :他漫画対決 :03/02/21 13:25 ID:AMPcyOAe ムクッと餃子が起きる。「おはよう‥‥」眠そうな顔で言う。 「よし、チャオズ。こっちに来い」ヤムチャが呼ぶ。 「あ! 勝手に動くな、あんたは私の料理だぞ」美輝があせる。 チャオズはゆっくりとヤムチャのほうに歩み寄る。 (はっ。もしや、この二人グル?) 美輝は二人の様子を見て考える。 「突然、砂煙の中でクロロホルムをかがされて‥‥」 チャオズが言う。 「なに、根も葉もない事言ってんだ! アンタはわたしの料理だろ」 「違う。それから、お前反則負け」美輝を指差してチャオズが言う。 「ほう、この私が負けだって言うのかい?」明らかに怒りを見せる美輝。 (当たり前だろ)と心の中で突っ込む観客。 「姑息、あまりに姑息。そして解せぬ!」ついに美輝の怒りが爆発した。 「調理の恩より、捕食者を取るか餃子よ!」意味の分からない言葉を叫ぶ美輝。 「この勝負、やはり俺がもらった」ヤムチャが勝ちを確信する。 「勝負あり!」太田がヤムチャの勝利宣言を行なう。だが、美輝は納得しない。 「私に逆らおうって言うのなら容赦しないよ」 そう言って美輝が構える。鬼丸流葬兵術の構え。 468 :他漫画対決 :03/02/21 13:26 ID:AMPcyOAe 「勝った」Z戦士の誰もが思った。格闘技ならヤムチャに圧倒的な有利。 美輝ごときに負けるはずがない。みんながそう思っていた。 しかし、忘れてはならない。ヤムチャという男の初期設定を、そして、 『無敵看板娘』が萌え漫画であることを。美輝タンは萌えキャラなのだ。 「鬼丸流葬兵術‥‥」美輝が間を詰める。「遅い!」ヤムチャには十分に目で追える。 明らかに近すぎると言う間まで詰まったところで、美輝がヤムチャに背を向ける。 (エプロン姿は後ろもイイ)そう思うヤムチャ。美輝は後ろ向きのまま、体を前屈させ 右足を後ろに蹴り上げる。「天龍烈雲脚!!」蹴り上げた足の奥にエプロンの中の パンツがわずかに見える。(パンチラだ)美輝の蹴りをまともに浴びるヤムチャ。 鼻血を噴出してしまう。言っておくが、蹴りのせいではない。 「勝負あり!」再び太田が叫んだ。 Z戦士全敗。ヤムチャはかつての女性苦手という汚名を挽回する結果となった。 (完)