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ヤムチャ最強への道



376 :ヤムチャ最強への道 :02/09/13 20:45 ID:Jme3SqNr

第一話「サイヤ人襲来と1000人のヤムチャ」

サイヤ人襲来前日、亀仙人・ブルマらはドラゴンボールを集め孫悟空を生き返らせようと
していた。しかしそこに一人の邪魔者が入り込んだ、そう我らがヤムチャである。
「いつまでも悟空に頼っているようじゃ駄目だ。今度は俺が奴らを倒す。神龍よ、俺を
 あと999人出してくれ。」
こうしてこの世に1000人のヤムチャが誕生してしまった。
「質より量だぜ。いかにサイヤ人が強かろうと1000人のヤムチャ様には敵うまい。」
そう高笑いする1000人のヤムチャたち。その一方で、ブチきれるブルマや亀仙人。
「なんてことすんのよ!塵が積もってもゴミ山になるだけよ!」
「ハッハッハッ、心配するなブルマ。いつでも来やがれってんだ、サイヤ人め。」
「なんということじゃ・・・地球は終わりじゃ。」
そして翌日の午前11時43分、ついに地球は二人のサイヤ人の侵入を許してしまった。
二人のサイヤ人と対峙するピッコロと悟飯の前に次々とZ戦士たちが集っていった。
そしてついに1000人のヤムチャも皆の前に到着したのであった。
空一面にひろがる1000人のヤムチャたち。
「ピッコロさん、あ・・・あれは一体なんですか?」
「見るな悟飯。知らん方がいいこともある。あの馬鹿めが・・・」
「よう!おそくなったな。あいつらがサイヤ人か」
「おいヤムチャ、これはどういうことだ!お前まさかドラゴンボールで・・・」
そう詰め寄る天津飯にヤムチャはこうなった成り行きを説明するのだった。
一斉にブチきれるZ戦士たち。そしてついに悟飯は我を失ってしまった。
「わぁぁぁぁぁ!お父さんをよくも、よくもぉ!許さないぞ、ヤムチャさん。魔閃光!!!」
こうして39人のヤムチャが死に、56人のヤムチャはそれぞれ重軽傷を負った。
次話「サイバイマン6人対ヤムチャ961人」に続く


383 :ヤムチャ最強への道 :02/09/13 21:48 ID:OQQ3rRpO

第二話「サイバイマン6人対ヤムチャ961人」

「ハアッ、ハアッ、ハアッ」
「よせ悟飯、いまは少しでも戦力が欲しいんだ。馬鹿を倒すのはサイヤ人たちを
 やっつけてからにしろ。だがよくやった。」
「す、すいません、ピッコロさん。今はそれどころじゃないですよね。」
ピッコロの必死の説得によって正気を取り戻す悟飯。
地球にはナッパ以上の馬鹿がいるとは宇宙は広いな、そう思うベジータ。
「いけサイバイマン。おもいっきりやるんだいいな」
「ここは俺たちに任せてくれよ。イヤッホー」
もはや誰もヤムチャを止めやしない。サイバイマンに拳を打ち込む1人のヤムチャ。
しかし体勢を立て直すとサイバイマンは頭から酸のようなものを噴き出した。
それを余裕をもって避けるZ戦士たち。しかし先ほどの魔閃光のダメージにより
素早く反応できなかった2人のヤムチャはまともにくらい溶けてあっさり死んだ。
「よくも、かめはめ波ぁ!!」
自分を殺され怒りに燃えるヤムチャたちのかめはめ波がサイバイマンたちに襲い掛かる。
まともにくらってしまい地面に叩きつけられるサイバイマンたち。
「こんな雑魚など話にならん。さぁ次はお前たちだ。最初はハゲかそれともチビか?」
しかしサイバイマンたちはまだかすかに生きていた。ピッコロはそれに気付いていたが
黙っていた。一斉にヤムチャたちに飛びつくサイバイマンたち。
そしてサイバイマンたちは自爆した。こうして6人のヤムチャが道連れに死んだ。
次回「ナッパ出撃、迎え撃つヤムチャ953人」に続く


384 :ヤムチャ最強への道 :02/09/13 21:49 ID:OQQ3rRpO

第三話「ナッパ出撃、迎え撃つヤムチャ953人」

「ぎひひひ、いよいよ本番ってわけだ。せいぜい楽しませてくれよ。はぁぁぁ」
そう言うとナッパは己の力を開放した。
「こ・・・これほどまでとは・・・・!!」
そのあまりの気に圧倒されるZ戦士たち。ここで11人のヤムチャが逃亡した。
「ピッコロさん、ヤムチャさんが・・・」
「悟飯、俺には何も見えん、見えんぞ、見てたまるか!」
「さあてと、どいつからかたづけてやるかな。決めた!!」
同族嫌悪という言葉がある通りナッパはまずは天津飯に向かっていった。
これはヤムチャの物語である、詳しい説明は省き結果のみをいうと、天津飯と
餃子はナッパによって殺された。圧倒的な力を前にピッコロはある作戦を立てた。
「きけ・・やつは攻撃に移るわずかな一瞬にすきがある。そのときを狙うぞ・・」
「ようピッコロ、で俺たちは何をすればいい」
「ヤムチャ、邪魔にならないように貴様らは黙って見てろ。いまだっ」
ピッコロはわずかな隙をつき、ナッパの顔面に拳を叩き込んだ。クリリンがそれに
追い討ちをかける。ナッパは完全に体勢を崩していた。
「悟飯いまだ!!撃てぇ!」
しかし恐怖のあまり立ちすくんでしまい動くことのできない悟飯。
「悟飯ーーーーっ!!」
「そんなことだろうと思ったぜ、このヤムチャ様は準備万端だぜ。いくぞ。
 とりゃーー。狼牙風風拳っ!!」
次話「炸裂?942人狼牙風風拳」に続く


402 :作者の都合により名無しです :02/09/14 02:53 ID:q6gZp2oK

第四話「炸裂?942人狼牙風風拳」

「狼牙風風拳!!とりゃー!」
「・・・・」「とりゃー!」「・・・・」「とりゃー!」「・・・・」
「お前先にいけよ」「俺はいやだよ」「お前が先に行けって」「とどめは俺がさす」
誰が一番最初にいくかでもめるヤムチャたち。もうすでにナッパは体勢を立て直していた。
「やってくれたじゃねぇか。てめえらさらに寿命を縮めたな。」
「いや俺たちは何もやってないですよ。あいつらが勝手にやったことでして・・・」
そう弁解する942人のヤムチャたち。そのときまだかすかに息のあった天津飯が
最期の気功砲をナッパにむかって放つのであった。しかし天津飯の最期の抵抗もナッパには
効かなかった。ヨロイの一部を壊しただけだったのだ。最期の力を使い果たし息絶える天津飯。
「餃子と同様、無駄死にしやがって」
そう呟くヤムチャたち。そうヤムチャたちは気付き始めていた。もしかしたら俺が1000人
いてもこいつらサイヤ人には勝てないかもしれない、と。このさい逃げるか、そんな空気が
ヤムチャたちの間に蔓延していったのも事実であった。そのときピッコロが1人のヤムチャに
近づいていった。
「ピッコロ、悪いが俺たちはお前らをあてにしてはいないぜ。」
「いいかよく聞け、ヤムチャだったな、お前はやつの注意をひきつけろ。その隙に俺が
 サイヤ人の弱点であるしっぽをつかむ。力が抜けて動けなくなったところを悟飯たち
 すべての力を出して突っ込め!いいな!」
ヤムチャたちは悩んでいた。ピッコロの言うとおりにするか、それとも事前にそれを警告し
サイヤ人たちに取り入るか、と。いや駄目だ、俺はヒーローになりたい、いやなるんだ。
ここにピッコロをはじめとするZ戦士たちの最後の賭けが始まったのであった。
次話「悟空復活?うかれるヤムチャ942人」に続く


434 :ヤムチャ最強への道 :02/09/15 22:52 ID:0Nt4UT4J

第五話「悟空復活?うかれるヤムチャ942人」

ヤムチャは考えた。この作戦俺たちだけで出来るんじゃないのか、と。そうだそうすれば
手柄を独り占めにできる。ピッコロたちにばかりいいかっこはさせん。ヤムチャたちは
役割分担を決めるために緊急会議を開いた。会議は踊ったので最終的にくじ引きで決めた。
その結果、注意をひきつける役ヤムチャ600人、しっぽをつかむ役ヤムチャ1人、
特攻する役、ヤムチャ220人、棄権121人、と決まった。ここで特攻役のヤムチャ3人が
恐怖に耐え切れなくなって発狂した。
「いくぞ!!」
600人のヤムチャたちがいっせいにナッパの注意をひいた。
「いまだっ!!」
それを見てピッコロはナッパに向かって高速移動した。ナッパに着こうかという瞬間、
ピッコロの目の前に急にヤムチャが現れた。避け切れなかった2人は正面衝突をした。
その衝撃によりヤムチャは死んだ。一方ピッコロも心と体に大きなダメージを負った。
「なんてことをするんだ、ヤムチャさん!」
「あいつもしかして45度でパスをもらおうとしたんじゃ・・・」
「違う、あの俺はしっぽをつかもうとしたんだ。それをピッコロ大魔王が邪魔を・・・」
他のヤムチャたちがそう弁明した。そのときだったピッコロはこちらに向かってくる
大きな気の存在に気がついた。
「こ・・これはまさかヤツか!?孫悟空なのか・・・」
「この懐かしい気はお父さんだ。どうにか知らないけど甦ったんだ。」
ところどころで嬉し泣きをするヤムチャたち。そして互いに抱き合うヤムチャたち。
悟空の復活によってしだいにまた余裕と強気を取り戻すヤムチャたち。
「ベジータ、まさかカカロットのヤツが」
「カカロットかどうか知らんがあと5分ほどで着くだろう、戦闘力5000ほどの奴が。」
「ちぃ、お遊びはここまでだ。カカロットの息子から殺してやる。」
そう言うとナッパは強力なエネルギー砲を悟飯めがけて放つのであった。
次話「ピッコロ散る、あざ笑うヤムチャ941人」に続く


435 :ヤムチャ最強への道 :02/09/15 22:53 ID:0Nt4UT4J

第六話「ピッコロ散る、あざ笑うヤムチャ941人」

「ありゃ避けられん。悟飯のやつ・・・死んだな。」
ヤムチャは冷静にそう思った。しかしそのときピッコロが悟飯の前に立ちふさがり
盾となった。エネルギー砲はピッコロを直撃し、その体を焼いた。そののまま倒れるピッコロ。
「ピッコロ大魔王とあろうものがガキをかばうなんて情けねぇ」
ヤムチャはそう言い捨てた。そしてピッコロは悟飯の手の中で息絶えるのであった。
悲しみのあまり逆上して悟飯はナッパに向かって魔閃光を放つが片手ではね返されてしまう。
もう誰もが絶望を覚悟したそのときだった。空から筋斗雲とともに孫悟空が現れたのだ。
「何っ!カカロットだと」
「悟空、どうやって・・・」
「待たせちまってすまねぇな。神様と界王様がなんとかしてくれて二時間ほどだけ
 甦れることになったんだ。ほれ仙豆だ、半分ずつ食ってくれ。」
「悟空、俺の分は?」
「ヤムチャ、おめえの分はねえ!」
「さっきから立ちっぱなしのうえ、まだ昼飯も食ってないんだぜ」
ヤムチャたちはぶつぶつと口々に不満を言い出した。空腹に耐え切れなくなったヤムチャたちは
ビニルシートを広げ、ブルマお手製の弁当を食べ始めた。ここで37人のヤムチャが毒殺された。
そうこうしているうちに悟空は界王拳を使ってナッパを倒していた。
「悟空、今の技は何だ・・・」
「界王拳・・・てんだ。カラダじゅうのすべての気をコントロールして瞬間的に増幅させるんだ。
 うまくいけば力もスピードも破壊力もなん倍にもなる」
原理は狼牙風風拳と同じか・・・、ヤムチャはそう思った。
次話「動きはじめた帝王、まだ動かないヤムチャ904人」に続く


453 :作者の都合により名無しです :02/09/16 02:42 ID:QjNJVmKg

第七話「動きはじめた帝王、まだ動かないヤムチャ904人」

悟空は動けなくなったナッパをベジータの方に放り捨てた。
「もう闘えないはずだ・・・連れて地球からとっとと消えろ!!」
「ベ・・ベジータ・・・た・・・助けてくれ。」
ベジータはナッパの差し出された手を掴むと宙に放り投げた。
「うごけないサイヤ人など必要ない!!」
そう言い捨てるとナッパに向けてエネルギー砲を放とうとしたその瞬間、ドーン、別の方向からの
エネルギー砲がナッパに命中した。そうヤムチャのかめはめ波だ。901人のヤムチャたちが
いっせいにかめはめ波をナッパに向けて放っていた。ヤムチャたちのかめはめ波によってさらに
ダメージを受けたナッパは受け身が取れず地面に激突し、首の骨を折り、それにより死んだ。
「ナッパか・・・恐ろしい奴だった・・・」
ヤムチャは感慨深げにそう呟いた。悟空はクリリン・悟飯をカメハウスに帰すと、ベジータに
場所を変えるように指示した。場所を変えるため飛び立つ悟空、それに続くベジータ。
「よし俺たちも見物しに行くぜ。」
901人のヤムチャたちもそれに続いた。人、動物がいないところを選んで降り立つ悟空、そして
ベジータ。ここについに地球の命運をかけたサイヤ人同士の戦いが始まったのであった。
悟空のスピードに余裕でついていくベジータ。悟空は2倍の界王拳を使うも簡単にベジータに
反撃をくらってしまう。ここで悟空は一か八かの賭けに出た。3倍の界王拳である。下手をすれば
自分自身にダメージがある。しかしこうでもしなければベジータには対抗できない。悟空は覚悟を
決め、勝負に出た。一方そのころ、ヤムチャらは完全に悟空たちを見失っていた。
「速すぎてついていけなかった・・・」
次話「元気玉とヤムチャ901人」に続く


492 :ヤムチャ最強への道 :02/09/16 20:08 ID:A4E5g1c0

第八話「元気玉とヤムチャ901人」

必死の捜索の末、ヤムチャたちはやっと悟空らの位置を見つけることができた。しかしそこに
着くまでに5人のヤムチャが力尽き海に落ちて溺れ死んだ。ヤムチャたちが地に降り立つと、
ベジータは大猿に変身していた。そうか、ある事象Pがn回起こるとし、Pの回数をXとすれば
P^2=E−X/√n+0となりEに収束するのだ、恐怖のあまり錯乱したヤムチャはそう思った。
「ベジータぁ!お前は質量保存の法則に反している!」
ある1人のヤムチャはそう叫んだが、次の瞬間踏み潰された。悟空はベジータの手の中で握り
潰されそうになりながらも、ヤムチャに向かって叫んだ。
「しっぽだ!ヤムチャ、しっぽを切るんだ!!」「無理!!」
ヤムチャたちは瞬時にそう返答した。そのときだった、岩陰からヤジロベーが飛び出し、自らの刀で
ベジータのしっぽを切った。あっという間にベジータは元の人間の姿に戻ってしまった。
「くそったれ、雑魚の分際でちょこまかと。ギャリック砲でまとめて消し飛ばしてやる!」
ヤジロベーが見えなかったベジータはしっぽを切ったのはヤムチャのうちの1人だと誤解していた。
砂漠の盗賊時代、ブルマの裸、ウサギ団撃滅、第21回天下一武道会予選通過、同大会本選一回戦
敗退、第22回天下一武道会予選通過、同大会本選一回戦敗退、第23回天下一武道会予選通過、
同大会本選一回戦敗退、足元がお留守ですよ、ヤムチャたちの頭の中に今までの思い出がまるで
走馬灯のように流れていった。あんまりいい思い出がないよな・・・、冷静にヤムチャはそう考えた。
天下一武道会なんて初戦の相手が優勝者、優勝者、神様だったもんなぁ・・・、呪われてるのか俺。
ベジータは完全にヤムチャに気をとられていた。その間に悟空は両手を宙に上げ、最後の切り札である
元気玉を作っていたのであった。元気玉ができると悟空はベジータに向かって叫んだ。
「こっちだベジータぁ!!くらえ!!」
「何ぃ、カカロットの奴!何だ、あれは!!」
「あれはまさしく操気弾!?」嬉しさのあまりヤムチャが吼えた。
次話「決まるか元気玉、及び暴発する操気弾895発」


493 :ヤムチャ最強への道 :02/09/16 20:08 ID:A4E5g1c0

第九話「決まるか元気玉、及び暴発する操気弾895発」

「くっ!!」
悟空の動きに一瞬速く反応したベジータはギリギリのところで元気玉を避けた。避けられた元気玉は
そのままヤムチャたちの群れに一直線に突っ込んでいった。
「ヤムチャ!元気玉は純粋な悪にしか効かねぇ、はね返せ!!」
「悟空!手を上に動かして操気弾を曲げ・・・ぎぃいあぁぁぁぁ!!!!」
元気玉がヤムチャたちに直撃した。その結果として113人のヤムチャたちが即死した。
「悟空の奴・・・まだ完全には極めていなかったのか・・・」
生き残ったヤムチャたちは悲しそうにそう呟いた。そのときヤムチャたちは重大なことに気付いた。
先ほどの元気玉の衝撃で片腕がもげてしまったヤムチャが1人いたのだ。
「大丈夫か!!」
「あ・・・安心しろ。片腕ぐらいなくても・・・なんとか女は口説けるぜ・・・」
それを聞いて他のヤムチャたちはみなほっとして胸をなでおろした。
悟空は心身ともに疲れきっていた。ヤムチャたちはどう贔屓目に見ても数だけの単なる役立たずだ。
そう悟ったベジータは決着をつけるためにここで最後の勝負に出ることにした。
「カカロットぉ、こいつでこの下らん戦いもお終いだ!!」
そう叫ぶとベジータは悟空に向かってありったけの力をこめてギャリック砲を放った。一方悟空も
かめはめ波で対抗するも先ほどの元気玉で力を使い果たしてしまっていたので完全にベジータの
ギャリック砲に圧されていた。悟空のかめはめ波は圧されギャリック砲はどんどん近づいてきた。
ドカーン、そのときだった、ベジータの背中に何者かのエネルギー弾がまともに炸裂した。
そう我らがヤムチャ様の操気弾だ!!完全に虚をつかれたベジータ。自分たちを殺され復讐に燃える
ヤムチャたちの782発の操気弾がベジータに襲いかかった。そしてヤムチャは叫んだ。
「誰か忘れてないかァ?背中ががら空きだぜ、ベジータさんよォォォォォォ!!」
次話「幕切れ、生き残ったヤムチャ782人」に続く


515 :ヤムチャ最強への道 :02/09/16 22:48 ID:4Vp8cqlP

第十話「幕切れ、生き残ったヤムチャ782人」

「今の一発は餃子のうらみだ!!こいつは天津飯のうらみ!!」
そう言うとまたベジータの背中に操気弾を炸裂させた。自分の活躍に溺れるヤムチャ。もはや敵なし
状態だ。悟空のかめはめ波とぶつかり合っているのでベジータは防御に回ることが出来なかった。
「ピッコロのうらみ!!そしてぇ、ヤムチャのうらみ!ヤムチャのうらみ!ヤムチャのうら・・・」
ヤムチャの操気弾が次々とベジータに襲いかかっていった。どんどん強気になるヤムチャたち。
「・・・、第21回天下一武道会一回戦敗退のうらみ!第22回天下一武道会一回戦敗退のうらみ!、
 第23回天下一武道会一回戦敗退のうらみ!、狼牙風風拳の足元をすくわれたうらみぃぃ!!!」
そしてついに782発すべての操気弾がベジータに炸裂し終わった。しだいにギャリック砲の力を
失っていくベジータ。ここで悟空は残ったありったけの力をこのかめはめ波にこめた。
「波ぁぁぁぁ!!!」
もはやベジータにそれを耐え切る力は残されていなかった。ついにベジータは悟空のかめはめ波に
のまれた。直撃し吹っ飛ぶベジータ、力尽き倒れる悟空、爆風に吹き飛ばされるヤムチャたち。
この爆風により飛ばされた3人のヤムチャは頭を打ち不幸にも植物人間状態になってしまった。
しばしの間、この地を静寂が支配した。しかしまだベジータは生きていた。そして息絶え絶えに
なりながらもリモコンで宇宙船を呼び出すのであった。逃げるため宇宙船に乗り込もうとする
ベジータの前にクリリンが立ちふさがった。そしてベジータに止めをさそうとしたそのとき、
「待ってくれ、クリリン!!」悟空がそう叫んだ。
「止めは俺がさす!!」ヤムチャたちがそう叫んだ。
「いや、見逃してやってくれねぇか。頼む、一生のお願いだ。」
「でも悟空、こいつまた・・・」
「そんなときはまたオラが倒してみせるさ」
「甘いなカカロット。いつかその甘さが命取りになるぞ!!」
ベジータはそう言い捨てると宇宙船に乗り込み、宇宙(そら)に飛び上がっていった。
もっともっと修行して強くなれベジータ・・・!俺はその強さをもう一歩超えてみせる、空を
見上げながらヤムチャたちはそう願うのであった。
次話「ナメック星に向かうヤムチャ779人」に続く


612 :ヤムチャ最強への道 :02/09/18 07:08 ID:FjYWmRxl

第十一話「ナメック星に向かうヤムチャ779人」

ベジータたちの会話によってナメック星にも地球と同じドラゴンボールがあるらしいことを知った
クリリンたちは界王様の助けを借りてその位置を知り、神様がその昔乗ってきたという宇宙船を
使い、そのナメック星に向かうことにした。逃げ出した11人のヤムチャたちの命と引き換えに
完全に生き返っていた悟空ではあったが、ベジータ戦のダメージが未だ癒えていなかったので、
ナメック星に行くのは悟飯、クリリン、ブルマそして779人のヤムチャたちということになった。
「ヤムチャくん」「何ですか、お義父さん」「悪いが全員乗るというのは無理な話じゃよ」
「仕方ない・・・クリリンと悟飯には降りてもらいましょう」
「そういう問題じゃなくて・・・どう詰め込んでみても4〜50人程度しか入らんよ。」
すったもんだの末、宇宙船はクリリン、悟飯、ブルマ、ヤムチャ64人を乗せて飛び立った。
イメージトレーニングで修行するクリリンと悟飯、ホームシックになるヤムチャたち、そして地球を
離れて34日めブルマたちはやっと目的地のナメック星に到達した。地上に降り立ち、さっそく
ドラゴンレーダーを使うブルマ。レーダーに反応がある、ドラゴンボールがある証拠だ。
「見て、見て!ここに4つもドラゴンボールが固まってるわよ。」
それを聞くやいなや64人のヤムチャたちは仲良くその方向に飛び立っていった。ヤムチャたちが
去ったそのすぐ後、見覚えのある宇宙船がこのナメック星に降り立つのを悟飯たちは目撃した。


613 :ヤムチャ最強への道 :02/09/18 07:09 ID:FjYWmRxl

「さ・・サイヤ人の宇宙船だ!ベジータだ、奴しかいない・・・」
クリリンたちの間にあの恐怖がふたたび甦る。なんだ隕石か・・・、一方ヤムチャたちはそんな
ことなどまったく気にも留めず一心不乱にドラゴンボールのあるとこ目指して移動していた。しばらく
飛び続けたあと、ヤムチャたちは休憩をとることにした。アルコールも入り陽気になるヤムチャたち。
宴もたけなわになったころ、ヤムチャたちの前にひとりの男が現れた。
「なんだ貴様らは、ナメック星人じゃないな。まぁいい、こいつらで準備運動でもするとするか!!」
「しっしっ、んもぉ昼間っから酔っ払っちゃ駄目なんだから・・・」
1人のヤムチャがそうキュイに突っかかっていった。キュイはそのヤムチャを軽く蹴り飛ばした。
こいつは敵だ、他のヤムチャたちはいっせいに身構えた。蹴り飛ばされたヤムチャが叫んだ。
「いくぞ!みんな気を開放しろ!!」
しかしすでに他のヤムチャたちはみな逃げ出していなくなっていた。
次話「死闘!!キュイvsヤムチャ(64+715人)」に続く


643 :ヤムチャ最強への道 :02/09/18 21:37 ID:VV4Bjt6n

第十二話「死闘!!キュイvsヤムチャ」

キュイと向かい合うたった1人のヤムチャ。彼はこれからどうするかを考えていた。ここで考えられる
選択肢は3つだ。@狼牙風風拳&操気弾のヤムチャ最大最強コンボ。狼牙風風拳の速さで敵を翻弄し、
操気弾で止めを刺す。気付いたときには敵はすでにあの世行きさ。A真・友情パワー。ヤムチャたちが
助けに戻ってくる。B現実は非情である、殺されてしまう。ここでヤムチャは真っ先にAを除外した。
散々悩んだ末に、ついにヤムチャは悲壮な覚悟をきめ、キュイに向かっていくのであった。
「受けてみろ、狼牙風風拳!!つぇい!!」
キュイの顔面に次々とヤムチャの音速の拳が叩きこまれていった。が、キュイは顔色ひとつ変えない。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・くらえ、操気弾!!」
放たれた操気弾はキュイにまともに炸裂したが、まったくダメージを与えてはいなかった。絶望する
ヤムチャ。そのいっぽうでそのあまりの弱さに苛立ちを隠せないキュイ。
「おい俺様はこれから大事な仕事があるんだ、そろそろ死・・・べ、ベジータ!!いつのまに!!」
キュイの視線の先にベジータが立っていた。ベジータはゆっくりとキュイに歩み寄っていった。
スカウターでベジータの戦闘力を確認するとキュイはニヤリと笑って言った。
「ウデを落としたようだなベジータ、その戦闘力では貴様に勝ち目はないぜ。」
まさかベジータの奴まだ操気弾の傷が癒えてないんじゃ、ヤムチャはそんなことを思っていた。


644 :ヤムチャ最強への道 :02/09/18 21:37 ID:VV4Bjt6n

「俺は地球で戦闘力のコントロールを学んだ。もう一度よく見てみやがれ!!」
そう言うとベジータは己の力を開放していった。ベジータの予想以上の戦闘力に恐怖したキュイは
スキを見て逃げ出そうとした。が、ベジータはそれを逃がさなかった。空中でこなごなに破裂する
キュイ。いまごろ操気弾のダメージが・・・、そう思うヤムチャ。
「地球人め、貴様たちも来ていたのか。どうやら目的は同じようだな。他の奴らはどこにいる!!
 死にたくなければ奴らのいる場所へ俺を連れて行くんだな。」
こいつら地球人をはうまく利用すればフリーザの野郎を出し抜ける、ベジータはそう考えたのだ。
「俺が仲間を売るような男に見えるか!!・・・わ、分かった。案内するからついて来てくれ。」
すまんブルマ・クリリン・悟飯、なんといっても俺は自分の命がおしい、ヤムチャはそう思った。
次話「危険がいっぱい!!ヤムチャはいっぱいいっぱい(64+715人)」に続く


668 :ヤムチャ最強への道 :02/09/19 00:28 ID:LC/4vb/a

第十三話「危険がいっぱい!!ヤムチャはいっぱいいっぱい」

ブルマたちのところへベジータを案内するヤムチャ。彼は完全に道に迷っていた。同じ景色ばっかりで
今どこにいるかすら分からん、ヤムチャはいまにも泣き出しそうだ。そのとき、何かに気付いた
ベジータがヤムチャを引っぱった。やばい殺される、ヤムチャはそう勘違いした。
「ど・・どうか、命だけは助けてください。」ヤムチャは必死で命乞いをした。
ベジータは飛行中のドドリアを見ていた。どうやら1人だけらしいなこれなら殺せるぜ、ベジータは
そう思うとドドリア目がけて衝撃波を放った。完全に油断していたドドリアはわけも分からず水面に
叩きつけられた。必死の思いで水際にたどり着くドドリア、しかしその先にはベジータとヤムチャが
立っていた。あくまで余裕の表情のままのベジータ、そしてもはや現状が認識できないヤムチャ。
怯えるドドリアはベジータに向かって連続エネルギー弾を放った。ベジータにしがみつくヤムチャ、
振りほどくのも面倒だったのでベジータはそのままドドリアの背後に高速移動した。
「後ろがお留守だぞ、狼牙風風拳!!」ヤムチャは飛び掛っていった。ドドリアの後頭部にヤムチャの
拳が突き刺さる。しかしドドリアはその攻撃にまったく気付かずまだエネルギー弾を打っていた。
「ぜえ、ぜえ、ぜえ、ベジータめ粉みじんに吹き飛びおった。」
「そんな技が効くかよ。どこ見てやがる、ドドリアさんよ。」
そう言われてはじめてドドリアは背後のベジータたちに気がついた。怯えたドドリアは逃げ出した。
しかしその後をベジータのエネルギー砲が追った。空中で塵になるドドリア。俺の操気弾に匹敵する
エネルギー砲がこの世にあるとは・・・、ヤムチャはひそかにそう思い驚いていた。
「フリーザはサイヤ人の底知れぬ可能性を恐れている・・・・!」
己の力と可能性を確信し、ベジータは独りそう呟いた。この人に一生ついて行こう、ヤムチャは独り
そう決意するのであった。一方、地球では植物状態だったヤムチャの1人が静かに息をひきとった。
次話「ナメック星のヤムチャ、地球のヤムチャ(64+715人)」に続く


669 :ヤムチャ最強への道 :02/09/19 00:29 ID:LC/4vb/a

第十四話「ナメック星のヤムチャ、地球のヤムチャ」

「ありましたぜ、ベジータ様。ご大層にも堂々と飾ってありましたよ。」
ヤムチャはそう言ってベジータにドラゴンボールを差し出した。ナメック星人たちの村を見つけた
ヤムチャたちはそこを襲撃し、ドラゴンボールを手に入れたのであった。それを湖に沈めるベジータ。
「これでこのドラゴンボールは見つけられん。知ってるのは俺たちだけだ・・・来い!!」
そしてベジータとヤムチャはふたたび空中に飛び立っていった。そのころ、残りの63人のヤムチャ
たちはやっとブルマたちのもといた場所に帰っていた。
「あれなんか1人少なくなってません?」不思議に思ったクリリンはそう尋ねた。
「あ・・あいつは俺たちを逃がすために・・・ち・・・畜生!!1人で死にやがって!!」
そう言ってヤムチャたちは悔しそうに岩肌に拳を叩きつけた。とりあえずクリリンは今までにあった
出来事とそのいきさつをヤムチャたちに話した。またその頃、地球では・・・
「もっと奥に詰めこめぇ、まだあるんだぞ」
悟空が昔乗ってきた宇宙船を参考・改造し、ブルマの父をはじめとするカプセルコーポレーションは
8機の最新型の宇宙船を作り上げた。8機それぞれに乗り込む悟空、詰め込まれるヤムチャたち。
悟空とヤムチャ715人のすべてが乗り込むと8機の宇宙船はナメック星目指して飛び出していった。
地球を飛び立って4日目、悟空は不眠不休のまま修行を続けていた。カラダと気を死の直前まで
追い込み仙豆を食べてまたリフレッシュさせる。悟空はこんなムチャな修行を繰り返していた。
カリン様にもらった仙豆はすでに3粒までに減っていた。同乗していたヤムチャたちも21人から
3人までに減っていた。(残りは死亡。)そんな折、悟空に界王様から通信が入った。
「おお悟空元気か。今ここには客が来ていてな。おまえもよーく知ってる者たちじゃ。」
「そりゃすげえや、みんなもそろって界王様んとこについたってか。」
「いや・・・ヤムチャたちは、ここまで来れなかった・・・」ピッコロが悲しそうにそう説明した。
次話「ザーボンの恐怖とヤムチャ(64+697人)」に続く


735 :ヤムチャ最強への道 :02/09/19 21:22 ID:mWvNSma8

第十五話「ザーボンの恐怖とヤムチャ」

ベジータとヤムチャはザーボンと向かい合っていた。ザーボンがフリーザを離れ、単独になるのを
待っていたのだ。ドドリアに勝ったことでさらに自信を深めていたベジータは余裕の表情だった。
「邪魔にならんように離れていろ。」ベジータはヤムチャにそう言った。
俺が出るまでもなさそうだな、ヤムチャは独りそう思い、少し離れたところで見物に回った。
「ふはははは、どうした、ザーボン様ともあろうお方が!動きが止まって見えるぜ。」
ザーボンを終始圧倒するベジータ。だがここでなぜかザーボンは笑った。
「わたしに真の力を使わせるとはな。見せてやろう、わたしの本当の実力を!!」
そう言うとザーボンの体は膨れ上がり、化け物のようになった。そして以前とは比べものにならない
ほどパワーが増していた。予想外のパワーアップに驚くベジータ。あ・・アレルギー体質?、そう
思うヤムチャ。二人の立場は完全に逆転してしまっていた。ザーボンのパワーに圧倒されるベジータ。
ザーボンはベジータを抱えるとそのまま空高くから落下し、そのまま地面に叩きつけた。もはや
瀕死で動くことのできないベジータを見るとザーボンは元の姿に戻った。
「雑魚はほっとくか。早くこいつにドラゴンボールの隠した場所を吐いてもらわんとな。」
ザーボンはそう呟くとベジータを捕まえてフリーザの元へ帰っていった。1人取り残されるヤムチャ。


736 :ヤムチャ最強への道 :02/09/19 21:22 ID:mWvNSma8

いままでのヤムチャであったらすぐさま仲間のもとに逃げ帰っていただろう。が、彼は思い止まった。
二人で協力してキュイやドドリアを退治したこと、二人でナメック星の村を襲い村人たちを1人残らず
虐殺したこと。少ない時間ではあったがベジータと過ごした楽しい思い出がヤムチャの頭に浮かんでは
消えていったのだ。ベジータ様を救ってやる、そう覚悟を決めるとヤムチャはザーボンの後を追って
飛び出していくのであった。いっぽう、悟飯はドラゴンレーダーに反応のあった場所に向かっていた。
そこは何者かに滅ぼされ、廃墟となった村であった。それを見て怒りに燃える悟飯。
「ひどい村が全滅している、きっとベジータの仕業だ・・・」
そのとき悟飯はまだかすかに息のあるナメック星人の子供がいるのに気がついた。
「だ、大丈夫かい!!」「ううっ、ローガフーフーケン・・・」ガクッ。そう言うと彼は息絶えた。
悟飯は湖に沈めてあったドラゴンボールを見つけると静かな怒りのままブルマのもとへ帰っていった。
また別行動のクリリンとヤムチャ63人はデンデの案内でナメック星の最長老のもとへ向かっていた。
次話「限界を超えたヤムチャたち(64+697人)」に続く


738 :ヤムチャ最強への道 :02/09/19 21:23 ID:mWvNSma8

第十六話「限界を超えたヤムチャたち」

クリリンたちが最長老のもとへ着くと、一人のナメック星人が彼らを迎えた。最長老を守るために
仕えているネイルである。彼は最長老様があらかじめクリリンたちの訪問を予期していたことを
話すと、デンデたちを中に通すのであった。一同の前に現れた人は、まさしく最長老という名に
ふさわしい雰囲気を兼ね備えていた。最長老は悲しそうに言った。
「あの悪党たちのせいで我らの星の者たちはほとんど殺されてしまいました。このドラゴンボールは
 あななたちに差し上げましょう。まぁもっともあなたたちの願いが叶うかは分かりませんが・・・」
「ど・・・どうしてですか。」
「残念ながらわたしの命はあと数日しか持たないでしょう・・・それとあなたは地球人でありながら
 素晴らしい力をお持ちだ。しかしまだ眠っている力があります。それを起こしてあげましょう」
そう言うと最長老はクリリンの頭に手をのせた。眠っている力・・?毛髪力!?、ヤムチャたちに
一瞬そんな考えが浮かんだ。最長老が手を離すと、クリリンの気は以前よりもグーンと増していた。
「俺もやってくれ!!」1人のヤムチャが名乗りを上げた。
最長老はヤムチャの頭に手をかざした。するとヤムチャの気も驚くほどに増していた。
「これで俺は宇宙一だーーー!!フリーザでも何でもきやがれ!!」喜びのあまり叫ぶヤムチャ。
しかし次の瞬間、パァァァン、ヤムチャの体がこなごなにはじけとんだ。
「カラダが急激なパワーアップについていけなかったようだ・・・」
ネイルが淡々と説明した。ここでクリリンは悟飯のことを思い出した。悟飯の力を引き出せば・・・
「もう1人仲間を連れてきていいですか。そいつはもっと凄い力を眠らせていると思うんです。」
了解を得るとクリリンは悟飯たちのもとへ猛スピードで向かっていくのであった。
一方、ベジータの救出に向かったヤムチャは見つからないように岩陰からフリーザの宇宙船を
眺めていた。必ず助けてやるからな、ヤムチャはそう深く決意するのであった。
次話「たった一人の救出作戦(63+697人)」に続く


768 :ヤムチャ最強への道 :02/09/20 00:54 ID:EvNA/0GE

第十七話「たった一人の救出作戦」

「受けてみろ!!狼牙風風拳!!」
ヤムチャは宇宙船の扉を壊すと静かになかに侵入した。まずベジータ様のいる部屋を探さなくては、
そう思ったヤムチャは慎重に行動し始めた。待てよベジータ様は重傷を負われていた、隠し場所を
吐かせるにも口が利けなければ仕方ない、まずは体を直すことを先決とするはずだ、とすると今は
治療室みたいなところにいれられてるのではではないか、ヤムチャはそう推理した。次に治療室は
どこにあるかが問題だ、ひとつひとつ部屋を開けて探すわけにはいかない、頭を働かせるんだ、
まず鬼門には置かないだろう、とするとここしかない、意を決してヤムチャは扉を開けた。案の定
そこは治療室であった。ベジータはなにやら水につかっていた。ヤムチャはベジータを連れて逃げ
ようとした。しかし目の前には見張りのアプールがいた。ここで退けるか、ヤムチャは覚悟を決めた。
「先手必勝!!狼牙風風拳!!」そう叫ぶとヤムチャはアプールに飛び掛っていく。
「な、何だ、お前は!!」アプールは突然の出来事に驚き、冷静な対応ができなかった。なすすべも
なく狼牙風風拳のえじきになるアプール。あまりダメージはなかったのだが冷静さを欠いていた彼は
助けを求め、部屋を飛び出していった。素早くベジータを救出するヤムチャ。治療中だったベジータは
まだ思うように体が動かせないようだ。ここでヤムチャにある考えがひらめいた。
「波ぁ!!」ヤムチャはかめはめ波で治療室の壁を壊し、外へつなげた。これで奴らは俺たちが外へ
逃げたと思うだろう、だが裏をかいてまだ宇宙船の中に止まってやる、ヤムチャはベジータを抱え、
宇宙船の倉庫のようなところに隠れた。突然のことに焦るフリーザとザーボン。
「この役立たずが!!不愉快ですよ。」フリーザの怒りをかったアプールは一瞬で塵と消えた。


769 :ヤムチャ最強への道 :02/09/20 00:55 ID:EvNA/0GE

「ドラゴンボールはこの隣の部屋にあります。どうします?、5個全部は持ちきれませんが・・」
「はあはあ、でかしたぞ、俺がドラゴンボールをなんとかする。お前はフリーザたちをひきつけろ。」
完全に手足の自由が回復したベジータはそう命令した。ヤムチャたちは二手に分かれた。
「かかったな、俺たちはまだ中にいるぜ!こっちだ、フリーザ!!」
ヤムチャはそう叫ぶと操気弾でドラゴンボールのある部屋と反対側にある宇宙船の動力部を破壊した。
完全に裏をかかれたフリーザとザーボン。その隙にベジータはドラゴンボールを次々と外へ投げ
出していた。それが終わるとベジータはヤムチャに向かって叫んだ。
「終わったぞ、来い!」
逃げ出そうとするヤムチャ、しかしそのとき一本の手がヤムチャを掴んだ。怒りに燃えるザーボンだ。
「味なまねをしやがって。」「くっ、そ、操気弾!!」
ザーボンに掴まれながらも操気弾を放ったヤムチャであったが残念ながらまったくダメージを与えて
はいなかった。床に叩きつけられるヤムチャ。ヤムチャは抵抗をするのを諦めた。しかし次の瞬間、
ズガッ、ベジータの蹴りがザーボンを吹っ飛ばした。ヤムチャのを起き上がらせるベジータ。
「ボサっとするなフリーザが来る前にさっさと逃げるぞ。くそったれが!!」
ベジータとヤムチャは見つからぬよう水中を移動してフリーザたちの目の届かぬところまで逃げて
いった。俺だってやればできるんだ、1人とか1000人とかそんなことはもうどうでもいいんだ、
いちばん大切なのは恐怖にすら打ち勝つ強い意志なんだ、ヤムチャは一人そう悟るのであった。
次話「揃ったドラゴンボールとまだ揃わないヤムチャたち(63+697人)」に続く


812 :作者の都合により名無しです :02/09/20 15:15 ID:npaVYrIE

第十八話「揃ったドラゴンボールとまだ揃わないヤムチャたち」

「我ながら素晴らしいコントロールだ。」
ベジータは自画自賛した。そこには5つのドラゴンボールと5体のヤムチャの死体が並んでいた。
「散歩でもしていたところに、飛んできたドラゴンボールが当って死んだんだな・・・」
ヤムチャはそう呟いた。ドラゴンボールを岩陰に隠すベジータとヤムチャ。と、そのとき
ベジータの目が最長老のもとから戻るクリリンを捉えた。そして最後のドラゴンボールをも。
最長老によって気を上げたクリリンは嬉しさのあまりベジータの存在に気がつかなかったのである。
「何から何まで運が向いてきやがった。ヤムチャ、お前はここで見張っていろ!!」
「ハッ。お気をつけて!」
そう命令するとベジータはクリリンのあとを追っていった。フリーザの命によって必死でベジータを
捜すザーボン。彼もまたクリリンとそれを追うベジータを捉えていた。ここでベジータはあとを追う
ザーボンの存在に気がついた。まあいい奴もついでに仕留めてやる、ベジータはそう考えた。
ブルマのところに着くクリリン、そしてすぐあとにベジータが現れた。驚くクリリン。彼は己の
あさはかさを呪った。しかしそのあとにまた新たなものが現れた。ザーボンだ。
「ドラゴンボールをどこに隠した!!」「力ずくで聞いてみな。」「また半殺しにされたいのか!!」
ザーボンは変身するとベジータにかかっていった。完全に油断していたザーボン、死のふちから甦り
パワーアップしていたベジータ。この時点で勝敗は明らかであった。ベジータの拳に体を貫かれ、
ザーボンは死んだ。戦いを終え、ベジータはクリリンたちの方を振り向いた。クリリンはドラゴン
ボールを渡すしかなかった。すべてが揃い、笑いながら元の場所に帰るベジータ。しばらくして
悟飯がドラゴンボールを抱えて戻ってきた。クリリンたちは喜ぶのもそこそこにして急いで場所を
移動し、ブルマの安全を確保した。そして悟飯を連れて最長老のもとへと向かっていくのであった。

次話「近づくギニュー特戦隊と最近出番がなくて怒るヤムチャたち(58+697人)」に続く


813 :ヤムチャ最強への道 :02/09/20 15:17 ID:npaVYrIE

第十九話「近づくギニュー特戦隊と最近出番がなくて怒るヤムチャたち」

あともう少しでドラゴンボールが揃うというときにクリリンたちに出し抜かれたベジータは静かに
その反撃のときを待っていた。精神を集中し、感覚を研ぎ澄ませ、クリリンたちの気を探っていた
のである。そしてついにベジータは悟飯とクリリンたちの気を捉えた。
「ついに見つけたぞ、ヤムチャお前もドラゴンボールを1個持ってついて来い!!」
「ハッ。お供させていただきます!」
そう言うとベジータとヤムチャはクリリンたちのもとへ飛んでいった。自分たちに近づいてくる
ベジータたちの存在に気付いたクリリンはひとり悟飯を最長老のもとへ向かわせ、自分は時間稼ぎを
することにした。あっという間にベジータに追いつかれるクリリン。そのときクリリンはベジータの
横にいる信じられない人物に気がついた。
「や、ヤムチャさん・・・嘘でしょ。なんでベジータなんかと。そうかっ、脅されているんですよね」
「ここは俺に任せてベジータ様は悟飯のあとを追ってください。いくぞ、クリリン!!」
ヤムチャはクリリンに戦いを挑んでいった。相手がヤムチャということで戸惑うクリリン、しかし
ヤムチャは容赦せず、クリリンを追い詰めていった。


814 :ヤムチャ最強への道 :02/09/20 15:17 ID:npaVYrIE

「このままじゃ・・・仕方ない、太陽拳!!」「甘い!目は顔のみ、後頭部にはついていない!!」
後ろを向き、太陽拳を防ぐヤムチャ。そしてヤムチャはそのまま後方脚を叩き込んだ。いつもの
ヤムチャさんなら過信を持って敵と戦う、でもこのヤムチャさんは自信を持って戦っている、手強い
俺も余計な雑念は捨て本気で行くしかない、クリリンはそう考えた。しかしそのときにはヤムチャは
すでに構えを解いていた。それを見て拍子抜けするクリリン。
「どういうことだ、ヤムチャさん。」「俺の目的は達成された、あれを見ろ!!」
ヤムチャの指した先には、すでに悟飯のあとを追い、最長老のもとへ達していたベジータの姿が
あった。あわてて最長老のもとへ向かうクリリン。そしてつづいてヤムチャもそのあとを追った。
二人が最長老の家にたどり着いたとき、なぜかベジータは恐怖におののいていた。
「1・・2・・3・・4・・5!?間違いない、ギニュー特戦隊の奴らだ!!」
そのころ、地球では病院を脱走した1人の発狂ヤムチャがブリーフ博士にナイフを突きつけていた。
「お、お、おでもネメッケ星につ、つれていけけけ!!」発狂ヤムチャは絶叫した。
次話「ギニュー特戦隊の恐怖と本当に出番がこないヤムチャたち(58+697人)」に続く


855 :ヤムチャ最強への道 :02/09/20 22:30 ID:xKJOsgGt

第二十話「ギニュー特戦隊の恐怖と本当に出番がこないヤムチャたち」

「俺を永遠の命にするんだ!!約束する、お前たちには手を出さん!!」
ギニューたちの恐怖を知っていて焦るベジータはそう叫んだ。
「そ・・それならヤムチャさんを1万人にすれば・・」
クリリンは混乱していて正確な判断ができないようだ。ついにクリリンたちは他に選択肢がないと
諦め、ベジータたちを連れ最後のドラゴンボールがあるブルマのいるところへ向かった。もちろん
57人のヤムチャたちもそれに同行した。そしてドラゴンボールを受け取ると次に残りの5個がある
場所へ向かっていった。ついにたどり着いたと思った次の瞬間、ベジータたちの前にギニュー特戦隊
の5人が降り立った。ベジータはすぐに行動を起こしていた、ドラゴンボールを投げたのである。
しかしあっという間にバータがそれを捕まえると元の場所に戻っていた。
「あいにくこのバータのスピードは宇宙一でな。」
「てめぇが宇宙一なら、俺は西の都一だ!!追いつけけるもんなら追いついてみやがれ!!」
1人のヤムチャはそう叫ぶといそいでこの場から逃げていった。
「ジース、かまわん撃ち落せ。」ギニューは命令した。
「クラッシャーボール!!」ジースの手から放たれたエネルギー弾は逃げるヤムチャに命中した。
塵一つ残らないヤムチャ。くっ、クラッシャーボールだとお!?、どう見ても操気弾のモロぱくりじゃ
ねーか、わざとらしくネーミングだけ変えやがって・・・、他のヤムチャたちはいっせいに憤った。
「は、破壊しろ!!」追い詰められたベジータはクリリンにそう叫んだ。しかしなぜか次の瞬間には
ドラゴンボールはグルドの手に収まっていた。
「噂は本当だったか・・・グルドは様々な超能力が使えるらしい・・・」
七つのドラゴンボールを手に入れたギニューはベジータたちのことは部下に任せ、フリーザのもとへ
向かっていった。ついにフリーザは七つのドラゴンボールを手に入れたのだ。
次話「戦慄!!グルドvsヤムチャたち(57+697人)」に続く


856 :ヤムチャ最強への道 :02/09/20 22:33 ID:xKJOsgGt

第二十一話「戦慄!!グルドvsヤムチャたち」

「クリリン、悟飯、下がってろ。あいつは俺たちがやる。」
クリリンたちを下がらせると56人のヤムチャたちはグルドと向かい合った。あいつなら勝てる、
ヤムチャたちはそう確信していた。
「四方八方、狼牙風風拳!!」ヤムチャたちは四方八方から狼牙風風拳で飛びかかった。
しかし気付くとグルドはすでにヤムチャたちの輪の外にいた。いつの間に!?、そう疑問に思う
ヤムチャたち。後ろをつかれたヤムチャのカラダをグルドの拳が貫いた。なすすべもなくふっ飛ば
されるヤムチャ。しかしそのヤムチャは死の間際、グルドの能力の秘密を悟った。そしてなんとか
最期の力を振り絞り、仲間たちにメッセージを送るのであった。予想外の力に焦るヤムチャたち。
そのとき死ぬ寸前のヤムチャの放った操気弾がなぜかたまたま地面に置いてあった時計に命中した。
「どこ狙ってやがる。断末魔の雄叫びかな・・・」グルドはあざ笑った。
違う、ヤムチャはこんなときに意味のないことをする男じゃない、あれには何か意味あるんだ、
他のヤムチャたちはそう考えていた。時計を破壊?、時計の針を破壊、時計を止める、時・・・
「そうか!!あの時計は遅れている!?」・・ち、違うがな!、そこでヤムチャは息絶えた。
「そろそろ終わらせてもらうぜ。きぇい!!」そうグルドが叫ぶとヤムチャたちの動きが完全に
止まってしまった。ヤムチャたちは金縛りの術にかかってしまったのである。そしてグルドは
近くにあった木を念力で浮かし、杭に見立てヤムチャたちの方に突き刺そうとした。
「気円斬ーっ!!」グルドは後ろにいたクリリンの存在に気がつかなかった、そして気付いたときには
すでに気円斬によって首を真っ二つに切断されてしまっていた。カラダが動く!?、ヤムチャたちは
そう思った。が、喜びのあまり前から来た木に気づかなかった3人のヤムチャが串刺しとなり死んだ。
「これからが本当の地獄だ・・・」そしてベジータは独りそう呟くのであった。
「つぇい!!」「ひょいと!!」「すたいりゃあ!!」「なんとぉ!!」
そのころ、地球では発狂ヤムチャとブリーフ博士が一進一退の攻防を繰り広げていた。
次話「リクーム出撃、見守るヤムチャたち(53+697人)」に続く


11 :ヤムチャ最強への道 :02/09/22 02:54 ID:rRnl0zT9

第二十二話「リクーム出撃、見守るヤムチャたち」

「さてベジータちゃん、こんどは俺たちの番だよ〜」
リクームがそう言ったのも束の間、ベジータは一気に戦闘力を開放し、速攻を仕掛けた。打撃で
リクームにダメージを与えたあと、両手に一気に気をため、渾身の力でエネルギー砲を放った。
その強大な威力に辺り一面が吹っ飛ぶ。爆風の衝撃で1人のヤムチャはなすすべもなく飛ばされ、
死んだ。ぎひひひ・・いよいよ本番ってわけだ、死の間際なぜかヤムチャの頭にはナッパの勇姿が
浮かんでいた。あの爆風にもかかわらず、舞い散る埃の中、リクームは平然と立ち上がってきた。
「あ・・あ・・まったくダメージを受けていない・・・」震えながら悟飯はそう言った。
相手はボロボロじゃん、あと一押しだぜ、ヤムチャたちは大きく勘違いをしていた。
「リクームキック!!」リクームの膝蹴りがベジータのあごに突き刺さった。安易なネーミングだ、
ヤムチャたちはそう思った。ベジータは次々と攻撃をしていくが、リクームにはまったく効いて
いなかった。そして攻撃を受け止められ、ベジータは地上高くから地面に叩きつけられた。もはや
瀕死のベジータ。最後の抵抗を試みるもリクームの驚異的なタフネスの前では無駄であった。
あいつ化け物か!?ベ、ベジータ様の攻撃がまったく効いていない・・、ベジータに仕えている
ヤムチャは岩陰で震えていた。無理だ、奴らは俺の敵う相手ではないこのまま逃げよう、そう思い
ヤムチャは1人この戦線を離脱しようとした。しかしそのときヤムチャの頭のなかにプーアルの顔が
浮かぶのであった。そうだプーアルだっていつもこんな俺について来てくれた、俺にだってできる


12 :ヤムチャ最強への道 :02/09/22 02:55 ID:rRnl0zT9

はずだ、いや、やらなくてはならない、逃げれるか、逃げてたまるか!、一度主人と慕った者を
見捨ててしまうほど俺はそこまで弱い人間じゃない!!、そう決意するとヤムチャは恐怖におののく
自分自身を胸の奥そこに閉じ込め、リクームに向かっていった。
「1人でなんて無茶だ、ヤムチャさーん。」それを見たクリリンはそう叫んでいた。
「い・・いや、違うぞ!!あの構えは、し・・新狼牙風風拳!!いかーーん!!悟飯、クリリン、
 離れるんだ!!巻き添えを喰うぞ。」
他のヤムチャたちはそう叫ぶといっせいに地面に伏せた。ヤムチャの光速をも超えたの拳が
リクームの顔面を襲った。だがやはり少しのダメージすら与えることはできない。が、次の瞬間
ヤムチャは右手に握り締めていた砂つぶてをリクームの顔面に叩きつけた。砂が目に入り、たじろぐ
リクーム。そしてヤムチャは続けざまに操気弾を放った。わずかではあったがリクームの体勢が
くずれた、ヤムチャはそれを見逃さずリクームの手からベジータを奪い取ると、すぐさま離れた。
「ちっ、鼠がちょこまかちょこまかと・・・まったくいみじいねぇ。」
「うるさい、鼠には鼠なりの戦い方があるんだよ!!」ヤムチャはそう言い放つのであった。
「まぁ君なんかと遊んでもつまんなさそうだし、ベジータちゃんももう駄目そうだし、そろそろ
 終わりしちゃうよ。お命頂戴!!とうっ、リクームイレイザーガンっ!!」
リクームの大口から放たれた強力なエネルギー砲が、ヤムチャと瀕死のベジータたちに襲いかかって
いった。む、無理だ、ここからじゃ間に合わない!?、クリリンたちは目をつぶった。
次話「接近する悟空とヤムチャたち(52+697人)」に続く


156 :ヤムチャ最強への道 :02/09/23 01:53 ID:bhUAkgCL

第二十三話「接近する悟空とヤムチャたち」

ヤムチャはリクームに対してかめはめ波の構えに入っていた、そのことが彼には幸いした。すかさず
切り替えて地面に向けてかめはめ波を放つヤムチャ。その衝撃で二人の体が浮く、そしてその下を
リクームのエネルギー砲がかすめていった。標的をはずれたエネルギー砲はヤムチャたちの後ろの
岩山に当たるとそれごとナメック星の地表を吹き飛ばした。ヤムチャはほっとする間もなかった、
気づくとリクームがすでに距離をつめており目の前にいたのだ。リクームの蹴りがヤムチャを襲う。
反射的に両手で顔面をかばうも、ヤムチャは吹っ飛ばされ岩に突っ込んだ。りょ、両手が使い物に
ならない、たった一撃ではあったが反撃はおろか、もはやヤムチャは立ち上がるのがやっとだった。
そのとき見かねたクリリンと悟飯がリクームに決死の特攻をかけた。一撃で吹っ飛ばされ戦闘不能に
なってしまうクリリン。軽く攻撃をいなされ、上から蹴りをもらい首の骨が折れてしまった悟飯。
ほとんどのものたちが戦えなくなってしまったいま、残る希望は51人のヤムチャたちだけであった。
「いいだろう・・・三時間だけ待ってやる。」とりあえずヤムチャたちはそう言ってみた。
当然そんなことは無視してリクームはヤムチャたちの群れに突っ込んできた。
「リクーム、俺の言うことが聞けんのか!!」ヤムチャたちは必死に叫んだ。リークムの拳がうなる。
3秒間で6人のヤムチャたちが死体に変わった。父さん、これアルデバランじゃないか!僕は
アバンテって言っただろ!父さんの馬鹿!、ヤムチャは思い出したくない過去を思い出しつつ死んだ。
リクームたちの圧倒的な強さの前に誰もが絶望していた。そのとき一台の宇宙船が皆の前に降り立った。
「ジース、何だ、ありゃ、どこの宇宙船だ?」「分からん」
”ナメック星ニ到着シマシタ”コンピュータがそう言うと宇宙船の扉が開き、中から人影が現れた。
次話「悟空か?ヤムチャか?(46+697人)」に続く


168 :ヤムチャ最強への道 :02/09/23 04:24 ID:TpeHk6iD

第二十四話「悟空か?ヤムチャか?」

ナメック星の地にヤムチャたちが次々と降り立った。10分後には81人すべてのヤムチャたちが
その姿をあらわした。そしてヤムチャたちはいっせいにリクームのほうを向いた。
「いまこそ、10倍の重力を体験した修行の成果を見せてやる。みんな行くぞ。」
81人のヤムチャたちが顔に余裕の表情を浮かべながらリクームを取り囲んだ。
「まずはあいさつ代わりの狼牙風風拳だ!!」1人のヤムチャがリクームに飛びかかった。
が、もちろんダメージなど与えることはできない。「はっきりいって全然効いてないんだけど・・・」
リクームはそう答えた。「はあはあ、あいさつって言っただろ。これからが本番だ、覚悟しな。」
肩で息をしながらヤムチャはそう強がった。「んじゃ、こっちもあいさつしなきゃね。」クンッ!
そう言ってリクームが手首を返すとあたり一面がふき飛んだ。へっ、そんな攻撃なんか効くかってんだよ、
空中でリクームを見下ろしながらヤムチャたちはそう思った。しかしそれにしても10倍の重力下での
トレーニングは力になったぜ、体が軽い軽い、まるで自分がこの世にいないみたいだぜ、そう考え
ながらヤムチャ81人の魂は天国に召されていった。じゅ、重力装置か・・・これしかない!、そう考える
とベジータに仕えるヤムチャはなんとか力を振り絞り、最後の賭けに出た。ヤムチャは宇宙船に乗り込み、
そこからリクームを挑発した。「俺はまだ戦えるぞ、さあ来い。」
ヤムチャの後を追って、宇宙船に入るリクーム。いまだ!、ヤムチャは重力を最高の100倍に設定すると
リクームとすれ違いざまに外へ躍り出た。100倍の重力が宇宙船のなかのリクームに襲いかかる。


169 :ヤムチャ最強への道 :02/09/23 04:24 ID:TpeHk6iD

「こっ、こんなので・・・こ、このリ、リクーム様がや、やられるかよ。」
100倍の重力に襲われながらもなお、かろうじて立ちつづけるリクーム。
「う・・宇宙船ごと、ふっ、ふっ飛ばしてやる!!リクームウルトラファイティング・・・」
リクームの両手に巨大なエネルギーが集まっていく。あんたが100倍程度の重力で倒れないことは
こっちも予想済みだ、ヤムチャはそう思いながらリクームに何かを投げつけた。
「な・・なんだ?カゼ薬のカプセルか?ついに追いつめられて頭がイカレちまったのかい。」
「知らないのか、そいつはポイポイカプセルだ。そんなかに何がはいってると思う?はたして今のあんたに
支えることができるかな?重力100倍の家の人柱となって、ブッ潰れろ!!」
BOM!!リクームの頭上に突如出現したカプセルハウス。そしてそれがリクームを押しつぶす。
「こ、こんなものぉ!!」もはやリクームに100倍の重力のかかった家の重みに耐え切る力は残されて
いなかった。そしてカプセルハウスはそのまま床を突き抜け、リクームの体を潰すのであった。
「みんなあとは任せた・・・俺はもう・・・」力尽きたヤムチャは意識を失い、地面に倒れていった。
次話「ナメック星だよ全員集合(46+616人)」に続く


170 :ヤムチャ最強への道 :02/09/23 04:25 ID:TpeHk6iD

第二十五話「ナメック星だよ全員集合」

「やったヤムチャさん、あいつをたお・・・なっ、嘘だろ!?」
クリリンはその信じられない光景に眼を疑った。宇宙船の下からリクームが姿をあらわしたのだ。
右腕は完全に潰れ、目もうつろ、どう見てももう立っているのがやっとという状態だ。しかしリクームは
ゆっくりとではあるが確実に気絶しているヤムチャに向かって歩を進めていた。
「ふ、ふざけやがって!!この手で首をヘシ折らなきゃ気がすまねぇ!」
ヤムチャの所までたどり着くとリクームはその首をつかんで持ち上げた。や、殺られる・・、動けない
クリリンにはなすすべはなく、ただ見ていることしかできなかった。
「死ね!」リクームがその手に力を込めようとした、そのときベジータの手刀がリクームの体を貫いた。
「ベジータ・・・てめぇ・・・」「貴様は負けたんだ。負け犬はさっさと消えてもらおうか!!」
ベジータはそのままありったけの力でエネルギー砲を撃った。ボロ切れのように吹っ飛び、リクームは
死んだ。「おい、リクームの奴やられちまったぞ。」「油断のしすぎだな、さてと今度は俺たちだな」
そのとき空から6機の宇宙船が降下し、一同の前に現われた。宇宙船の扉が開き、なかからつぎつぎと
ヤムチャが出てきた。そして数十分後、すべてのヤムチャたちがナメック星の地に降り立った。


171 :ヤムチャ最強への道 :02/09/23 04:27 ID:TpeHk6iD

「悟飯・・・」

1人のヤムチャが首の骨が折れ、瀕死の状態の悟飯に近づいていった。
「今、楽にしてやる・・・」
そう言うとヤムチャは悟飯の首めがけて足を振り下ろし・・・
「ま、待ってくれ、ヤムチャさん。その腰にかけてるのは仙豆じゃないのか。それを食わせれば悟飯は
 助かるはずだ!」怪我をして動けないクリリンは必死にそう叫んだ。
「これ全部俺のもん!!」ヤムチャはきっぱりとそう言いきった。
「頼む!!フリーザたちを倒すのに悟飯はきっと必要になる!」
「ふぅ、じゃあしゃーねーなー」
嫌々ながらまずヤムチャはクリリンに仙豆を放り投げた。次に悟飯にむかって言った。
「何粒欲しいんだ?一粒か?ほれ受け取れ。」
ヤムチャは悟飯にむかって仙豆を思いっきり投げつけた。が、首の骨の折れている悟飯は動ける
はずもなく仙豆は悟飯の頬に当り、地面に転げ落ちた。
「おい、悟飯の奴いらないみたいだぜ。」
コイツあとでコロス、薄れいく意識の中で悟飯はそう思った。
「首の骨が折れてるから自分では食えないんですよ。ほら悟飯、仙豆だ、食べろ。」
回復したクリリンは悟飯に近寄ると仙豆を食べさせた。しばらくすると悟飯は起き上がった。
次話「パワーアップした悟空、何も変わっていないヤムチャたち(660人)」に続く


340 :ヤムチャ最強への道 :02/09/24 04:10 ID:Mtz2klQD

第二十五話「パワーアップした悟空、何も変わっていないヤムチャたち」

「ヤムチャさん、あとベジータとそのそばにいるヤムチャさんにも仙豆を。」
クリリンはそう言ってヤムチャたちに頼み込んだ。
「ベジータぁ?誰だそいつは・・・三つ目の奴だっけか?」
「ち、違いますよ。ほら、地球に攻めてきたサイヤ人の1人じゃないですか。」
ああ・・サイバイマンの隣りにいたガキのことか、ヤムチャたちはかろうじてやっと思い出した。
クリリンの長時間にわたる必死の説得のおかげでベジータたちも仙豆で甦ることとなった。
「おいおい、次から次へと出てきやがって。おいバータ、念のためギニュー隊長を呼んできてくれ。」
すぐさまバータは宇宙一のスピードでギニュー隊長を呼びにいった。その後を数人のヤムチャが追った。
「よし、ジャンケンで勝ったヤツがあの長髪と戦う、いいな!」1人のヤムチャがそう提案した。
656人でいっせいにジャンケンが始まったそのころ、ようやく悟空たちの乗る宇宙船がここから
少し離れたところに到着した。なかから悟空、そしてそれに続いて片腕のヤムチャが姿をあらわした。
ちなみにこの宇宙船に乗っていた他のヤムチャたちはみな悟空の激しい修行についていけず力尽きて
宇宙船の燃料と消えた。悟空はあたりを見回すと、さっそくクリリンや悟飯たちの気を探った。


341 :ヤムチャ最強への道 :02/09/24 04:11 ID:Mtz2klQD

「これはクリリンたちの気、んベジータも一緒にいんのか!?あとは小っちぇ気がたくさんあるな。
ナメック星人の村でもあんのか?とりあえずみんな待ってろ、今いくからな!!」
そして悟空らはクリリンたちのもとへ向かった。あっという間に悟空らがクリリンたちと合流する。
時おなじくしてギニュー隊長とバータがジースのもとに戻ってきた。
「クリリン、おめえたちはドラゴンボールを頼む。ここはオラたちがなんとかする。」
「無理だ、悟空。あいつらメチャクチャ強いんだぞ。」
「大丈夫だ、オラとこのヤムチャとベジータがいれば平気さ。」
後ろ髪をひかれつつも、クリリンと悟飯はドラゴンレーダーを取りにブルマのもとへと向かった。
「ほう3対3か、いいだろう。ギニュー特戦隊の力見せてくれる。」ギニュー隊長たちが悟空たちに
向かってきた。悟空たちも身構えたそのとき、「あばよ。」ベジータはそう言って空へ飛び出して
いった。一瞬あっけにとられる悟空とヤムチャ。「スキありーっ!!」ギニュー隊長が叫んだ。
いっぽう、他のヤムチャたちは283回目のあいこに突入していた。
次話「ギニュー特戦隊vs悟空&ヤムチャ(658人)」に続く


451 :ヤムチャ最強への道 :02/09/25 03:04 ID:QH4/NNCn

第二十六話「ギニュー特戦隊vs悟空&ヤムチャ」

「ヤムチャ、おめえはあの長え髪のヤツを頼む。残りはオラがやる!」「分かった、気をつけろよ。」
悟空はギニューとバータに、片腕ヤムチャはジースに向かい合った。悟空と修行したことによって
ヤムチャは変わっていた。自分を限界以上に追い詰める悟空の修行に付き合ったことで、ヤムチャは
今までの自分がいかに甘かったのかということを嫌というほど思い知らされた。悟空の強さというのは、
まさに文字通り血のにじむような努力によって作られていたのだ。自分がブルマとイチャイチャしてたとき
他の女によろめいたとき、ブルマとケンカしていたときも悟空は努力を繰り返していたのだ。自分と悟空の
差がどんどん開いていくのも必然であったのだ。そのことを悟ったとき、ヤムチャは自分の中でなにか殻が
破れたような気がした。明日よりも今日、そんな考え方ができるようになったのだ。失っていた盗賊時代の
ギラギラとした闘争心を取り戻したようだった。その結果、100倍の重力の修行でもなんとかついていく
ことができたのだ。飛び道具ではあちらだが格闘では俺に分がある、ヤムチャは瞬時に相手の力を
見切っていた。素早く距離をつめた片腕ヤムチャはジースに打撃戦を仕掛けた。ヤムチャの手数の多さに
しだいに圧されていくジース。チャンスと見たヤムチャはすかさず狼牙風風拳を繰り出した。
は、早すぎる・・、相手の予想外の強さに驚くジース。オオカミの鋭い牙と爪がジースの体力を
削りとっていく。「くそっ!!」ヤムチャの怒涛の連続攻撃に足払いで逃れようとするジース、


452 :ヤムチャ最強への道 :02/09/25 03:04 ID:QH4/NNCn

しかしヤムチャはそれを読んでいた。スカッ!、それを跳んでよけるとジースのがら空きになった顔面に
蹴りを叩き込んだ。地面に叩きつけられるジース。しかし彼も負けてはいない。すぐに体勢を立て直すと
ヤムチャに向かってエネルギー弾を放った。「クラッシャーボール!!」「操気弾!!」
すかさず迎撃するヤムチャ。互いの攻撃が空中で衝突しあい、もの凄い埃がまきあがった。
「なっ、相討ちだと・・・俺の最高の技が!?馬鹿な信じられん・・・」驚くジース、がすでにヤムチャは
埃にまぎれてジースの後ろに移動していた。スカウターが反応したときにはすでに遅かった。ヤムチャの
渾身の一撃が無防備のジースにヒットする。そして衝撃で飛んでいくジースを追って二撃目を叩き込む
ヤムチャ。ジースはなすすべもなく地面をなめた。ジースはすでに地面を這いつくばり、もはや戦闘を
続けられる状態ではなかった。しかしそれを見ても片腕のヤムチャは構えを解きはしなかった。
「油断したな。機械なんかに頼っているから反応が遅れるのさ。」「くそっ、た・・・隊長!!」
助けを求めにギニュー隊長のほうに視線を移したジースは信じられない光景を目にした。すでにバータが
戦闘不能で地面に倒れていたのだ。そしてギニューは、「信じられん・・・じゅ、18万だと!!」
隊長のこんな余裕のない表情を見るのはジースははじめてだった。そして彼は生まれてはじめて恐怖の
意味を知るのだった。また他のヤムチャたちは片腕ヤムチャにジミー先生の姿を重ねていた。
次話「逆襲のギニュー隊長とヤムチャたち(658人)」に続く


676 :ヤムチャ最強への道 :02/09/27 04:51 ID:yPgwKWB2

第二十七話「逆襲のギニュー隊長とヤムチャたち」

「サイズが合うのは旧タイプしかないか。ヤムチャ、お前もこの戦闘服を着ろ。」
悟空らを置き去りにしてべジータたちはいったんフリーザの宇宙船に来ていた。しばらくしてべジータ
たちが外に出ようとしたとき、ドラゴンレーダーを持ったクリリン・悟飯・片腕ヤムチャ・他のヤムチャ
たちが目の前に降り立った。物陰から様子をうかがうベジータ。片腕ヤムチャはギニュー隊長を悟空に
任せ、クリリンたちと合流していた。暇だったので656人のヤムチャたちもコバンザメのように
ついてきていた。ドラゴンレーダーで確認した位置を掘り返し、ついに七つのドラゴンボールを手に
入れるクリリンたち。神龍を呼び出す準備はすべて整っていた。
「出でよ神龍、そして願いをかなえたま・・」「ヤムチャを100万人にしろー!!」
クリリンのあとを間髪いれずにヤムチャたちが叫んだ。しかし何も起こらなかった。空は明るいままで
神龍はあらわれてはいなかった。まさか多すぎたのか?、そう不思議がるヤムチャたち。
「あれっ、地球のとは合言葉が違うのか。」クリリンはそう言った。岩陰ではキレた悟飯が3人の
ヤムチャたちをなぶり殺しにしていた。そのときクリリンたちはここに近づいてくる邪悪な気の存在を
感じた。「みんな隠れるんだ!」クリリンはそう言うと岩の陰に隠れた。
「俺たちはどうすれば・・・」


677 :ヤムチャ最強への道 :02/09/27 04:52 ID:yPgwKWB2

隠れるところがなくて焦る653人のヤムチャたち。そのとき悟飯がニッコリと笑って言った。
「ヤムチャさん、木を隠すなら森です!!」「そうか!ヤムチャを隠すにはヤムチャなんだ!!」
一同の前になぜかスカウターをした悟空とジースがあらわれた。悟空を見て安心したクリリンが岩陰から
姿を見せた。「なんだ悟空か・・そいつも仲間にしたのか?」なぜか悟空は近づいてくるクリリンを見て
ニヤリと笑った。「クリリンさーん、そいつはお父さんじゃない!!」親の顔も忘れたのか!?、愕然とする
ヤムチャたち。悟空に蹴られ、わけも分からずふっ飛ばされるクリリン。
「ふははは、このオレはギニュー様だ。カラダを交換させてもらったぞ。」そう言って2人用の
ファイティングポーズをとるギニューとジース。ボクたちのドラマシリーズ!?、ヤムチャたちは昔を
思い出していた。まだ状況を把握できないクリリン。しかし考える暇もなく、ギニューたちが襲いかかって
きた。相手が悟空の姿をしているということで思うように戦えない片腕ヤムチャ、クリリン、そして悟飯。
しかししばらくするとギニューの姿をした悟空がやって来た。
「クリリン!そいつはオラの姿をしてるが敵だ。構わずやっつけろ!!」
だまされるか!!、652人のヤムチャたちはいっせいに悟空に襲いかかっていった。
次話「俺がヤムチャでヤムチャが俺で(655人)」に続く


715 :ヤムチャ最強への道 :02/09/27 20:51 ID:cgz8oR07

第二十八話「俺がヤムチャでヤムチャが俺で」

みんなどこ?、1人のヤムチャは一行からはぐれてしまい迷子になっていた。あたりを見回しても人影は
見えない。孤独がこんなに寂しいものだったなんて、ふとヤムチャはプーアルのことを思い出していた。
そのとき、遠くから爆音が聞こえた。ヤムチャはいそいで音のしたほうへ向かった。そこでは、フリーザと
ネイルが戦っていた。二対一なら勝てる!、ヤムチャは意気揚揚とその戦いの場に割り込んでいった。
「おや、虫ケラがまた一匹。それも今度は戦闘力1000足らずですか・・・。ちなみにわたしの戦闘力は
 53万です。自分の愚かさが分かりましたか。」
フリーザはそう言って笑った。しかし余裕の表情でヤムチャもフリーザに笑い返した。
「馬鹿め、このヤムチャ様が10以上の数を数えられるとでも思ったか!!馬上の不利を知れい!!」
そう叫びながらヤムチャはフリーザに躍りかかっていった。フリーザはあっけにとられまったく動けない
というか動かない。ヤムチャは素早くフリーザの後ろをとると、しっぽをつかんだ。
「油断したな。いまだピッコロ、魔貫光殺砲だ!!かまわん、俺ごと撃てい!!」
フリーザが軽くしっぽをふり、ヤムチャを地面に叩きつけた。はやくもヤムチャは虫の息だ。ヤムチャに
とどめをさそうとしたとき、ついにネイルが動いた。強烈な手刀がフリーザの首筋にヒットする。が、


716 :ヤムチャ最強への道 :02/09/27 20:51 ID:cgz8oR07

フリーザは眉ひとつ動かさず、それをうけるとそのまま掴んでひねった。ネイルの右ひじから上が完全に
ひきちぎられた。痛さのあまり絶叫するネイル。しかしすぐに冷静さを取り戻すと右腕を再生し、ふたたび
フリーザに立ち向かった。なぜ俺ごと撃たなかったのだピッコロよ、薄れいく意識の中でヤムチャはそう
思っていた。このままではピッコロが殺されてしまう、立ち上がらなければ・・・天国のナッパさん、俺に
力を貸してくれぇ、ヤムチャは最後の力を振り絞りふたたび立ち上がった。「邪魔だ、地球人!!」
ネイルのその言葉を聞くとヤムチャは気力を失いふたたび地面に倒れてしまった。いっぽうそのころ、悟空は
ヤムチャたちの猛攻撃を受けていた。一点集中で肩にある傷口を狙うヤムチャたち。まさに統制のとれた
完璧な攻撃であったので、しだいに悟空のダメージは深くなっていった。「このさい全員ブチ殺す!!」
そう怒りに燃えるブチキレ悟飯。しかしそれをクリリンがなんとか止めて言った。
「悟飯、オレに考えがある。目をつぶれ。太陽拳!!」いっせいに目をやられるヤムチャたち。ここで
2人のヤムチャが太陽拳の威力にその命を落とした。悟空はその間に岩陰に姿を隠していた。出番のなさに
しびれを切らしたギニューがついにクリリンたちに襲いかかっていった。
「はっはっはっ、どうだ18万以上出せるこのカラダは!どうだジース、いまいくつだ?」
「に、2万3000ですが・・・」ゲェーーーーーーッ!!1000と2万、まさに大人と子供であります、
自分の戦闘力と比べて驚くヤムチャたちであった。いやたったひとつだけヤツに対抗できる方法がある、
しかしこれは一発だけ弾丸を残した拳銃と同じくチャンスは 一回・・・その一回でギニューをしとめなく
てはならない!!、1人のヤムチャはひそかにそう決意していた。
次話「人はそれをヤムチャと呼ぶ(653人)」


760 :ヤムチャ最強への道作者 :02/09/28 05:17 ID:q73My6fn

第二十九話「人はそれをヤムチャと呼ぶ」

1人のヤムチャが両手を出して気をためはじめた。ヤムチャの両手が黄金色に輝いている。
「はあああ、操気弾が2個で×2!!そしていつもよ・・・ゲフッ!!どうやらもう限界みてえだ・・・」
血を吐き、力尽きて倒れるヤムチャ。そしてヤムチャはそのままその壮絶なる生涯にピリオドをうった。
ギニューは焦っていた。力が思うように出せず、雑魚相手にすら苦戦していたからだ。
「悟空の言うとおり、お前はそのカラダを上手く使えないんだよ。おとなしく降参しなよ。」
クリリンがそう言った。そのときジースを秒殺したべジータがそのままギニューのほうに向かってきた。
「外見がカカロットということで手を抜いてやがるな・・・よし俺がやってやる。」
ベジータの猛攻に手も出ず、すぐに地面に叩きつけられ瀕死の状態になるギニュー。ベジータが最後の止めを
さそうと攻撃の態勢に入ったとき、追い詰められたはずのギニューは笑った。「いただくぞ、そのカラダ!」
しめたオラのカラダに戻れるぞ、そう思った悟空はすぐさま2人の間に割り込んだ。ギニューの口から発した
光がベジータに届くかという瞬間、その間に悟空が割って入っていた。やっと元の体に戻る悟空、しかし
ダメージが深く動くことができない。何が起きたか分からず、あっけにとられるベジータたち。
「この気はお父さんだ。元に戻ったんだ。」「ということは今度はこっちのヤツがギニューか・・・」
いっぽうヤムチャたちはまったく事態が飲み込めていなかった。混乱し、戸惑うヤムチャたち。


761 :ヤムチャ最強への道 :02/09/28 05:18 ID:q73My6fn

「と・・とりあえず俺たちはどうすれば?」「邪魔だ、黙って見ててください!」悟飯が冷たく言い放った。
ギニューはまだ勝機が去っていないことを悟り、ベジータと向かい合った。
「今度こそ邪魔はない。そのカラダいただいたぞ!!チェーンジ!」そう叫びながらギニューはボディ
チェンジの体勢にはいった。これだ!!、ひらめいた悟空はたまたまそばを通りかかったヤムチャを捕まえる
と宙に放り投げた。投げ出されたヤムチャの体がちょうどギニューとべジータの間に入る。その次の瞬間、
なんとギニューの精神はヤムチャの体に入ってしまった。ちなみにギニューの体に入ったヤムチャは傷の
痛みに耐えられず、すぐにショック死した。「くそっ、次こそは!チェーンジ!!」ガッツが足りない!!
「こ・・このカラダではパワーがなさすぎる。ボディチェンジはできん!」絶望するギニューであったが、
ベジータの攻撃から逃れるためヤムチャの群れにその身を隠せざるを得なかった。
「これじゃあ、誰がギニューだか分からない。」そう悩むクリリンに悟飯がこう提案した。
「このあたりをふき飛ばしてみて生き残ったのがいたら、それが偽者のヤムチャさんじゃないですか?」
「カカロットどういうことだ説明しろ!!」まだ状況が分からないベジータは悟空をそう問い詰めた。
「へへへ、入れ替わったんだ。あそこにいるヤムチャのどれかがギニューさ。もうこうなったら悪さも
 できねえ。見逃してやってくれ。」「これからのてめえの人生を考えると同情するぜ。」
ヤムチャになってしまったギニューはなぜだかしばらく涙が止まらなかった。
次話「戦士たちの休息、ヤムチャたちも休息(652人)」に続く


812 :ヤムチャ最強への道 :02/09/28 18:24 ID:pIAJxfev

第三十話「戦士たちの休息、ヤムチャたちも休息」

ベジータとクリリンたちは傷だらけの悟空の治療のためにフリーザの宇宙船にあるメディカルマシーンの
前に来ていた。しかしそこにはすでに先客がいた。3体のヤムチャの溺死体である。
「お、溺れたりしないんだろうな?」「正しい使い方をすれば・・な。」
悟空が完全に治るまでには3、40分ぐらいかかるそうなので、クリリンはその間に合い言葉を聞きに
最長老のところへ向かうことにした。そのまえにクリリンは片腕のヤムチャに話しかけた。
「ヤムチャさんも一緒に来ませんか?最長老さんは潜在能力を引き出す力をもってるんですよ。」
そんなわけで片腕ヤムチャも今以上の力を手に入れるためにクリリンと共に最長老のところへ向かうの
であった。最近寝ていなかったベジータは睡眠をとっていた。暇をもてあました悟飯は1人のヤムチャを
つかまえると馬乗りになっていつまでもいつまでも殴りつづけていた。神龍を呼び出す合い言葉を知る
デンデに途中で会ったので、クリリンとデンデはそのまま引き返し、片腕ヤムチャのみが最長老のもとへ
向かった。しばらく飛んでいると片腕ヤムチャは前方から強い気の存在を感じた。あわてて自分の気を消し
隠れるヤムチャ。すると来たのは怒りに燃えるフリーザだった。そしてあっという間にクリリンたちのいる
方向へ消えていった。ヤムチャは一瞬戻ろうかと思ったが考え直した。今の自分では恐らく勝つことは


813 :ヤムチャ最強への道 :02/09/28 18:25 ID:pIAJxfev

できまい、最長老とかいう人に強くしてもらわねば・・・、みんな俺が行くまでなんとかこらえてくれ、
ヤムチャははやる気持ちを抑え、最長老のもとへ飛んでいった。どのくらい経ったであろうか、ついに
ヤムチャは最長老の前に立っていた。その存在感に圧倒されるヤムチャ。そのとき空が急に暗くなった。
「どうやらデンデたちはポルンガを呼び出せたようですね。どうか早く願いを叶えなさい、もう私の命は
あとわずかも残ってはいないのだから。それと地球人よ、あなたの来た理由は分かっています。さあ、
こちらに来なさい。あなたの力を引き出してあげましょう。」
最長老の手がヤムチャの頭にのせられた。するとヤムチャは自分の体に信じられないほどの力が宿ったのを
感じた。驚きのあまりお礼の言葉すらすぐには出なかった。
「おまけをしといてあげましたよ。わずかですが私の力をあなたに託しました。どうかあの悪魔を・・」
空がもとの色に戻った。もう最長老は息をしていず、その顔はまるで眠りについている者のようだった。
「あなたから託されたあなた自身、いやこのナメック星の思いは決して無駄にはしません!必ず俺たちが
フリーザを倒しますから。だから安らかにお眠り下さい・・・」
ヤムチャはそう呟くとクリリンたちのもとへ飛び去っていった。最長老の家にまた静寂が戻った。
次話「天までとどけ!?ヤムチャたちの願い(652人)」に続く


814 :ヤムチャ最強への道 :02/09/28 18:26 ID:pIAJxfev

三十一話「天までとどけ!?ヤムチャたちの願い」

悟飯が6人目のヤムチャが完全に動かなくなったのを確認したとき、クリリンたちが戻ってきた。合流した
悟飯とクリリンは寝ているベジータを起こさないようにそっとドラゴンボールをすこし離れた場所まで
運び出した。そしてデンデがナメック語で神龍を呼び出す。突然あたりが暗くなったかと思うと、地球の
数倍はあろうかという神龍が皆の前にあらわれた。あまりの迫力にしばらく言葉を失う一同であったが、
時間がないことを思い出し、すぐさま神龍に願いをつたえることにした。
「ベジータたちに殺されたものを生き返らせてくれ。」デンデがそれをナメック語に訳し神龍につたえた。
「それは無理だ・・・一度に生き返らせれる数は1人だけだ。」
とりあえず地球のドラゴンボールを甦らせるためにまずピッコロを生き返らせることにした。そして次に
ピッコロの願いでナメック星にピッコロを呼び寄せることにした。その願いをデンデが言おうとしたとき
悟飯があることに気づいた。「しまった!ヤムチャさんたちに気づかれた!!デンデ早く!!」
644人のヤムチャたちがいっせいに神龍のところへ向かう。そしてついでにベジータもクリリンたちに
出し抜かれたことに気づいていた。デンデが願いを神龍につたえる。しかしピッコロはあらわれない。


815 :ヤムチャ最強への道 :02/09/28 18:26 ID:pIAJxfev

「ど、どうして?」「ここって言わなかったんで、恐らくナメック星のどこかに・・・」
出し抜かれたことで怒りに燃えるベジータがクリリンの胸ぐらをつかんで問い詰める。焦った悟飯は
ついまだあと一つ願いをかなえられることを口に出してしまう。それを聞いて安心するベジータ。
他に方法が思い付かないのでクリリンはしぶしぶベジータの不老不死の願いをデンデに頼んだ。
「パラタットプカツンパノパッナ」どこからともなく声がした。それはある1人のヤムチャから発せられた
声だった。「とりあえずそれらしく適当に言ってみたりして。」そうおどけるヤムチャ。が、次の瞬間
「了解した。たやすいことだ。」なんとヤムチャが適当に見様見真似で発したナメック語の願いが通って
しまったのだ。驚きあきれるみんな。そして悟飯の怒りはすでに臨界点を超えていた。
「いったいどんな願いなんだ・・・」クリリンたちは不安そうに空を見上げていた。すると急に空が
もとに戻った。そしてドラゴンボールが石となり空から落ちてきた。
「最長老様がお亡くなりになりました・・・」デンデが今にも消え入りそうな声で悲しそうにそう言った。
「よかった・・・どうやらヤムチャさんの願いは叶わなかったようだ。」そう喜ぶクリリンであった。
が、そのとき空よりナッパのパンツが舞い降りてきた。
「みな殺しだぁぁ!!」悟飯が叫んだ。
次話「さらば!ブルマ、戦士ヤムチャ散る(646人)」に続く


864 :ヤムチャ最強への道 :02/09/29 06:23 ID:Po6Sbc+U

第三十二話「さらば!ブルマ、戦士ヤムチャ散る」

ナッパさん・・・俺、強くなるよ、強くなってナッパさんみたいな立派な戦士になるんだ、だから俺を
見守っていて下さい、ヤムチャはナッパの形見のパンツをはきしめながら、天国のナッパにそう誓うので
あった。そしてまだナッパのぬくもりが感じられた。空を見上げると満面に笑みをたたえたナッパの顔が
うかんでいるような気がして、ヤムチャはただただ涙が止まらなかった。ヤムチャがそんなことを考えて
いる間にも悟飯は34人のヤムチャたちの生首をナメック星の地にならべていた。そのときクリリンが
とてつもない気の存在に気づいた。岩山の上に怒りにふるえるフリーザが立っていた。そしてフリーザは
叫んだ。「ここまでコケにされたのは初めてですよ。許さんぞ、許さんぞ、この虫ケラどもが!!」
そのとき1人のヤムチャが果敢にもフリーザむかって飛び出してきた。
「いまこそ積年にわたる戦いに終止符を打とう!うおおお、断己相殺・狼牙風風拳!!」
ヤムチャの己の命すらかけた渾身の一撃。しかし拳が当たる前に、ヤムチャの体をフリーザが貫いていた。
そしてフリーザがヤムチャを地面に叩きつけた。もはやヤムチャは手足すら動かすことができなかった。


865 :ヤムチャ最強への道 :02/09/29 06:24 ID:Po6Sbc+U

死の間際、ヤムチャの頭の中ではブルマとの楽しかった思い出が駆け巡っていた。ブルマとデートで
行った遊園地、観覧車から突き落とされた。ブルマがくれたプレゼント、中を開けると浮気をしていた女の
耳が入ってた。ブルマがお風呂で流してくれた背中、水のかわりに硫酸かけられた。ブルマが作ってくれた
手料理、三日三晩生死の境をさまよった。もうあの日々が戻ってこないかと思うとヤムチャは無性に悲しく
なった。愛してるよクーニャン・・・、そう呟きながらとヤムチャは息絶えた。フリーザが皆のまえに
降り立った。そして己の力を開放し始めた。あまりの力の強大さに一歩も動けないクリリンと悟飯。
あのベジータですら緊張しているようだ。そのときフリーザの前に5人のヤムチャが飛び出してきた。
「ヤムチャ!」「ヤムチャ!」「ヤムチャ!」「ヤムチャ!」「ギニュー!!」「みんなそろって」
「ギニュー特戦隊β!!!」「こ・・・これはどういうことですか?ギニュー隊長。」フリーザが尋ねた。
「説明しましょう。このギニュー特戦隊βとは全宇宙に散らばるヤムチャの中から選りすぐりのヤムチャ
だけで構成されたエリート部隊なのです。フリーザ様、覚悟ぉ!!先鋒ヤムチャ、ゆけい!!」
まずはギニュー特戦隊β先鋒のエスパーヤムチャが飛び出していった。
次話「追いつめられたフリーザ、ギニュー特戦隊βの恐怖(611人)」に続く


894 :ヤムチャ最強への道 :02/09/29 16:37 ID:Cg8+ZuhW

第三十三話「追いつめられたフリーザ、ギニュー特戦隊βの恐怖」

向かってくるエスパーヤムチャにフリーザの拳が当たろうととした瞬間、なんと目の前からヤムチャが消え
真後ろに笑いながらヤムチャが立っていた。ギニュー特戦隊βの面々以外は何が起きたのか理解することが
できなかった。そしてその皆の疑問に対してギニューがついに口を開き答えた。
「あいにくと、そのヤムチャは時間をコントロールして止められることができるのでな。」
「隊長の言う通りさ。フリーザ、次で終わりだ。時間よ止まれい!!」エスパーヤムチャは時を止めた。
次の瞬間、みんなの前に見知らぬヨボヨボの老人が立っていた。「とめひゅぎた・・フゴッ!!」
老人は血を吐き、その天寿をまっとうした。それを見るとギニュー隊長は、まだ出番は早いということで
ふたたび奥のほうに引っ込んでいった。そのころ、ピッコロはナメック星の地に立っていた。景色を
懐かしむのもそこそこにピッコロは急いで悟飯たちのいるところに向かっていった。その途中、ピッコロは
何者かのかすかな気の存在に気がついた。
「あれはヤムチャ!?まだかすかに生きてるようだ。どれ、念のため止めをさしておくか・・・」


895 :ヤムチャ最強への道 :02/09/29 16:38 ID:Cg8+ZuhW

そう言ってヤムチャのいるところに降りたピッコロであったが近くにもう一人いるのが分かった。そこに
いたのは自分とよく似ているナメック星人のネイルだった。ネイルはピッコロを見て言った。
「私と同化しろ。そうすればお前は今の何倍も強くなる。安心しろ、人格には影響しない。そうすれば必ず
フリーザを倒せる。頼む、殺されたナメック星人のためにも絶対にヤツを倒してくれ。」
ネイルの手がピッコロを掴んだ。そしてネイルの力がピッコロに流れていく、ネイルの体が消えピッコロは
素晴らしいパワーを手に入れていた。それを傍で見ていたヤムチャもピッコロに向かって言った。
「俺と同化しろ。人格はよこせ。そうすればフリーザのヤツをたお・・」「ずあっ!!」
瀕死のヤムチャに止めをさすと、ピッコロは悟飯たちのもとへ飛んだ。フリーザがベジータに向かって
きた。そのフリーザの拳を受け止め、力比べの状態になるベジータ。そのときベジータの戦闘力を
計っていたフリーザのスカウターが壊れた。予想以上のパワーアップにフリーザは少し驚きつつも感心
していた。そのときベジータが言った。「変身しろ、フリーザ。」変身だと!?あいつもしや生き別れに
なったプーアルの父親じゃあ・・!?、ヤムチャたちはそう思った。戦闘服をふき飛ばすフリーザ。
「そいつがてめえの変身か。」内心ほっと胸をなでおろすベジータ。しかし次の瞬間、フリーザの上半身が
膨れ上がった。続いて下半身も同様に大きくなった。最後に頭が大きくなって飛び出してくる。ベジータは
恐怖のあまり動けなかった。クリリンたちは格の違いを嫌というほど思い知らされていた。
「こうなったら前にように甘くはないぞ。ばっ!!」フリーザを中心にして地面が吹き飛んでいった。
次話「そして誰もいなくなった・・・(609人)」に続く


184 :ヤムチャ最強への道 :02/10/02 04:58 ID:dMwqcsfG

第三十四話「そして誰もいなくなった・・・」

「クリリンさん、大丈夫ですか?」
クリリンの額から血が流れていたのをを見た悟飯は思わずそう言っていた。
「たしたこたない。ヤムチャの破片が当たっただけだ。」
あの爆風だ、ヤムチャはひとたまりもなかろうて、悟飯はそう高をくくっていた。が、ヤムチャは生きていた。
奇跡的にも死者はたったの71名だけですんだのであった。
「さて誰から殺すかな。決めた!!」
フリーザは空にいるクリリンたちをまるで品定めをするかのように見上げ、そして猛スピードで飛び上がった。
誰も動けなかった、気づくとクリリンの胸にフリーザの角が突き刺さっていた。
「クリリンさーん!!」「クリリン!!」「ハゲーっ!!」「ウォーズマンーっ!!」
フリーザが首をふると、クリリンはそのまま海へ落ちていった。悟飯を急いでそれを追おうとする。しかし
その前にフリーザが立ちふさがった。逆上していた悟飯はフリーザを殴りつけた。思いがけない反撃に
フリーザはなすすべもなく地面に叩きつけられた。その間にクリリンはデンデの手によって海から引き上げ
られていた。それを見て安心する悟飯だったが、何事もなかったかのように起き上がってきたフリーザを
見て、すぐにそれは恐怖の表情に変わってしまった。
いったん頭が冷えてしまった悟飯は、ふたたびフリーザが目の前に来ても、今度は攻撃はおろか、動くこと
すらできなかった。フリーザにいいようにあしらわれ、悟飯は地面に激突させられた。
そのとき、なぜか1人のヤムチャが悟飯の助けに入った。
「悟飯、覚悟ぉーっ!!」


185 :ヤムチャ最強への道 :02/10/02 04:59 ID:dMwqcsfG

そうではなかった。日ごろ虐待されていた恨みを晴らすため、彼はフリーザではなく悟飯に向かっていった
のであった。フリーザが軽くしっぽを振り、それを迎撃した。彼も悟飯と同じように地面に倒れてしまった。
悟飯の頭をに足をのせ、フリーザはしだいに力をこめていった。悟飯の頭が踏み潰されようとしたそのとき、
フリーザの背後から気円斬が迫った。それをすんでのところで避けるフリーザ、しかし完全には避けきれず、
しっぽの下半分が切断されてしまった。
「クリリン、ナイス!!」「立つんじゃない、ヤムチャさん!!」
ほっとして立ち上がったヤムチャを気円斬が切り裂いた。そのヤムチャは上半身と下半身で真っ二つになって
しまった。これで足元がお留守になることもないじゃないですか、苦痛にうめくヤムチャを見下ろしながら
悟飯は独り言をつぶやいた。ヤムチャが息絶えようとしたまさにそのとき、悟飯は気を分け与えた。
「がんばってヤムチャさん!!どうか死なないで。」
楽には死なせねえよ、言葉とは裏腹に悟飯はそう思っていた。さらなる激痛に苦しめられるヤムチャ。
「べろべろべー」
フリーザを挑発すし、引きつけるクリリン。その間にデンデが悟飯のところにやって来て、傷を回復させて
くれた。クリリンはあっという間に追いつかれてしまったが、彼にはまだ奥の手があった。
「太陽拳!!」
あたりがまぶしい光に包まる。そのどさぐさにまぎれて悟飯は7人のヤムチャを始末した。フリーザの目が
やられているうちにクリリンは安全なところへ避難していた。
回復した悟飯、そしてクリリンがフリーザと向き合った。そのときあの男がやって来た。「ピッコロさん!!」
いっぽうそのころ、下界を見下ろす神様は焦っていた。
「いそげ、ポポ!!あの男にドラゴンボールを集めさせてはならん!!」
次話「激突!天下分け目の超決戦。ミスターポポvs発狂ヤムチャ(530人)」に続く


250 :ヤムチャ最強への道 :02/10/02 22:56 ID:acc+ePFe

第三十五話「激突!天下分け目の超決戦。ミスターポポvs発狂ヤムチャ」

「おおお、おまえ邪魔すんな、しし死ぬ。ろろろーがふうふけん!!」
発狂ヤムチャがポポに襲いかかった。ヤムチャの鋭い攻撃をすんでのところでかわし続けるポポ。
ポポはヤムチャの攻撃が止んだ瞬間を見て、飛び上がりヤムチャの背後をとった。そして無防備の
ヤムチャの後頭部にパンチを叩き込もうとした、しかしそのとき・・・
いっぽうそのころ、ナメック星ではピッコロとフリーザが一対一で戦っていた。あのフリーザを圧倒する
ピッコロに他のみんなは驚きを隠せなかった。しかしフリーザはまだ全力ではなかった。しかしそれは
ピッコロも同様だった。重いターバンとマントを脱ぎ捨て身軽になるピッコロ。悟飯は思わず叫んだ。
「勝てる!!」しかしフリーザは笑いながら恐ろしいことを話し始めた。
「このフリーザは変身するたびにはるかにパワーが増す。そしてその変身をあと2回も残しているんだ。
この姿を見せるのはお前が初めてだ。光栄に思え!」
あ・・あと2回だと!?サナギマンより1回多いじゃねーか、ヤムチャたちは愕然としていた。フリーザに
ものすごい気が集まっていき、しだいにフリーザの姿が変わっていった。背中からは突起物のようなものが
生え、後頭部が後ろに伸びていった。フリーザの変身が完了した。誰も動けなかった。あのピッコロで
さえもあまりの急激なパワーアップに驚きを隠せなかった。恐怖を隠してピッコロは強がった。


251 :ヤムチャ最強への道 :02/10/02 22:57 ID:acc+ePFe

「てめえがパワーなら俺はスピードだ。追いつけるもんなら追いついてみやがれ!」
ピッコロはフリーザを振り切ろうと全速力で飛びあがった。しかしすでにフリーザは先回りして目の前に
立っていた。ピッコロは目の前の光景を信じられなかった。フリーザはにこやかに微笑みながら言った。
「これは、これはお久しぶり・・・。ひゃあ!!」
フリーザが指を突きだすと、その先のピッコロの体に針で刺されたような鋭い痛みが走った。
「ひゃあ!ひゃあ!ひゃあ!ひゃあ!」
フリーザが次々と指を突き出す。ピッコロはなすすべもなく、いいようにフリーザに撃たれつづけていた。
「もうボク我慢できません。行きます!!」
一方的にピッコロがやられているのを見ているだけなのに我慢できなくなった悟飯はクリリンが止めるのも
聞かず、フリーザのほうに一直線に向かっていった。
「な、なんということだ・・・。ポポがやられてしまうとは・・・」
神様は絶望のあまり崩れ落ちた。ポポが森の真ん中で倒れていた。
「ポポよ、何が起きたのだ!」「・・・げ。・・・は・・ううっ」ガクッ。「ポポーっ!!」
神様の叫び声が森のなかを空しくこだました。
次話「まともなヤムチャとだめヤムチャ(530人)」に続く


295 :作者の都合により名無しです :02/10/03 23:27 ID:0V1XJ453

第三十六話「まともなヤムチャとだめヤムチャ」

「フルパワーだーっ!!」
フリーザの体勢を崩すと、悟飯は目いっぱいの力を込めて光弾を放った。さすがのフリーザも
その威力に地面すれすれまで圧されたが、なんとかこらえると悟飯目がけてその光弾をはね返した。
力を使い切っていた悟飯にそれを避ける力はもうなかった。そして近くにいたピッコロも
ダメージが深く反応できなかった。光弾が悟飯に命中しようとしたそのとき、なにかが悟飯を
突き飛ばした。それにより悟飯は光弾の軌道から外れることができた。そして悟飯に当ったものとは
なんと上半身だけになってしまったヤムチャの放った操気弾だった。
「や・・ヤムチャさん、どうして・・?」
「親友の息子を助けるのに理由なんかいるかよっ!!うっ・・もうこれまでか・・・」
実は止めをさすつもりが結果的に助けちまったなんて言えるか、胴体が切断されたヤムチャは
そんな思いをひとり胸に隠しながら死んでいった。一方そんなことはつゆ知らず悟飯は泣いた。
「ううっ・・ボクが間違ってました。ごめんなさい、ヤムチャさん。」
「悟飯、気にするなよ。あいつは未来の希望を守って死んでいったんだ。お前をうらんでなんか
 いないさ。俺たちもあいつと同じ気持ちだ。とりあえず一発殴らせろ。」
他のヤムチャたちがそう言った。そのころベジータはクリリンに近づいていって頼みごとをしていた。
「このオレを今すぐ半殺しにしろ!!次に復活したときはオレは超サイヤ人になってるはずだ。」


296 :ヤムチャ最強への道 :02/10/03 23:27 ID:0V1XJ453

クリリンは仕方なくベジータ目がけてエネルギー砲を放った。ベジータは体を貫通され、笑いながら
地面に落ちていった。下ではヤムチャたちが舌ずりをしながら待ち受けていることも知らずに・・。
一方その頃、もう勝てないと悟った14人のヤムチャたちが宇宙船に殺到していた。すべての
ヤムチャが乗り込むとその宇宙船は地球に向けて発進した。しかしその数秒後、ボンッ、もの凄い
爆音とともに宇宙船は空中で爆破した。ちっ、きたない花火だぜ、それを見ながら岩陰では
ブルマが幸せそうな笑みを浮かべほくそえんでいた。
「ギニュー特戦隊αタフガイヤムチャ、とうっ!!」「同じくスピーディヤムチャ、はやっ!!」
「受けてみろフリーザ。俺たちの必殺技、双気弾をっ!!」
二人のヤムチャが互いに手を宙に差し出した。そしてその上に一つの操気弾ができていった。
「いかんっ!2人で一つの操気弾、つまり威力も2倍!!この星ごと消すつもりかーっ!!」
他のヤムチャたちは恐怖した。2人の手から放たれた双気弾がフリーザを襲った。フリーザはそれを
指一本ではね返した。2人ははね返ってきた双気弾に当り、あえなく爆死した。
「さてと、そろそろ終わりにしましょうかね。」
フリーザが笑いながら悟飯やピッコロたちのもとへやって来た。勝てない・・・、悟飯たちは諦め
モードに入っていた。そのときフリーザの前に何者かが立ちふさがった。
「待たせたな。」「ヤムチャさん!!」「ヤムチャ!!」
隻腕のヤムチャがついに戦いに到着したのであった。
次話「ヤムチャの自信、最長老の贈り物(513人)」に続く


787 :作者の都合により名無しです :02/10/14 21:45 ID:q3RAj5Ep

第三十七話「ヤムチャの自信、最長老の贈り物」改訂版

相手の距離を素早く詰めるヤムチャ、その速さに相手はまったくついていけない。相手を蹴り上げると
すかさず上に追っていって両手を振り下ろし、地面に叩きつけた。
「さっきまでの威勢はどうしたんだ、ん?これがオレの実力だ!!」
そう言いながらヤムチャは地面に倒れたベジータを見下ろしていた。
「おい、なんか言ってみろ!どうした・・・し、死んでる!?」
クリリンたちなどの他の仲間にバレるとまずことになるので、ヤムチャたちはベジータの戦闘服を
剥ぐと1人のヤムチャに着せ、影武者とした。そして本物のベジータのほうは湖に投げ捨てられた。
死んだって言ったのは冗談だったのに・・・、そう思いながら1人のヤムチャは沈んでいくさらに
瀕死のベジータを眺めていた。そして、影武者ヤムチャは髪を逆立てていた。
「ひゃあ!ひゃあ!ひゃあ!ひゃ・・何ッ、避けられただとっ!?」
片腕ヤムチャはフリーザの攻撃をくぐり抜け、素早くその間合いを詰めるとフリーザの顎を蹴り上げた。
上にふっ飛ぶフリーザ、それを追うヤムチャ、しかしフリーザはすぐに体勢を立て直すとヤムチャに
むかってエネルギー砲を放った。しかし、ヤムチャはフリーザよりも先にすでにかめはめ波の体勢に
入っていた。空中でぶつかり合うふたつの強大なエネルギー。しだいにヤムチャのほうがフリーザのを
圧していった。かめはめ波を両腕で防御するフリーザ、しかしダメージは避けられなかった。


788 :ヤムチャ最強への道 :02/10/14 21:46 ID:q3RAj5Ep

おかしい、あいつまるでわたくしの動きがわかっていたような・・・、フリーザはそう疑問に思った。
フリーザのその考えは当っていた。数秒、いやわずか先であったが、ヤムチャにはフリーザの
次の動きが頭の中にイメージとして浮かぶのであった。これが最長老さまからいただいた力か・・・、
ヤムチャはコブシを固く握り締めた。
「すごいや、ヤムチャさん!」「悟飯、どうやら俺たち死ななくてすみそうだぞ。」「はいっ!!」
隻腕のヤムチャの強さを見てとったクリリンたちは手をとりあって喜んだ。しかしそのとき、
クリリンが何者かによって頬を思いっきり殴られた。ベジータに仕えるヤムチャである。
「貴様ぁ!!よくもベジータ様を。許さんぞ、クリリン、貴様の髪の毛一本この世に残さん!!」
「ち、違うんだ。サイヤ人は死の淵から復活すると力がグンと上がるだろ・・・」
「そ、そうか!?ならば早くデンデに・・・」
そう言うとヤムチャはデンデを呼びにいった。しかし、そのヤムチャの後を謎の影が追っていった。
いっぽうそのころ、地球では人類の存続にかかわる重大な事件が起きていた。
次話「ごめんよ、ベジータを殺したのは勢いだったんだ(513人)」に続く


797 :作者の都合により名無しです :02/10/15 00:37 ID:BPyFeAwe

第三十八話「ごめんよ、ベジータを殺したのは勢いだったんだ」

オレはナッパ?、いやベジータ、オレはベジータ!、オレは惑星ベジータの王子ベジータ!!、
オレは幼い頃に強化サイバイマンを24年前まだ髪の毛が生えていたナッパの前でほんの数秒で
全滅させてみたベジータ!!!、オレはフリーザが、トーマから裏切りを知らされ、ただ独りで
抵抗したバーダックもろとも破滅させた惑星ベジータの王子のベジータだ!!!!、
影武者ヤムチャは必死に自分にそう言い聞かせていた。
「あっ、ベジータ。復活したのか!?はやくこっちに来て協力してくれ。」
クリリンが下に立っているベジータらしき人物を目にして、そう声をかけた。
「あ、ああ・・・。フリーザなんてやっつけてやる!・・はぁ・・・」「?」
憂鬱そうにため息をつきながら、影武者ヤムチャはフリーザのところに向かった。どうしたんだ、
ベジータのヤツ、気が激減してるような・・・、気を抑えてるのかな?、クリリンはどこかおかしな
様子のベジータを見てそう思ったが、口には出さなかった。
「ほう、ベジータさん、まだ生きてたんですか?ようやく念願の超サイヤ人でもなれたのかな?」
あたしね、今日スーパーに行ったの、そしたらいきなりサイが突入よ、みんなびっくりしたんだけど
なんか中西という人が来てさ、アルゼンチンバックブリーカーで退治したのよ、もう感激、これが
本当のスーパー+サイ+野人?、かなりきつくないか!?、影武者ヤムチャはそう考えた。
「あ、ああ・・まあ、そんなとこかな。」


798 :作者の都合により名無しです :02/10/15 00:38 ID:BPyFeAwe

影武者ヤムチャは覚悟を決めるとフリーザに一直線に向かっていった。
「な・・なんだあの動きは!?お・・遅い、遅すぎる。なにか新しい技かっ?」
影武者ヤムチャが両手にありったけの気をため、そしてフリーザ目がけて放った。
「連続エネルギー弾だっ!!1、2、チィッ、弾切れかっ!!ならば接近戦だっ!!くらえ、
 狼牙・・いや、新技ウルフハリケーン!!つぇい!!」
影武者ヤムチャの連続攻撃を受けるフリーザ。フリーザはそのあまりの威力のなさに唖然としていた。
「す・・すごいや!?あのフリーザが防戦一方だ!!」
本当にそう思うのか悟飯?ヤツの気を感じてみろ、クリリンは悟飯に対してそう言いたかったが、
口には出さないでおいた。
「はあはあ、とどめはギャリック砲だ。消えな、フリーザ。かめはめ波ーっ!!」
フリーザはこれを軽くまえ蹴りではじき返した。
「う・・嘘だ。今のはベジータさんのフルパワーだったはずだ・・。それをケリだけで・・」
いやだからあいつの気を感じろって、クリリンは口には出さなかったがそう思っていた。
「もう死になさい、ひゃあ!!」
フリーザが影武者ヤムチャ目がけて指を突き出すと、ヤムチャの頭が破裂した。そしてそのまま
ヤムチャは湖に落ちていった。それと同時に、プチンッ!、1人のヤムチャが身につけていた
ナッパのパンツのゴムが切れた。「不吉な・・・、まさか仲間がっ!!」
次話「ヤムチャの切り札(512人)」に続く


911 :ヤムチャ最強への道 :02/10/19 02:32 ID:YeDj9ZSk

フリーザ第三変身

悟空到着

特大元気玉。片腕ヤムチャ、フリーザの動きを止めるためにフリーザと共にあぼーん

フリーザ生きていた

悟空超サイヤ人化「ヤムチャのことか・・・ヤムチャのことかーーっ!!」

フリーザ死亡、宇宙船で地球へ

地球ではパンツとともに甦っていたナッパがDBで1000人に・・・
(打ち切りっぽく)おしまい



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