160 :孤狼伝説ヤムチャ :03/01/07 19:01 ID:??? ピッコロ大魔王との凄絶な闘いから五年あまりも過ぎた平和なある日のこと・・・ 畑を耕していた農家の次男坊が一息ついて空を見上げると、光る何かがドーンという衝撃音とともに 山の方に墜落したのを見た。何事かと思い、すぐさま彼は車に乗ってその謎の物体の落ちたところに 向かった。その場所に着くとそこには直径20m程のクレーターができていた。よく眺めてみると どうやら隕石ではなく、何か機械のような感じだった。 「ギョッ」 彼は驚いた。その丸い物体が開いて中から人があらわれたのだ。出てきた人物は見たこともないような 格好をしていた。そして、その謎の男はクレータの端に立つ彼を見てこう呟いた。 「やはりこの星のやつらは生きていたか・・・ヤムチャのやつめ・・・」 「わわっ、な・・なにもんだ、おめえ!!」 農家の次男坊は恐怖のあまり手に持った散弾銃を構えた。 しかし、謎の男は臆することなく彼に近づいていった。 「屁垂力・・たったの5か・・ゴミめ・・」 「よっ、よるんじゃないっ!!ぶ・・ぶちころすぞ!!」 ドーン、そのとき彼の持っていた散弾銃が火をふいた。謎の男は冷静にその飛んでくる弾丸を 掴もうとした。が、その手は空を切った。 「痛ぇっ!!」 弾丸は男の顔面に命中した。おら、人を殺しちまった・・・、農家の次男坊は自分のやってしまった ことの重大さに気付き、ガクガクとふるえだした。しかし、その男はまだ死んではいなかった。 「き・・きさま、このオレ様に傷を!!許さん、許さんぞ!!」 よく見ると弾丸の当ったところは血すら出てなく、少し赤くなっている程度であった。 「すぐ楽にしてやる・・・狼牙風風拳!!」「うわあああ」 農家の次男坊は、男の背中に狼を見たような気がした。それが彼の見た最期の光景だった。 「ふっ、なんというもろい民族だ。いや、俺が強すぎるだけか・・・」 そのとき、男の顔面についている機械が反応した。 「むっ、大きなパワーが、ヤムチャだな。あっちだ・・・距離12909」 位置を確認すると、その方向へ男は飛んでいった。 「全宇宙一のヘタレ戦士チャッパ人の誇りを見失ったのか!!ヤムチャよ!!」 185 :孤狼伝説ヤムチャA :03/01/08 19:04 ID:??? 「こんにちわー、おひさしー」 ブルマの元気な声がカメハウスの中に響いた。なかにいた亀仙人、クリリンが彼女を出迎えた。 ブルマの姿を見て、亀仙人があることに気付いた。 「ありゃ、ヤムチャはどうしたかの?」 それを聞いてブルマの表情が変わった。 「けっ、ヤムチャ!?ああ・・あのバカね。知るもんですか、あんなの抜きでパーッとやりましょう」 「おまえら、ようケンカするのお」 「あんなので悪かったな」「おひさしぶりです」 そのときブルマの後ろからヤムチャとプーアルの声がして、ふたりが姿をあらわした。 「プーアルはいいとして、なんであんたここに!!」 「オレが教えたんですよ。まあ今日は無礼講ということで仲良くやりましょうよ」 クリリンがそう言った。まったくこの二人には困ったもんだ、オレも人の世話ばかり焼いてる場合じゃ ないのにな、クリリンがそんなことを考えていたそのとき、近くに迫る邪悪な気を感じた。 「なにかがこっちにやってくる!!」 「誰か来るならかわいい子がいいなあ」 ヤムチャはのん気な声でそう言った。しばらくすると空から見たこともない男が降りてきた。 そして、その男はヤムチャを見ながらこう言った。 「ふっふっふっ成長したなヤムチャ・・・だが一目で分かったぞ。父親にそっくりだ・・・」 「なっなに!?ヤムチャ、あんたの知り合い?」 「んん!?そうだ!!ブルマ、胸をマッサージしてやるぞお」 すでに酒で完全に酔っぱらっていたヤムチャは無防備にブルマの乳に近づいていった。 「ヤムチャ様、近よっちゃいけません!!ヤム・・!!!」 それを見てプーアルは叫んだ。GAN!!、ブルマの強烈なビンタがヤムチャにヒットした。 その衝撃でヤムチャがカメハウスの壁に突っ込んだ。ヒクヒク…、ヤムチャの足がかすかに動く。 「あの・・・」 255 :孤狼伝説ヤムチャB :03/01/10 22:12 ID:??? 「う、うくくく・・・」 ようやくヤムチャが目を覚ました。しかし、まだ殴られた頬、そして心が痛んだ。 「大丈夫か、ヤムチャさん」 「ああ・・なんとかな。気をつけろクリリン、ブルマのやつ、普通じゃない」 そりゃおめーに対してだけだろ、クリリンはそう思ったが口には出さなかった。 このままではいっこうに埒が明かないので謎の男は自分から名乗ることにした。 「教えてやる!まずきさまはこの星の人間ではない!!生まれは惑星チャッパ!! 誇り高き宇宙一のヘタレ戦士族チャッパ人だ!!そして俺は貴様の兄リョクチャだ!!」 「あんたはどうしていつもそう・・・死ね!いっぺん死んじまえ!!」 「く・・苦しい・・・」 「ブルマさん落ち着いて、ねっ」 しかし、みんなブルマを止めるのに必死で誰も彼の言葉を聞いていやしなかった。 しばらくしてなんとかブルマの怒りが鎮まった。ヤムチャはもう青色吐息だ。 「ええ!!ヤムチャのアニキだって!?」 驚きのあまりクリリンが叫んだ。 「な・・なんじゃとお・・」 「わざとらしいぞ、貴様ら・・・」 しかしそうは言ったものの、やっと反応してくれてリョクチャは少し嬉しかった。 「アニキだかなんだか知らんが、このオレはかわいい女の子しか興味はない!!帰れ!!」 いきなりの出来事にまだ何がなんだかよく分からなかったが、とりあえずヤムチャは叫んでみた。 「そうもいかないのでな・・・チャッパ人はもともと少数民族だったうえに、惑星チャッパが 巨大隕石の衝突で爆発してしまったのだ。ほとんどのチャッパ人は宇宙のチリと消えた。 俺たちの父親や母親もな・・・」 あまりのことにヤムチャは息を呑んだ。 「残ったチャッパ人はおまえも含めて4人しかいないのだ。ついこの前、高く売れそうな星が 見つかってな。どうも3人だけでは苦戦しそうなのだ。そこで思い出したのがお前だ。 目を覚ませヤムチャ!!楽しいぞ、チャッパ人の血がさわがんか!?」 312 :孤狼伝説ヤムチャC :03/01/12 00:43 ID:??? 「長すぎてなに言ってるかよく分からん!!とにかく手を貸すもんか!!」 ヤムチャは叫んだ。するとリョクチャはヤムチャの後ろにいるブルマに視線を移した。 「さっきから気になっていたのだが、うしろにいるのはお前の恋人ではないのか?」 「違う!!あんな性悪女、こっちから願い下げだ!!」 その言葉を聞いてまたブルマの頭に血が上った。 「なんですって、この浮気性の甲斐なし男がっ!!」 「なんだと・・・この暴力凶暴ヒス女が!!」 ヤムチャも負けずに応戦した。またかよ・・・、クリリンたちは呆れていた。 怒りの形相でブルマがヤムチャに近づいてくる。 「それ以上、近よってみろ!!ぶっとばすぞ!!」 ヤムチャは身構えた。しかし時すでにおそく、ブルマが足がヤムチャの股間を蹴り上げた。 「・・が・・・!!うあ・・あああ・・・!!」 あまりの痛みに悶絶しながら、ヤムチャは砂浜の上に倒れた。 「や・・ヤムチャさんが。たったの一撃で・・・」 そのときリョクチャがブルマの首すじに手刀を叩きこんだ。ブルマはそのまま意識を失った。 「と・・・とりあえず、この女はあずかっておく。生きてかえしてほしくば、明日までにこの星の 人間を百人ほど殺してここに積んでおけ。ふははははは!!!!」 そう言い残すとリョクチャはブルマを抱えながらあさっての方向へ飛び去っていった。 「無理だ、ヤムチャさんの力量じゃ10人殺すのがやっとだ・・・」 クリリンはそう感想をもらした。 痛みをこらえ立ち上がりながら、ヤムチャは宙に向かって叫んだ。 「マイティマウス号っ!!」 「待てい!!いろんな意味でムチャじゃ、落ち着けっ!!」 はやるヤムチャを亀仙人たちが必死で止める。 少しして気持ちの落ち着いたヤムチャが亀仙人とクリリンを見て、ポツリとつぶやいた。 「あと98人・・・」