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ヤムチャの気持ち

 

452 :ヤムチャの気持ち :03/02/20 22:34 ID:iCeWDk3i
第一話『ヤムチャ暦元年』

 時は昭和27年。場所は、東急東横線の反町駅から、徒歩12分のところにある古アパート。
管理人のトシミツの名から、そのアパートは「トシミツ荘」と、なづけられていた。
 トシミツは語らない。トシミツの素性を知るものは、いない。ただ、彼は自分は他の人達とは根本的に
合わないと知っていたし、実際、彼が唯一口を聞いている浪人生の菊池でさえ、彼のいないところで
よく彼の悪口を言った。
 「トシミツのダジャレぜんぜん面白くねえよ。」
 「トシミツの野郎、足元がお留守なんだよ。」
 「トシミツのバカ、死ぬ時は畳の上で死にたいって言ってたぜ。お似合いは土の上だよ。」
 菊池の悪口はまだ続く。
 「トシミツってさ、飯食った後に口を拭いたナプキン、あれを集めてるらしいぜ。広げてベットの上に
敷き詰めて、毎晩それにダイブだってよ。きたねえよな。」
 「それから先月なんかさ…。いや、なんでもない…。」
 トシミツが菊池の横を通った。その通ざまはとてもハイカラだった。そしてトシミツの通った後、
そこにはぺんぺん草が一本生えて、春の風に揺れていた。そう、揺れていたのだ。そのぺんぺん草に
油性マジックで何か文字が書いてあった。
 『ヤムチャ』
 菊池はもちろん他の誰も、今はまだ、その言葉の意味を知らない。      つづく