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ヤムチャの生きる道

 

546 名前:ヤムチャの生きる道(新)[] 投稿日:03/05/31 16:45 ID:4yCvJKIx
トランクスにより3年後の未来のことがわかってから2年。
ヤムチャは対人造人間戦に向けて猛烈な修行を行っていた。
そんな最中、風をたまたまこじらせたヤムチャは数年ぶりに病院を訪れた。
「先生、ちょっと風ひいちゃって・・・」
「・・・・・君の検査結果が出たよ・・・」
「そうですか、この風、どれくらいで治るんですかね?」
・・・・・・・・
自宅に帰ってきたヤムチャ。玄関に飾ってあるブルマの写真を叩き落とした。
「ヤムチャ様、機嫌悪いようですけどどうしたんですか?」
プーアルが心配そうにそう問いかける。
「・・・・・なんで・・・俺なんだ・・・・」
「え?」
「なんでベジータやピッコロみたいな悪人じゃなくて俺なんだ!教えてくれプーアル!!!」
・・・・・1時間前・・・
「・・・ヤムチャくん、君の体は今病魔に冒されている・・・」
「え?風邪ですよね?」
「・・・・・できればご家族と一緒に聞いてもらいたいんだが・・・」
「・・・お、俺に家族なんていません・・・・俺、どんな病気なんですか!」
「悪性の・・・腫瘍だ・・・すさまじい衝撃を過去に受けたことはあるか?」
「え・・・ええ、密着状態でまともに自爆されました・・・」
「残念だけど・・・あと一年もつかもたないかってところだろう・・・」
「・・・冗談でしょう!なんとかしてください!1年後は戦わなくちゃならないんです!」
「・・・・・残念だが・・・今の医療では・・・」

 

547 名前:ヤムチャの生きる道(新)[] 投稿日:03/05/31 16:50 ID:BhOKEHJ8
家に帰ったヤムチャは荒れた。毎日酒びたり、修行もまったくしない。
あきれたプーアルはヤムチャのもとから去っていった。彼は病気のこと
を知らない。
「・・・一人か・・・俺は一人で死んでいくのか・・・」
今まで・・・俺は・・・
<レス状況によりつづく>


633 名前:ヤムチャの生きる道(新)[sage] 投稿日:03/06/07 20:58 ID:???
余命1年との宣告をされたヤムチャ。
1年後には人造人間との決戦が控えている。2年間、必死に修行を繰り返して
いたヤムチャにとって、その宣告は厳しいものだった。
宣告をうけた翌日、ヤムチャはカプセルコーポレーションへと向かった。
誰にも知られたくない自分の余命のこと。だがブルマにだけは相談できる。
ヤムチャにとってブルマの存在は恋人同士ではなくなっても大きなものだった。
「あら、ヤムチャじゃない!どうしたのこんな時間に」
「い・・・いや・・・あ、あのな・・・」
ヤムチャは言葉につまった。なんでも話せる存在には違いないが相談する内容が
重すぎる。あの・・その・・とヤムチャは数分間繰り返した。
「だからいったいなんなのよ!イライラしてきた!あんた、昔っから結構
そういうとこあったわよね!ここってゆう時にいつもヘマして・・・
それに比べてベジ・・・・・・あっ・・・」
ブルマは口をつむいだ。ベジータとヤムチャの比較をすることは今のヤムチャ
にとって一番の厳しい言葉だったからだ。だが時すでに遅くヤムチャの心には
深い傷跡が刻まれた。押し黙るヤムチャを前にブルマは話題を変えようと必死だった。
「そ・・・そうだ!私ね、今妊娠してるのよ!あと少しで出産予定日なんだ!」
「に・・・妊娠・・・!?」
「そ・・・そうよ!私とベジータの・・・・・あっ・・・」


635 名前:ヤムチャの生きる道(新)[sage] 投稿日:03/06/07 21:10 ID:???
「そ・・・そうか・・妊娠か・・子供か・・・そそそ、それはめでたいな・」
「ヤ・・・ヤムチャ・・・」
「そうかそうか・・・きょ、今日はな、ただ最近どうかなって聞きに来ただけ
なんだ。でも幸せそうでなによりだぜ・・・」
「そ・・・そう・・・ヤムチャも修行のほううまくいってる?」
「あ・・あ・・ああ。うまくいってるよ・・・」
「じゃあ1年後はベジータを見返して・・・・あっ・・・」
「・・・・・・・・・・・きょ、きょ、今日はもう帰るよ・・・」
自分の余命の短いことと元恋人、しかも今だに未練がある女の幸せそうな現実を
同じに目の当たりにしたヤムチャ。その心の傷ははかりしれないものだった。
気がつくと吸ったこともないタバコを手に月を見ながら寝転んでいた。
「ゲホッ!グハッ!ゲホッ!!!」
当然むせる。咳と共にあふれ出てくる涙を拭きながら、ヤムチャは急に笑い出した。
「・・・く・・くっくっく・・・はっはっは・・・所詮俺はこの程度か・・・そうだ・・・
今までだっていいとこなんて一度もなかったんだ・・くっくっく・・・俺の役目は他のやつの
引き立てばかり・・・しかもあと1年の命と来た・・・くっくっく・・・笑えるぜ・・・」


636 名前:ヤムチャの生きる道(新)[sage] 投稿日:03/06/07 21:23 ID:???
翌日の昼ごろ、ヤムチャは目を覚ました。
目のまわりは真っ赤になりめやにでいっぱいだ。
だが、心の中はなぜかすっきりとしていた。朝食をたいらげると
ヤムチャは大切に保存していたブルマとの思い出のつまった写真等の
入った箱を取り出した。箱を開けることもなく、ヤムチャはそれを持ち
外に出た。
「・・・・・・あばよ・・・・・・」
ふと、そうつぶやくとヤムチャは箱を放り投げ、気功波を放ちバラバラに消滅させた。
灰になった箱をしばらく見つめながらヤムチャは部屋へと戻っていった。
ヤムチャは荷物をまとめはじめた。部屋も身の回りのものはすべて片付いている。
何もなくなった部屋の床に、プーアルに向けた手紙を置いた。

プーアル、もし戻ってきてくれて、この手紙を読んでくれてるならうれしい。
俺はもうお前に会えないかもしれない。だが、俺はお前といた何年が本当に楽しかったと思っている。
できればあの頃に戻りたい。お前と出会った頃、二人で盗賊をしていた頃。
だがもう俺は過去を振り返らない。たとえ悟空や天津飯やクリリンの引き立て役だったとしても
俺は俺のやるべきことを必死にやった。それを恥じてはいない。いやもう恥じるのはやめた。
これからは俺は俺の生きる道を見つけようと思う。そしてそれに向かって必死に生きる。
世界にたったひとつだけの、俺の人生を     

ヤムチャより親愛なるプーアルへ