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ハンター・ヤムチャ

 

 

227 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:03/07/28 17:38 ID:???
天下一武道会でゴクウとマジュニアとの戦いが終り、地球に本当の平和が訪れた。
強者達もそれぞれの道を歩みだし、のほほんとした日々を過ごしてる
そんな時代に、一人の若者が恋人と楽しく食事をしていた。

「はーいヤムチャ食事よーーー」
優しい声を出しながら恋人に食事ができた事を
伝える女の人の手にはキュウリ一本。
「おいおいブルマ、俺達はわざわざそんな事言わなくても
わかる間柄じゃないか、なんつーの俺達の間には
決して埋まらない溝があるっつ−か」

そういいながら男はどうにかして女を挑発する言葉を模索していた。
少し前、恋人の誕生日が近いと言う事を忘れて、
有り金全部、プーアルが好きなケーキに次ぎ込んでしまい、
どうしようかと悩んだ挙句、台所にあったキュウリをプレゼント。
自分の気持ちが相手に伝わりすぎると言う事は良くある事だ。

そんな熾烈なバトルが繰り広げられている頃
カプセルコーポレーションの庭で、
ブリーフ博士がシェンロンを呼び出していた。
「わたしを地球の王にしてくれ」
そして、ブリーフは地球の王になった。

続くかも

 

236 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/07/28 22:45 ID:???
第二話「パッチンガム」

ブリーフが王となり地球がめまぐるしく動き出そうしている時代
これからの時代の主人公となる若者は恋人とデートをしていた。

「ねえヤムチャ喉かわいたからお茶にしない」
「ああ俺もそう思ってたところだ、そこの喫茶店に寄ろうぜ」
店の名前は「ぱいなつぷる」子供の頃を何故だか思い出してしまう店名
なんで思い出してしまうんだろうとヤムチャが物思いにふけながら店に入っていった。
店に入るといかにもまじめそうな店員が出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ、ここは小粋なジャズ喫茶ボットン便所の良い所」
思い出した、確か階段の遊びでグーで勝つとグリコ、チョキで勝つとチヨコレイト、
パーで勝つとぱいなつぷるって言いながら文字の数だけ階段を上る遊びがあったんだ。
「じゃあブルマ大事な事は思い出したしこれから遊園地行こうぜ」
「いいわね、私丁度行きたい遊園地があったのよ」
そういいながら出ていく二人の背中をみながら店員が呟く

「ガムパッチン」

 

237 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/07/28 22:46 ID:???
店員がそう言った途端ヤムチャの頭に何かが貼りついた
次ぎの瞬間バチンと言う大きな音と共に
ヤムチャは店の外まで吹きとび、向いの道路に駐車していた車に激しく衝突。
ヤムチャは不意打ちをくらい思ったよりもダメージを食らってしまった。

「なんなんだ」
何が起こったんだ、混乱している頭を必死で抑えて
ヤムチャはとりあえず状況を整理してみた。
俺はあのボットンの店にいた、だが俺はいきなり吹っ飛んだ
しかも後頭部がズキズキする
と言う事は、誰かが俺の頭に強い衝撃を与えただから吹っ飛んだ
だがしかし、近くにいたのはブルマとボットンだけ
だが、ブルマは横にいたから、
後頭部にダメージがあるのはおかしいと言う事は

「そうか、お前だったのかテンシンハン
しかし、お前まさかブルマに変身してるとは
あれだろ?あの肩から腕が生えてくる奴で後ろから俺を攻撃したんだろ
久しぶりだな元気に朽ち果ててたか」
めいっぱい混乱しているヤムチャを尻目にブルマと店員は戦闘態勢になっていた。

「貴様何物だ、さっきの攻撃ただものではないな」
ブルマの鋭い眼光と言葉が店員を貫く。
「ふん、天下一武道会出場者と言ってもこれくらいか
それでそこの女、貴様こそ何物だまあいい、俺の名前はベジータだ」
店員A改めベジータは強い眼光をブルマに向けていた。

続く「次回はぶりーふの野望」

 

274 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/07/29 23:00 ID:???
3日後、神様の神殿。
なんとかあの場から逃げられたたブルマとヤムチャ
その数日後、クリリンから神様が話しがあるというので
2人とも神様の神殿に来ていた。
そこには他のZ戦士達もいたのだが、皆包帯が巻かれていたり
ギブスしていたり散々な状態であった。

「今日皆に集まってもらったのは、他でもない君達のもとに謎の戦士達が現れたはずだ」
そこでテンシンハンが間髪いれずに神様に言った
「神様、その謎の戦士の攻撃でつい先日まで
生死の境をさ迷っていた俺をむりやりベッドから連れ出して
木に持たれかけさせるなんて、俺に恨みがあるんですね神様」
そう言えば、テンシンハンだけ息遣いと顔色がどう考えてもおかしい
それに気付いた神様はすまなかったと言いながら床に寝させた。
(点滴と生命維持装置はどうした)
だが、テンシンハンにはそれらを言葉にするだけの力がもう無くなっていた。

その後、神様が言うには、今回の襲撃事件の犯人はサイヤ人という異星人だと言う事が明かされた。
「奴らめオラのご飯ちゃんに蹴り入れやがったんだ、
ラディッツとか言う奴は俺に任せてくれないか」
「俺も手を貸すぞ孫、俺もそいつに借りがある」
今にも飛び出しそうな二人を制しながら神様が信じられない言葉を言う
「まあ待て二人とも、今回サイヤ人達は遊んでただけだ、
もし奴等が本気を出せば確実に死ぬぞ、命があっただけでも幸運だと思え」

驚愕のZ戦士達、そして命がなくなりかけるテンシンハンに力が芽生え始めていた。

 

275 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/07/29 23:01 ID:???
我が名はブリーフ、超頭脳そして自他ともに認める良き科学者だ。
わしは長年の研究から一つの結論に至った
それは、この地球は異星人に狙われている
わしはシェンロンに頼んで奴等を倒してくれるよう願った。
だが、奴等の力は神さえも超えていたシェンロン曰く
神の力を超える願いは聞くことが出来ないらしい。
絶望に立たされたわしは一つの事を閃いた、神が駄目なら人がする。
そうして私はシェンロに頼み込み王となった。
これだけの地位と権力そして金さえあれば
この天才科学者ドクターブリーフに出来ない事は無い。
奴等を倒す超兵器の数々を作る計画も立てた、みておれよ異星人。

「つまり地球は狙われている」
ブリーフが側近達に見せた資料などはブリーフが正しいと解らせるには十分過ぎる物だった。
「解りましたブリーフ王、しかしその異星人とやらに対抗するにはどうすれば」
「これをみてくれ、わしが開発しようとしてる兵器の数々だ
そしてそれを実行に移すためのプランもできておる」
側近達は皆驚いた、その兵器にそしてそれを実行に移すプランについても。
たまらず側近はブリーフに一つ問いただしてみた。
「ブリーフ王確かに兵器は凄いんですが、これを実行に移すと
国民一人あたりの一ヶ月の食料が五円チョコ一つとはどう言う事ですかな?」
「辛い決断だがしょうがない、地球が滅亡しては元も子もないだろう」
「ですが、この資料だとサイヤ人達が本格的に行動するのは約1年後とあるのですが
その間国民一人あたりの食料の総数は五円チョコ12個ですか?」
「わしはこういう伝説を知っている、ある男がポケットの中にビスケットを入れた
そしたらそれが2個になったそしてもう一回入れると4個となったそしてもう一回入れると」

側近とブリーフとの死闘が始まった。
両者の戦いは三日三晩続き、キングキャッスルでは爆発音や謎の生物兵器が多数確認された
そして側近達の説得により最初のプランは破棄して新しいプランが作られることと成った。

次回「Z戦士」


 326 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/07/31 01:34 ID:???
ここは神様の神殿。一通り状況を説明し終わった神様はこれからの事について
ヤムチャ達と今後のことについて話しをしていた。

「このまま戦ったとしても勝ち目は薄い。
だが私の元で修業したとしても、せいぜい奴等と少しまともに戦えるくらいで終わりだろう」
辺りには絶望的な雰囲気が漂っていた
あのゴクウやピッコロでさえその表情から精気が失われている程だ。
「心配するな私とて腐っても神だ、ちゃんと方法は考えてある」
テンシンハンの周りに怪しげな魔法陣を書きながら神様はにこやかに笑う。
「ミスターポポ、あの呪文書をもってきてくれ」「はい神様」
不思議に思ったヤムチャは神様に聞いてみた
「神様何をしているんですか?」
「召還の儀式だ」
テンシンハンの体がぴくりと動いた、戦士の本能が危機を感じ取った。

「神様じゃあ天さんを生贄にするの?」
「大丈夫チャオズくん、ちょっと媒体に成ってもらうだけじゃよ
副作用として胸毛とスネ毛が濃くなって髪型が永遠にモヒカンになるけど
毛も増えてテンシンハンも喜ぶはずだよ」
チャオズがほっと胸をなで下ろした、丁度その時ポポが呪文書を持ってきた。
「よしじゃあ早速始めるかな、3.141592653589793238462643383279502884197169399・・」
しかし、神様が呪文を唱え終わる前に魔法陣が光だした。
「バ・・バカなまだ呪文は終わってないぞまだ1ページ目じゃぞ」
かなり分厚い本を持ちながら神様は叫び、そしてテンシンハンが消え去った。

327 名前:ハンター・ヤムチャ[] 投稿日:03/07/31 01:35 ID:YfrVxER5
実はテンシンハンぴくりと体が動いた時に、最後の力で魔法陣の一部を消していた。
そしてテンシンハンが移動した先は・・・
「おーい誰か来てくれ」「どうしました最長老様。。
その手に抱えている人間は一体?どう見てもナメック星人ではないようですが」
「急に現れおった、すぐに手当てをする、どうやら大天使の息吹の力が出かかっているから
もうしばらくなら持つ、だが早く準備をしなければ手遅れになる」
「大天使の息吹ですと、それは何としても助けなければ、ではすぐに準備をします」
その後、ナメック星人のおかげで命が助かった。
テンシンハンはしばらくの間は、神め分裂したな
次ぎは何を召還するリブァイアサンかバハムートか等とわめいて情緒不安定であったが
時がたつにつれて落ち着いていった。

「サイヤ人の仕業だ、こんな事ができるのはサイヤ人しかいない」
ヤムチャが怒りに震えながら呟いた
クリリンがチャオズを必死で慰めている。
「大丈夫あいつならきっと大丈夫、だから泣くなよチャオズ」
そう言うクリリンの目にも涙が溜まっていた。
「神様、オラ強くなりてえ奴等を倒せる位に強く」
今日の会議はここで解散した
そしてその後、ゴクウは界王様の元へ行き
クリリンとチャオズは神様の元で修業、ピッコロはゴクウの息子のゴハンを鍛えていた。

そしてヤムチャとブルマはブリーフの元で修行をしていた。

次回「ブルマとベジータ」

354 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/01 13:01 ID:???
ここはブリーフ王の隠れ研究所。
いろいろごっつい機械があるけどヤムチャはもう慣れていた。
そしてヤムチャがブリーフに呼ばれて研究所につくと
ブルマとブリーフ博士が大砲らしき物をいじっていた。

「それはなんですか?なにやら大砲に見えますが」
「うむ、これはわしとブルマが開発した、思いは天に届かず破壊の化身君じゃ」
「そこまで言えば解ります、つまり昔に嫌な暴走事故があったんですね」
しかし、そこでブルマから意外な言葉が出てきた。
「ちょっとヤムチャそれは違うわよ、これは今日初めて使うんだから」
「え、じゃあ何でこんな縁起の悪い名前にしたんだ」
「この本によると文字数が良いのよ、ほらここよ」
見てみると最高だの、運命の出会いがあるだの書かれてる。
「もういいよ、それでこれの試運転ですか?」
「うむ、ブルマの恋人である君にもこの大砲の勇姿を是非見せたくてな
さあ、準備は出来ている早速試し撃ちじゃ」
うきうきしながら外に出て、近くの砂漠まで移動したブリーフとその一行

「さて、じゃゃあ撃つぞーーーーーー届けブラックホールの中心までーーー」
ブリーフの叫びがこだました頃、空中ではベジータがのんきに歌いながら散歩していた。
「ンーフフフー俺はサイヤの王子ベジータ、ちょっと背が低いけど空を飛べば180メートルだ」
そんなベジータの股間に破壊の化身君が直撃。
ベジータは心の中で叫んだ(な・・何て酷い事しやがる・・今のは今のは・・・)
「今のはちょっと痛かったぞー−−−−−」
ベジータの気が地球を震わせた。そして・・・
「あれはあの時の女、貴様かああああ」ブルマvsベジータ第2ラウンド開始

355 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/01 13:10 ID:???
ブルマがすかさず気を開放する。
「ヤムチャ、父さんのこと頼んだぞ」
そう言ってベジータのところに向うブルマの服からさっきの本が落ちた。
占いばばの恋する恋愛占い
「恋愛占いだったのか」
確かに破壊の化身君はイカシタ出会いをしたな
そう思いながら、ヤムチャが怒りに任せてかめはめはを本にぶっ放した。

ブルマの拳がベジータの眉間を捉えた
流石のベジータも何十メートルも吹っ飛ばされ砂にうずもれた。
(クソっこの前まではせいぜいナッパクラスだったのにこの女、数段強くなってやがる)
ベジータが意識和右手に集中させる、そしてフンっと言う声と共に気弾がブルマに向っていった
「食らうかばかめ」総いいながら気弾を避けるブルマ、とどめとばかりにベジータの
眉間にもう一撃食らわす。だがベジータの気がブルマの腹にくっついていた。
良く見ると気は、縦に伸びていてベジータの手にも張りついている。
そして次ぎの瞬間、ベジータの手にくっ付いている方だけが離れ
ブルマの腹めがけて、高速で向っていた。
「次ぎは手加減しないぞ女」そう言ったと同時に、今度はブルマが吹っ飛んだ。
そして、ここぞとばかりにフルマに追い討ちをかけようとしていたベジータは
横から飛んできた操気弾をもろに食らう。

「破壊の化身君はどうだねヤムチャ君」「なかなか良いですよ」
実は操気弾を破壊の化身君でうっていたヤムチャ
「ちっ仲間がいたのか、今の攻撃力からして5000クラスの奴か、命広いしたな女」
そういいながら去っていくベジータもちろんヤムチャ達が追撃する余裕など無かった。

次回「ピッコロと御飯」


 

387 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/02 19:44 ID:???
「予定変更、ヤムチャ強化系修行始まり」

再び神様の神殿。
あの後ブルマはベジータと決着をつけに行くと言いそのまま行方不明。
暇を持て余したヤムチャは一人で修行するのもなんだから
神様の所でクリリン・チャオズと一緒に修行していた。

「お前等に技を教えてやろうこれは界王拳と言う技だ」
そう言うと神様の周りに赤いオーラが立ち上った。
「これは体の気を一時的に増幅して何倍もの戦闘力を得られると言う技だ。
界王という偉い人が使う技でかなり難しいが、是非とも物にしてくれ。
では3人ともこれから界王拳の修行を始めるぞ」

開始一時間で全員が界王拳マスター
神様は3人の才能にスネて部屋の奥に引きこもってしまった。
「チャオズって肌白いなあ、食べちゃいたいくらいだ」
あっちはあっちで妙な盛りあがりを見せている頃
ヤムチャは神様もいないのに、意外にも真面目に一人で修行していた
しかも、新作の技を編み出していたのだ、そしてその技を試しに使ってみた。
「海よ大地よ命よ俺に元気をくれ」そう唱えるとヤムチャに異常な量の気が集まってきた。
しかし、クリリンとチャオズが倒れている、それだけでなく周りの草木も枯れ始め
空と雲が毒々しい色になり、庭園から下を覗いてみると凄いスピードで
カリン塔を中心に円形状に動植物達が死滅していく。
部屋の中から神様が出てきて、元気集め過ぎと言いながら倒れ込んでしまった。
ヤムチャは自分の手に世界の命運が握られていると解り
顔に恍惚が浮かびあがっていた。

次回「強化系修行2」

620 名前:ハンター・ヤムチャ[] 投稿日:03/08/07 21:27 ID:K2AMtMxe
>>前回387

恍惚の表情をヤムチャが浮かべた次ぎの瞬間、
ヤムチャはゆっくりと後ろに倒れて行った
と同時にヤムチャに集まっていた元気達も元の持ち主の元へ帰っていく。
20分程ばかり経ち、ヤムチャに吸い取られていた元気がほとんど戻ってきて
ようやく意識がはっきりしてきたクリリン達。

「まだ意識がぼんやりしている、ヤムチャさん何て技を使ったんだ
無差別に周りを巻き込むなんてどうかしてるよ全く。
だがそれでこそ俺の兄貴分だ、今日からは砂漠の核爆弾と呼びますぜヤムチャさん」
ヤムチャの心意気に心底うたれたクリリンであったが
当のヤムチャは、ハアハア言いながら汗だくになって倒れていた。
その様子に気付いたクリリンは急いでヤムチャの元に走っていった。
「これは酷すぎる、ヤムチャさんはもう駄目だ
ハアハア言いながら汗だくになってるなんてまるで変態だ」
「駄目の意味が微妙に違うぞクリリン」
後ろから、ぬらっと神様が現れてクリリンに突っ込みを入れる。
こちらもヤムチャの技のせいでハアハア言っている
おまけに額には怒りのマークの血管印が浮き上がっていた。
「ヤムチャよ、技は凄かったが体が技についてこれなかったようじゃの」

「ま・・まあ神様そんなに怒った顔しなくても良いじゃないですか
技は凄いんですしサイヤ人戦で切り札になると思いますよ、
技の反動で次ぎこそヤムチャさんが死ぬと思いますが」
最後の行だけ丁寧にゆっくりと神様に諭す様に言ったクリリン
それを聞いて神様も考えるところがあったみたいだ。
「私に任せろクリリン、策がある」

つづく

654 名前:ハンターヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/09 00:35 ID:???
>>前回620

ヤムチャが倒れて約3時間、ようやくヤムチャの意識はもどった。
「くそ、失敗したのか」
目が覚めてのヤムチャの第一声。
まず、迷惑かけてすみませんと言うのが人の道理だと思わんかこのガキ
神様はそんな事を思いながら、にこにこ顔でその様子を見ていた。

ようやくヤムチャが落ち着き始めた頃、神様がヤムチャに話しかけてきた
「そんなに悲観するな、結果的に言うと成功じゃヤムチャ君。
君が技を終えた後、20分ほど体の力が全く入らなかったこれは切り札になるぞ」
しかしヤムチャの顔は暗い、それはある事に気づいていたから
「神様、この技は術者である俺の体が持ちません
次ぎにやったら命の保証はありませんよ、この技は封印するつもりです」

655 名前:ハンターヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/09 00:35 ID:???
「ヤムチャ君、良いじゃないか一生に一度くらい命かけたって
それが地球のためなら正義のギャンブラーだ」
「ですが幾らなんでも危なすぎます、俺はこの技を封印しますよ」
「ヤムチャ君、ギャンブラーの基本は強気だそんな事では行かんぞ」
いつのまにか現れたミスターポポが横から神様に本を見せている。
ちなみに本の題名は、占いババ厳選1%に全てをかけるギャンブラー列伝。
1%と言う文字とマニュアル本でさえない事にすべてを理解したヤムチャ。

「つまり俺に死ねと言いますか神様」
「それは違うよヤムチャ君、頼むから命賭けてくださいって言ってるんだ」
遠くからその様子を見ていたクリリンは、神様の策が説得だと理解した
「つうかそれは説得じゃなくて挑発だろ」
クリリンは力いっぱい叫んだ、しかしクリリンの声は届かない。
「神様、俺の答えはただ一つです、言葉は無粋、拳で語れ」
ヤムチャが界王拳の構えをしながら神様にそう言い放った。
「小僧、面白いな人間の分際で神に立ち向かおうとは馬鹿にも程があるぞ、
足元だけではなくそのおつむもお留守みたいだな」

ヤムチャの修行はまだ続く

698 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/10 02:17 ID:???
向かい合うヤムチャと神様、両者の気迫は周りの空気が震えている程だ。
「神様あんた強いよ、ガチでやれば俺は負けるだろうな
だけど俺にも切り札ってものがあるんだぜ」
そういってヤムチャが右腕を突き出した
その腕には時計ほどの大きさの物がついている。
そして右腕につけている時計のような物に向って叫んだ。
「ブリーフ、バトル手袋発射だぜ」
バトル手袋それは装着した物の腕力を極限まで高める兵器、ブリーフ最高傑作である。

ヤムチャの声を通信で確認したブリーフはすぐに準備にかかっていた。
「ついに来たかヤムチャくん、こうしちゃおれん
お前達、今すぐにバトル手袋を発射するぞ」
ブリーフが側近達にそう叫ぶと周りがあわただしく動き始めだす
「現在位置は神の神殿、距離と角度計算終了。
衛星からの映像でます発射準備OK、いつでも発射できます」
その声を聞いたブリーフが発射スイッチを押すと、かろやかにバトル手袋が発射された。
「角度良し、飛行速度も十分です後10分ほどで目的地に着きます」

(ヤムチャくんやはりあの時、君にこの兵器を見せておいて正解だったよ
君にこの手袋の説明をしたら、喜んでくれたね
あの後この手袋を改造してしまった事を黙っていたのは謝るよ、
そのお詫びにバトルヘッドをつけておいたよ)
バトルヘッド、特徴としてはかぶったら壊れるまで二度と外れないモヒカン型のヅラ。
ちなみに7回ほど改造されたバトル手袋は、ヅラと連動して動き出す仕組みに変わっていた
故に、手袋と同じでヅラは自動的にヤムチャに装着する様に作られている。
バトル手袋及びバトルヘッド、正式名称はモヒカンカーニバル。

その頃、飛行速度が速すぎてバトル手袋は摩擦熱で燃え尽きていた。

つづく

778 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/13 17:01 ID:???
バトル手袋消滅の報を聞き側近達は混乱の只中にあった
しかし、ブリーフは冷静であったのだ何故なら

「わしに失敗は無いこれも予測範囲だ」
ブリーフの言葉を聞き目を丸くする側近達
そうだったこの男は普通じゃない、これくらい予測していても当然だ。
途端に目に希望の色が走る側近達。
「何と言っても費用からして違う、バトル手袋はバトルヘッドの
約10分の1の費用だからな、こうなるのは当たり前だったよ」
「それでブリーフ王、どんな策があるんですか?」
「そんなものは無いよ、予測はしていたと言うだけだ」

その頃、ヤムチャと神様の戦いはと言うと。
「界王拳2倍だ」ヤムチャがそう言うと神様は「界王拳10倍で行こっかな」
神様の戦闘力が5000まで一気にあがり、ヤムチャを軽くデコピンであしらった
先ほどからこんな調子である。

779 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/13 17:01 ID:???
ヤムチャは自分がした事を今更ながら後悔した
相手は自分とは次元が違いすぎる馬鹿な事をしてしまった。
「ヤムチャくん、そろそろあの禁断技しか無いんじゃないかな?他に勝つ方法は無いよ」
頭にある触角をチョウチョ結びにしながら神様は更に言い放つ
「次ぎはあんな技は効かないけどね−けどねーけどねーけどおねー」

思う存分ヤムチャを挑発して満足気な神様。
そのとき横で見ていたクリリンが戦いに飛び出してきた
だが頭がモヒカンになっているし、どうみても顔に生気が無い。
実はバトルヘッドの進行上に丁度クリリンの頭があった為そのまま高速で合体
バトルクリリンとなってしまった。
本体のクリリンも衝突のショックで意識を失いコントロール不可能なまま
クリリンを乗せて、当初の予定通りヤムチャに向ってくるバトルヘッド。

つづく

873 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/15 02:15 ID:???
バトルクリリンの突進を紙一重でかわしたヤムチャ
そのままクリリンは空に上った後ヤムチャの頭上をクルクル回ってる。
ヤムチャは、状況を理解出来なかったが、戦っている場合でない事は理解した。

「神様、ちょっと待った、戦っている場合じゃないクリリンが」
神様も異常事態に気付いて、ヤムチャの意見に同意した。
「解ったヤムチャ君、それであのモヒカンはなんなんだ」
少しばかりヤムチャが考えた結果、
クリリンの頭についるものはバトル手袋以外にあるのかと自問自答してみた。
「きっとあれは先ほど俺が呼んだバトル手袋です、
俺の知っているものとは違いますが、ブリーフ王の事ですから新型なのでしょう」
ヤムチャは後悔していた、自分の信頼していた相手はあのブリーフだったのだと。

「それは違うぞヤムチャ君、これは手袋ではないヘッドだ」
見ればクリリンが空中にで静止している、しかもブリーフの声まで聞こえてくる。
「ここだよヤムチャ君、このバトルヘッドには、
通話機能と、衛星を通じて映像が送れる機能があるのだ」
「それはバトルヘッドと言うのですか?いつの間に手袋からヘッドに変わったんだジジイ」
「実は最初に手袋を発射したんだが、途中で燃えて消滅してしまったんだ
だから仕方なく試作品であるバトルヘッドを発射したのじゃよ」

そうなのか、しかし何かがおかしい何だこの心の中にあるもやもやは。
「そんな事よりヤムチャくん早く神様を倒さないといけないんじゃないのか」
確かに俺の元々の敵は神様だった、不審な点はあるけどこのさい気にしないでおこう。
しかしその時一人の男がヤムチャとブリーフの間に入った。

「待てい!!」神様の登場。御供のミスターポポも傍らで不思議な杖を持ちながら登場。
「ペペが持っているこの杖は、嘘吐きに雷を落すことができる秘伝の杖
ブリーフとやら、この杖の前で、先ほどと同じ事を言ってみよ」
神様、ポポですよポポ。ポポが横から言おうとするが場の雰囲気のせいで口に出来ない。

つづく。

917 名前:ハンター・ヤムチャ:03/08/16 01:59 ID:???

「覚悟は良いなブリーフ」
王様、人間の頂点に君臨している男。
しかしそれを超える者がいる、その名も神。

例え人の頂点に君臨したとしても、世界の頂点である神には適わない
これは生物として、どんな人間にも備わっている暗示である。
そしてこれに反論する人間はほとんどいないだろう
何故なら、幾ら口で否定の言葉を絞り出したとしても、
言葉を出している、自分自身さえも本当は信じられない、
説得力の無い空虚な物になってしまうからだ。
言葉とはすべからく、自分がどれだけ信じられるかにかかってしまうのだ。

「神よ、このブリーフに挑むと言うのか?」
しかし、このブリーフと言う男は違う。
シェンロンに神の力を超えている問題だと言われたあの時から。
王となり、神をも超える相手と戦うと決めたあの日からブリーフの心には
自分以外の全ての者に対して尊敬と畏怖の念は捨ててきた。
例えそれが神であったとしても例外ではない。

鋭い目つきでクリリンに装着されている機械を睨む神、
機械を通して神の眼光に負けまいと、顔を険しくさせる王。
端から見れば、緑色の触角が生えた人間と全身が脱力しながら
空中に浮いているモヒカン男が見つめあっているのだから
何度ヤムチャは不気味過ぎてその場から離れようと思ったか数え切れない。

「そろそろクリリン君を離してくれないか」
神がポポから杖を貰いながら、ブリーフに優しく話しかける。
「これは1度装着されたら壊れない限り二度と外れない仕組みになっておる」
ブリーフもモニター越しに何か怪しげなボタンを押している。

918 名前:ハンター・ヤムチャ :03/08/16 01:59 ID:???

(そんな物を俺に装着させようとしてたのかブリーフ博士)
この時点でヤムチャはブリーフが味方でないことに気付いたが
ここまできたら、戦いを止めるのは不可能だと解っていたため、突っ込むのを止めた。

ブリーフがボタンを押した少し後、
バトルヘッドのモヒカン数本が動き出し、クリリンの耳に進入していった
そして数秒ほどの時間の後に、体が痙攣をはじめる。
その後、痙攣が収まるとブリーフの声が聞こえてきた。
「クリリン君の体は乗っ取った、準備は仕上がったぞ神よ、さあ戦おうか」
痙攣も収まり、空中から地面に降り立つバトルクリリン、
まだ慣れていないのか、足と手が少し震えている。
「こちらも準備が終わったぞブリーフよ」
神様がポポから手渡された杖を眼前に構え、バトルクリリンを睨みつけている。

両者の気が激突する、恐ろしい事にバトルヘッドは
乗っ取った人間の気さえも使えるようになってしまう。
ヤムチャは身代わりとなったクリリンに心から感謝の気持ちが涌き出ていた。

「ではまず聞きたい事があるブリーフよ、言っておくがもし嘘を言えばこの杖から
雷がほとばしり、貴様の体を丸焼けにするぞ、嘘は言わない様にしといた方が良い」
「それは質問によりますな、答えられる物ならば答えますけど」
「別に無理に答えなくても良いぞ、丸焦げになるだけだからな」
つまりクリリンが丸焦げになると気付いたヤムチャは
カリン塔まで一っ走り行って仙豆を貰ってくる様にチャオズに頼んだ。

つづく

25 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/17 07:31 ID:???
>>917
神が大量の質問をブリーフにくりだしている
それらは全て下界を見渡せる神の力で収集してきた情報達であり
無論ブリーフの秘密の数々の事でもある。
だが、何故か質問をしている神の方が青ざめていたのだった。

「ありえない、なぜ私の質問に少しの動揺もなく答えるのだ」
その素直過ぎる態度に神の方が動揺を見せていた。
「何を理由の解らない事を言っているのだ、
お前がわしを動揺させるほどの質問をしていないだけではないか
娘に欲上したか、ヤムチャ君を実験台にしたのかなど
わしにとってはどうでも良い事だ」
ここぞとばかりにブリーフの口撃はまだまだ続く。

「神というからどの位かと思っていたがこの程度だったとはな。
良いか、わしは人の頂点にいる男じゃ、恥や外聞、それと罪悪感は
とっくの昔に捨てておる、その程度の事も見抜けぬとは、この程度か地球の神」
ぐうの音も出ない神様、だがその心に悔しさなど無い、
ブリーフと言う男を見なおした、ただその思いだけであった。
(これが、自由の心をもった男と言う物なのか)
「ヤムチャ君、わしは間違っていたよこんな男に敵意を持つなんて」
神様がヤムチャの居た所を見ると、ラブリー仙豆と書かれた立て札の下に仙豆一つ。


26 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/17 07:31 ID:???
あっちはもう馬鹿二人で勝手に戦ってれば良いや。
馬鹿二人を置いて、ポポとチャオズと一緒に海にきたヤムチャ。
後の事は全部バルサロッサ君
(製作時間3秒、材料は木とツナ缶で出来ている全自動仙豆置き機)
に頼んできたし、さーて遊ぶぞー

神の神殿のことは全部忘れて実に楽しそうな三人。
ヤムチャの付けている水着は男の象徴、超もっこりビキニ
露出度では海岸一のキワドサを持ったロンリーウルフ荒野のビキニ
だが、ポポのフンドシの前にあえなく撃沈。
しかし、その勝ち誇ったポポの前には全裸のおっさん
ポポあえなく撃沈。
おっさんも警察に連れてかれ、あえなく撃沈。
勝負は来年に持ち越しと言う結果となった。

海でひとしきり遊んだ後、ヤムチャ達は帰り支度を進めていた。
帰り支度も終え、そろそろ馬鹿二人の決着ついたかなと思ったその時、
ヤムチャはベジータとか言うサイヤ人とキスをしているブルマを目撃してしまった。

夕日をバックに、激しくキスしている二人を見てヤムチャ放心。
顔を涙で覆いながら、突撃の態勢に入ったヤムチャに、これで顔を隠してこいと
チャオズがタコの被り物を手渡した、そしてヤムチャに向ってアドバイスを始めた。
「これを被ってタコ入道に変身するんだ、これからどんな事があっても
ヤムチャが罪悪感を感じる必要はない、何故なら全て伝説のタコ入道がしでかした事なのだ
嫉妬に狂うのはヤムチャじゃない伝説の怪物タコ入道だ」

27 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/17 07:31 ID:???
チャオズの心配りに、再度大量の涙が流れだしたヤムチャ、そしてタコ入道に変身。
上半身はタコの被り物、下半身はスネ毛と筋肉で構成されている
どう見ても中に人がいると解るが、ここにいる怪物は伝説のタコ入道だ。

被り物から涙を溢れ出させながら、突進するタコ入道
それに気付き変質者から恋人を守るために立ちふさがるブルマ。
元恋人の拳一撃で、顔についている被り物の足を揺らせながら吹き飛ぶタコ入道。
後には、ラブラブのカップル一組と、負けタコ一匹。

「と言う事が少し前にあったんです神様」
ポポからの報告を受けて、ヤムチャを心配そうに見つめる神様とブリーフ。
ちなみにクリリンは、後で自爆装置を作動させると言う事で決着がついた。
「俺は盗賊に戻ります、そして砂漠の狼になって
狼だから体中に体毛があるんだけど
その体毛が伸びて繭になるんですよそしてその繭から」
これはやばいと思ってかブリーフがヤムチャにアドバイス開始。

「ヤムチャ君、ではそのベジータよりも強くなったらどうだい」
「俺を葬り去ったのはブルマです」
「ならばブルマより強くなれ、男の筋肉が女の筋肉に負けてどうする」
「俺にあるのは甘いマスクとクールな瞳だけです」
そう言い放ち、その場から逃げるヤムチャ
追いかけようとするブリーフを神様の手が止めた。
「信じてみようじゃないかヤムチャ君を、彼はきっと戦うよ
もし戦わなかったとしてもそのバトルヘッドで、な」
神様の言おうとしている事を理解して、ブリーフもぎりぎりまでヤムチャを待つことにした。

だが、プーアルと二人きりの生活も悪くないとにやけているヤムチャが数日後に存在していた。

一幕終り

268 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/19 21:56 ID:???
前回>>25

地球はサイヤ人に狙われている。
だが、彼等は圧倒的な戦闘力で地球にいるZ戦士たちを叩きのめした後
ほとんど動きを見せていない。
一体なぜか?実は彼等にも彼等なりの事情があった。

1年前、ここはサイヤ人の母星、惑星ベジータ。
彼等サイヤ人は地球攻略の為、ずっと前に集めた地球の情報を整理していた。
そして働き者のサイヤ人Aさんがそれらをディスクにまとめ、
地球攻略部隊の隊長、ベジータ王子に渡していた
「ベジータ王子、これには複雑なパスワードがかかっています
そしてこれがパスワードの答えです、絶対に無くさない様に」
そして出発当日、ベジータ王子を乗せた巨大宇宙船サイヤのフルーツ号が飛び立った

出発から3ヶ月後、サイヤのフルーツ号の中でベジータはディスクを手にしていた。
「そろそろ地球の情報も見なければ行かんな」
そういってディスクを機械に挿入する、そして左手にはパスワードの答えらしき物。
数秒後、画面にパスワードが表示される、ざっと15億ピースはあるジグゾーパズル
パスワードらしき物の答えには絵がひとつ、これが完成図と言うわけだ。
当たり前だが機械操作をして一つ一つ組みたてるのだ、Aさんはちょっと頑張り過ぎた。
ちなみに画面は縦に約30cm横に40cm、これに15億ある。
ベジータはサイヤ人の王子の底力見せちゃうぞと三日ほど頑張っていたが四日目で倒れた。

その後、母星に連絡をいれようとしたが通信機が故障しているか
母星で何かあったかで通信が届かない。
仕方なくベジータ達は現地についたら独自に調査を進めることにした。

つづく

311 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/21 06:49 ID:???
ベジータ達が地球調査を始めて数ヶ月
サイヤ人たちは地球の半分近くの調査が終り、
単純計算すると、ブリーフが主張したサイヤ人達の侵略活動時期より、
かなり早く本格的に侵略を始める事となる、そうなれば地球側の準備が整わない内に
サイヤ人たちが侵略行為を本格的に始める事となってしまう。

しかし、調査開始の頃に見つけたペンギン村なる場所で
ベジータ親衛隊が小さい女の子に襲われ負傷。
ベジータは小さい羽の着いた子供に電撃を食らわされ
危うく感電死させられそうになったが、辛くも逃げてきた。
なにせ相手は素手で地球を割っていたのである。
しかもそのすぐ後に地球が元通りになってしまった事も付け加えると
ベジータ達の心に、例え様の無い恐怖が芽生えたのは言うまでも無い。

こうした事情により、地球と言う場所が侮れない事を思い知らされ
ベジータは数名のサイヤ人を母星に帰らせ援軍を派遣してもらう事を決断。
通信機を直せば良いと主張する者もいたが、
原因不明で数ヶ月たっても直せないところを見ると
母星に戻った方が、良いと言う事となった。
仮に調査が終わっても、母星からの援軍が無ければ
サイヤ人達は侵略してこないのである。

そして残ったサイヤ人達は地球の調査を続ける事となる。
だが、ベジータただ一人、ブルマと呼ばれる女性に狙われ
幾度と無く死闘を演じていた。

312 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/21 06:50 ID:???
ベジータとブルマの間で死闘が繰り広げられた結果
二人の間には愛情が芽生えていた。
まあ、男と女が拳を交えたら愛情くらい芽生えてしまう
柔道の寝技なんて、男と男の間に愛情が芽生えるくらいだ。
こんな事もあり、見事寝取られた?我等がヤムチャ。

そしてここは砂漠にあるヤムチャハウス。
こちらはヤムチャがプーアルに寝技を仕掛け、
人間と動物の間に愛を芽生えさせようとしている所
「ヤムチャ様しっかりして下さい」
そう言うと、プーアルが剣に変身してさくっとヤムチャを切り倒す。
「プーアルすまない、ブルマの事で気が動転してるとはいえ俺は何て事を」
「解ってくれれば良いんですよヤムチャ様
これで今日4回目です、いつになったらわかってくれるんですか?」
こっちはこっちで死闘を演じてると、ふいにヤムチャハウスに電話が鳴り響いた。

「はいもしもしヤムチャです」「ヤムチャ君か、わしじゃよ神様じゃよ」
「どうしたんですか急に?」
「大変な事が起きてな、それで尋ねたいんじゃが今日は秋刀魚を食べたか?」
「はいサンマ食べましたよそれがどうしたんですか?」
「実はポポの奴が今朝、秋刀魚を食べたすぐ後にバニラアイスを食べたんじゃよ
良いかね食べ物は、胃で消化されるまで時間が掛かる
だから、ポポの胃の中では秋刀魚とバニラがグッチョングッチョンに・・」
そこまで聞くとヤムチャは電話を切った。

「今の電話はなんだったんですかヤムチャ様」
「いたずら電話だったよ、そろそろ昼だし今日の狩りに行って来るよ」
しかしこの狩りでヤムチャは運命的な出会いをしてしまう。

つづく

405 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/22 17:46 ID:???
前回>>311

ヤムチャがひとしきり狩りを終え、でかい猪を背負っていると
前方に若い女性が倒れているのが見えた
すぐに駆け寄り、その姿を見て一目惚れ。
年の頃なら16歳、髪は白色のショートカットの女の子であった。
すぐに人工呼吸開始、人間にとって一番必要な物は愛であるから
口から愛を送り込んでいるのだ。

天に愛が通じたのか奇跡的に目を覚ます女の子。
「大丈夫ですかお嬢さん」
ヤムチャは白い歯を見せながら
瞳に狼を宿している、砂漠の狼の狩りの本番である。
「おお、ヤムチャ久しぶりだな」
「えっあの俺のこと知ってるんですかどこでお会いいたしました?」
「わしじゃよ占いばばじゃよ」
女の子が手を振るとポンっと変身が解けていつものババに戻った。
その姿を確認して、砂漠の狼は涅槃の境地に突入、魂が地獄まで飛んでいった。

ここはヤムチャハウス、占いババとプーアルが楽しく話をしている。
「久しぶりじゃのうプーアル元気にしてたか」
「お久しぶりです、占いババさんこそ元気にしてましたか」
ヤムチャはと言うと、ダンボール箱を積み重ねて
タイムマシンが出来たとさっきから呟いている
ダンボールに書いてある、みかんのかの字が過去へ飛ぶスイッチらしいが
幾ら押しても過去に飛ばないので泣き始めた。

つづく

712 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/25 01:53 ID:???
>>前回405

占いババとのキスも無事にすませたヤムチャは
次なるステップへ行くために、ババを自宅に連れ込む
怪しく光る狼の目付きにババ困惑
と言うのがババの脳内設定。

「聞けば女に振られたくらいで戦意を無くすとは情けない」
しわくちゃな顔をした、老女がヤムチャを口で攻める。
「それであんた何しに来たんだよ、ただ俺を攻めに来たのか?」
少し頭に来ているのか占いババに詰め寄りながら不機嫌そうに問いかけた。
「近づかないでよ獣!!」
ババがヤムチャに張り手を浴びせる
その理不尽すぎる張り手にヤムチャの方は涙目になりながら
もう帰ってくれ!!としきりに叫ぶ、泣きっ面に蜂状態。

713 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/25 01:53 ID:???

間にプーアルが入り、やっとの事で落ち着いた二人。
お詫びの印にババがただで占いをしてくれると言う
「じゃあブルマとベジータって奴が今どうなっているのか教えてくれ」
ヤムチャの願いを聞き入れたババは覚悟を決めておもむろに服を脱ぎ始める
だが、ヤムチャのかめはめはの構えに気付いて急遽中断。
予定どうり水晶玉を使い、占いを始める水晶に映るのは二人の幸せそうな顔と声。
「本当かブルマ」「本当よべジータできたのよ私達の赤ちゃんが」
「良くやったぞブルマ俺もついにお父さんか」
その場面を水晶で見たり聞いたりしている二人と一匹、
ヤムチャの方は泣きっ面に機関銃を浴びせられたような顔。
「いけない、ヤムチャ様のヘタレパワーが絶好調だ」
ヘタレパワーがMAXになった所で、ヤムチャの魂は今日2回目の地獄旅行へと旅立った。

つづく

96 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/27 07:53 ID:???
>>前回712

意識を失っているヤムチャを見ながら
ババとプーアルはもう二度とヤムチャの意識が戻らないだろうと確信した。

すぐさまババは、ブリーフに電話で連絡を入れる。
実は、占いババはブリーフに頼まれてヤムチャを説得しにきたのだった。
「こちら占いババです、ブリーフどうぞ」
「こちらブリーフだ、説得は上手く行ったかね、ババさん」
「とどめを刺しました」

事情をブリーフに説明する占いババ。
ブリーフもまさか娘とサイヤ人の間に子供が出来た事を知りちょっとショック
「まあ出来ちゃった物はしょうがない
それでババさん、名前は何が良いかねちょっと占ってくれないかね」
笑顔を浮かべながら、頼みを引き受けた占いババ
持っている水晶玉を使い早速始める。
ババが水晶玉に手をかざすとババの周りに白い霧が出始める
白い霧が徐々に水晶玉の中に入っていき水晶の中に白い文字が浮かび始める
だが、水晶玉に浮かび上がってきた名前はヤムチャ。

「このわしが失敗か?それとも成功か?もう一回占ってみるとするか」
何か直感が働いたのだろう、ババはまた占いを始めた。
そして浮かび上がってきたのはまたもやヤムチャ
首を左に二回ほど軽く動かし、手で印を組みもう一回と占う
そしてまたもヤムチャ。意地になったババは連続占いコンボを仕掛けるが
ヤムチャ・ヤムチャ・ヤムチャ・ヤムチャ・ヤムチャ・ヤムチャでございます
最後の方は水晶も飽きてきたのか文章にひねりを加えて来やがった。


97 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/27 07:53 ID:???
占いババは取り合えず結果だけでもブリーフに話すことにした。
「そんな偶然があるとは、世の中面白い事があるんじゃのう」
その言葉を聞いた占いババはある推測をブリーフに話し始める
「推測の域を出てないが、もしかしたらヤムチャの無念の思いが
何らかの影響を与えてこんな結果になっているのかもしれん
奴は腐ってもZ戦士の一員だからな、凄まじい力を持っている」

ブリーフと占いババが話をしている頃ヤムチャは深い意識の底をさ迷っていた
ヤムチャの脳内はブルマとの楽しい過去の記憶以外を許しはしなかった。
そしてブルマとの初めてのキスを思い出していた。

初めてのキスの時、君はなぜか顔が緑色でしわくちゃで、
耳が尖がってて頭に触角が生えていたよね、可愛らしい触角をつねつねしながら僕は
「そろそろくると思ってたぞ神よ、貴様俺に何をしたんだ!!」
そう心の中で叫ぶと、先ほどまでの思いでが頭から消え、
暗闇の中から神の姿が次第に浮かんできた。
「冗談じゃよヤムチャ君、乙女心がちょっぴり暴走じゃ」
笑いながらヤムチャに話しかける神様一体。

つづく

369 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/29 07:44 ID:???
>>前回96

神様出現でヤムチャは復活するのか、神様に全てが託された。

「ヤムチャ君、わしがブルマ君を忘れさせる程の
飛びきりの相手を紹介してやるぞ」
神様がヤムチャに持ちかけるが、ヤムチャの方はいらないと首を横に振る。
「どうせ占いババって落ちでしょ?行動パターンが読めますよ」
「いや、実はナメクジを紹介しようと思ってたんじゃよ、読みが甘いなヤムチャ君」

ヤムチャの血管が怒りで切れ始めたが、神様は話を続ける。
「そう怒るな、お詫びにわしに出来る事の範囲内でお前の頼みを聞いてあげよう」
その言葉を聞きヤムチャは何か閃いたのか急に顔が明るくなる。

「神様、本当に俺の頼みを聞いてくれますか?」
「できる事でならな、何かあるのか遠慮せずに言ってみろ」
「確か神様は下界の事なら力を使い、かなりの情報を知っていますよね?」
「そうだが、それで何か知りたい事でもあるのか?」
ヤムチャは急に真面目な顔になり、瞳にクールな狼が宿った。
「地球の美女100人の住所と電話番号を教えてくれ」


370 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/29 07:44 ID:???
プーアルと占いババが、ヤムチャを目覚ます為に唐辛子1tをブリーフに注文していると
ヤムチャの体から、あふれんばかりの気が出てきた
「ヤ・ヤムチャ様が復活したんだ、なんて凄い気なんだヤムチャ様、格好良い」
「待てプーアル、あの気からは邪な気が大量に混ざっておる
何かろくでもない事が起きたんじゃないのか」

占いババが冷静に分析していると、ヤムチャは元気よく飛び起きて
ブルマから立ち直りましたと、戦線復帰を主張。
かくしてここにヤムチャ完全復活となった。
狙われた地球の美女100人の住所と電話番号については、
後日神様が写真も同封して、まとめて送ってくるとの事だ。
ヤムチャの顔は太陽の様に輝いていた。

後日、神様から送られてきた、地球の美女100人は
世の男性ならば、見た人は全員綺麗だと言わねばならない程の美しさだった。
ただ普通の女性とちょっと違うのは、
全員アニメの中で活躍している二次元の女性であり
ヤムチャのいる三次元とは次元が違っていた。


一幕終り。

502 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/30 19:45 ID:???

>>前回369

数ヶ月前、ゴクウの元にラディッツと名乗る男が現れ、ゴクウ一家を襲撃してきた。
地球屈指の戦士であるゴクウだが、
ラディッツの拳一撃で倒れ、ゴクウ一家は絶体絶命の危機に晒されてしまった。
だが、その場にいた息子のゴハンが突如怒り狂い
5歳にも満たない子供のゴハンが、ラディッツを追い払ったのだ。
ゴハンの中に凄まじい力があると確信したゴクウは
ピッコロにゴハンを鍛える様に頼んで、界王のいる元へと旅立って行った。

そしてここは、ピッコロとゴハンの修行場所
一般の人間なら、足も踏み入れない危険な獣が生息する地域でもある。
だが、辺りには山と木しかなく、修行をするにはうってつけの場所でもあった。
その危険な地域に生えている、
一際大きな木の下でピッコロとゴハンが寄り添う様に腰をかけていた。
だがゴハンの方はもう就寝時間らしく、ぐっすり眠っている。
時刻は午後8時を回っていたのだが、いくらゴクウの息子とは言え
まだ幼稚園に通う歳である、夜の8時といったら十分に眠い時間であった。

ピッコロの修行に手加減と言う物は存在しない。
ましてや、まだ年端もいかないゴハンの中に、父親をも上回る力が隠れている事を
見抜いていたピッコロは、徹底的にゴハンの修行を厳しくしていた。
それに少し後ろめたさを感じているのか
ピッコロは自分のマントを、寝ているゴハンにいつもかけていた。

503 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/08/30 20:01 ID:???
こちらはヤムチャハウス
神様から貰った100個の写真を燃やし終えたヤムチャは
気分転換にと町へと出かける事にした。
「じゃあプーアル行ってくるわ」「道中お気をつけください、ヤムチャ様」

プーアルに出かけの挨拶をすませ、飛んでいくヤムチャ。
帰りにプーアルに何か買っていこうかなと思いながら
両腕を横に思いきり広げて、空に浮かんでいる雲めがけて向っていった。
指と指の間、服と体の間に空気が流れ込んでくるのを感じながら
ヤムチャはまだ速さが足りないなと微笑みながら呟くと、速度を加速させて行く
さながら、空を駆ける一筋の光だった。

だが、飛んでいるヤムチャを
ミサイルだと間違えたブリーフが迎撃ミサイルでヤムチャを撃墜。
ミサイルが直撃したヤムチャの体は縦に回転しながら空を舞っていった。

(今ここで俺が足に気を集中させればもしかしたら)
そう考えたヤムチャは足に気を集中させる、すると足が光だし光の残像が出来る
それは、回転をしているヤムチャに合わせて、空に綺麗な螺旋模様を作り上げた。
最後の気を使い果たし閻魔様の元へ全速前進、命より思いつきをとった男、ここに散る。

そのまま、人口200人足らずの小さい村のど真ん中に落ちて行くヤムチャ
ドーンと言う大きな音に驚いた村人達が、音の発信源らしき場所に行くと
地面に顔が全て埋まっている、首だけ男と、空から続いている光の軌跡を見つけた。

つづく

813 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/09/02 07:37 ID:???
>>前回507

村人達に地面から掘り出され、なんとか助かったヤムチャ。
数時間後、ヤムチャは意識を取り戻すと、
村人達に礼を言い、また町へ向い飛んでいった。
しかし、しばらく飛んでいると違和感が襲ってきた。
「ここはーーどこだ?」ヤムチャは迷子になった。

ブリーフと側近達が先ほどのミサイル撃墜場面を映像で確認している
冷静に見てみると画面に映っているのはどう見ても人間
「これは、人間ですよねブリーフ王」
「わしの知り合いのヤムチャ君じゃな」
側近達のリーダーらしき男はその言葉を聞くと
ため息を一つたて、ブリーフに進言する。
「人間だと解ったならやる事はひとつですねブリーフ王」
「証拠隠滅じゃな?」「救助隊派遣です」

睨み合うブリーフと側近リーダー。
「ん?証拠隠滅」
急に自分の言葉を興味深そうに繰り返すブリーフ。何か思い出したらしい。
「そう言えば、この前わしが捨てておけと言ったビデオカメラはどうした?」
ブリーフからの意外な言葉に側近リーダーは何事かと思い、素直に答える。
「ちゃんと捨てておきましたけどそれがどうしました?」
「捨てる前に壊しておいたか?」
首を横に振る側近リーダー、それを見てブリーフは口を大きく開けて絶句する。

814 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/09/02 07:38 ID:???
先ほどの村へ現在位置を聞きに戻ったヤムチャ。
村人から地図を貰うと、頭を下げて感謝の意を表す。
だがその時、外から村人の悲鳴が聞こえてきた。

「この村は今日から我々が統治する、服従しない物には
それなりの罰を与える、良いな」
全身鎧を着ている男達20人ほどが剣を持ちながら叫んでいる。
数人の村人達が縄で捕らえられ、人質にされているので
残りの村人達も手が出せないでいる。

「なんだどうしたんだ」
家の中から出てきたヤムチャ、周りを一目見て状況を把握した。
「お前等、これ以上の横暴はこのヤムチャ様が許さないぜ」
いきなり出てきた格闘家風の男に、全身鎧の男達は注目する。
「我々に反逆すると言うのかこの…凄い間抜けな顔だなお前」

815 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/09/02 07:40 ID:???
数秒後、ホットなハートを全開にしたヤムチャが、全身鎧の男達を半殺しにすると
最近色々あって、貯まっていたストレスと混じって、頭のリミッターが切れ始めた。
「まってくれ、さっき間抜け顔といったのは謝る、だから殺さないでくれ」
フシュウーフシュウーと息を吐きながら、ヤムチャは男達に質問する。
「貴様達、見たところただの盗賊じゃないな、何者だ」
「我々はウーロン様が作り上げた新興宗教…」
ウーロン、ヤムチャの脳裏には知り合いにいる、
背が低くて、スケベな子豚のウーロンが浮かび上がった。
まさかな、大体どうやってあいつが人の上に立つと言うのだ。
「パンティー教の信者だ」
奴だ!!
ヤムチャは、こんな宗教を作る程のスケベは
知り合いのウーロン以外にいないと考えた。

つづく

 920 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/09/04 02:36 ID:???
>>前回826

鎧男から必要な事を聞き終えたヤムチャは
鎧男達を町にある警察署まで連れていく事にした。
村の人達に別れを告げるヤムチャ
鎧男達を縄で縛ると、町まで手に縄を持ちながら飛んでいった。

無事に町まで到着したヤムチャは男達を警察署に引き渡すと、
先ほど自分にミサイルを発射した犯人だと思われる男の所まで向っていった。
「ミサイル越しに相手の殺気を感じてしまうとは俺も成長したな」
ヤムチャはあの時のことを思い出した。
ミサイルで吹き飛んだ自分の目に、ブリーフの笑顔が脳裏に浮かんだ事を
そして笑顔で優しく死ねと語りかけてきた事を。

921 名前:ハンター・ヤムチャ[sage] 投稿日:03/09/04 02:37 ID:???
「冥土の土産はもう持ちましたかなブリーフ博士」
そう言いながらキングキャッスルに刀を片手に乗り込んでいくヤムチャ
無事にブリーフの所まで辿りつき、怨敵の姿を肉眼で確認
「貴様の天下も終わりだブリーフ」
「ヤムチャ君良いところに来た、まあちょっと話があるんじゃ」

部屋にはブリーフの他に神様もいる、ブリーフの顔つきも少しだけ真面目だ。
猛るヤムチャを神様がなだめ、何とか気持ちが落ち着いたのか
ヤムチャはブリーフの首をとる前に話だけでも聞く事にした。

側近達はその様子を見て、話し合いに力が入りはじめている。
「ブリーフ王・神様・ヤムチャさんが揃いましたね」
「女が3人集まると、かしまし娘と言うが馬鹿が三人集まったらどうなるんだ」
「いかれた王様と小粋な神様が混ざっている所に
わざわざ狂人が入ってきましたからね」
「秘密の隠し味は狂気か」
「地球が10回くらい滅ぶかもな」
「もういいよ10回くらいなら」

続く

460 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/06 20:05 ID:???
>>前回933

とある大きな城の王座に一人の豚がいる
この豚こそがパンティー教の主ウーロン。
そのウーロンの右にある台座には謎のビデオカメラが一つ。

こちらはブリーフ博士がいるキングキャッスル。
ヤムチャにお茶を出して、早速話を始めるブリーフ。
「実はなわしが昔に作った透視カメラが、
もしかしたらウーロン君の手に渡ってしまったのかもしれないんじゃよ」
嫌な予感がしたヤムチャはブリーフに聞いてみた。

「透視カメラと言うともしかして」
「想像通り、服が透けて見えると言う奴じゃよ、ぶっちゃけ裸が見えます」
「なんでそんな物があいつの手に渡ったんだ」
ヤムチャの言葉にブリーフの顔に焦りが見え始めた。
「いや、ウーロン君が何処かでカメラのことを知ってな
それでさっさと処分してしまおうと思って捨てたんじゃよ
だけど壊すのを忘れてしまってな、いつもカメラのことを狙っていたから、
きっとカメラも手に入れてしまったと思ってそのな」

何かおかしいと思ったヤムチャは神様に耳打ちして、
嘘をつくと雷が出る例の杖をとってきてもらう事にした。

462 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/06 20:06 ID:???
現在、パンティー教の信者は世界中に恐るべき早さで増えている
教団に入ると会員費として一ヶ月10000ゼニー取られるのにだ
その秘密は、ブリーフ特性の透視カメラで撮った
裸の美女100人の写真を毎月会員達に特別に送っているおかげだった。

「ではブリーフ博士そろそろ降参して話してくれませんか真実を」
例の杖を右手に持ちながら、左手で持っている刀で脅しをかけるヤムチャ
ブリーフも両手をクロスさせてギブアップのジェスチャー、ようやく話し始めた。
「いやね、実はここから先は世界レベルの話になるのだよ」
「世界レベルですって」
「そうじゃ知ってのとおり、もしスケベの天才であるウーロン君に
カメラが渡れば世界レベルでの問題になる」

ヤムチャの手にある例の杖は雷を発しない、これが世界レベルの問題だと
ブリーフか思っている証拠であり、今の話に一つも嘘はないと言う事だ。
「わしはそれを承知であえて自分の手では壊さなかった、
この世界の事を運に任せてみたんじゃよ、
つまり、世界レベルのスリルを味わいたかったんじゃ!!」

そう言うと同時に手にあるボタンをブリーフはスイッチオン
顔が怒りで血管だらけのヤムチャの斬撃が、ブリーフに到達するより早く
ブリーフの靴に仕込んであったブースター点火
それと時を同じくして、天井が左右に開き空が見えると
ブリーフはそのまま空高く飛んでいった。

つづく

24 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/09 01:21 ID:???
>>前回462
ブリーフが飛んで行った後のキングキャッスルにて
神様とヤムチャが今後の事を話し合っていた。

「それでどうするヤムチャ君、
ブリーフ君はともかくウーロン君を始末するのかね?」
「いえ、どうせ特に危険は無いでしょ
せいぜい世界中に多数の裸映像が流れるくらいでしょうが
それはそれでミラクル」
意味は理解してないがうなづく神様。
こうしてウーロンは野放しにされた。

ウーロンがブリーフから盗んだ特性のカメラを使い、
町で目に付いた美女をビデオで撮影している
絶好調のウーロン様、パンティー教は教祖様の腕次第。

そんなウーロンの右100メートルから美女接近、ウーロンの死角だった。
しかし、ウーロンの鼻もダテじゃない
プロにだけ解る美女の臭いを感じ取ると方向転換、撮影成功。
パーフェクト、あまりにパーフェクト
もはやパーフェクトが目指すパーフェクト。
パンティー教の教祖の器を素晴らしく発揮しているウーロン閣下。
現在のパンティー教信者数1000万人は流石だとしか言えない。

つづく

83 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/10 00:03 ID:???
前回>>24

今日も今日とて町に撮影に繰り出したウーロン。
しかし、今日はビデオカメラを元に作り出した新兵器
ポラロイド式の透視カメラの晴れ舞台。
「さーて、誰を狙うかな〜」
よだれを垂らしながら、怪しい目つきで女の子を見ているウーロン。
そんなウーロンの背後から三人の男達が忍び寄ってきた。

「貴様ウーロンだな?」
ウーロンが名前を呼ばれたのに気付いて、声がした方向を振り向くと
ゴクウに似た男、長髪の男、それに女子高生の制服を着たハゲの男がいた。
ちなみにウーロンの視線はハゲの男だけに注いでいる。
「あんた達誰だ?」
その言葉を待ってたかの様に、ゴクウ似の男が1歩前に出てきた。
「我等の名前を聞かれたのならしょうがない、まずあのハゲは女子高生ナッパ」

「いえ聞いてません、俺が言ったのはあんた達誰だ?ではなくて、アナゴって誰?
もしかして間違えられましたか、こいつは困った。
アナゴさん凄いですよ、いきなり現れてマスオの死角からアルトな声をかける彼。
俺が世界で初めてだろうな、裏で波平と結託して
マスオの死角を研究していると気付いたのは。
ぶっちゃけ世界で最初にその事を気付いたのは誰でも良いと思いますが
そこまでしてマスオにこだわる、あいつの魂はもはやアナゴイズムなんですよ」

84 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/10 00:04 ID:???
「ですけどアナゴの魅力はこれだけじゃありません彼は何と・」
「俺の名前はバーダック
そしてこっちの長髪の男が俺の息子のラディッツ」
「あ、ラディッツと言います初めまして」
「あっちのハゲの制服男はサイヤ人地球攻略副隊長ナッパさん」
「ナッパですわ、初めまして」

バーダックの様子を見たウーロンは
これ以上やっても無意味と悟ったのか、普通に話し始めた。
「で何だよ、何か用でもあんのか」
ウーロンの言葉を聞いてバーダックの目が妖しく光る。
「実はお前がパンティー教なる大宗教の主だと聞いて一つ頼みたい事があるのだよ」
「何だ、言ってみろ用件しだいじゃあ聞いてやっても良いぞ」
「実は俺達も試しにに宗教を作ったんだが、
今のところ入教者数は創始者3名、つまり我等。
これでは行けないと思ってな、是非ともお前の所で宣伝をさせてもらいたい」

「でさ、あんたらに協力しても俺に見返りが無いみたいなんだけど」
バーダックは不敵に笑みを浮かべ、腕を空に突き出すと
直径30メートル程の巨大なエネルギー波が空に向って放たれた。
「そんな事言わずにさ協力してよ」

 

85 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/10 00:06 ID:???
「バーダック様、なんなりとこのウーロンめに言い付けください」
頭を深く下げ、バーダックの靴にキスをするウーロン。

「はっはっは、よーしそれで良いんだよそれで」
ウーロンの顔が悔しさで歪み始めている
「くっそーーあいつらめ今に見ていろよ」
ウーロンの悔しそうな顔に気付いて、ラディッツが近づいてきた。

「ごめんなさいねウーロンさん本当ならこんな事したくないんですよ。
ですけど、この前も無理やり自分の弟を襲って来いと命令されたりしてね。
私はあのバーダックの息子ですけど、手を焼いてますよあの親父には。
でも、あのナッパって言う奴よりはマシですよ。
ナッパの奴、もし地獄に落ちる事になっても、
閻魔様をこの美貌で悩殺するから平気とかほざくんですよ。
もし閻魔様が、お前のせいでショック死したらどうするんだよ。
皆さんに迷惑がかかるから、諦めて地獄で永遠に苦しんでてよナッパ様」

ラディッツの言葉を聞き終えたナッパが、ラディッツの背中に張り手を食らわせる。
自分のあばらが三本ほど折れる音を危機ながら、
ラディッツは逆海老反りになって近くにあるビルに突っ込んでった。
「バーダック様、ナッパ様このウーロン愚民ながらも一生ついていきます」

つづく

146 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/11 23:16 ID:???
>>前回83

「それでバーダック様、どんな宣伝がお好みですか」
バーダックの召使いとなったウーロン
これでも信者が1000万人いる大宗教の教祖。

「これといって無いな、ナッパさん何か良い考えある?」
「俺の写真集でも作れば良いと思うわ」
少しばかり悩んでみたバーダック
覚悟を決めてナッパに無理だと伝える事にした。

「ナッパさん、それはとても良い考えですね。
ですけどゲテモノ好きな人は少ないでしょうから効果は薄いと思いますよ」
顔の前で手と顔を横に振って、更に無理だと強調する。
「そこまで俺をこけにするとはバーダックちゃん、ちょっと来なさい」

「いや、やっぱり結構良いかもしれない。
もしかしたら凄いうけるかもしれない、そう思うだろウーロン」
「俺もそう思いますよバーダックさん。
でも、これは両目をつぶって見る写真集だと注意書きしておけば
被害を受ける人が、ある程度少なくなるかもしれないですが」
話が食い違うほど混乱の只中にいる二人がそこにいた。

147 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/11 23:17 ID:???
その後、ナッパに押しきられる形で写真集の撮影スタート。
無事に撮影も終わり、でき上がったナッパの写真集。
ハゲの大男が、60ページもセクシーショットを決めている
この物体をどうすれば良いのか、ウーロンとバーダックは悩んでいた。

数時間後、このままの状態ではどうしようもないと
言う結論に達したウーロンとバーダックは、
ナッパの体の部分をチワワの体とすり替えて
怪奇!!ハゲの人面犬が教祖?謎のサイヤ教。

と題名して会員達にこの写真集を配っておいた。
一応有名になったバーダック達のサイヤ教。
だが道はまだまだ長い。

148 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/11 23:18 ID:???
ベジータは、ベランダから夜空を見上げていた何時間もずっと。
何かをしているわけでもない、ただ星空を見ている。

その様子に妻のブルマは、少しばかり不安を感じていた。
今日は何かがおかしい、
いつもなら、仕事が終わるとずっと武術の修行に没頭する夫。
仕事と言っても気功の道場を暇つぶしで開いているくらい
でも評判が良く、近日中に気功の本も出版する事になっている。

人気の秘訣は、トリックだと難癖をつけて来る人間が現れるたびに
エネルギー波を出して山や雲を消し飛ばしているおかげ。
それでもトリックだと言い張る人間も稀にいるが
気功波を2発ほど当てれば黙ってくれる。
そのかいもあり、噂が噂を呼び爆発的に弟子は増え
今やベジータは世界的な気功の使い手として活躍していた。

つづく

553 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/16 01:15 ID:???
>>前回146

夜空を見上げていたベジータは
懐から相手の力を数値化できるスカウターと呼ばれる物を取りだした。
これは通信機にもなれる優れもので、
現在、地球に住んでいるサイヤ人同士の連絡手段でもあった。

「聞こえるか、ベジータだ。緊急の事態により地球征服活動は中止。
今日の昼に、母星に救援要請の為、向わせていた部隊から連絡が入った。
俺の・・サイヤ人の母星、惑星ベジータは巨大彗星との激突により消滅
残った王家の人間も俺だけだ、父を含め他の王家の奴等は全員死んだ」

ここで一呼吸置くベジータ、ベランダから部屋に目をやると
ブルマにも聞こえていたらしく、真面目な顔でベジータを見つめていた。

「惑星ベジータに居た人間も生き残れたのは全体の1割程度だが、
それでもわずかに生き残れた奴らは、ナメック星に保護されている。
数ヶ月後には、救援要請の部隊が戻ってくるはずだ
それに乗ってお前等はナメック星に行ってもらう。
俺は地球に残るつもりだ、つまり戦闘民族サイヤ人を復興させる気は無い。
以上、今日はこのまま通信を切る」


554 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/16 01:16 ID:???
「さて、どうするラディッツ」
ベジータからの通信を聞いていたラディッツとバーダックは
今後の事について話し合っていた。

「俺は地球に残るよ、カカロットとも仲を戻したいし
何かお詫びの印に贈り物した方が良いかな、ハムとか」
「ラディッツ、お前は本当に戦闘民族か?
ベジータ王子も復興しないとか、地球も征服しないとかいうしよ、
やっぱ家庭を持つと丸くなるのかねえ。
そういやあ、カカロットの奴も家族持ちだったな、
ラディッツだけか一人身は、とっとと嫁を見つけろよ」

バーダックは、漫画を読みながらベッドに寝転がって
ラディッツの頭を足で叩き始めた。
バーダックとラディッツの他の家族は、地球に居る弟しかいない
その為、別にナメック星に行く理由も無かった。

555 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/16 01:18 ID:???
「親父うるさいよ、そう言えばカカロットの奴、
ゴハンとか言う子供がいたな、何かプレゼントでも持って行こうかな」
ラディッツの言葉を聞いて、バーダックの眉が動く。
「それは本当かラディッツ、カカロットに子供がいたのか」
「言ってなかったっけ?これくらいの小さい子供が一人居るよ
たしか写真付きの報告書を出したから、今度頼んで見せて貰えば
親父なら見せてもらえるでしょ」

「どっちに似てる、俺似か?」
「言葉が何かおかしいぞ親父、でも少し親父に似ているな」
俺に似ているのかと、幸せそうにぶつぶつ呟いているバーダック。

「そう言えば親父、ナッパさんはどうするんだろうね」
「あの人はアイドルにを目指すとか言っていたから、
きっと残るだろ、それよりもゴハンに何を持っていく?」
地球は平和になった?

一幕終り。

669 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/20 22:10 ID:???
>>前回553

荒野の砂漠に、ひっそりと立つヤムチャハウス。
この家には、プーアルと言う喋る猫と
ヤムチャと呼ばれる青年の二人が暮らしている。
そのヤムチャハウスに、一本の電話がかかってきた。
「ヤムチャ様、電話ですよ、手がふさがっているので代りにでてください」
プーアルは、ヤムチャと自分の二人の昼食を作る為に
現在、フライパンで手がふさがっている。
そんなプーアルの言葉を聞きながら、
ヤムチャと呼ばれる青年は、受話器を見つめていた。
実は、ヤムチャハウスに電話をかけてくるのは、ほとんどブリーフと神様の二人。
しかも、ブリーフと神様は、いつもろくな内容で電話をかけてこないので、
ヤムチャは心構えをしてから、電話を取る事にしていた。

「よし行くぞ、覚悟は良いか受話器」
「ヤムチャ様どうでもいいですから、とっとと電話に出てください」
ヤムチャが受話器を手に取り、10cm程上げると、
台の上に置いてある電話機から音が鳴り止み、通話状態に成った。
通話状態に成り、音が鳴り止んだことを確認すると
ヤムチャは受話器を10cm下げて、電話を切った。
自分の仕事をやり終えて、満面の笑みを浮かべるヤムチャ、
そして、そんなヤムチャを見ていた
プーアルから、熱いフライパンが投げられた。

670 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/20 22:11 ID:???
プーアルの投げたフライパンが、ヤムチャの脇腹に見事命中。
ヤムチャはその場にうずくまってしまった。
「ヤムチャ様、あんた何やってんだ」
「いやね、どうせろくな内容じゃないだろうから、
それなら聞かないでおいた方が、幸せかなと思ったんだよ」
「せめて話だけでも聞いて下さい、もしも大事な話だったらどうするんです」
しぶしぶ納得したヤムチャ。その時、電話がまたも鳴り響いた。
今度は普通に受話器を取るヤムチャ。
かけてきたのは、いつもかけて来る二人のうちの一人、神様だった。

「あ、ヤムチャ君?先ほど電話をかけたんだけど
急に切れたんじゃよ、どうしたんじゃ?」
「いえね、ちょっとした事故がありましてね。
それより何の用で電話してきたんですか」
「実は少し前にブルマ君が、サイヤ人の事で話があると神殿に来てな。
知っての通りブルマ君は、サイヤ人の妻じゃ。
何事かと思い、話を聞いてみると、サイヤ人達は地球征服を止めたと言うのじゃよ」

671 名前:ハンター ◆38sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/20 22:12 ID:???
「神様それは本当ですか?しかしなんで急に」
「わしが聞いた所によるとだな」
神様はヤムチャに、ブルマから聞いたサイヤ人達の事情を説明した。

「なるほど、そんな事があったんですか。でも、ベジータというサイヤ人は
何でサイヤ人を復興させる気がないんでしょうかね」
「さあな、わしが知っているのはここまでじゃ、これからゴクウを迎えに行くために、
あの世まで行かなければ行けないんじゃ、じゃあなヤムチャ君」
ゴクウがあの世へ旅立っていると聞いて驚くヤムチャ。
まさか、あの世に行っているとは、思ってもいなかった。

「ゴクウって死んでたんですか?
確か修行に行くとか行ってませんでしたか」
「いや、死んでないぞ。ゴクウが界王星に旅立った事は知っているな
実はその界王星は、あの世にあるのじゃよ、つまりゴクウは生身で
あの世に旅立っているんじゃ」
「あ、そうなんですか、俺はてっきり死んだのかと思いましたよ」
電話越しに笑い合うヤムチャと神様。
「俺だったら、あの世に行ってまで修行なんて考え付きませんね。
あの世に行ってナンパとかなら考えてますけどね」
またも笑い合うヤムチャと神様。
「はっはっは、ではそろそろゴクウを迎えに行ってくるよヤムチャ君」

つづく

25 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:18 ID:vuySFTiY
>>前回669

神様から、サイヤ人の脅威がなくなり、
地球に平和が戻った事を知る、Z戦士達。
しかし、サイヤ人との戦いは終わったが、サイヤ人とZ戦士との間には
大きな溝が出来ており、その溝は全く埋まる気配が無かった。
なぜそこまで大きな溝が出来たのか。その理由は1年前まで遡る事となる。
1年前、サイヤ人達はZ戦士を不意打ち。
その結果、Z戦士達の心にサイヤ人に対して、大きな敵対心が出来てしまったのだ。

まとめてみると、Z戦士達はちょっと大人気無い。
まあ、1年も経てば心の中で、いろいろな妄念がうずくまり
相手の事を実際より悪く思っても、しょうがないと言えばしょうがない。
だがしかし、こんな状況に心を痛めていた神様が
Z戦士達とサイヤ人達のパーティーを天界で開く事を決定。
実は、単に面白そうだったからパーティーを開く事を決めたのだが
一応、表向きの理由として妥当なところを主張しておく神様。
Z戦士以外に、親友のブリーフにも招待状を出して、早速準備に取りかかる。
サイヤ人側には、サイヤ人の妻であるブルマを通して
神様の旨を伝えた結果、地球に残ったサイヤ人達は全員出席OKの返事を貰えた。

そしてついに、パーティーは開かれる事となった。

26 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:19 ID:vuySFTiY
サイヤ人側は地球に残った全員と言っても、
ベジータ・ナッパ・ラディッツ・バーダックの四人だけが出席。
他のサイヤ人達は、ナメック星へと旅立ってしまった。
地球側は、テンシンハンを除く全員が出席。
最初のうちは、Z戦士達はサイヤ人に対して、ギスギスした態度をとっていたが
話してみると、思ったより悪い人達じゃなかったのか、
次第にサイヤ人に対しての敵意が薄くなり
今では、地球の戦士達とサイヤ人との楽しいパーティーへと変わっていた。

しかし、そんな中で、暗そうな顔をして隅っこの席に座っている輩が3人ほど居る。
ブリーフ・ラディッツ・ヤムチャの三人である。
「皆さん楽しそうだねえ、ヤムチャ君」
ブリーフが話しかけるも、涙を流しながら、下を向いて何も喋らないヤムチャ。
「皆さん楽しそうだね、えーっとラディッツ君だっけ」
こちらもブリーフが話しかけても、何も答えずに
寂しく酒を片手に持ち、ちびちびと飲んでいるラディッツ。
ヤムチャの泣き声と、ラディッツのちびちびと酒を飲む音が
合体して周りに寂しさを作り上げると、雰囲気に負けた
ブリーフが、孤独な目をして、懐からオカリナを取り出して吹き始めた。

少しの間、不思議な空間を作り出していた三人だったが、
ヤムチャが泣くのを止めてブリーフに語り始めた。
「ブリーフ博士、聞いてくださいよ、実は今日ね」
ヤムチャの話しは、今日の夜中まで遡る。

27 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:22 ID:vuySFTiY
時刻は午前3時。
ヤムチャは自宅にて、今日開かれるパーティーのことを考えていた。
正確に言うと、元恋人のブルマの事である。

神様の話では、ブルマも当日来る事に成っている。
別にヤムチャの心にブルマへの未練は一切ないのだが
実は、ちゃんと別れ話しもせずに、勝手に男を作って
結婚した元恋人に対して腹を立てていたのだ。
でもブルマも、ただ黙っているのは気が引けたのか、
ブリーフ博士を通じて、
サイヤ人と結婚しました、赤ちゃんも出来ました、別れて下さい。
この三つの言葉を、ヤムチャに伝えたのだが、
たったこれだけの言葉だったので、
火に油を注いだ結果となり、余計にヤムチャを怒らせてしまった。
この時、ヤムチャはブルマに対して復讐を決意していた。

つづく

25 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:18 ID:vuySFTiY
>>前回669

神様から、サイヤ人の脅威がなくなり、
地球に平和が戻った事を知る、Z戦士達。
しかし、サイヤ人との戦いは終わったが、サイヤ人とZ戦士との間には
大きな溝が出来ており、その溝は全く埋まる気配が無かった。
なぜそこまで大きな溝が出来たのか。その理由は1年前まで遡る事となる。
1年前、サイヤ人達はZ戦士を不意打ち。
その結果、Z戦士達の心にサイヤ人に対して、大きな敵対心が出来てしまったのだ。

まとめてみると、Z戦士達はちょっと大人気無い。
まあ、1年も経てば心の中で、いろいろな妄念がうずくまり
相手の事を実際より悪く思っても、しょうがないと言えばしょうがない。
だがしかし、こんな状況に心を痛めていた神様が
Z戦士達とサイヤ人達のパーティーを天界で開く事を決定。
実は、単に面白そうだったからパーティーを開く事を決めたのだが
一応、表向きの理由として妥当なところを主張しておく神様。
Z戦士以外に、親友のブリーフにも招待状を出して、早速準備に取りかかる。
サイヤ人側には、サイヤ人の妻であるブルマを通して
神様の旨を伝えた結果、地球に残ったサイヤ人達は全員出席OKの返事を貰えた。

そしてついに、パーティーは開かれる事となった。


26 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:19 ID:vuySFTiY
サイヤ人側は地球に残った全員と言っても、
ベジータ・ナッパ・ラディッツ・バーダックの四人だけが出席。
他のサイヤ人達は、ナメック星へと旅立ってしまった。
地球側は、テンシンハンを除く全員が出席。
最初のうちは、Z戦士達はサイヤ人に対して、ギスギスした態度をとっていたが
話してみると、思ったより悪い人達じゃなかったのか、
次第にサイヤ人に対しての敵意が薄くなり
今では、地球の戦士達とサイヤ人との楽しいパーティーへと変わっていた。

しかし、そんな中で、暗そうな顔をして隅っこの席に座っている輩が3人ほど居る。
ブリーフ・ラディッツ・ヤムチャの三人である。
「皆さん楽しそうだねえ、ヤムチャ君」
ブリーフが話しかけるも、涙を流しながら、下を向いて何も喋らないヤムチャ。
「皆さん楽しそうだね、えーっとラディッツ君だっけ」
こちらもブリーフが話しかけても、何も答えずに
寂しく酒を片手に持ち、ちびちびと飲んでいるラディッツ。
ヤムチャの泣き声と、ラディッツのちびちびと酒を飲む音が
合体して周りに寂しさを作り上げると、雰囲気に負けた
ブリーフが、孤独な目をして、懐からオカリナを取り出して吹き始めた。

少しの間、不思議な空間を作り出していた三人だったが、
ヤムチャが泣くのを止めてブリーフに語り始めた。
「ブリーフ博士、聞いてくださいよ、実は今日ね」
ヤムチャの話しは、今日の夜中まで遡る。

27 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/09/26 06:22 ID:vuySFTiY
時刻は午前3時。
ヤムチャは自宅にて、今日開かれるパーティーのことを考えていた。
正確に言うと、元恋人のブルマの事である。

神様の話では、ブルマも当日来る事に成っている。
別にヤムチャの心にブルマへの未練は一切ないのだが
実は、ちゃんと別れ話しもせずに、勝手に男を作って
結婚した元恋人に対して腹を立てていたのだ。
でもブルマも、ただ黙っているのは気が引けたのか、
ブリーフ博士を通じて、
サイヤ人と結婚しました、赤ちゃんも出来ました、別れて下さい。
この三つの言葉を、ヤムチャに伝えたのだが、
たったこれだけの言葉だったので、
火に油を注いだ結果となり、余計にヤムチャを怒らせてしまった。
この時、ヤムチャはブルマに対して復讐を決意していた。

つづく

182 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/08 07:31 ID:NgCkrBGY
>>前回25

夜も明け、遂に決戦の火蓋は切られた。
プーアルに出かけの挨拶をすませ、切り札を手持ちの袋に入れ、
意気揚揚とパーティー会場に飛んで行くヤムチャ。

家を出発してから3時間後、ヤムチャは
今日のパーティー会場である、神様の神殿へ到着した。
どうやら少し遅れたらしく、ヤムチャ以外の全員が揃っていた。
辺りを見渡すと、皆さん程よく楽しんでいて、
クリリンあたりは、気円斬で地球を真っ二つにしてやる等と
わけの解らない事を言っていた。しばらくクリリン達と騒いでいたヤムチャだったが
復讐の為に、ここに来た事を思い出すと、皆の輪から抜けて戦いの準備に入る。
まず最初に、手持ちの袋から鏡を取りだし、容姿を整える
ちょっとだけ、鼻毛とヒゲがあったらしく、すぐに抜き去った。
顔を両手でぺしぺしと叩くと
次ぎに秘密兵器、通販で買った異性にもてるフェロモンを取り出した。
これをまんべんなく体にかければ、戦いの準備がほぼ完了する。
後は、口に花でも咥えれば完璧。
薔薇を咥える程度では、少しオリジナリティーが無いので
家にあったアサガオを咥える。
戦いの準備は完了した、これで今日の戦はばっちりだ。


183 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/08 07:32 ID:NgCkrBGY
そもそも、ヤムチャは拳の戦いをするつもりは無い。
ブルマが自分に対して「ああ、こんなに魅力のある男だったなんて
振った自分が馬鹿だったわ、ごめんなさい」と言えば復讐できたと思っている。
それが復讐であるかはともかく、ヤムチャの戦の準備は完了した。
ヤムチャが流し目しながら、対戦相手であるブルマを捜す。
その時、不意に左肩を叩かれたヤムチャ。
そこには元恋人であるブルマが立っていた。

「久しぶりねヤムチャ」
「そうだなブルマ、かれこれ1年近くは会っていなかったな」
ブルマは妊娠しているので、お腹が大きくなっていた。
顔も少しふっくらとしている。
ヤムチャは久しぶりに会った、元恋人の姿に少々驚いていた。
「お父さんに貴方に伝えておいてと言っておいた言葉、
あれは、何ていったら良いか解らなかったから
たったあれだけの文章になっちゃったの、嫌な思いをしたでしょ、ごめんなさい」
ブリーフを経由して、伝えられた奴だなと気付いたヤムチャ。
「はは、そんなの気にしちゃいないよ、それよりもそろそろ出産かい?
元気な子供を産めよブルマ」
ヤムチャは、復讐の事なんぞすっかり忘れて、元恋人と話しを続ける。
ヤムチャも、ブルマが謝ってくれて満足したのか、復讐は止めてしまった。
過去の事を全て水に流して、二人の間にあった溝も無くなり
全てが上手く行った。最後には、ベジータとも仲良くなっていた。


184 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/08 07:34 ID:NgCkrBGY
ヤムチャの話しを聞いていたブリーフ。
今のところ、ヤムチャがこんなに泣いている理由は一つも無い。
「それでヤムチャ君、何でそんなに泣いているのかね」
「いえね、実は俺ドラゴンボール持ってきてたんですよ
復讐に失敗した場合の切り札だと思って。
でも復讐する気も失せたので、じゃあ何か他の事でも願うかと思って
シェンロン呼び出して、願い事言ったら
シェンロンに尻尾でぶたれたんですよ、
ウーロンにパンティー上げたくせに
俺の願い事は、叶えてくれないって言うんですよ、差別されたんですよ俺は」
ヤムチャの話しを聞いていたブリーフは、少しヤムチャに突っ込みをいれた。
「つまり今までの話しは前振りだったのか、
ヤムチャ君、話をする時はもう少し小さくまとめてくれると嬉しいのじゃが」
「次ぎからはそうします。それにしてもシェンロンめ
何でも願い事を叶えてくれると言っているくせに」

いつの間にか、横で話しを聞いていたラディッツは、ヤムチャとブリーフに少し質問をする。
「そのドラゴンボールと言うのは、願い事を叶えてくれるのですか?」
急に質問されて少しビックリするヤムチャとブリーフ、
「そうだよ、まあ普通は願い事は叶えてくれる、ブリーフ博士もそれで王様になったしな」
「そのドラゴンボールを僕に下さい!」
ラディッツがヤムチャの手を握り締めて叫んだ。

続く

 213 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/11 06:35 ID:enPXjlDM
前回>>182

ラディッツは、ガッシリとヤムチャの手を握り、
ドラゴンボールを譲ってくれと強く訴える。
握られた手が、徐々に痛くなってきたので、
離してくれと手を振りほどくヤムチャ。
「じゃあせめて、どんな願い事をするか話してくれ」
ヤムチャが手を摩りながらそう言うと、ラディッツは事情を話し始めた。
「俺には弟がいるんです、名前はカカロット。
あそこにいる、ゴクウと言う人がそうです」
ヤムチャとブリーフが一緒に驚いた。
いきなり仲間の兄貴だと言われたのだから、普通の反応だろう。
「あんたゴクウの兄貴だったのか!!」

「そうです。カカロットは赤ん坊の頃に、
地球を制圧するために送り込まれた、サイヤ人なんです。
まあ、色々あってカカロットは、地球制圧しなかったみたいですけど」
ラディッツから明かされる、ゴクウの過去。
ヤムチャとブリーフは、腕を組んで話しを黙って聞いている。
「それで、私が地球に着いた時に、
一緒に地球に来た、親父からの命令で、地球を征服しなかった
カカロットにヤキ入れて来いと言われましてね」


214 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/11 06:38 ID:enPXjlDM
そこから、ラディッツは苦虫を噛むような顔で話し始めた。
自分が嫌だと言っても、弟をぶん殴って来いと命令する父親。
いやいやながら弟を襲撃する自分。
そしてその事で、いまだに弟夫婦との確執がある事。
全ての責任を自分になすり付けて、弟夫婦と仲良くなるバーダック。
その結果、何時の間にか、自分が勝手に暴走した事に
なっていると言う摩訶不思議な展開。
「私は、自分が悪くなかったと言いたいんじゃない。
俺の言っている事を、ほんの少しだけ弟に信じてもらいたいんだ
もう俺一人の力じゃ無理だ。弟は俺の言う事なんてまるで信じてくれない。
そのドラゴンボールの力を使わせてくれ」

話しを全て聞いたヤムチャは、黙って手持ちの袋からドラゴンボールを取り出した。
「解ったよ、ラディッツさん。シェンロンも、俺の願い事を足蹴にした後、
玉の中に戻っていったから、まだ願い事は叶えれると思う。
俺もよく知らないから、絶対とは言わないが。
ドラゴンボールが石になっていないところを見ると、多分平気だろう。
ですよねブリーフ博士。ラディッツさんの願い事、
シェンロンは叶えてくれますよね」
ヤムチャからの問に、首を横に振るブリーフ。
「それは無いな、何故ならドラゴンボールはわしが貰うからだ」
不気味な静寂が辺りを支配した。

つづく


245 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/16 23:28 ID:WjZiydNE
>>前回213

ヤムチャは、ラディッツ、ベジータと出会い、学んだ事があった。
サイヤ人達とも、話せばわかり合えるのだと。
生まれた星が違っても、心は通じ合うのだと。
だが、目の前にいる地球人とはいつも心が通じ合わない。

数回ほど、大きく息を吸って、心を落ち通けるヤムチャ。
「どんな願い事をシェンロンに頼むのか、聞かせてくださいな」
言葉に優しさを含みながら、美しい声でブリーフに質問するヤムチャ。
大人の条件の一つ目は、まず相手の話しを良く聞く事。
感情的になって、相手の話しを聞かないのは子供。
ヤムチャは立派な大人。盗賊稼業で生計を立てている立派な大人。
ブリーフだって立派な大人。近くにあった椅子に座ると、紅茶を片手に持ち、
足を組んで、優雅で美しい雰囲気を漂わせ、
ハスキーボイスでヤムチャの質問に答える。
「なーに、サイヤ人に代わる世界の危機を呼び寄せ様と思ってな」
顔をニカっと笑わせて、白い歯を見せるブリーフ。
太陽の光が白い歯に反射して、歯が光る。

そんな綺麗な白い歯が反射した光を浴びながら、
ヤムチャは、先ほどからブリーフが作り出している、
良い笑顔と自分の質問の答えがちょっとだけ憎たらしくて、
全力かめはめ波を発射した。


246 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/16 23:28 ID:WjZiydNE
ヤムチャが放った、かめはめ波は
あと30cmでブリーフに直撃と言う所で、急に曲がった。
本来の軌道から逸れたかめはめ波は、あらぬ方向に飛んで行ってしまった。
チッと舌打ちするヤムチャ。
ブリーフはにやりと笑い、指を左右に振る。
「ヤムチャ君、わしにその程度のエネルギー波は効かないよ」
白い歯を見せて、またもや良い笑顔を作るブリーフ。
「さっきからブリーフさん、変な事を言ってますけど
どうしたんでしょうか。何か深い考えでもあるのでしょうか」
突然の事で、状況をあまり理解できていない
ラディッツが、ヤムチャに話しかけてきた。
「ええ、きっとあるでしょう深い考えが。奈落の底みたいな深い考えが」
この後ヤムチャは、本気を出したブリーフの戦闘能力に驚愕する事になる。

ヤムチャはヤムチャで大変な頃、クリリンは最強の一発芸
気円斬を使って地球真っ二つを本気でやろうとしていた。
右手を上に上げ、気円斬が出来あがると、トウっと叫んでジャンプ。
気円斬を持っている右手を力強く振りかぶる。
「私はクリリン、地球斬りのクリリン。いくぞ必殺きえ・エエエエエエエ」
気円斬と言いかけている途中で、つい先ほどあらぬ方向へと飛んでいった、
ヤムチャの全力かめはめ波が、クリリンの背中を直撃。
そのままキエエエエエエエと叫びながら、
かめはめ波と一緒に、空の彼方へと消えていった。

つづく


312 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/25 19:53 ID:F4A0w5YM
>>前回245

戦う気満々のヤムチャとは対照的に、実はヤムチャと戦う気が無いブリーフ。
ブリーフにとってヤムチャとは、息子であり親友であり実験台である。
そんな貴重な実験台を、むざむざ壊すのもどうかと思ったブリーフ。
本気で戦えば、体術だけでもヤムチャを倒すのも可能だが。
ここは一つ、ヤムチャを説得することにした。
「待ってくれヤムチャ君。話だけでも聞いてくれ」
「どうせ、ろくな話しじゃないでしょうから、断ります」
ブリーフが、腕を組んで、まあ話しを聞きなさいと諭す。
「慌てるなヤムチャ君、わしと取引しようじゃないか」
そう言うと、ブリーフはヤムチャに、何かを投げつけた。
それをヤムチャは手でキャッチすると、手を開いて受け取った物を確かめた。
するとそこには、小さな飴玉みたいな物が一つあった。
「これは一体何ですか」
「それはわしが作ったホレ薬だ。その薬を相手に飲ませると飲ませた相手は意識を失い倒れる。
その後、5分ほどして意識を取り戻すのじゃが、意識を取り戻した後に
初めて見た人間を好きになってしまうのじゃ。
もしわしに協力してくれれば、それをいくつか上げようじゃないか」

ホレ薬。人類の夢の一つであり、手に入れれば確実に悪用されるであろう悪魔の薬。
例えば、恋はゲームと同じ、最初は好きな人は自分に振り向いてくれない、
でも段々と相手を自分に振り向かせていく恋こそ、本当の恋なのよ。
と言っている人間でも、ホレ薬を手に入れれば、
恋はゲームと同じ、だから裏技があっても良いじゃんと
言いながら、笑顔でホレ薬を思う存分、好きな人に使うであろう。
そんな人間のハートをガッシリ掴んで、ホレ薬。
ヤムチャの手には、その素晴らしきホレ薬が渡された。


313 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/25 19:55 ID:F4A0w5YM
マジマジとホレ薬を見るヤムチャ。
「ブリーフ博士、これ本当に本物なんですか?飴玉にしか見えません」
「そんなに疑うなら、誰かに使ってみたらどうじゃ?」
ヤムチャは最初にラディッツをチラリと見た。
ラディッツは、先ほどからの話しの流れで、
自分を実験台にしようとしてるなと気付き、首を横に振って駄目ですと言った。
次ぎにヤムチャは、ブリーフを見たが、ホレ薬が偽者だったとしても
演技をして、本物だと思わせるだろうと思い、止めた。
そんなヤムチャの視界に、チチが見えた。
だが、流石に女性を実験台には出来ないと思ったので止めた。

結局、ヤムチャは実験台としてチャオズを選んだ。
チャオズにホレ薬を飴玉だと偽って渡す。
幸い、チャオズは飴玉だと信じてくれたみたいで、笑顔でありがとうと言って来た。
ヤムチャも笑顔で、じゃあなと言って別れると
少し離れて、チャオズの様子を腕を組んで、観察するヤムチャ。
「ヤムチャさん、実験なんて止めませんか。もしあれが本物のホレ薬で、
あのマッチョのハゲ親父のナッパさんを好きになったらどうするんですか?」
ラディッツが指差した方向には、ナッパさんがいた。
「その時は、責任を持って、全力でチャオズを祝福するつもりだ」
ブリーフもヤムチャの意見に、その通りだと言って首を縦に振る。
もはや誰も止められないと悟り、ラディッツは天に祈った。
そうこうしている内に、チャオズがついにヤムチャに貰った、ホレ薬を口に向って投げ入れた。


314 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/25 19:56 ID:F4A0w5YM
しかし、ホレ薬にはちょっとした問題があった、それは味だ。
ホレ薬はとても辛いのであった。
飴玉だと思って口に入れたチャオズは、
自らが予想していた甘味とは違う、辛味が舌に襲いかかってきた。
溜まらず、飴玉を強く吐き出すチャオズ。
吐き出された飴玉は、かろやかに空を舞うと、
チチの持っていたコップに、ポチャンと音を立てて入っていった。。
その様子を、一部始終見ていた、ヤムチャ達。
ちなみに、チャオズはホレ薬を吐き出した後、倒れてしまった。
言うまでもなく、薬のせいだ。

その様子を見ていたヤムチャが、ブリーフに質問する。
「ブリーフ博士、チャオズは一瞬しか口に入れてなかったのに、何故意識を失うのですか」
「ちょっとばかし、効力が強すぎたかのう」
どれぐらい強いんだよおい、とヤムチャが語気を強めて言おうとしたが、
ラディッツもヤムチャと同じ事を考えてらしく、
ラディッツは額に汗をたらしながら、聞いてみた。
「ちなみに、あの薬はどれくらい強いんですか?ブリーフさん」
「うむ。この前試しに、モルモットに使ってみたのじゃが」
そこで右手を口に添えて、言葉を止めるブリーフ。数秒ほど間を作る。
「まあ色々あったんだよ、ラディッツ君」


315 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/25 19:57 ID:F4A0w5YM
何だ、何があったんだと、詰め寄るヤムチャとラディッツ。
その二人をまあ良いじゃないかと言って、答えをはぐらかすブリーフ。
そんなやりとりをしていると、ラディッツがある事を思い出した。
そのホレ薬が、チチの持っているコップに入った事を。
「行けない、ホレ薬がチチさんのコップに入ってたんだ」
そう叫ぶラディッツ、ヤムチャとブリーフもラディッツの言葉を聞いてその事を思い出す。
三人が声を揃えてヤバイと叫ぶ。
「ブリーフ博士、惚れ薬は水に溶けますか?」
「あの程度の大きさなら、2分で全部溶けるよ」
チャオズが吐き出してからそろそろ2分が経とうとしていた。

「どうするんです、ヤムチャさんブリーフさん」
ラディッツはかなり慌てている。弟の嫁なのだからそれもしょうがない。
赤の他人とは違うのだからしょうがない。だがラディッツに少し苦言するヤムチャ。
こういう時こそ、落ち着くべきなのだと、ヤムチャは思っているからだ。
「落ち着いて下さい、ラディッツさん。何もホレ薬だと決まっちゃいない。
いや、俺もチャオズの様子から見て、どっちにしても何か妖しげな薬だとは思うが、
もしかしたら、ただ気絶させるだけなのかも知れないじゃないですか」
これはヤムチャの本心から出た言葉ではない。本物のホレ薬だとはなんとなく解っている。
だがしかし、ヤムチャはホレ薬だとは認めたくない。
ただ気絶する薬だと思いたい。何故なら、ヤムチャの視線の先で
チチがコップに口をつけて、中の水を飲んでいるからだ。


316 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/10/25 19:58 ID:F4A0w5YM
「間に合わなかったか」
ブリーフが呟いた。
チチは、ホレ薬が入った水を飲んでしまった。
ヤムチャの視線の先で、ゆっくりと倒れていくチチ。
まだだ、もしかしたらホレ薬じゃないかも知れないじゃないか。
藁にもすがる思いで、自分に言い聞かせるヤムチャとラディッツ。
数回深呼吸した後、チチの周りに集まるヤムチャ達。
腕を組んでどうするかと悩むヤムチャ達。
ここでヤムチャが閃いた。
「そうだ、起きてすぐにゴクウを見せれば良いんだ。
ゴクウはチチさんの夫だし、もし惚れ薬で好きになったとしても問題は無い」
ヤムチャの意見に、同意するラディッツとブリーフ。

すぐさまゴクウを捜す3人。しかし、幾ら捜してもゴクウは見つからない。
もう時間が無い。ヤムチャとラディッツが慌てふためいていると、ブリーフが閃いた。
「そうだ、目隠しすれば良いんじゃよ。そうすれば、チチさんに事情を説明して
ゴクウ君が来るまで、待っていてもらえば良い」
その意見に同意するヤムチャとラディッツ。すぐに目隠ししようとするが、
目隠しをする為の道具が無い。鉢巻や手ぬぐいを捜すが全く無い。
そこでブリーフが閃いた。そうだ目玉無くせば良いんだ。
そういって、チチに飛びかかるブリーフを二人掛りで組み伏せるヤムチャとラディッツ。
「冗談じゃよ、そんなに怒らないでくれ二人とも」
時間が無いのになにやってんだこの爺、と怒りまくるヤムチャとラディッツ。
だがその時、ついにチチが目を覚ました。
はたして、ブリーフの渡した薬は本物のホレ薬だったのであろうか。

続く


419 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/12 23:25 ID:hRgPaNtE
>>前回245

目覚めた後のチチは、目がとろんとして、口は半開き、手を頬にあて
顔色はうっすらと桃色に変わり、ヤムチャ達を見詰めていた。

ラディッツが隣で慌てている中、
ヤムチャは、この事態を冷静に分析していた。
まず、チチは美人だ。結婚したとは言え、まだ20代。
ヤムチャのストライクゾーンには余裕で入る。
と言う事は、もし自分の事を好きになればパラダイスではないのか。

普段の邪悪さを取り戻し始めたヤムチャ。
先ほどまで自分が慌てていた事が馬鹿らしいと言った様子でチチに向って歩き出した。
両手を大きく広げて、さあ来なさいとヤムチャがチチに優しく微笑むと、
チチはゆっくりと立ちあがり、超人的な身体能力で一筋の風と化して
ラディッツを連れ去っていった。そうラディッツを。
ヤムチャが後ろを振り返ると、
チチに首根っこを掴まれて引き摺られているラディッツが見える。

まあ、あの薬が本物だとは判った。
ラディッツの事はまあ置いておこうと、気持ちを切り替えるヤムチャ。
「ブリーフ博士、あの薬くれ」

424 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/12 23:41 ID:hRgPaNtE
ブリーフはすぐにホレ薬を取り出して、ヤムチャの目の前に差し出す。
二人ともラディッツの事は、完璧に忘れ去っていた。
ヤムチャは目を輝かせそれに手を伸ばすと、ブリーフがとっさに手を引いた。
「駄目だよヤムチャ君。これがほしいのならわしの仲間になりなさい」
そもそもブリーフは、ヤムチャを仲間に引き入れる事が目的なのだ。
しかし、ヤムチャはわざわざブリーフに協力するのは面倒くさいと言った様子だ。

と言う事で、ブリーフからホレ薬を強奪する事にしたヤムチャ。
「さあ、ありたっけのホレ薬を出しな」
ドスの効いた声をだして、地に倒れているブリーフからホレ薬を奪うヤムチャ。
戦いはヤムチャの拳一発で決まった。
「ば・・ばかな、わしの戦闘力は4800だぞ」
ブリーフの言葉を聞いたヤムチャは鼻でフンっと軽く笑った。
「俺の戦闘力は48000です」
「ヤムチャ君の戦闘力は1800のはず、何故そんなに」
そこでブリーフは気付いた、ヤムチャの周りからとてつもない量の黒い気が出ていることに。
(黒い…ヤムチャ君)
ヤムチャは少しだけ笑みを浮かべると、そのままどこかへ飛んでいった。
そして、ヤムチャが立ち去った後、
ブリーフも何かに気付いた様子で邪悪な笑みを浮かべていた。

続く


436 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/13 20:57 ID:jiX8NXhU
前回>>419

さーて、ちょっくらホレ薬使ってハーレム作るか。
ヤムチャがそんな事を考えていると、
前方からラディッツが凄い勢いで飛んできた。
「あ、ラディッツさんどうかしたんですか?」
ヤムチャの言葉を聞くそぶりも見せずに、ラディッツが掴みかかってきた。

「元はといえばヤムチャさんのせいですよ、チチさんがあんなになったのは」
ヤムチャはここで思い出した。チチがラディッツに惚れた事を。
「女性にモテて羨ましいですよラディッツさん。じゃあそう言う事で」
ラディッツの言葉を軽く受け流して、
その場を立ち去ろうとするヤムチャの腕をラディッツは掴んだ。
「ヤムチャさん俺はね。チチさんに連れ去られた後、
命からがらチチさんから逃げてきたんですよ。判ります?」
「ラディッツさん照れ屋なんですね」
ヤムチャを殴りたい衝動を必死に抑えて、ラディッツは話しを続ける事にした
「チチさんは俺を捕まえるために、巨岩を投げるわ
怪しい薬を嗅がせて来るわ、変な魔方陣を書いたり接着剤を…もうアレですよ。
とにかくどうしようもないくらい暴走してるんです、助けてくださいヤムチャさん」
その言葉を聞いてヤムチャは状況を理解した。
何の状況かと言うと、チチがラディッツを羽交い締めにしている状況をだ。

437 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/13 20:59 ID:jiX8NXhU
「ヤムチャさん助けてください」
チチに羽交い締めにされて身動きが取れなくなったラディッツ。
ヤムチャと話している隙にチチに襲われてしまった。何とも情けない話しだ。
「ラディッツさ、もう逃がさねえだ」
満面の笑顔でチチがラディッツに囁きかける。
ラディッツの耳に息を吹きかけたりもしている。
周りから見れば、二人はどこからどう見ても、いちゃついているカップルだった。
ヤムチャはその様子を見て少し思った。これはひょっとしたらアレではと。
以下しばらくの間は、ヤムチャの脳内で繰り広げられたアレの妄想。

438 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/13 21:01 ID:jiX8NXhU
俺の名前は〇△。市内の学校に通う高校一年生。
これと言った特徴は無い、普通の高校一年生、青春真っ盛りの男の子。
朝も早くから女の子の幼馴染と一緒に登校中。
そして一緒に毎朝登校しているこいつが俺の幼馴染、名前は▼×。
こいつときたら俺の事が好きなのか、年中俺に抱き付いてきて困るぜ。
この前なんか、町で偶然会った時に抱きついてきてよ、
周りの目もあるのになにやってんだか。
それで俺が少し離れろと言ったら、少しムっとして抱きつくのを止めたんだ。

何故あの時抱き付くのを止めた? お前は俺が本当に嫌そうに見えたのか?
周りの目? 確かに大事ですね、でも16歳のオナゴの身体が
密着する状況の一瞬一瞬に、我の体内エネルギーが激しく燃え上がり、
かけめぐる性エネルギーが不死鳥になり全身のチャクラが50回程開いたと言うのに。
別に貴方さえ良ければ、俺から抱きついても良いのですが、
周りから見ると、痴漢に襲われている少女としか見えないのです。
抱き付いている俺でも痴漢に襲われている少女としか思いませんよ。
痴漢だ!! と言われたら俺のことかと一瞬で気付くと思うね。


439 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/13 21:03 ID:jiX8NXhU
っと、ちょっと熱くなりすぎたな、
こいつはこんな俺の心なんて知らないんだよな。別に良いけどな。
「〇▽くーん」
おっと、またいつもの様に抱き付いてきやがった。周りの目もあるって言うのに。
「少し離れろよ、恥ずかしいだろ」
そう言うと、少し顔を膨らまして抱き付くのを止めてしまった。
だから何故止めるのですか。ここで、俺の言葉を無視して抱き付いてくださいな。
俺の心はドント来い、ドント来い、ガッと来いだと言うのに、そこを(以下略

                  妄想終了。
「つまりこう言う事だったのか」
ヤムチャは全てを理解した。要はラディッツは恥ずかしがっているのだ。
「ラディッツさん、そんなに恥ずかしがらなくて良いのに」
ヤムチャは本心からそう思った。そして、ちょっとしたおせっかいをする事に決めた。
「チチさん、このホレ薬をラディッツさんに飲ませてください。
大丈夫、ラディッツさんの心がどうであれ、これを使えば二人の関係は上手く行きますよ」
チチにホレ薬の使い方を教え始めたヤムチャ。
一方、ラディッツの方は状況が全く飲み込めない。
「さーて、じゃあそろそろ部外者は立ち去るかな。後は二人で楽しんでください」
「ヤムチャさん、ありがとう。オラ何と言って良いか解らねえけど、これでラディッツさも素直になるだ」
チチに軽く頑張れというヤムチャ。チチもありがとうと答える。ラディッツは言葉も出ない。
「さ、ラディッツさ、これを飲むだ」
チチがラディッツにホレ薬を飲ませ様としている。ラディッツも抵抗する。
それをヤムチャが暖かい目で見守っていた。

続く


461 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/17 02:39 ID:AW95.qWg
>>前回436

流星を思わせる動きの速さ、一瞬の隙も見逃さないその戦闘センス。
恋は女を強くするというが、ここまで強くなるとは。
ラディッツはチチの強さにほんの少し憧れた。
実は、ホレ薬の原材料に、危ない気品漂う物があり、
それがチチの戦闘力を上げているのだが、ラディツは知らなかった。
そしてついにチチがラディッツの口を捉えた。
ラディッツの口にホレ薬が入れられようとしたその瞬間。
ラディッツの頭の中で、今までの恋愛が走馬灯の様に流れた。

幼稚園の時。近くの星にある宇宙幼稚園に入ったラディッツ。
しかし、戦闘民族サイヤ人と言う事で、周りの子供達が恐れて近づいてこない。
自分から近づいて行っても相手が泣くばかり。
結局ラディッツは独りぼっちになってしまった。
しかし、そんなラディッツにやさしく声をかけてきた
ショートカットの似合う、少しぽっちゃりしている女の子。
孤独だったラディッツの前に現れた一人の天使。

しかし、その女の子は数年前に、サイヤ人に星を滅ぼされた種族の生き残りであった。
ある蒸暑い日、女の子の家に遊びに行ったラディッツ。
するとそこには、レーザー銃とビームサーベルで武装した大人20人が待ち構えていた。
どうやら親にサイヤ人だとバレタらしく、仲間を引き連れてラディッツめがけて襲いかかってきた。
仇だ突撃だのと叫んで襲い掛かってくる大人達から、何とか逃げ延びたラディッツ。
しかし次ぎの日から幼稚園にその女の子は来なくなった。


462 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/17 02:39 ID:AW95.qWg
他にも思い起こせば、9歳の時の悪魔の眼鏡娘。
12歳の時のラディッツ消失事件。18歳の時の親父の壁事件。
そして地球に来てからの、遭遇ナッパ様などの数々の思い出が頭に浮かび上がる。
「まともな恋愛した事ないや」
ラディッツは、ホレ薬で偽りの愛に身を落す事もありだと考え始めた。

その時、チチの動きが止まる。
それを見逃さないラディッツ。渾身の力をこめてチチの腕を払いのけ、
辛くもチチの羽交い締めから逃げ出した。
ラディッツはチチの方に視線を向けると、チチは両目から涙を流していた。
「そんなに嫌か?」
ラディッツの今までの態度に心が傷ついていたチチ。
悲しそうなチチの問いに、ラディッツは声に力を込めて返事をした
「嫌です」
これは、ホレ薬が嫌だと言う意味だったのだが、チチは何かを勘違いした。
周りの空気がピリピリと張り詰める、眼下に広がる森から、鳥や獣たちが
我先にと四方に散らばって行く。そして先ほどとは違うチチの顔にラディッツは戦慄した。
「は…般若!」
時を同じくして、ヤムチャはチチに向って駆け出した。

つづく


514 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/25 00:09 ID:krhN5v6Q
>>前回461

ヤムチャの周りに黒いオーラが立ち上る。その黒いオーラは
黒い手に姿を変えて、チチに向って伸びて行く。

恐怖で身体が全く動かないラディッツ。メドゥーサの様な逆立った髪と、
般若の笑顔でラディッツに近づいていくチチ。ラディッツの命のロウソクの火に
チチと言う突風が迫り来る。
もはや風前の灯火となったラディッツが覚悟を決めた時、チチの背後から黒い手が姿を現した。
そして黒い手がチチの足や腕に絡み付き、チチは身動きが取れなくなる。
「ラディッツさ助けて〜」
先ほどまでとは全く違う、少女のような愛くるしい顔でラディッツに助けを求めるが
髪の毛は先ほどと同じ様にメドゥーサだ。ラディッツは直にあの愛くるしい顔は偽りだと観抜いた。
つまり助けた瞬間に先ほどと同じ状況が再開される。
「ラディッツさ、早く助けるだ。今なら軽い御仕置きだけですましてやる」

徐々にチチの顔が般若の顔に戻って行く。
軽いの意味がどの程度なのか、どんな基準で軽いと言っているのか不明だが、
このまま助けないと、チチが自由に戻った後に待ち構えているのは死だけであった。
覚悟を決めて、軽い御仕置きを受ける事にしたラディッツは恐怖で振るえながら、
チチに絡み付いている手を払おうとする。だがその時、突如現れたヤムチャがチチに惚れ薬を飲ませた。
当然の如く意識を失うチチ。そのチチをヤムチャが優しく抱きしめる。
先ほどまで温かく見守っていたヤムチャだったが、やはりチチを自分の物にする事に決めた。
結局最後は欲が勝つ。それがヤムチャだ。


515 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/25 00:11 ID:krhN5v6Q
「チチさんは俺が貰ったよ、さらばだラディッツさん」
そう言い残して去っていくヤムチャ。取り残されたラディッツはただ呆然と立っていた。
ヤムチャの脳内はハーレム一色だ、ハーレムだ、男の夢であるハーレムを作るのだ。
その犠牲者第一号はチチ。仲間の妻だけれどもヤムチャは気にしていない。
「後はチチさんが目覚めるだけだ」
しかし喜びもつかの間、ヤムチャの腕の中にいたチチはシュンと音を立てて消えてしまった。

少し時間は遡り、ヤムチャがホレ薬を奪って飛んでいった後の神様の神殿にて、
ブリーフがシェンロンを呼び出そうとしていた。
ヤムチャはドラゴンボールの事をすっかり忘れていた。つまりそのまま置いていってしまったのだ。
ブリーフの本来の目的はドラゴンボールを奪う事だ。結局の所ブリーフは目的を達成した。
「出でよシェンロン」
ブリーフの言葉に反応して、七つのドラゴンボールから光が溢れ出す。
そして次第に巨大な龍が姿を現した、どんな願い事でも叶えると言われている伝説の龍、神龍である。


私の名前はブリーフ、職業は王様。だが普通の王様ではない愛国心溢れる王様だ。
愛しい民衆の為なら、どんな危険な兵器でも開発してやると心に誓いを立てて今日まで生きてきた。
そのおかげで、民衆たちは私を敬愛し、私もまた彼らを愛している。
私はその愛を胸に秘め、様々な犠牲を払い、針の穴ほどの小さき正義の門をくぐりぬけてきた。
だが私はある欲望を抑えきれなくなっている。そう英雄になりたいと言う欲望を。
人は他人からの名声を欲する。ならば英雄になりたいと思う事は当たり前の事ではないか。
だが、人々の苦痛と絶望がなければ英雄とは生まれてこないのだ。
そう、私が英雄になるには人々の絶望が必要なのだ。愛しい国民達よ許せ、ただ1度の過ちだと思え。
さあシェンロンよ私の願いを叶えてくれ。
「サイヤ人に代わる脅威を世界に与えたまえ」


516 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/25 00:14 ID:krhN5v6Q
神龍は怒った。何に怒ったかと言うと、なんだこの願いはと思った。
1年前にはこの男はずいぶん立派な事を言っていたはずだが何だこれはと。

少し前、頬に傷のある男が、わけのわからない言葉を言って願いを叶えろと言ってきた。
何を言っているか判らんと答えたら、
「今の言葉を理解して願いを叶えてください、これが願いです。
どんな願いでも叶えてくれるんでしょ?」
とふざけた事を言ってきたので、思う存分尻尾でぶっ叩いてやった。
次ぎに来る奴の願いはマトモかなと期待していたが、まさかこれとは。
神龍は取り合えず、目の前にいるブリーフを尻尾でなぎ払い、遥か遠くまで弾き飛ばした。

「近頃の地球人はどうなっている。パンティーくれとかそれくらいならまだギリギリ許せるが、
これはなんだ。最近の地球人は全く礼儀がなっとらん」
神龍が怒り心頭と言った様子で叫んでいると、五歳くらいの子供が現れた
ゴクウの息子のゴハンである。
「ねえ神龍さん神龍さん。昔お父さんに聞いたんですけど、どんな願い事でも叶えてくれるって本当?」
「ああ本当だ」
「じゃあお母さんがどこに行ったか知りませんか?」
やっとまともな願いが来たかと神龍は思った。そのおかげで神龍の怒りは少しだけ冷めた。
「良しちょっと待ってろ」
神龍がカッと目を見開くと、ゴハンの横にチチが姿を現した。
ヤムチャの所からここに連れてきたのである。
「サービスして連れてきてやった、それと薬も抜いておいた」


517 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/11/25 00:16 ID:krhN5v6Q
「神龍さん、薬ってなんですか?」
「判らないのならそれで良い」
「うーん、気になるなあ」
とその時チチが目を覚ました。勿論ホレ薬は抜けてあるので、普通状態のチチだ。
「お母さーん」
ご飯がチチに抱き付く。ゴハンはチチがいなくなってからずっと捜していたのだ。
抱き付いたとしてもしょうがない。
「ゴハンちゃんどうしただ?」
「お母さんがいなくなった後、父さんと一緒にずっと捜してたんだよ、どこに行ってたの」
しかし、チチは殆ど覚えていなかった。覚えている記憶はラディッツが
嫌だと言った場面だけだが、どんな状況だったかも覚えていない。
「まあいいやお母さん帰ってきたし、神龍さんありがとうございました」
「よくわかんねえけど、何か御世話になったみたいで、ありがとうございました」
ゴハンとチチは神龍に御礼を言うと遠くにいるゴクウの元に帰って行った。

神龍は知っていた。あの親子を引き裂こうとしていた男がいる事を。
ハーレムを作るなどと言う下らない事の為に。
しかもホレ薬などと言う物を使い、チチが行方不明になった原因を作った事を。
神龍はその男に罰を与えることにした。本来なら神龍の力は願い事を叶えるためだけに
使うのだが、今日は虫の居所が悪いらしく、少々頭に来た。
「少し痛い目を見てもらうか」

つづく

688 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/12/09 22:21 ID:jbLfnOPI
>>前回514

ヤムチャはチチを捜したが、いくら捜してもチチは見つからない。
どうするか悩んだすえ閃いた。そうだ、ドラゴンボールがあるじゃないかと。
ここで初めて天界にドラゴンボールを置いてきた事に気付いた。
天界までドラゴンボールを取りに戻ろうと決めたヤムチャ。
そのヤムチャの前に、かなり不機嫌な顔のシェンロンが現れた。
シェンロンは、これから少しばかりお前に罰を与えると告げると、そのまま空の彼方に消え去った。
いきなりの事で、なんなんだと首を傾げるヤムチャの前に大男が現れた。我等がナッパ様だ。

ナッパ様は良い男を見ると乳首を触りたくなる。
街中でフッと気になる男と出会うと、ついつい乳首触って良いですかと襟を正してお願いしてしまう。
本人も困った癖だと思っているが、なかなか止められない。
そして先ほど、頭の中で何かの声に導かれてこんな遠くまで来て見ると、なかなか良い男がいるではないか。
ナッパ様はいつもの癖でついついこう言ってしまった。
「すみません、乳首触って良いですか?」
ナッパの頼みをやんわりと断るヤムチャ。
頼みを断られたナッパは笑顔のまま頭を低くする。
後は、身体全体の筋肉を通常モードから狩猟モードに変えれば準備完了。
そのまま笑顔でヤムチャに飛びかかるナッパ。

必死の抵抗も空しく、ナッパに力づくで組み伏せられるヤムチャ。身体全体から黒い気を噴出させるが、
それでもナッパからは逃れられない。
「静かにしろ、俺は良い男を見ると乳首を触りたくなるんだ。ちょっと触らせてもらうぜ」
「止めて、離して、この獣」
ヤムチャは必死に抵抗するが、ナッパからは逃げられない。助けを呼ぶにしても辺りには誰もいない。
乳首の一つや二つと諦めの観念がヤムチャの頭によぎるが、気力を振り絞って諦めの心を頭から追い出す。
そしてこの時、ヤムチャは決意した。こうなったらなにがなんでもこの場を乗り切ってやろうと。

689 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/12/09 22:23 ID:jbLfnOPI
「解った、乳首を触らせてやろう、好きなだけ触るが良い、なんならはさんでも良い。
だが、今の俺を見て乳首を触りたいほどの良い男だというのは、俺が納得できない」
「納得しないだと」
「そうだ。今の俺を見て、乳首を触りたい程の良い男だと思われるのは、俺が納得しない。
今までお前が、どれほどの男の乳首を指でつまんで来たのかは知らないが、このヤムチャを
少し良い男だと言われて満足するような、軟弱な奴らと一緒にしてもらっては困る。
俺の乳首を触ると言うならば、俺の最高の姿を見てから言ってくれ」
ヤムチャが不敵に言い放つが、ナッパも負けてはいなかった。

「おいおいおい、このナッパ様をなめてもらっちゃ困るぜ。
俺はな、一瞬で相手のあらゆる姿を頭の中で映像として見る事が出来る。
仮にお前が眼鏡をかければ、もっと良い男になると言ったとしても、
その程度の事は、既に俺の中で映像済みだぜ。今の俺はお前のバニーガール姿まで考えているんだ。
お前が最高の姿を見せると言っても、今更俺に見せる格好なんぞ残っていないはずだ」
「お前は所詮二流のタコ坊主だな」
「タコ・・だと!」
「そうだよ、二流のタコ坊主以外のなんだと言うんだこのタコ坊主。バニーガールや眼鏡くらいで
いい気になっているのが何よりの証拠だ。
その程度で乳首を狩っていたとはタコだなタコつうかマダコ」

690 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/12/09 22:25 ID:jbLfnOPI
ナッパが額に血管を浮きぼらせて、顔が真っ赤になる。
「俺は大抵の悪口なら、さらりと受け流すくらいの度量は持っている。
だがな、俺はタコと呼ばれるのだけは勘弁ならねえ。
貴様、もはや乳首だけではすまされないぞ」
ヤムチャを組み伏せていた両手を離して、少し距離をとるナッパ。
自分のズボンを下ろし、履いていたフンドシをゆっくりと脱ぎ始めた。
そして、脱いだフンドシを右手で高々と掲げる下半身丸出しのナッパ。
その姿を見て、ヤムチャはフンドシが光り輝く伝説の勇者の剣の様に見えた。
「このフンドシはナッパ家初代当主が履いていたとされる伝説のフンドシ。
代々我が家に伝わってきた当主の証し。これをどうすると思う?」
「それをどうするんだ」
「嗅ぐんだよ」

嗅ぐと言った。ナッパが優しげな目をして嗅ぐと言った。
そのまま愛しい恋人の肌着の匂いを嗅ぐ様にゆっくりと自分の鼻にフンドシを密着させるナッパ。
ナッパ家初代当主のフンドシの臭いはナッパの体の中で莫大な気に変化する。
その莫大な気はナッパの身体を変化させる、もう一つのナッパの身体へと。
「さて待たせたな、これで身体の問題は無くなったぜ、後は楽しむだけだなダーリン」
アレが無い、先ほどまで下半身丸だしのナッパについているはずの物が無い。
男の象徴たるアレが無い。それどころか胸も膨らんでいる。
ヤムチャが身体中から黒いオーラを噴出させた。先ほどナッパに組み伏せられた時の比ではない。
ヤムチャの頭の中で、危険を知らせる鐘がけたたましい音を立てて、危険だと鳴り響いていた。

691 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/12/09 22:27 ID:jbLfnOPI
この黒いオーラは、ヤムチャが手を加えた、ヤムチャ流の界王拳を使うと発生する。
この界王拳は術者の気を爆発的に高める事が出来るが、体に掛かる負荷が強すぎて、
寿命を削ってしまい、普段はかなり抑えて使っている。
しかし今のヤムチャは、少しも抑えずに全力で使っている。
寿命だなんだと言ってられない事態が起きた。今ここで全力を出さなければヤラレテシマウと
ヤムチャの中にある何かが語りかけていたのだ。

ナッパと肉薄するほどの力を手に入れたヤムチャだったが、そのまま戦おうとはせず
その場から逃げ出した。
闘えばナッパに勝てない事も無いだろうが、勝率は多く見積もっても六割だ。
ヤムチャにはそんな危険な賭けをする勇気は無い。負ければ何をされてしまうのか
考えるだけで身震いがした。
逃げるヤムチャとそれを追うナッパ。その様子を満足そうに天界から見ているシェンロン。
その三者の中にシェンロンの手によって、もう一人加わる事になる。

フンドシ片手に振りまわして追ってくるナッパから、必死で逃げているヤムチャの前に
巨大な円盤型の飛行物体が現れた。
しかもそれは一つや二つではない、ざっと見積もっても百以上はあるだろう。
船体には大きな文字でババと書いてある。
「聞こえるかヤムチャ。度重なるこのわしのアプローチを全て断りおって。
覚悟は出来ているだろうな」
船団の中で一際大きい円盤から、ヤムチャの知っている人間の声が聞こえてきた。
占いババの声だ。

692 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/12/09 22:29 ID:jbLfnOPI

天界ではパーティーも終り、皆さん家に帰り始めている所であった。
ちなみにあの後、天界に戻ったラディッツは、ゴクウ家族と仲良くなる事ができた。
ホレ薬の後遺症なのか、チチがラディッツに対して妙に優しくなっており、
ゴクウとゴハンを説得してくれたからだ。
結果論だが、フリーフの発明品もたまには人の為に役立った。

天界でヤムチャの様子を見ていたシェンロンは、そろそろ疲れたので消え様かと思っていた。
あの男にも罰を与え、用事は終わったと判断すると、シェンロンは何処かへと消え去った。
そして七つのドラゴンボールは空高く舞いあがり、勢い良く世界中に四散して行く。

「シェンロンが行っちゃったけど、良いのベジータ?」
ベジータにそう聞いているのは、ベジータの妻ブルマである。
ブルマはベジータに、なんでも願いを叶えてくれるドラゴンボールの事を話していた。
それを使えば、巨大彗星との衝突で死んだサイヤ人も生き返らせる事が出来ると。
しかしベジータは生き返らせない方が良いと言っている。
現にシェンロンが先ほどまでそこにいたのに、何もしようとはしなかった。
「良いんだ、生きかえらせない方が良い。そもそも俺はサイヤ人を捨てた身だ」
ベジータも少しは生き返らせたいとは思っているが、サイヤ人たちは闘いを生業としている。
そんな奴らは生き返らせない方が良いだろうとベジータは思っていた。
「でも…」
「いや、べジータ君の言うとおりじゃ」

693 名前:ハンター ◆sXwp.hkc [sage] 投稿日:03/12/09 22:32 ID:jbLfnOPI
どこからともなく現れたブリーフが拳を握って力説する。
「戦闘民族サイヤ人を復活させるのは平和を乱す事になる。そんな事はこのわしが許さん。
何よりも美しいのは平和なのだ。平和な宇宙に平和な人々に平和な地球
平和こそ何より…ウウッッ」
ブリーフが頭を抑えて苦しみ出した。
「お父さんしっかりして、どうしたの」
ブリーフは苦しみながら地面に倒れた。
シェンロンはヤムチャの他にブリーフにも手を出していた。
単にブリーフの心に良心を植え付けただけなのだが、、ブリーフにとっては
どんな拷問よりも苦しい責め苦であった。

ブリーフ博士を助け起こすブルマ。
震える手でブリーフ博士は懐から小さな箱を出した。
「こ…これをヤムチャ君に渡してくれ、決してお前が開けてはならんぞ」
そのまま気を失うブリーフ。箱を渡されたブルマは好奇心から箱を開けてしまった。
すると中には人形が一体ある、その人形が口をパクパクさせて、無機質な声で喋り出した。

「パスワードを答えて下さい。パスワードのヒントは、ミスターヤムチャの
一番大事な物です。では、後1秒以内にパスワードを答えて下さい。
はい時間切れ。コノ箱は証拠隠滅のタメ、爆発シマス爆発爆発爆発爆発」
ブルマとべジータが慌てて箱をいじくりまわすと、人形は無機質な声で話を続けた。
「嘘デス。爆発はシマセン」
フルマとベジータはほっと胸を撫で下ろした。
「大爆発シマス」
大きな爆発音と共に巨大な炎が天界を包んだ。

続く


761 :ハンター ◆sXwp.hkc :03/12/18 23:17 ID:nzxpFCmg
>>前回688

ババの船団と戦う事になったヤムチャ。
幸いにもナッパ様との距離は離れているので、今の所そちらの心配は無い。
だが、余裕があると言ってもせいぜい三分が限度だろう。
それまでに目の前のババ船団を殲滅する必要がある。
そんな時、ヤムチャの目に映ったのはカリン塔。

カリン塔に近寄ると、ヤムチャは優しくカリン塔に手を触れる。その感触はまるで巨大な大樹。
その大樹を優しく持ち上げると、ヤムチャはカリン塔をババの船団に向けて一振り。
ヤムチャがカリン塔を使い、ババの船団をなぎ払った。
隙を突かれた船団は、その一振りで約二十隻撃墜された。
ババは散開する様に命令。ババもすぐさまその場から離れるが、その間にヤムチャは
三回ほどカリン塔を振った。
たった四回振っただけで、残っているのはババの船を含めてわずか七隻。
ババが状況を確認している間に、生き残った六隻をヤムチャが軽く始末して、
ババの船以外は全て撃墜された。

生き残りが自分一人だと知ったババは特攻を仕掛ける。船体を最大に加速させ、ヤムチャ目掛けて突撃。
ヤムチャは、カリン塔を大きく振りかぶると、狙いを定めて全力で振り下ろす。
こうして、ババの船団は全て行動不能となった。
戦いを終えたヤムチャがカリン塔を元の場所に戻していると、遠くから奴がやってきた。


762 :ハンター ◆sXwp.hkc :03/12/18 23:20 ID:nzxpFCmg
夕日をバックにヒゲヅラのおっさんがフンドシ片手に特攻してくる。
間違い無く奴だ。
ヤムチャは、自分の持っているカリン塔を眺めてふと思った。
こいつと一緒なら、奴と闘えるだけの勇気が持てるのではないか。俺は奴と戦えるのでは。
カリン塔を持ちなおして、夕日の彼方からせまり来るナッパ様との闘いの準備を整える。
ヤムチャの真の闘いが、今始まろうとしていた。


少し前、小箱が大爆発。その爆心地にいたブルマとベジータに怪我は無い。
二人とも鍛えられた戦士であり、身体に怪我は全く無い。
あの程度の爆発の衝撃では、二人にダメージを与える事は無い。
一般人で例えると、ちょっとポンポンと叩かれた程度で、身体の内部にもダメージは一切無い。
爆発の炎も、少し温かい風くらいしか感じず、全く持ってダメージは無い。
だがそれは身体や髪の毛の話しであって、身につけているものとなると話しは違った。

お気に入りの服やアクセサリーが崩れ去っていくのを、涙目で見ているブルマと
そのブルマを慰めているベジータ。
発狂寸前のブルマが、ブリーフに刀で切りかかる事、数えて八回。
そのたびにベジータがブルマを抑える。
そこへ先ほどの爆発の事で、神様がやってきた。素直に事の顛末を教えるブルマとべジータ。
事情を聞いた神様が、ブリーフの額に手を当てる。何かを調べている様だ。
神様がブリーフの額に手を当ててから二分が過ぎた頃、神様は声を震わせてこう言った。
「わしが調べたところ、ブリーフ君の心の中に良心が芽生え始めていた…」


763 :ハンター ◆sXwp.hkc :03/12/18 23:24 ID:nzxpFCmg
ブルマとベジータは驚いた。あのブリーフ博士に良心が芽生えていると言う事に。
「おかしいと思ったんじゃよ、あのブリーフ君がヤムチャ君に爆弾を送るだけで
すまそうとしてたのじゃぞ。まさかと思って調べてみたら、まだほんの小さな良心だったが、
ブリーフ君の心の中に存在していたよ。しかも凄い速さで良心が肥大化していた」

それを聞いてブルマは思った。確かに父らしくない行いだと。
爆弾一つ送るにしても、普段のブリーフなら中性子爆弾レベルの物を送る。
それがただの爆弾一つとは、おかしすぎる。
「じゃあもしかして、お父さんは普通の良い人に変わるの?」
「あのままだったら確実に良い人に変わってただろう。
だが安心したまえ、わしがちゃんと調べるついでに良心の芽を握りつぶしておいたよ」
「…………」
昔からブルマは、お父さんが普通の人になれます様にと願っていた。これはブルマの一番の願い
と言って良い。
そして今日、自分の父に良心が芽生え始めたと言う。ついに願いは叶ったかと喜んだ次ぎの瞬間、
絶望の底に叩き落された。
この緑色が、自分の父の良心を握りつぶしたらしい。


764 :ハンター ◆sXwp.hkc :03/12/18 23:27 ID:nzxpFCmg
ブルマが右手に持っている、名刀斬鉄剣が光りだした。持ち主の殺気に反応しているのだ。
「良い根性してるよ神様。一回あなたと戦ってみたかったんだ」
ブルマの顔が羅刹に変わっている。あのベジータさえも恐怖で近づけない。
「その緑の触角を切り落としてやる」
ブルマが神様に飛びかかろうとしたその瞬間、ブリーフ博士が目覚めた。
「止めるんだブルマ」
父が闘いを止めろと言った。普段なら、進んでやっちまえと言う男が。
神様は良心を、捻り潰したと言っていた。だが、もしかしたら。
「お父さん。なんで止めろって言うの?」
「刀を振り回して他人に切りかかろうとする娘を止めて何がおかしい」
ブリーフは良い人になった。

続く

772 :ハンター ◆sXwp.hkc :03/12/20 06:54 ID:0myT0nu.
>>前回761

ブリーフの横顔がなんと凛々しい事か。今のブリーフは先ほどとは違い
地球の王に相応しい凛々しさを持っている。
「お父さん」
ブルマが溜まらず駆け出した。そして勢いよく抱き付くと、顔に笑顔を浮かべる。
「やっとまともになってくれたのね、お父さん」
ブルマの頭を優しくなでると、軽く頷くブリーフ。
「今まで辛い思いをさせてすまなかったなブルマ。これからは真面目に生きると約束しよう」
美しい親子愛に、あのベジータも瞳が少し潤んでいる。
二人の姿を見た人間は、誰しも二人を祝福するだろう。ただ一人を除いて

「正気にもどるんだブリーフ君」
神様が自慢の右手を伸ばす。数十センチメートルほどの長さだった右手が、
何メートルの長さにまで伸びる。
もう一度ブリーフの額に手を当て、今度こそ良心を完全に消滅させるつもりなのだ。
その神様の手をブルマが掴む。
「神様。これ以上父さんに何かする気なら、私が黙っちゃいないわよ」
「今のブリーフ君を見て、ブルマ君は何も思わないのか」
「まともな人間になって良かったと思ってるわ。昔のお父さんに
良い所なんて一つもなかったでしょ」
神様は、ブルマに反論しようと思い、昔のブリーフの良い所を並べ様と頑張ったが、
全く思い浮かばなかった。せいぜい昔に比べてつまらなくなったくらいだ。その程度しかない。
「わしの負けだ」
神様は自分の負けを認めると、その場に崩れ落ちた。


773 :ハンター ◆sXwp.hkc :03/12/20 07:00 ID:0myT0nu.
天界の下で、カリン塔片手にナッパと闘っていたヤムチャ。
予想していたよりもナッパは強かったのか、かなり苦戦している。
ナッパはカリン塔をフンドシで受け流す。どんな攻撃でも、あのフンドシの前では意味が無い。
ゆらりとフンドシが動くと、次ぎの瞬間には攻撃が受け流されている。
ヤムチャは思った。こいつは最強のフンドシ使いだと。
だが、武器の扱いではナッパに分があるが、肉体的な強さではヤムチャの方が上だ。
カリン塔の重量が桁外れと言う事もあり、ナッパは徐々に押されていった。

「ねえお父さん、これからどうするの? 今まで通り王様でいるの?」
天界は、とても和やかな雰囲気だった。神様だけは、ヤケ酒を飲んでいるが。
「王様を続けるつもりだよブルマ。そして、兵器なんて作らずに、
民衆達の生活を豊かにする発明品を、沢山作るつもりだ」
「ふふ、昔のお父さんだったら、そんな事は熱が無くちゃ言わなかったわよ。
実は、今のお父さんも、ただ熱があるだけだったりして」
ハハハハハと笑いあう、ブリーフとブルマと神様。
「どーれ、熱があるか見てやろう」
神様がブリーフの額に手を当てようと近づくと、ブルマが神様に正拳突きをかました。
そして、何処までも吹っ飛んでいく神様。

下界では、ヤムチャがババの船を沈めたあの技を使おうとしていた。
勢い良く、カリン塔を大きく振りかぶるヤムチャ。ただ先ほど使ったときよりも、
ヤムチャの位置は天界にかなり近かった。
つまり、カリン塔は天界に直撃した。

続く

40 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:03/12/31 23:47 ID:e8yF78mk
>>前回772

カリン塔の直撃で、半壊した天界。
ブルマとベジータは、何とかカリン塔が直撃する前に天界から逃げる事に成功したが、
逃げる時にブリーフとはぐれてしまった。
ブルマとベジータがブリーフを探し始めて十分後、夫であるベジータが、ある情報を掴んだ。
ラディッツが、先ほどブリーフと神様が一緒に居る所を見たと言うのだ。
ブルマの顔から血の気が失せた。

「まさか、あの緑色の触角人間が、お父さんの良心を今度こそ本当に握り潰したんじゃあ。
また昔のお父さんに戻っているかも」
つまり、ドサクサにまぎれて神様がブリーフの良心を握りつぶしたと思っているのだ。
ブルマは想像した。自分の父が神様に捕らえられ、抵抗も空しく額に手を当てられる。
次第に顔つきが邪悪に成っていく父親。その様子を神様は笑いながら眺めている。
そして、昔の父へと逆戻りしてしまうのだ。
見事に邪推しているブルマ。神様を一片たりとも信じていない。

「おいブルマ。あれはブリーフ博士だろ」
いきなりベジータがブリーフを発見したと言ってきた。
ベジータの突然の言葉に少し驚きながらも、ブルマはベジータの指差した方を振り向いた。
するとそこには神様がブリーフを担いでいた。
「お父さん!」
ブルマが神様に駆け寄る。お腰につけた斬鉄剣に手をかけながら。


41 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:03/12/31 23:49 ID:e8yF78mk
ヤムチャ最強の技、カリン塔振り下ろし。
ただカリン塔を振り下ろすだけと言うこの技は、一撃で大陸を破壊する事も可能だ。
その振り下ろしをまともに食らってしまったナッパ。
もはやナッパに戦う力は残っていない、つまりナッパの負けである。
だが、荒れ果てた荒野に倒れているナッパ様の顔は実に安らか。
戦士として出来る事を全てやり尽くした。そんな安らかな顔だった。

ヤムチャはそんなナッパに向かい、手に持っていたカリン塔を投げつけた。ちゃんと止めを刺したのだ。
轟音とと共に安らかな顔のナッパ様は消え去った。
ヤムチャは満足そうな笑顔を浮かべると、二度と復活するなよと一言だけ吐き捨てた。
そして、そのまま天界目指して飛んで行く。先ほどカリン塔に破壊された天界に。


少し前、大空を落下中のブリーフを神様は見つけた。
先ほどのカリン塔と天界がぶつかった衝撃で気絶したのだろう。
ブリーフは飛ぶ事もできずにいた。

ブリーフを保護した神様は、辺りにブルマが居ない事を確認すると、
当たり前のようにブリーフの額に手を当てる。
ここまではブルマの邪推も少しは当たっていた。だが、神様はブリーフの心に入り込めなかった。
いくらがんばっても無理だ。何か巨大な黒いもやが神様の邪魔をしている。
しょうがないので、天界に戻る事にした神様。
天界には色々な便利グッズがある。それを使ってブリーフの心をこじ開けようとしてるのだ。
やる事は決まった。ブリーフ復活まで秒読み体制だ。
心に希望を浮かばせながら、気分高揚にブリーフ担いで天界まで戻るその道中で、
いきなりブルマが襲い掛かってきた。


42 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:03/12/31 23:50 ID:e8yF78mk
ブルマの太刀筋はそれはもう見事なものだ。ブリーフ共々神様を葬り去ろうとしている事は傍目に見ても判る。
ベジータに抑えこまれるブルマ。ベジータにはいくつも刀傷が出来ていた。
死を覚悟したわりには傷は少ないなと思いながら、ベジータは優しくブルマを説得し始めた。
「話だけでも聞いてみないかブルマ」
「良いの、もう判ってるから。きっとお父さんは、神様のせいで昔のお父さんに戻ったのよ。
今は気絶しているみたいだけど、それは好都合だわ。
私は娘として、あの男を二度とこの世の復活させるわけには行かないの。全てこいつのせいよ」
「わしは神様じゃぞ。もう少し有り難味を持って接しても良いと思うのじゃが」
問答無用とばかりに、ブルマが再度神様に襲い掛かる。
「待てブルマ君。どうだね? ここはひとまず取引でもしないか。わしを見過ごす代わりに世界の半分を上げようじゃないか」
神様の言葉を聞いたブルマの太刀筋が鋭くなった。
どうやら火に油を注いでしまったらしく、ベジータさんもブルマを抑えるのに必死だ。

間に入ったベジータが、ブリーフ博士が目覚めるまで待つという事でブルマを納得させた。
神様、ベジータ、ブルマの三人は半壊した天界に戻ってくると、ブリーフが目覚のを待っていた。
「もしも昔のお父さんに戻っていたらどうなるか判っているでしょうね?」
「それは無いよブルマ君。わしもブリーフ君を元に戻そうとしたのじゃが、なぜか心に入り込めなかった
きっと昔のブリーフ君には戻っていない」
妙に説得力のある神様の言葉に、ブルマも二の句を告げられない。
そんな雰囲気の中、ある男がやってきた。
先ほどカリン塔で天界を壊した男、ヤムチャだ。

つづく


144 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:04/01/13 22:00 ID:dFs/U4I2
>>前回40

天界は大きく変わっていた。
大きな亀裂の入った今にも崩れそうな地面と、半分ほど倒壊している神様ハウス。
奇妙な形をした木々達は、全て根から折れていた。

「本当にすみませんでした神様」
一人の男が、腰を直角に折り曲げて頭を下げている。
名前はヤムチャ。クールな瞳とホットなハートの持ち主。
この男、カリン塔と呼ばれる太くて長い建造物を好き勝手に振り回して、天界を半壊させてしまった。
つまり、今回の事件の加害者。
「そんなに謝らなくて良いよヤムチャ君」
ヤムチャを優しげに諭す、無数の刀傷が身体に刻まれている緑色の触覚を頭に生やしたこの人物、名を神様と言う。
天界の持ち主で、天界半壊事件の被害者でもあった。
「いえ、こうでもしないと俺の気がすまないんです神様」
「君の気持ちはわかるが、しかし」
「いえ、本当に申し訳無いです。まさかこんな事に成っていたとは」
「良いんだよヤムチャ君。ちょっと首を置いていけばわしは許すよ」
神様ご自慢の便利グッズの一つ、切っ先がかなり鋭い槍をヤムチャに向ける。
普段のヤムチャなら神様と戦うことも出来るが、ナッパとの戦いで体力を消耗している今のヤムチャには
神様と戦うだけの力は残されていなかった。
「犯人は誰か知らないかと聞かれたから、素直に俺ですと言っただけなのに」
「ちょこっと素直過ぎだ、ヤムチャ君」


145 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:04/01/13 22:01 ID:dFs/U4I2
「それくらいにしたら神様」
そう言ってきたのはブルマだった。
「他の人は黙っていてもらおう。わしはヤムチャ君を許すつもりは無い」
「貴方は神様でしょ、広い心を持って許したらどうなの?」
「刀を持ってわしごとブリーフ博士を切り捨てようとした人間に、そんな事言われたく無いわ。
どうせブリーフ博士が悪人に戻っていたら、わしを刀の錆にしようとでも思っているんじゃろ」
ブルマは黙ってしまった。神様の言っている事がもっともだからだ。
「わかったわ、もしお父さんが悪人に戻っても何もしないと誓うわ。だから、ヤムチャを見逃してあげて」
「本気で言っているのか?」
「本気よ」
「絶対だな?」
「絶対よ」
今度は神様が黙ってしまった。ブルマの決意が本物だと感じたからだ。
「さ、ヤムチャがした事は許してもらうわよ神様」
「だがしかしなあ……」
「駄目だって言うんなら、父さんが悪人に戻っていたときは覚悟してね」
「わかったよブルマ君。ヤムチャ君は許すよ」
神様が槍をヤムチャの首から離してポポに渡した。

この場で一番驚いているのはヤムチャだった。
ブルマが自分の為にここまでしてくれるとは思いもしなかった。
「ありがとうブルマ。この恩はいつかちゃんと返すよ」
「良いのよヤムチャ。私もベジータと勝手に結婚したから負い目を感じてたのよ。
でもこれで勝手に結婚した事はチャラよ」
「ああ、当たり前じゃないか。じゃあ俺はもう家に帰るぜ、ブリーフ博士が良い人に変わっていると良いな」
「何を言ってるんだヤムチャ君。わしは元々良い人だよ」
ヤムチャが爽やかな笑顔でその場から立ち去ろうとしたとき、ブリーフが目を覚ました。


146 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:04/01/13 22:02 ID:dFs/U4I2
場が凍りついた。その場にいる全員がブリーフ博士を見ている。
「どうした? わしがどうかしたのか」
全員がブリーフの言葉を反芻していた。元々良い人という言葉を。
「悪人に戻ったのね、お父様」
「待てブルマ、決め付けるのはまだ早い、もう少し様子を見るんだ」
ベジータが今にも飛び掛ろうとしているブルマを制止した。
「ブリーフ君、元に戻ったんだね」
その横で神様が嬉しそうにブリーフに話し掛けた。横にいるブルマの気持ちなんて考えてない。

「元に戻った? そう言えばさっき変な夢を見たよ。
わしがブルマに平和だの愛だのと語って、挙句の果てには兵器を作らないだのと言いよった」
「それはとんでもない悪夢だったな。だが大丈夫、もうそんな悪夢は終わったよ」
「そう言えば夢の中で地球の神よ、あなたにも出会った。
そうだ、あれは夢ではない。確かにわしは兵器を作らないと語っていた。
わしとした事が何と言う醜態を晒してしまったんじゃ」
ブリーフが拳を強く握り、歯軋りを一つする。
ちなみに、近くで二人の話を聞いているブルマは歯軋りが鳴りっぱなしだった。

「じゃが、君は自力で戻ってきたじゃないか。醜態なんかでは無かったよ」
「いや、あなたのおかげだ。あなたが最初にわしの心に巣くっていた変な良心を握りつぶしてくれ
なかったら、わしはあのままだっただろう。きっと自分の心を取り戻すことは出来なかった」
「いや、これも全てブリーフ君の精神力の強さの賜物だ。わしは背中を押しただけに過ぎない。
流石だなブリーフ。それでこそ地球の王だ」
「神よ!」
「ブリーフ!」
がしっと二人は抱き合った。それを見ていたブルマの殺気が跳ね上がった。
その凄まじい殺気は、あのベジータもその場から逃げ出したほどだ。


147 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:04/01/13 22:04 ID:dFs/U4I2
暗闇の中に一体の龍がいる。シェンロンと呼ばれる巨大な龍。
この龍は死者を生き帰らせる事も出来るほど強大な力を持っていた。
「あの男は私以上だと言うのか」
あの男とはブリーフの事だ。
シェンロンは、ブリーフの心に良心を植え付けた。
最初の内は、この良心がブリーフの心を支配することが出来た。
神の妨害も全く問題になっていなかった。それほどブリーフの心の奥深くに植え付けていたのだ。
だが、時間がたつに連れて、シェンロンが植え付けた良心は力を無くして行った。
例えて言うなら、芽を植付けたは良いが、土は腐っていたという感じだ。
しかも、ブリーフ本来の心が前にも増して強くなって行った。
まるで厳しい修行を乗り越えた修行者のように、激しいトレーニングをこなしてきたアスリートの様に。
今では、以前よりも何倍も強くなったブリーフの心に、シェンロン如きでは手が出せなくなっていた。
「化け物か……」
シェンロンは暗闇の中で一人呟いた。

ここは天界。ブルマが現在大暴れ中。
「待てブルマ君、これを見ろ」
神様が右手でヤムチャの後頭部を掴んで持ち上げた。
「確かにわしは聞いたぞ、ブルマ君はヤムチャ君を助ける代わりに、わしには切りかからないと
それなのに、何でブリーフ君だけじゃなくて、わしにまで手を出して来るんだ。
いや、ブリーフ君を切りかかることも間違いだ。さっき君は言ったじゃ無いか、
広い心を持って許してやれと。
それなら、君も広い心を持ってわしとブリーフ君を許してくれ」
ブルマは少しだけ悩む仕草を見せると、ボソッと一言だけ呟いた。
その一言をヤムチャは聞いていた。確かにブルマはこう言った。
「ヤムチャ、あんた邪魔だよ」


148 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:04/01/13 22:06 ID:dFs/U4I2
「待ってくれブルマ、俺に対して負い目感じてるんじゃないの?」
「誕生日プレゼントに台所のキュウリ渡す奴が偉そうに言ってるんじゃないよ」
ブルマは手に持っていた刀を投げつけた。ヤムチャと神様の二人を一片に片付けると言う修羅の攻撃だった。
ヤムチャの鼻先三oの所でぴたりと止まる刀。ヤムチャが真剣白刃取りで受け止めたのだ。
ホッと胸を撫で下ろす神様とヤムチャ。
それと同時にグイッと凄い力で押される刀。
ヤムチャの目の前には何時の間にか距離を詰めていたブルマの姿があった。
「止めてくれブルマ」
「そうじゃぞ、ヤムチャ君がどうなっても良いのか」
「どうなっても良いから頼むから殺させて神様、ついでにヤムチャも」
刀を押しつづけるブルマと、力を振り絞って抵抗するヤムチャ。
鼻先に刀がプスリと刺さった時、ブリーフが叫んだ。
「止めるんだブルマ」

ブルマが驚きの表情でブリーフを見た。いつもなら進んでやっちまえというはずの男が、
戦いを止めろと言っている。
ブルマの動きがとまった。その隙をついてサササっとブルマから逃げ出す神様とヤムチャ。
(これで良いのか神よ)
(そうだ、それで良いんだ)
「お父さん、何で止めろって言うの?」
「刀を振り回して人に切り掛かろうとしている娘を止めて何がおかしい
全く、何度もこうやって娘を止めるのは、わしでも疲れる。言っただろ刀を振り回すのは駄目だと」
「ご……ごめんなさいお父さん」
(ここまでは大丈夫だよな神よ)
(完璧だよブリーフ君)
神様がテレパシーを使ってブリーフと心の中で話し合っている。
この状況では、ブルマを止めるにはブリーフが良い人になったと思わせるしか道はない。
それならば、先ほどと同じ状況を再現すればブルマもブリーフが良い人のままだと
勘違いすると神様は思ったのだ。


149 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:04/01/13 22:08 ID:dFs/U4I2
そして、その作戦は見事に成功した。
普段のブルマなら、見破られていたかも知れないが、今のブルマは感情的過ぎた。
冷静な判断力はほとんど無かった。
「お父さん、元に戻ったかと思ったけど、良い人のままだったのね」
「はははっわしは元か……良い人に戻ったよブルマ」
ブルマがブリーフに泣きながら抱きついた。
ようやく天界の騒ぎも収まった。
(どんなものかね、地球の神よわしに掛かれば簡単なものよ)
(流石だなブリーフ君。それでこそ地球の王だ)
「わかった。もう刀なんて使わない。こんなもの使っちゃ駄目だよねお父さん」
「その通りだ、いつも言っているだろ、武器は最新の物を使えと、
刀みたいな前時代的な武器を使っているのは止めなさい。今度父さんが加粒子砲を作ってやろう」
場が再び凍りついた。
ヤムチャがやっちゃったという顔で見ている。実は遠巻きに一部始終見ていたラディッツも同じ顔だ
「お父様…」
一度は消えたはずのブルマの殺気が再び燃え出した。
「神よ、わし何か間違えた?」
ブリーフが神様の方を向いたときには、神様は遥か彼方まで逃げていた。
ヤムチャもラディッツもその場から逃げていた。
取り残されたブリーフも状況を理解して、すぐさま逃げ出した。
天界に一人残されたブルマは、獲物の数を数えはじめた。
「一人…二人…三人…四人。なぜか一人増えてるみたいだけどまあ良いわね」
狩は始まった。


150 名前:ハンター ◆kwnurxPg [sage] 投稿日:04/01/13 22:10 ID:dFs/U4I2

夕焼け空も暗くなり、天の星々が輝き始めたころ、
ヤムチャハウスでは、召使の喋る猫プーアルが夕食の準備をしていた。
時間は六時を回ったところだ。そろそろヤムチャが帰ってくる。
実は、自分の主人がどんな土産話を持って帰ってくるのか楽しみにしていたプーアル。
いつもより豪勢な夕食を作っていると、不意に玄関のドアが開いた。
「お帰りなさいヤムチャ様」
プーアルの元気な声が家中に響き渡るが、ヤムチャからの返答は無い。
首を少し傾げて、玄関まで主人を迎えに行くと、そこには刀傷だらけのヤムチャがいた。
「ヤムチャ様しっかりしてください」
プーアルが駆け寄る。
身体を揺すっても全く返事は無い。プーアルが包帯を取りに行こうとすると、そこに占いババがやってきた。
「ついに見つけたぞヤムチャ、さっきはよくもやってくれたな。この償い身体で払ってもらおうか」
来ていた服を引き千切り素っ裸になった占いババ。貞操の危機を感じたヤムチャが、目をカッと見開いて
占いババにかめはめ波を放った。断末魔を叫びながら、占いババは光の中に消えていった。
「ただいま…プーアル…」
「ヤムチャ様、この傷は一体どうしたんですか」
「ブルマは最強だったよ。流石ブリーフ博士の娘だ」
ヤムチャは微かな笑みを浮かべると、そのまま気を失ってしまった。
プーアルには何がなんだか判らなかったが、尋常ならざる事が天界で起きたことだけは判った。

続く