前編 いざナメック星へ 魔界の力を発現させ、恐ろしいほどのパワーでベジータを撃退したヤムチャに 界王はかつて魔界から現世へと舞い戻ったもう一人の姿を重ね合わせていた。 今や宇宙全域を制圧しようとするその者と同じ道を歩ませるわけにはいかない。 だからこそ、意識のないうちに殺せと命じたのだ。 だが、悟空は界王の指示を拒否する。ヤムチャは大切な仲間、そして、ヤムチャが危険であると判断すれば自分が殺すと。 その返答に自ら地球へ出向こうとした界王を武天老師が制した。 だが、ヤムチャは原因不明の昏睡状態に陥っていた。 死んでしまった18号やピッコロ、そして神様を生き返らせるべくブルマがミスターポポから情報を得て、 神様の乗ってきた宇宙船を発見する。神様の故郷、ナメック星へ向かうためだ。 外傷は見当たらないにもかかわらず、昏睡状態にあるヤムチャを目覚めさせるべくブルマとトランクスが ナッパに殺された愛妻・18号を蘇らせるためにクリリンが叔父であるラディッツを生き返らせたいと悟天も同行することになった。 悟空は怪我が回復しないため、天津飯、餃子はヤムチャの監視のために地球へ残ることになった。 そして、ヤムチャは暗い闇の中にいた。 まるであの鬼の道のように漆黒の闇が全てを支配し、何も見えない。 そのヤムチャの前に一筋の光が現れたかと思うと、人影が現れた。 ヤムチャの前に現れたのはもう一人のヤムチャだった。 突然ヤムチャに襲い掛かるもう一人のヤムチャ、応戦するヤムチャだったが攻撃すれば 自分もダメージを受けることに気づき戦いあぐねていた。 だが、そんなヤムチャを嘲笑うかのように相手は攻撃の手を休めない。 だが、相手のダメージが自分に跳ね返ってくるのならば、 自分のダメージも相手に跳ね返るはずだと直感したヤムチャは自分の胸に手刀をつきたてる。 不思議と痛みはなかった。そして、もう一人のヤムチャの姿が消えるとそこには黒き狼が佇んでいた。 ヤムチャの体を乗っ取るべく精神世界でヤムチャを負かすつもりだった魔界の者だ。 しかし、ヤムチャの精神力が逆に魔界のものを取り込む結果となり、同時にヤムチャは隠された力にも目覚める。 目を覚ましたヤムチャは現実世界ではサイヤ人からずいぶんと時間がっていることを知らされる。 かつてと変わらないヤムチャにほっと胸をなでおろす天津飯と餃子だったが、 ナメック星に向かったブルマたちに危機が迫っていることを告げる。 あのベジータとフリーザという者の一味がドラゴンボールを狙っているのだという フリーザ、ヤムチャはその名に聞き覚えがあった。この世に戻る際にヤムチャは閻魔大王からこの世に戻る条件を提示されていた。 それは魔界を抜け出し、宇宙の帝王となったものを殺せというものだ。その者の名こそがフリーザであった。 ナメック星へ向かったブルマたちはドラゴンレーダーを用い、フリーザたちよりも効率的にドラゴンボールを集め続けていた。 一方、瀕死から蘇りパワーアップを果たしたベジータもフリーザに反旗を翻し、その幹部たちを次々と抹殺していった。 ブリーフ博士が神様の宇宙船を参考に作った新たなる宇宙船が完成し 完全に魔界の力を自分のものとしたヤムチャ、悟空、天津飯、餃子が地球を飛び立った頃、 フリーザもベジータに次々と撃破される幹部たちに怒り、遂に、虎の子のギニュー特戦隊をナメック星へと呼んだ。 ナメック星の神とも言うべき人物、最長老に潜在能力を引き出してもらったおかげで パワーアップを果たしたクリリンだったが、 ラディッツ同様、気を察知する能力を身につけたベジータにより発見されたために、 せっかく集めたドラゴンボールが奪われようとする、その時、ヤムチャたちよりも一足先にギニュー特戦隊がナメック星に到着した。 早くドラゴンボールを渡せと叫ぶベジータだったが、時すでに遅く、ギニュー特戦隊が現れてしまう。 あわてたベジータが放り投げたドラゴンボールも破壊しようとしたドラゴンボールも奪われる。 そして、特戦隊の戦士・リクームの前についにベジータは殺され、悟天も首の骨を折られる重傷を負う。 その時、ついにヤムチャたち4人を乗せた宇宙船がナメック星に到着した。 餃子は時を止める超能力を使うというグルドとの戦いを選んだ。 彼はヤムチャの力に感応し再び超能力を使えるようになっていた。 瞬間移動を巧みに扱い、時間を止める能力を持つグルドを翻弄するとあっさりと倒してしまう。 餃子のパワーアップに驚くベジータだったが、力を上げたのは餃子だけではなかった。 悟空がパワーに頼るだけのリクームをあっさりと倒した時、フリーザにドラゴンボールを届けたギニューが戻ってくる。 餃子と同じくヤムチャの力に感応した天津飯は宇宙一のスピードを自負するバータに対し、 宇宙一はヤムチャ、そして二番目は悟空だと言い、バータを挑発する。 スピードでは劣りながらも、天津飯は第3の目で未来を見る能力を使いバータを寄せ付けず勝利する。 そして、ヤムチャは相手の力を吸収するという真の能力を見せつけジースを弱体化させ、 立ち去るように勧めたが、 ジースが最後まで抵抗したため躊躇なく殺した。魔界での生活でヤムチャは力だけでなく非情さも身に着けていた。 最後の生き残りであるギニューは自分の体を傷つけ、最も戦闘力の高い悟空の体を乗っ取ったが、 最後はクリリンの機転で蛙とボディーチェンジさせられ、ギニュー特戦隊は全滅した。 悟空の傷を回復させるため、そして、悟天とトランクスの潜在能力を引き出してもらうため、クリリンたちは最長老の元へ向かった だが、彼らの帰還を待つ間もなく、ヤムチャたちはドラゴンボール奪還のためフリーザの元へ向かった。 後編 激神 フリーザ 最長老の元へ向かった悟空たちを待つことなく、ヤムチャたちはフリーザの元へ急いだ。 奪われたドラゴンボールを取り戻すためだ。 最後のドラゴンボールは最長老の元にあった、だが、気の大きさから見て、フリーザがその気になれば 自分たちを瞬殺し、全てのドラゴンボールを手中にすることは容易いだろう。 だが、閻魔大王との約束がある以上ヤムチャは戦わなければならない。 天津飯と餃子はヤムチャについていくと言い張ったのだ。 かつて、鶴仙人の元で共に武道を習った3人は強い絆と、そして、魔界の力という深い縁で結ばれていた。 気配を消し、フリーザの元へと向かう途中で三人はこれからの作戦を考えた。 まずはドラゴンボールを奪還することが先決だ。 気を探ったところではフリーザは確実に一人でいる。そこが狙い目だった。 ヤムチャがフリーザの注意をひきつけ、餃子が新たに身につけた瞬間移動でドラゴンボールを奪うと、 最後は、天津飯の太陽拳で目を眩まし、全員でドラゴンボールを最長老の元へ届けることに成功した。 そして、ドラゴンボールを渡すと再び、ヤムチャたちはフリーザのいる方向へと飛んだ。 願いをかなえる邪魔をさせないためだ。 遂にそろった一つ目の願い出でピッコロを生き返らせ、二つ目の願いで復活したピッコロをナメック星へ瞬間移動させてもらった。 だが、その頃、ポルンガの出現に気づいたフリーザがヤムチャたちと遭遇した。 餃子の念力で無数の岩石がフリーザを襲った。そして、その岩石を巧みに利用しヤムチャも攻撃を加える。 かつて、魔界でともに戦った魔導師といつもやっていた方法だ。さらに天津飯の力でフリーザの動きを読み、 完全に戦いの主導権はヤムチャたちが握ったかのように思われたがフリーザが変身、反撃が始まった。 ナメック星へ呼び寄せたはずのピッコロは戦いの舞台ではなく、離れた場所へと飛ばされていた。 ヤムチャたちの元へ向かう途中でなめッく人の戦士・ネイルを発見し史上最強のなめッく人が誕生する。 変身したフリーザの前に次第に劣勢に陥るヤムチャたちだったが、 遂にピッコロが到着、変身したフリーザを圧倒するが、さらに変身したフリーザを前に倒れてしまう。 しかし、ピッコロをサポートするためにフリーザの力を吸収したヤムチャもエネルギーの補充が完了、 一定以上のエネルギーを吸収するという条件を満たし、ベジータ戦で見せた狼の姿となる。 魔界のものを完全に支配した者のヤムチャの真の力がフリーザを襲うが、魔界の者を支配していたのはヤムチャだけではなかった。 ヤムチャと同じように魔界の力を完全に発動させたフリーザは更なる力でヤムチャを撃退。 絶望かと思われた瞬間、悟空、悟天、クリリン、そしてトランクスが現れた。 トランクスたちが最長老にある技を教わっていたがために到着が遅れたことを話す悟空。 その目にはフリーザに勝つ自信がみなぎっていた。 そして、最長老から教わったフュージョンでトランクスと悟天が融合、ゴテンクスとなる。 潜在能力を限界まで引き出してもらったことと、トランクスの体に内蔵された気増幅装置により極限の力を発揮するゴテンクス。 すでに悟空が戦う必要すらないように思われたが、本気を出したフリーザの前にフュージョンの制限時間を越えてしまう。 ついに最後の砦である悟空がフリーザに挑む。一対一の勝負を希望し、肉体の限界まで界王拳で力を引き上げた悟空とフリーザの死闘で ナメック星が数分のうちに消滅するほどの衝撃を与えてしまう。 悟空の放った元気玉で勝負ありかと思われたが、元気玉の直撃を食らいながらもフリーザは生きていた。 プライドを傷つけられた怒りをぶつけるかのようにクリリンを殺したフリーザに悟空が切れた。 怒りに震える悟空は金色の戦士・スーパーサイヤ人へと変身。 ヤムチャたちにドラゴンボールで地球に移動するように命じ、最後の戦いへと望んだ そして、悟空の力で遂にフリーザは宇宙の藻屑と消えた。 (第7部 完)