第3部 概要 第22回天下一武道会、決勝はヤムチャが制した。激戦を終え眠りにつく二人。 かいがいしく二人の介抱をするのはブルマである。 (眠っている間は逃げないのね、ボディーガードさん。) そう思い、かつて自分を守り戦ったヤムチャの姿を思い出していた。 そんなほほえましい光景とは裏腹にピッコロ大魔王、第一の刺客タンバリンは まもなく天下一武道会場へたどり着こうとしていた。 タンバリンの目的は武道会出場者の名簿を奪うこととその殺害であった。 意識を失っている悟空の代わりに荷物を取りに行ったクリリンが最初の犠牲者となった。 そして、クリリンの死に気付いた発見者の悲鳴により悟空が目を覚ました。 友の死に怒れる悟空は武天老子の制止を振り払い筋斗雲でタンバリンを追った。 ドラゴンボールの反応を頼りにタンバリンに追いついた悟空であったが、 その力の前に敗れ去る。 もはや、地上にはピッコロに対抗しうる戦士はヤムチャと餃子、 そして武天老子の三人しか残されてはいなかった。 ピッコロ大魔王の力を知る武天老子は冷静に機をうかがった。 そしてついに決戦のときが訪れる。 決戦の地に赴いた三人はピッコロの傍らに驚きを禁じえなかった。 そこにいたのは鶴仙人だったからだ。 ピッコロ大魔王だけであれば何とかなるかもしれない。 その思惑は見事に外れてしまう。 だが、すでにピッコロ大魔王の前に姿を現してしまった以上 逃げることもかなわなかった。 武天老子とピッコロの戦いを邪魔させないためにヤムチャ、餃子は かつての師・鶴仙人との戦いにのぞんだ。 しかし、老人とはいえ、その力は絶大であり餃子がその命を失ってしまう。 そして、ピッコロと対等の戦いを演じていた武天老子もまた危機に直面する。 ピッコロの側近・シンバルにより神龍が呼び出されピッコロは若さを取り戻したのだ。 最後の望みをかけた武天老子の魔封波であったがその力を恐れた ピッコロの爆力魔波によりその発動を前に武天老子までもがその命を失ってしまう。 そして、鶴仙人もまたその邪悪な光の中へと消えていった。 何とか爆力魔波の圏外へと脱出したヤムチャであったが、 その絶大な威力を前に自分の無力さを痛感する。 時を同じくしてタンバリンも命を失っていた。カリン塔で超神水を飲み 更なるパワーアップを果たした悟空の前に敗れ去ったのだ。 ピッコロは国王の住むキングキャッスルをも攻略し、もはや誰も その勢いを止めることはできないかと思われた。 ヤムチャは覚悟を決め、ピッコロ大魔王との最後の戦いへと赴こうとしていた。 「行かないで。」 そう懇願するブルマに 「生きて、帰ってこれたら結婚してくれるか?」 そう言い残して。 キングキャッスルに到着したヤムチャはピッコロと何者かが戦っているのに気付く。 孫悟空だ。タンバリン、シンバル、ドラムと魔族の包囲網を突破したこの少年は ついに魔族の城と化したキングキャッスルに乗り込んでいた。 二人の戦いに圧倒されるヤムチャ。もはや、ヤムチャに彼らの戦いに関与する余地はなかった。 あまりにもレベルが、いや次元が違っていたからだ。 しかし、ピッコロの力の前についに悟空が倒れた。 右腕を貫かれ、両足も砕かれてしまったのだ たまらず飛び出したヤムチャも一撃でピッコロの前に倒れる。 そんなヤムチャの姿を見た悟空は最後の賭けに出る 「ヤムチャ、お前ぇの技借りっぞ。真・狼牙風風拳!!」 そう言うと残された悟空の左腕からかめはめ波が放たれた。 そしてついに悟空の拳がピッコロを貫いた。 世界に平和が取り戻された瞬間であった。 ヤムチャには悟空の放ったかめはめ波が希望の光のように思えた。 そして、この三ヶ月後ヤムチャとブルマは結婚式を挙げる。 しかし、この時、誰もピッコロが自分の分身をこの世に残していようなどとは思いもよらなかった。