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ヤムチャ、死へのカウントダウン

 

53 名前:ヤムチャ、死へのカウントダウン[] 投稿日:03/05/03 21:43 ID:s6SIIdie
平和な世の中・・・魔人ブウの恐怖も去り、人々は平和な日々を送っていた。
魔人ブウ戦でのますますのへたれぶりが発揮されたヤムチャにとってもそれは平和な日々だった。
あの夜までは・・・

「ヤムチャ・・・ヤムチャ・・・」
「ん・・・なんだよ・・・こんな夜中に・・・誰だよお前」
深夜・・・熟睡中のヤムチャに不思議な現象が起きていた。
「ヤムチャ・・・お前は今日から1年後に死ぬ・・・これは避けられない事実だ・・・」
「え・・?な、なに言ってんの?また魔人が現れるわけじゃあるまいし」
「その通り・・・お前だけが死ぬ・・・私がその術をかけた・・・」
「はあ?おいおい・・・夢の中だからってなに言ってもいいってわけじゃないんだぜ?」
「術を解く方法は一つだけ。孫悟空、孫悟飯、孫悟天、ベジータ、トランクス、ピッコロ
クリリン、天津飯、餃子、18号、ミスターブウ、そしてこれから現れる刺客達にお前が勝負を
挑み、全員に勝つことだ。でなければお前は死ぬ・・・」
「なんだかしらねえがいちおう聞いといてやる。なんで俺にそんな術をかけた?」
「そうだな・・・「試練」・・とでも言っておこうか・・・時期にわかる・・・じゃあがんばれよ」
そして、夜が明けた・・・

「ヤムチャ様、朝ですよ」
いつもどおりプーアルの声目覚ましで起きるヤムチャ。ふてくされた顔で顔を洗いに行き、鏡で自分の
顔を眺める。顔の傷のしまりぐあいを確かめるようにじっくりと観察したあと、彼は歯を磨き始めた。
魔人ブウとの一戦が終結してから3年・・・その年月はヤムチャにダメ人間としての生き様を備えさせる
のに十分だった。武道家としての希望もなく、ただアルバイトに明け暮れる毎日。それもいいじゃないか
彼はすでにそう思い始めていた。
「そういやあ変な夢みたな・・・1年後俺が死ぬとか、悟空達と勝負しなきゃだめとか・・・」


54 名前:ヤムチャ、死へのカウントダウン[] 投稿日:03/05/03 21:44 ID:s6SIIdie
そう言ったヤムチャの目にとんでもないものが飛び込んできた。「365/24/60」と書かれた
メモリのようなものが彼の胸に食い込んでいた。
「な・・・なんだこれはっ!ま、まさか!昨日のあれは夢じゃなかったのか!?」
気が動転するヤムチャ。無理もない。昨日まで何もなかった自分の体に得たいのしれないものが食い込んで
いたのだから。気を落ち着かせるためにヤムチャは部屋を歩き出した。だが、落ち着かず、たんすの角に
左足の小指をぶつけてしまった。
「お・・・おうっ!!」
その瞬間、胸のメモリが5分減った。
「や、やばい!俺の命がああああっ!!!」
なんだか本当っぽい・・・ヤムチャはそう思いはじめた。このままでは死んでしまう。だが、勝負を
挑んで勝たなくてはならない相手ほとんどは自分よりはるかに上の力を持った人間達だ。ヤムチャは考えた。
3時間ほど考えた。途中、お腹が痛くなった。ストレスだろうか。ヤムチャはトイレへ駆け込んだ。
「ぶりびゅーーーぶしゅううううー」ヤムチャのけつからすさまじい音を出して下痢が飛び出した。
その瞬間、胸のメモリが25分減った。
<つづく・・・かと思う>

103 名前:ヤムチャ、死へのカウントダウン[] 投稿日:03/05/05 18:15 ID:OeaZMMWV
<第2飲茶>
謎の人物によって術をかけられ、死の宣告をされたヤムチャ。死を免れるためにはZ戦士すべてに勝たなくては
いけないという。その夜から一夜明け、一睡も出来なかったヤムチャにある考えがひらめいた。
ちなみに徹夜による体のダメージによって胸のメモリが30分減った。
「そ そ そうだ!何も格闘で勝てとは言ってないじゃないか!勝負に勝てばいいんだ!たとえば
りりしいルックス勝負とか・・・それなら俺、いいせんいってるし!」
徹夜で考えた末、このような安易な考えしか浮かばなかったあわれなヤムチャ。とりあえず朝飯を食い
プーアルに別れを告げ、家を旅立った。
「さて・・・とりあえず戦っても勝てそうな天津飯たちの所まで行くかな」
一時間後、天津飯達の気を探し出したヤムチャは相変わらず修行に励んでいる2人に声をかけた。
「よう!久しぶりだな!2人とも!」
「・・・・・ん?・・・なんだヤムチャか。お前にはもう二度と会わないつもりだったぜ」
「そ、そうか。いや、そんなきつい言葉を真顔で言われても・・・」
この2人は魔人ブウ戦でも会話をするシーンがなかった。セルを倒した後の神様の宮殿以来の再開だった。
「まあいい・・・とりあえず中に入れよ」
天津飯は以外に大きなカプセルハウスのドアを開け、ヤムチャを招き入れた。餃子の姿が見当たらない。
「なあ、餃子はどこにいるんだ?」
「ああ、あいつは今営業中だ」

それから数時間が立った。元々そんなに仲のよかったわけじゃない2人の間に会話などなく、天津飯は
ただひたすらに腹筋運動を繰り返すだけだった。ヤムチャはどうせなら2人同時に倒してしまおうと思い、
餃子の帰りを待っていた。
「ただいま!天さん!」
久々のフレーズだ。ヤムチャは振り返った。だがそこには、いつものランニング姿の餃子はいなかった。
黄金のスーツに身をつつんだ餃子の体。いったい何があったのだろうか。
「餃子。いつもすまないな。今日はあいつが来たんだ。えっっと・・・なんだっけな」


104 名前:ヤムチャ、死へのカウントダウン[] 投稿日:03/05/05 18:16 ID:OeaZMMWV
「餃子!久しぶりだな!なんだその格好は!お前にはあってないぞ!」
馬鹿笑いするヤムチャを餃子がにらめつける。
「ああ、なんだへたれか。おまえのかおなんてわすれたよ」
「へ・・・へたれって言うな!!!!!」
今までの餃子とは思えないほどの生意気な言葉にヤムチャは切れた。それによりおでこに出た毛細血管が
切れ、胸のメモリが13分減った。天津飯がしゃべり始めた。
「餃子の奴、今、CMに出てるんだぞ。ほら、お前も知ってるだろ?金融会社のCMでボーナスまで待ちなさいってやつ」
「あ、あの売られている人形が餃子だってのか!?」
数ヶ月前、アルバイト感覚でCMのオーディションに出た餃子。思いもがけずグランプリになってしまい
その愛らしいほっぺが大人気らしい。
「はっはっは、おかげでテレビ出演が殺到だよ。おいヤムチャ。金のある生活ってのもいいもんだなあ」
天津飯が排球拳を使った時のような顔になり、ヤムチャに嫌味を言った。
「どうだ。うらやましいか?へたれ」
「うらやましくなんかないわい!もう怒ったぜ!俺は今日なあ、お前ら2人を叩きのめさなきゃなんねえんだ!
いくぞ!うらむんじゃねえぞ!」
怒りに狂ったヤムチャが餃子に突撃した。毛細血管切れまくりで胸のメモリは25分減った。
狼牙風風拳を餃子にくらわせようとするヤムチャ。だが餃子はよけるそぶりも見せず両手をヤムチャに向けた。
「やっ!!!」
餃子が叫んだ瞬間、ヤムチャの動きが止まり、腹を押さえて苦しみ始めた。超能力だ。悶絶するヤムチャ。
「は・・腹がいてえ・・・ち・・ちきしょう・・・おい!ぎょうざっ!超能力をとけええええ!!!」
「うるさい へたれ」
ヤムチャの毛細血管が再び切れまくった。餃子はさらに超能力を高めていく。
「ひひひ うんこ もれちゃえ」
「や・・・やめてくれ!げ・・下痢だけはやめてくれ・・・!!!」
「ちゃ・・・餃子・・・ここでもらされたら床が腐っちまうよ・・・・」
天津飯が笑いをこらえながらそう言った。

 


105 名前:ヤムチャ、死へのカウントダウン[] 投稿日:03/05/05 18:18 ID:OeaZMMWV
ヤムチャ、その死の時まであと 365日と22時間22分
<つづく>


153 名前:ヤムチャ、死へのカウントダウン[] 投稿日:03/05/08 23:56 ID:Mk9euNKP
<第3飲茶>
時が、そして金が2人を変えてしまったのだろうか。悪魔のような顔で猛烈な激痛と便意に耐えるヤムチャをあざけわらう2人。
「い、いや!まじもう無理!マジ勘弁!無理だって!自爆なんかされちゃあそりゃ死ぬって!」
あまりの激痛と便意に耐え切れず、過去の悲惨な思いが走馬灯のようにヤムチャの頭によぎった。
「だめだって!もう無理だよ!無理無理無理!俺はやらねえぞ!見物だけだからなっ!・・・あうちっ!」
悲惨な叫び声と共にヤムチャが尻を押さえた。どうやら持病の切れ痔が痛むらしい。胸のメモリがどんどん減っていく。
「餃子。そろそろ・・ぷぷっ・・勘弁してやれよ。本当にもらされたらたまんないからな」
「うん わかった 天さん」
そう言うと餃子は両手を下ろし、超能力を解いた。と同時にトイレへと駆け込むヤムチャ。
「うおおおお・・・おうっ!・・あうっ!・・・・はいんっ!・・・おうううううっ!!!!!」
猛烈ないきおいで用をたすヤムチャ。この騒動によってヤムチャの胸のメモリが15日分減った。
数分後、脱水症状によりミイラのようになったヤムチャがトイレから出てきた。餃子達は夕食を取っていた。
「た・・・(たすけて)・・・た(たすけて)・・・み・・・み・・・く・・・(水をくれ)・・・」
言葉も発せないほど体の水分が抜けてしまったようだ。天津飯はしかたなく自分の飲みかけのジュースをヤムチャに与えた。


154 名前:ヤムチャ、死へのカウントダウン[] 投稿日:03/05/08 23:57 ID:Mk9euNKP
少々の体力の回復を見せたヤムチャが紙にボールペンで何かを書き始めた。
(どうでもいいが、3人でジャンケンしようぜ)と書かれた紙を2人に手渡した。
「お前、自分の状況考えろよ。昔からそうだったな。まあいいよジャンケンしようぜ」
2人がジャンケンの構えをするとヤムチャは笑みを浮かべ、手を上げた。「ジャンケン・ポン!」
天津飯、餃子はチョキ、ヤムチャはグーだった。その時、奇跡が起きた。
「よくやったなヤムチャ・・・だがこれじゃあ先が思いやられるな・・・もっとがんばってくれよ」
そう、ヤムチャは勝負に勝ったのだ。不思議がる天津飯達に異変が起きた。突如、2人の意識がなくなり
魂のようなものが2人から飛び出した。そして瀕死のヤムチャの周りに停滞している。
「そうそう、勝負に勝った場合、お前はその相手を「ヤムチャ化」させることができる。まあ生かすも殺すもお前次第だ。その魂を戻すか戻さないかを考えるんだな。」
つづく
ヤムチャ、その死の時まであと350日と22時間22分