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これが始まり

 

611 :これが始まり :03/03/28 02:19 ID:6em6rUGX
その少年はどこにでもいる普通の少年だった。
年齢は14歳。名はヤムチャ。
家族は三人。兄弟はいない。

僕はあの少年を見たとき、なんでだろう。
不思議な気持ちになった。彼とはこれからずっと一緒にいる気がする。
なんで?
僕は猫なのに。変身生物なのに。
人間と一緒に暮らすわけないのに。

でも、夢を見たんだ。
僕が彼と一緒に暮らしている夢を。
どこまでも続く荒野。乾いた土。
見渡す限り草木や動物はいない。
乾いた岩が所々に乱立した、荒野。
ここに僕はあの少年と二人で暮らしていた。

不思議な夢だった。まるで現実みたいにリアルな夢だった。
風が香る。石がが冷たい。
土が質感を持っている。

でも、これは夢。
僕は変身生物だから、人間とは一緒に暮らさない。

<続く>
9 名前:これが始まり :03/03/28 22:01 ID:Q8+xd22Q
僕がヤムチャという少年にあったのは、昨日のことだ。
けれど、その話をする前に僕のことを紹介したいと思う。
だから、昨日より少し前の日から話を始める。
僕がどんな猫か。僕たちの生活がどうなってるか。
それを知らないと、あの少年との出会いも理解できないだろうからね。

〜・〜・〜
数日前。

僕はいつものように、朝起きて幼稚園に向かう。

僕の一日は幼稚園を中心に回っている。
今が旬の現役幼稚園児だ。
幼稚園児って聞くと、僕のことを子供だと思う人が多いと思う。
でもね、僕はもう20代の大人だ。
生まれてから、まだ2年しか経ってないけど、
猫だから育つのが早いんだ。

僕の通う幼稚園は南部変身幼稚園。
変身動物が通う幼稚園としては、国内最大の幼稚園だ。
ここには、変身動物としてはエリートの
猫。狸。狐。
が通うことになってる。
ただ・・・例外として豚が一匹いる。
僕はあいつが嫌いだ。

<続く>


27 名前:これが始まり :03/03/29 05:26 ID:AnZCa8sH
豚の名前はウーロン。
豚のくせに、変身を習おうなんていう不届きな奴だ。
知っていると思うが、変身できる動物は
猫、狸、狐
の三種類しかいない。
なのに、ウーロンの馬鹿は自分も変身できると思って
うちに入園してきたんだ。

まぁ、それだけなら僕も我慢する。
けどね。あいつ、とってもスケベなんだ。
あんな奴は今まで見たことがない。
先生のスカートはめくるわ。
女の子のフルートはなめるわ。
もう、やりたい放題。
学級委員長の僕としては許せないんだよね。
(1/3)

28 名前:これが始まり :03/03/29 05:26 ID:AnZCa8sH
って、話がそれちゃったな。
そうそう、うちの幼稚園について紹介する。
ここは幼稚園とは行っても人間で言うと大学みたいな所だ。
だから、かなり高度なことを学んでいる。

一時限目は、変身物理学
二時限目は、世界変身史
三時限目は、変身法実習(1)
四時限目は、変身法実習(2)
五時限目は、変身倫理学

と、かなり難しい授業をやっている。

さて、色々話していると、時間がきてしまった。
もう授業が始まるところだ。
最初は変身物理学。
この授業は、メッチャ眠たい。



・・・・・ウトウト・・・・
(2/3)

29 名前:これが始まり :03/03/29 05:28 ID:AnZCa8sH
猫はこたつで丸くなるって言うけど、
机の上で椅子に座りながら丸くなる猫は僕ぐらいだな。
そう思い、授業を受けている。
正確に言うと寝ている。

   幸せだ。

が、それも長くは続かない。

「こら! プーアル」

うぁ。。。怒られちゃった。
幸せの時を捨てて、起きていることにする。
残念だ。


んでも、先生も、少しは面白い話してよね。
ブラックホール消滅時のフォトン放出理論なんて、
聞いても誰も分からないって・・・
(3/3)

<続く>


125 名前:これが始まり :03/04/01 19:46 ID:hI4282S4
まるで、休み明けの月曜日みたいに眠たい授業が終わり、次の時間が始まる。
そういえば、今日はまだ、ウーロンが来てない。アイツが来たら、クラスは
狼に襲われた羊たちのように騒がしくなる。今はまだ静かだ。けど、いつか
変わる。ウーロンが来るのだ。

僕がウーロンのことを思い出すと、同時にいくつかの苦い思いでも蘇ってきた。
あの豚の被害にあった女の子はたくさんいるが、実は最初の獲物は僕だったんだ。

ウーロンは僕が大切にしていた尻尾飾りを盗んで自分の尻尾につけた。それが
悪事の始まりだ。僕の大切なものを盗んでおいて、とんでもないことを言った。
「いいだろ。これ、プーアルからもらったんだぜ。
 あいつ、おれにぞっこんだからな。ハハハッ」
冗談じゃない。ふざけるのも大概にしろ。
それだけじゃない、周りの男たちも
「いいなぁ。俺もプーアルから何かもらいてーよ」
なんて言ってる。信じるなよ。ったく。

まぁ、そんな事があったから、僕はあの豚が嫌いだ。世界で二番目に嫌いだ。
ちなみに、一番はというと、それは今から始まる授業を聞けばわかる。
(1/3)

126 名前:これが始まり :03/04/01 19:47 ID:hI4282S4
今から始まる授業は「変身倫理学」といって、今日最後の授業だ。
この授業は変身動物たちが、歴史の表舞台に出てから、周りの生物たちと比較して
どのような社会的位置にいたのかを説明するのが目的だ。
僕たち変身動物たちは、他の動物、主に人間たちによって辛い思いをさせられてきた。
その歴史を振り返り、変身動物たちはこれからどのように生きていくのか。
それを考えるのが授業の目的。

先生は語る。
「バッケーは、今では化け猫の神様とまで言われていますが、彼がそのように言われるには
 訳があります。彼は変身動物と人間たちとの戦争において、常に先頭に立ち
 人間どもを駆逐していったため、神様とまで呼ばれるようになったのです。
 戦闘中、彼は様々な伝説を残しました。皆さんも聞いたことがあると思いますが
 ・・・」
先生はバッケーの伝説的偉業について説明している。スゴイ猫だったんだ。
改めて僕はバッケーを尊敬した。もちろん、知らないわけない。化け猫なら誰でも知ってる
尊敬すべき猫だ。けれど、彼が残した数々の偉業は僕の考え以上にすごかった。
やっぱり、伝説に残る人は違うんだな。そう思った。
僕がこの日一番感動したバッケーの話は、次のようなものだった。
「・・・以上のように伝説的強さを持ったバッケーにも最後のときが訪れます。
 人間たちによって殺されてしまうのです。
 彼は自分の主人、猫王様を守るため、数百、数千とも言われる人間の軍勢に
 ただ一人で立ち向かいました。
 人間たちが攻めてきます。矢が雨の様に飛んできます。剣がイワシのように群れを成して
 襲ってきます。けれども、バッケーは怯みません
(2/3)

127 名前:これが始まり :03/04/01 19:48 ID:hI4282S4
 襲い掛かる人間どもをバタバタとなぎ倒し、力尽きるその瞬間まで逃げることなく
 戦い続けました。いえ、この言い方は正確ではありません。
 彼は力尽きた後も、戦い続けたのです。
 人間どもの攻撃は、休むことなく続き、無敵のバッケーもいつしか、力尽きました。
 力尽き、命を落とすことを覚悟したバッケーは最後の大技を繰り出します。
 それが、有名な変身天変地異です」
変身天変地異。有名な技だ。当然、知っている。でも、何度聞いても感動できる。
「バッケーは変身し、自分の体を大地の一部に変えました。
 いえ、それだけではありません。大空の一部にも同化させました。
 これは変身術最大奥義で、自分の体を自然の一部と化すことにより、大いなる力を
 その身に得る方法なのです。
 大地と化したバッケーが揺れると、大きな地震が起こりました。
 さらに、もう一度揺れると、地割れが起こりました。人間どもはパニックに陥ります。
 そして、トドメに大空に同化したバッケーが怒りの感情を高ぶらせます。
 風が荒れ狂い、雨が泣き叫び、雷がとどろきました。
 人間どもはたまらず、逃げ出していきます。
 バッケーはたった一匹で人間ども数千の兵に勝ったのです」

う・う・う・・・・。いつ聞いても、涙が出てくる。
あの人間どもに僕らの神様が勝ったんだ。これを喜ばずに何を喜べというのか。

そう、僕が一番嫌いなものは人間だ。なんで嫌ってるかって?
そりゃ、そのうち話す機会があるよ。でもね、変身動物で人間が好きなやつは一匹もいない。
けど、ウーロンは例外。アイツは変身動物の仲間はずれだから。

(3/3) <つづく>