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MMR 全人類ヤムチャ化の謎

 

 

70 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/09/28 03:49 ID:YEA/mjWs
「最近、読者からの手紙に変なのが混じってるんですよ」
トマルはそう言いながら、ナワヤに手紙のいくつかを見せた。

「空手をやってるんですが、最近『足下がお留守になってますよ』ってよく言われます」
「彼女がMッパゲに寝取られました」
「長年連れ添った部下が最近、○○様じゃなく、○○さんって呼んできます」

「確かに奇妙だな、まるで・・・なんて言ったっけ? あの漫画の登場人物」
「鉄観音? でしたっけ。 確かお茶の名前の・・・」
二人がヤムチャのことを言っているのは説明する必要もない。

71 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[sage] 投稿日:03/09/28 03:49 ID:YEA/mjWs
「懐かしいな、そう言えば数年前MMRとか作って、こういうの調査したことあったっけ」
「えぇ、今じゃあれだけの電波は出せなくなったんで止めましたけどね」
「長いようで短い出来事だったな」
「はい・・・でも、あまり思い出したくないんです、人生にとって最大の汚点のような・・・」
「ヤツと関わったことがか?」
「もちろんです。ナワヤさんは違うんですか?」
「・・・」
二人の間に沈黙が流れる。 そう、あれは思い出したくないことMMRで行ってきたことは
全て、記憶の闇に葬り去りたいことなのだ。
だが神はそんな二人の気持ちをあざ笑うかのように、最悪な偶然を仕掛けて来た。
「ナワヤ、トマルいるか? 俺たちの次の調査内容が決まったぞ
 東洋の神秘 "気" についてだ!!」
突然、勢いよくドアが開け放たれ退社したはずの男がやってきた。悪夢再び、MMR再来である。

72 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[sage] 投稿日:03/09/28 03:50 ID:YEA/mjWs
「キバヤシ・・・」 「キバヤシさん・・・」
辞めたのに戻ってくるなよ、この恐怖の大王が、いやノストラオタクが。
ナワヤ、トマルは「あぁ、また始まるのか・・・」と言いたげな顔をしている。
それは諦めと怒りが入り交じった複雑な表情だ。

ふとナワヤがキバヤシの横を見ると、彼に引きずられるようにして一人の男がたっていた。
「キバヤシさん、なんで俺がマガジン編集部に戻らなきゃいけないんですか?
 ボンボンも忙しいんですよ」
イケダだ。ボンボン編集長に就任したイケダ。MMRでは出世株と言っていい。
本来、講談社を辞め三馬鹿(RAVE、KYO、ゲット馬鹿)の一人に数え上げられるようになった
キバヤシより立場では上なはずの男である。だが、この平成のノストラダムスには逆らえない。
彼が「調査だ!」と言えば旧MMRメンバーは全員従わなくてはならないのだ。

かくして、ここにかつてのMMRメンバーが出そろった。
新MMRはどうしたとか、タナカがいないとか、そんな事は言ってはならない。

ともかくも出撃。
MMR 緊急出動。 全人類ヤムチャ化の謎を追え!!!


次回予告  気の神秘の裏に見えるヤムチャの恐怖とは何か?

102 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/09/30 01:32 ID:YEA/mjWs
旧MMRのメンバーがタナカを除き全員そろった。
漫画内では脚色されているため、メンバー全員が調査に乗り気のように描かれているが現実は違う。
あんなバカげた調査を本気でやる大人などいるはずがない。本気なのは現代のノストラダムスことキバヤシただ一人だ。

「お前達はミステリーサークルの存在を知っているな?」
「あぁ・・・確かバシャールからの信号だったな」
「確かに前回の調査ではその結果が出た。だが、新しく調査した結果
気の力によって作られているものも存在すると言うことが分かったんだ」
「な、なんだってーーー!!」
キバヤシの言葉にうっかり反応するMMRメンバー。長年染みついた癖は抜けるものではないのだ。
「なぜ、気でミステリーサークルを作ってるんですか」
イケダが問う。キバヤシに対して「本気でそんな馬鹿なこと考えてるんですか?」とは言えない。
「分からない、実は俺の元にこんな手紙が届いてきたんだ」

103 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/09/30 01:37 ID:YEA/mjWs
キバヤシの見せた手紙の内容はこうだ。
『グレイの工作は洗脳された地球人によって行われている。
彼らはグレイの手術を受け、超人的な能力を得たのだ』

ワープロ書き、ゴシック体という単純な手紙。"いかにも"で"それっぽい"のが逆に嘘くさい。
キバヤシの自演っぽいが、みんなその事には触れない。
ちなみに、注意しておくがMMRとは原作キバヤシである。目には見えない特殊なインクで原作キバヤシと書いてある。
彼が担当した作品はサイコメトラーエイジ、金田一少年の事件簿、GetBackers等が有名であるが、これも事実なのだ。
(嘘だと思うなら、紫外域にのみ吸収を持つインクでMMRの単行本に『原作キバヤシ』と書くといい。
そうすれば、あとは紫外光をディテクトするだけで先の文字が見えるはずである)
そのため、レジデンスオブサンなどがキバヤシの別名であることは講談社では周知の事実である。
自演は彼の十八番なのだ。

まぁ、そんな裏話は放っておいて話は続いていく。ナワヤが言った。
「グレイの工作って言うのは・・・」
「ミステリーサークルの捏造と考えていいだろう。既に俺たちの調査で
ミステリーサークルは人的な手段では作れないことが分かっている。
ただ洗脳されただけの地球人ではバシャールからの通信妨害はできない、
恐らく、今まで明らかにされてこなかった謎の力をもって通信妨害を行っているという意味だろう」

104 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/09/30 01:39 ID:YEA/mjWs
「それが気だって言うのか?」
「ほぼ間違いあるまい」     <− 根拠なし
「気っていうのは人類を救ってくれるんじゃなかったのか!!」
「超常的な力だからな、使い方を誤れば破壊活動だってできる」
「なんてこった。バシャールからの信号だけが人類を救う唯一の手段だって言うのに・・・」
「おい、キバヤシ。この妨害活動はなんとしても止めなければならないぞ」  <−妨害は既に決定事項
「あぁ、だから今から中国の気研究家、天津飯氏に取材しに行く」
「おぉ!!」

MMRは天津飯という研究家の元に向かった。怪しい名前である。

ちなみにMMRメンバーに関してだが、ナワヤは乗りやすい性格である。
彼はキバヤシと再会したことで既にMMR現役当時の感覚を取り戻している。
そのため、「な、なんだってーーー!」や「俺たちは遅すぎたのか・・・」なども再現可能だ。

次回予告:気研究家、天津飯の語る気の恐怖とは?
え? 前回の次回予告嘘だったって?

     気    に    す    ん    な    !    !

131 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/02 03:34 ID:YEA/mjWs
「気・研究家の天津飯です」
訪れた先にいた男は額に奇妙なアクセサリーを着けている。
( あれ・・・三目のつもりですかね? )
( かもな、手塚治虫の真似か )
( いや、名前からして龍球でしょう )
DB世代から大きくはずれた彼らは全くDBの事を知らないようだ。

さて、天津飯の話だ。
「そうですか、ミステリーサークルを気で作っている連中がいると・・・」
「はい、それも恐らく。グレイの手先となって我々人類を脅かしていると考えられます」
一般人にはまるで理解不可能だが、これがMMRの日常会話だ。

「まず、気でミステリーサークルを作るには相当なエネルギーが必要です
 私が会得しようとしている気功砲という技なら、十分なエネルギーが得られますが・・・
通常の人間の持つ気ではミステリーサークルは作れないでしょう
 そのグレイという宇宙人は相当気に精通しているんでしょうな」 <− 宇宙人の介入は疑ってない
「はい、そう見て間違いありません」
「気というのは訓練次第でいくらでも大きくできます。しかし、そのグレイは
 何の訓練もしていない一般人の気をそれだけ大きくしてしまえると言うんですね・・・」
「えぇ、我々もそこに疑問を感じています」  <− 言うまでもなくキバヤシだけの疑問。
「そうですか・・・」
天津飯はうつむいてしまった。

132 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/02 03:35 ID:YEA/mjWs
うつむいた天津飯を見てキバヤシが言う。
「やはり、何かご存じなんですね」
「え、えぇ。一般人の気を大きく増幅させる秘奥義が我々に伝わっております。
 それを使えば、一般人でもミステリーサークルを作ることができるでしょう。
 ・・・しかし・・・」
「その秘奥義とは一体?」
「・・・」 天津飯はうつむいたままだ。
「先生、我々は人類終末の情報を集めているうちにミステリーサークルの重要性に気づきました。
 決して興味本位ではなく、人類絶滅の危険性をいち早く知り、それに対応するために
 もっと詳細な調査をしなければいけません。だからこそぜひ、気の奥義について知りたいんです。」
「弱りました。あなた方が興味本位ではなく、真剣にこの事実に取り組もうとしているのはよく分かります。
 しかし、"気の秘奥技"は通常のわざと違い危険性が高いため、むやみに公表しては社会不安を募らせるだけ
 我々研究者の間でも公表は戒められているのです。はたして、私がここで公表すべきかどうか」
「そ、そんな。ここまで来て!!」
ナワヤが叫んだ。確かにここまで来て情報が何も得られないと無駄足である。
「お願いします先生。今は一刻たりとも無駄にはできないんです」
「教えてください先生」
トマル、イケダも叫ぶ。早くキバヤシから解放させてくれ。そのためにはできる限り早い情報公開を。
「こればかりは・・・」
天津飯は躊躇する。そこへ、恐怖の大王キバヤシが必殺の文句を放った。

133 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/02 03:37 ID:YEA/mjWs
「先生! 我々MMRはこの世紀末の中(どこが?)、近い将来人類に降りかかるやも知れぬ
 数ある破局を独自調査することによって、色んな人たちに危機意識を持ってもらおうと
 それを基本方針としてやってきました。
 しかし、今ここで何の手がかりも得ることができなければ・・・
 それこそ、我々は突然訪れる破局を前に何も知らぬまま、その運命に身を任せることになってしまうのです。
 お願いです、先生!!  我々に納得のいく調査をさせてください!!!
 我々の運命は先生の決断一つにかかっているんです!!!!」

ノストラキバヤシの圧倒的迫力に天津飯は飲み込まれていく・・・そして、

「わかりました。今回ばかりはやむを得ないでしょう
 気の究極奥義、ヤムチャをお見せいたします」



次回予告: やっとヤムチャが出てきた・・・

197 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[sage] 投稿日:03/10/09 23:58 ID:YEA/mjWs
天津飯と呼ばれた男の額が光る。よく見れば、頭がはげている。
彼の書斎にはDBが完全版も含めて発売分は全部置いてあった。恐らく、DBキャラの真似なら
何でも良かったのだろう。だが、彼の頭髪がキャラの選択を狭くさせた。
剃っているだけのクリリンはNG。一本だが確かに生えている餃子もNG。ピッコロ、フリーザ、セルは論外。
とすれば、ナッパと天津飯ぐらいしか選択肢がない。まぁ、ただのコスプレイヤーなので深くは考えていないのだろうが、
ともかくも、彼がなぜ額に三目を模したアクセサリーをつけているのか、これで理解できた。

その天津飯が今、気の奥義・ヤムチャを見せようとしている。
彼の目の前には蒸留水のはいった容器と電圧計がおいてある。「あぁまたあれか・・・」
メンバーに落胆の色が見える。まぁ、なんだ・・・その・・・MMRを見れば分かる。
蒸留水の上に手をかざし、気合いを込める天津飯(コスプレイヤー)
呆れる眼差しが電圧計に注がれる、どうせ動くんだろ。馬鹿が。皆同じように思っている。
が、次の瞬間。
http://www6.plala.or.jp/private-hp/samuraidamasii/kikaku/kahou/kahou73.gif
ビーム。

え、蒸留水は何だったの?
つーか、どこが天津飯や!!
等と突っ込みどころ満載だが、そんな事を考える余裕すらなくなる衝撃。
素直に思う、スゲーと。
「こ、これが奥義ですか!?」
トマルが叫ぶ。MMR活動の中で最も衝撃的な瞬間だった。

198 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/09 23:59 ID:YEA/mjWs
「この奥義を使えば、ミステリーサークルが作れると・・・」
キバヤシは一人落ち着いて天津飯に聞いた。すると天津飯は一枚の写真を差し出す。
http://village.infoweb.ne.jp/~angie/image/mist/circle/circle15.jpg
「これが私の作ったミステリーサークルです」
なんて迷惑なヤツだ。普通に犯罪じゃねーか。と言いたくなる所だが、そこはMMR。
真っ当な突っ込みをしてはMMR道に反する。
「凄まじい!! これが奥義・ヤムチャの力。この力があれば世界征服も・・・」
目がいっちゃってるキバヤシ。エヘエヘヘ、妙な笑い声を上げている。壊れかけてきた。
そこへ、意外にも冷静なナワヤが天津飯に質問する。
「この奥義はなぜヤムチャと言われているんですか?」
真っ当な質問だ、だいたいこの奥義は別に顔に傷ができるわけでも、足下がお留守になるわけでもない。
なのに、なぜヤムチャと名付けられているのか? 重大な疑問である。
「この奥義を使った者の周り全てがヤムチャ化してしまうからです」
天津飯はそう答えた。

このとき、誰もヤムチャ化の意味を理解してはいなかった。

次回予告 「ヤムチャ化したMMR隊員に悲劇が!!」

うんちく:「先行者」
何げに凄いロボット。自分で作ろうと思えばこの凄さが分かる。
ネタにしてる人、反省しなさい。   ・・・すんません、反省します。

221 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[sage] 投稿日:03/10/11 23:15 ID:YEA/mjWs
奇妙な奥義を見せられ、ミステリーサークルを作ったと自称するコスプレイヤーに会ったMMR隊員。
やはり、キバヤシに連れて行かれるとろくな事がない。だいたい気の奥義って何だよ。
あれおかしいじゃん、小学生の工作みたいなロボットがさ、股からビームなんてSFでもやらねーぞ。
一人満足げに調査終了を実感するキバヤシをよそに他の隊員達は冷ややかなものである。

「キバヤシよぉ。今回の調査でミステリーサークルについては新たな見解が得られたが
 グレイについての情報は何一つ得られなかったぜ」
「何を言っているんだナワヤ。究極奥義ヤムチャは通常の人間には不可能な技だ
 あれこそ、グレイの関与を裏付ける証拠だろ」
「お、おい!! あいつは普通の人間だったじゃねーか」
「よく見てなかったのか、ヤツには額に第三の目があった。おそらくは宇宙人
 またはそれの改造を受けた人間だ。そう、つまり天津飯はグレイだったんだよ」
「な、なんだってーーー!!」

MMR第一巻を思い出しそうな話だ。本人さえも手品と言っているスプーン切り(曲げの応用)
に対しMMR隊員達は超能力者であると結論づけ、手品だと言っているのは事実の隠蔽工作だとしていた。
まぁ、そんなわけだから、MMR隊員にかかってはプラスチックの安い瞳を額につけるだけで
宇宙人になったり、人体改造を受けたり、そんな事があってもおかしくないのである。
無論、キバヤシだけだが・・・

222 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[sage] 投稿日:03/10/11 23:16 ID:YEA/mjWs
いつものキバヤシ節にいつものように反応してしまうMMRメンバー。だが、ただ一人ナワヤだけが冷静に問う。
「な、なぁ。おい、キバヤシ。いくら何でもあのアクセサリー相手に三目はないんじゃないか?」
「いや、あのアクセサリーは写楽の絆創膏と同じだよ」
「なに?」
ナワヤが疑問を持った瞬間、キバヤシの目が光る。キバヤシトーク炸裂!!
「いいか。いい年した大人がコスプレなんぞ普通はやらないんだ。
 それを上半身裸で図太い帯の付いた長パンをはき、地味に天津飯のコスプレをやっている彼は普通じゃない」
     まぁ、気の研究家って言う時点で普通じゃないと思うが・・・
「地味な天津飯を真似ているのはミーハーでない証拠だ。ヤツは筋金入りのコスプレイヤーなんだ。
 そんなヤツが天津飯になりきれない唯一の点。それがプラスチック製の瞳だ。
 明らかに偽物だと分かるようなオモチャを彼ほどの人物が付けると思うか?
 答えは否だ。 現在科学技術の発達は凄まじく、遺伝子改造技術により青いバラはおろか
 胴の長い猫さえ作れるようになってきた。そんな中三目を作れないのはおかしいだろ
 筋金入りのコスプレイヤーなら、遺伝子改造ぐらいするはずだ。いや、仮にそこまでしなくても
 ハリウッド程度のメイク技術があれば三目など簡単に作れるんだよ。
 なのに、あのおざなりな瞳。あれをおかしいと思わなかったのか?」
「ま、まさか・・・」
ナワヤの顔に緊張が走る。

223 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[sage] 投稿日:03/10/11 23:18 ID:YEA/mjWs
「そう、あのアクセサリーはダミーだったんだ!!」
「し、しかしキバヤシ。ダミーとは言っても第三の目がある場所に注目を集めるダミーだと逆効果なんじゃ・・・」
「余計バレやすくなると言うのか? 違うな、誰でもあんな物をつけていたら一度は注目する
 天津飯の額を見つめ、プラスチック製の目が付いている。さらに体はコスプレ。
 これだけ条件が揃えば、人は皆『下手なコスプレだな(プ』と思ってしまうだろう。
 そこにこそ、ヤツの狙いがあったんだ。
 一度注視すれば、二度はやらない。敢えて目立たせる事により逆に本来の物を隠そうとする意図があるんだよ!!」
「じゃぁ、あの下には本当の目があるって言うのか?」
「そう考えて間違いあるまい。」
「なんて事だ、俺たちは既に宇宙人からの侵略を許していたのか・・・」
「あぁ、俺たちは既に手遅れだったのかもな・・・ だからこそ、こうしてはいられない
 バシャールからの通信を解読し、グレイに立ち向かう事こそ。俺たちに課せられた使命だ!!」


うんちく:「胴の長い猫」
イケダが大学在籍中に見たという猫。胴の長さだけで1m50cmぐらいはありそうに見えた。
で、手足の長さは普通。・・・あれじゃ歩けないでしょ。

うんちく:「宇宙人」
地球外知的生命体の事。MMRでは存在が当然の前提になっている。

274 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/20 02:51 ID:by5eOwbE
MMRキバヤシらにより、コスプレイヤー天津飯の正体がつかめた。
だが分からないのは、究極奥義『ヤムチャ』である。なぜ、こんな名前が付いているのか?
「なぁキバヤシ。あのグレイはビームの事をなぜヤムチャと言ったんだ?」
「あの奥義を使った者の周りが全てヤムチャ化する。だからだろう」
「いや、ヤムチャ化ってなんだよ?」

キバヤシはナワヤの言葉に怒り狂ったように机を叩く。
「俺にだって・・・分からない事ぐらいある」

「そうか・・・」 (何を当たり前な・・・自惚れんなよ)

奥義の謎が解けぬまま、意気消沈のMMRメンバーは講談社へと向かっていた。
キバヤシは漫画原作の仕事があるが、MMR最大の武器を求めて編集部に行く必要があった。
MMRとはマガジン・ミステリー調査班の略である。
週刊少年マガジン編集部に所属するメンバーによって構成されたこの調査班は
読者からの手紙をもって調査の開始とするのが常だ。そして、捜査に行き詰まったとき
彼らが頼るのもまた読者からの手紙なのである。そう、彼らはヤムチャ化について
読者からの手紙を元に調査しようと言うのだ。

編集部に戻るなり、一番の下っ端、トマルが読者からの手紙をもってくる。
「読者からの手紙に、ヤムチャに関するネタはないですね」
   そりゃ、講談社に集英社ネタを送るヤツはいないだろうな・・・

「最近の手紙で気になる事はないか?」

275 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/20 02:52 ID:by5eOwbE
「そう言えば、最近読者が駄目人間になっていく類の手紙が多いんです」
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『空手をやってるんですが、最近『足下がお留守になってますよ』ってよく言われます』
『彼女がMッパゲに寝取られました』
『長年連れ添った部下が最近、○○様じゃなく、○○さんって呼んできます』
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「確かに異常な内容だな」  同意だ。普通こんなの編集部に送ってこねーわな。
キバヤシはうつむいてしまったが、イケダは逆にこの手紙を見て思いついて事があるらしい。

「これ、ヤムチャの事じゃないですか?」
「なに!!!」
「ドラゴンボールって言う漫画の登場人物なんですが、ヤラレ役の男の名がヤムチャなんですよ」
「なんだってーーー!!!!」
「だとすれば、ヤムチャ化っていうのはヤラレ役になってしまう事を言うのか?」
「えぇ、間違いありません。 ヤムチャに関する伝承を見てください。」

 漫画界有数のヒット作品、ドラゴンボール。
 その登場人物の内に他の追随を許さぬ最低のヘタレが居た。
 そのヘタレに、わずかばかりでも活躍の場を・・・
 しかし、そのあまりのヘタレさは人類の想像力の限界を遥かに超えていた。
 あまりにもお留守な足元、雑魚キャラの自爆で道連れ、恋人を寝取られる甲斐性の無さ。
 2ch中でヘタレの代名詞としてネタにされてゆく日々。
 立ちはだかる「戦闘力のインフレ」という難敵。

276 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/20 02:53 ID:by5eOwbE
「ま、まさか。これ程とは・・・」
「究極奥義ヤムチャっていうのは、こんなのを量産してしまうのか?」
「俺たちに希望はないのか・・・」
沈み込むMMRメンバー。そこにさらに追い打ちをかけるネタが飛び込んでくる。

「新しい読者からの手紙です」
配達係の者が新たな手紙を置いていく。その内容は・・・

『顔に傷が意味なくできてしまいました』
『サイバイマンが自爆しました』
『いい年なのにロンゲです』
『友人は宇宙人』

「ま・・・間違いない。ヤムチャ化は進んでいる」
「おい、キバヤシ。俺たちはこのまま黙ってヤムチャ化するしかないのか?」
「わからない・・・俺たちは何もかも遅すぎたのかも知れん」

マガジン編集部に異様な空気が立ちこめてきた。ヤムチャ化を阻止する手はないのか?

277 名前:Classical名無しさん[] 投稿日:03/10/20 02:54 ID:by5eOwbE
同時刻、人のいない薄暗い部屋の中。一人の男がもがいている。
「僕をこんな所に閉じこめて、あの人は一体何を・・・」
その男の名は、MMRメンバー・タナカ。暗い部屋の中に何者かによって閉じこめられた彼。
いや、彼には犯人の予測が付いている、アイツだ。
「誰か助けてくれ・・・」
タナカは部屋に唯一付いている窓から外を眺める。はめ殺しの窓だ。
外には数十メートル下の地面だけ。つまり、あけても部屋からの脱出は不可能。

タナカは自分のポケットからメモ帳とペンを取り出し、
『SOS・僕を助けてくれ』
と書き、この場所から見えるいくつかの建物と自分の素性を詳しく書き加えた。
そして、部屋の中から椅子をとりだし、思い切り部屋の窓へとぶつけた。

「誰か気づいてくれ」
割れた窓から、メモ書きを投下するタナカ。


       これは、プロローグに過ぎない。



次回予告:  へ?? 何も考えてないよ。

278 名前:MMR 番外編[] 投稿日:03/10/20 02:55 ID:by5eOwbE
うんちく:「俺にだって・・・分からない事ぐらいある」
MMR全巻屈指の名ぜりふなのだが・・・残念ながら、俺は見た事がない。
なぜなら、近所に12・13巻が売ってないから。だから、どんな場面で使ったか、分からない。
あーーー。みてーーー!!! 誰か送れ。


うんちく:「ドラゴンボール」
超有名漫画。かなりの人気を博した事で有名。600万部という出版界の奇跡をなしえた
週刊少年ジャンプにおいてアンケの9割以上を獲得した鬼のような作品。
一度、ろくでなしブルースという漫画に掲載順一位を明け渡すが、連載期間のほとんどにおいて
一位を守り続けている。筆者が知りうる限り、真ん中の方に掲載されたのは人気絶頂の
ナメック星編。二話同時掲載の時に、あとの方の話が真ん中に掲載されていた。
ちなみに、この漫画の連載終了は作者側の意志によるもの。42巻最後のコメントは正直辛い。


295 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/23 09:05 ID:by5eOwbE
ここはキバヤシ邸。彼は先日の有意義な調査結果をまとめている。

・グレイは改造した人間達を利用しミステリーサークルの捏造を行っている。
・ミステリーサークルとはバシャールという善意の宇宙人による人類救済のためのメッセージである。
・グレイのミステリーサークル捏造は人類救済を邪魔するための行為である。
・グレイの改造を受けた人間は三目人間になる
・三目人間には気の究極奥義『ヤムチャ』が使用可能になる。
・気の究極奥義『ヤムチャ』は周りの人間をヤムチャ化する。すなわちヘタレ化する。

ヘタレ化した人類には救済の道がない。なんとしても、人類がヘタれる前にグレイの野望を阻止せねば。
キバヤシはそう考えていた。だとすれば、俺たち人類にできる手段は何だ?
グレイの行動を熟知する人間。その人間の協力を仰がなくてはいけない。それは誰だ?
いい考えの浮かばないキバヤシ。あの調査からMMRはほとんど進展を見せていない。

そんなとき、いつも彼が行う事。それは・・・

297 名前:MMR 全人類ヤムチャ化の謎[] 投稿日:03/10/23 09:06 ID:by5eOwbE
所変わって、ここはMMR集合所。マガジン編集部。
「そういえば、タナカさん、しばらく来てないんですよ。
 それどころか、家族から捜索願も出されているそうです」
「な、なんだってーーー!!」
「ま、まさか既に敵の手に落ちたのか・・・」
「お、俺たちの捜査が妨害されているって言うのか?」
メンバーがいなくなった事に動揺するナワヤ達。一方、タナカがいない事など既に承知のキバヤシは
「うろたえるな!! タナカの事は我々が調査していればいずれ起こりうる事だったんだよ
 グレイ達にしてみれば、我々の調査こそ目の上のタンコブなんだからな
 俺たちにできる事は、調査をさらに進めグレイ達の実態をつかむ事だけだろう」

一旦間をおき、ゆっくりとキバヤシがあるURLを見せる。

「ここ数日、独自に調査した結果見つけたヤムチャー達の巣窟だ。
 恐らく、究極奥義ヤムチャの被害を受け、ヤムチャ化してしまった者達の集まりだろう。
http://yamnov.hp.infoseek.co.jp」
「ま、まさか・・・サイト閲覧者が5000人を超えています。
 事態はこれほどまで逼迫しているのですか」
「間違いあるまい・・・」


MMR隊員達に焦りの色が浮かんできた。