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ヤムチャの国の17号



xxxx年、世界はヤムチャの恐怖に包まれた。
「ヤムチャ君、ついにクローン人間が完成したぞ」
ヤムチャのクローンが誕生した。それは意志を持たない人にあらざる怪物であった。
「ヤムチャ、おめぇに恨みはないが死んでもらうぞ」
英雄孫悟空の力によりクローンヤムチャはあっけなく滅んだ、かに思えた。
だが、クローン対孫悟空の戦いのさなか、クローンを生み出す液体が流出。
液体は瞬く間に世界に広がり、世界各地からヤムチャが生まれた。
「くそっ、いくらやっつけてもキリがねぇぞ」
「雑魚どもが、うざったい」
「俺のクローンが・・・」
「駄目だ、その願いは叶えられない。ヤムチャの力はわたしを大きく超えている」
戦士達は徐々に力尽きていった。
ある者は寝ているところを襲われ、またある者は体力を失い倒れた。
わずか七日間で世界はヤムチャによって滅ぼされた。

それからしばらくして、クローン達は姿を消した。元になる液体が効力をなくしたのである。
だが、失われたものは多く世界の人工は500分の1になり、美しい自然は失われ地球は死の星に変わった。
わずかに残った人々は小さな集落を作り細々と暮らしていた。

それから数万年後
「これが火の七日間で世界を滅ぼした怪物、ヤムチャか」
「これはヤムチャが化石化した物じゃ」
「俺はこの怪物を知っている」
「何を言うか、伝説上の化け物じゃよ」
「そうかも知れない、だが俺はこの怪物を求めてさまよっている」
「なぜじゃ」
「この怪物が俺の記憶を呼び覚ましてくれそうだからだ」
「おぬし、何者じゃ」
「記憶をなくしている、何者かは俺が聞きたい」
男は荒れ果てた世界をさまよっていた。旧世界の怪物ヤムチャを求めて。

ある集落に立ち寄ったときだ。
「うぉおぉおお」
「ヤムチャの水を飲んだのか」
ヤムチャを生み出す液体はその力を失ってはいたが、人の体内にはいると再び活性化し力を取り戻す。
そして、人の体を食い破りヤムチャは発生する。
「なんと言う事だ。ヤムチャが生まれた・・・村はおしまいだ」
「逃げろー」
逃げまどう人達の中、記憶をなくした男がヤムチャに立ちはだかった。
「下がっていろ」
「あんた、ヤムチャに立ち向かうつもりか」
勝負は一瞬でついた。男の手から強烈な閃光が走りヤムチャを貫いた。
「あんた、一体何者だ」
「俺は人造人間17号。今はそれだけしか思い出せない」



村ではヤムチャを倒した英雄として17号を歓迎していた。

村長 「大したものじゃ。あのヤムチャを倒すとは」
17号 「俺はもう長い間ヤムチャと戦い続けている。あの程度は大したことない」
村長 「いや、それだけ言えれば大したものよ」
17号 「古代のヤムチャはあの程度ではないと聞く」
村長 「火の七日間で世界を滅ぼした怪物か、あくまで伝説上のことよ」
17号 「俺にはただの伝説に思えない」
村長 「ほぉ」
17号 「俺は古代に滅んだと言われるヤムチャを求めている」
村長 「なぜじゃ」
17号 「記憶が欲しい。俺が生きてきた証が欲しいんだ
    奴らと戦うとそれがわずかながら戻ってくる気がする」
村長 「なるほど、だがそれは修羅の道を歩むという事ではないのか」
17号 「そうだな」

突然、村民が話に割り込んできた。
村民 「村長、17号殿がヤムチャを求めているというのなら
    先日西の都で発見された文書の話などは」
村長 「おぉ、そうじゃな」
17号 「聞かせてもらおう」

村長 「先日、西の都にあるヤムチャの墓から古代のヤムチャを示す文書が見つかった」
17号 「古代のヤムチャだと・・・」
村長 「それによれば、古代のヤムチャは今なお人知れずどこかの神殿におるそうじゃ」
17号 「それはどこだ」
村長 「わからん。だが、西の都の墓守に聞けば分かるであろう」
17号 「そうか・・・で、西の都とはどこにある」
村長 「その前にじゃ、古代のヤムチャに関する伝説は知っておるか」
17号 「世界各地に様々な伝説があるのは知っている。だが、どれも嘘っぱちだ」
村長 「ほっほっほ、そうかもしれん
    じゃが、肝に銘じておけ嘘かもしれんが、我々の伝説では古代のヤムチャとは
    一息で太陽を消し去り、腕の一降りで銀河を壊すと聞く。
    さらにその体は、煮ても焼いても決して壊れる事はないそうじゃ」
17号 「覚えておくよ」
村長 「西の都の場所は明日教えよう。今日はゆっくり休むと良い」

その日17号は村で一泊した。翌日、村の一人の男に案内され西の都に向かう事になった。

17号 「村長、世話になった」
村長 「なぁに、お前さんは村の英雄じゃからな」
17号 「では行ってくる」

西の都に向けて17号達は旅立った。道案内の男はリンという男だ。



村長 「17号は行ったか・・・」
村民 「ヤムチャに勝つとは、あの男も人外の化け物だった。一体何者なのでしょうか」
村長 「なんじゃ。。。おぬし、村に伝わる伝説を知らぬのか」
村民 「伝説? それは一体」
村長 「その者、黒き衣をまといて鮮血の野に降り立つべし」
村民 「それは一体どういう意味ですか」
村長 「この言葉の意味するところはワシにもわからん。
    一説によればヤムチャを滅ぼす神の使いと言われておる」
村民 「世界の救世主というわけですか」
村長 「じゃが、人間を滅ぼす悪魔の使いとも言われておる」
村民 「それが17号殿だと・・・」
村長 「さて、本当のところはワシにもわからんよ
    どちらにせよ、17号が村を救った英雄である事は間違いない」
村民 「そうですね」



17号達は西の都を目指している。そろそろ見えてきた。

リン 「西の都は太古の昔、世界の中心地として栄えたところだ」
17号 「今は・・・見る影もないな」
リン 「だが、こんな所でも人は住んでるんだぜ」

西の都と呼ばれた土地は今ではただの廃墟と化していた。
風化した建物の残骸、枯れ果てた木々、朽ち果てた躯。
どれをとっても都と呼べるような代物ではなかった。

リン 「この都は特にヤムチャが多くてな、ヤムチャの水がそこら中から湧き出てくる」
17号 「そんな所で暮らしている人間がいるのか」
リン 「あぁ。。僅かだがな、ヤムチャの水が湧き出るところを知っているのだろう
    それとこの辺りはヤムチャを信仰している人間もいるからな」
17号 「化け物を信仰する人間というのは面白いな」
リン 「今から会いに行くのも、ヤムチャを信仰する人間だよ」
17号 「どんな奴だ」
リン 「墓守だ。ヤムチャ達の墓を守っている一族がいる
    その一族から古代のヤムチャを示す文書が見つかったんだ」
17号 「酔狂な連中がいる者だ」
リン 「何でもその一族は遙かな昔に、人語を解するヤムチャに助けられたらしい
    以来、ヤムチャ達の墓を守る役目を果たしているのだと聞く」
17号 「興味深い連中だ」



そもそも、この世界においてヤムチャの墓というものは西の都以外には存在しない。
17号が「興味深い連中だ」と言ったのは怪物ヤムチャの墓を作り、さらにそれを守る
この行為が非常に珍しいと感じたからである。

ちなみに人語を解するヤムチャは珍しくない、彼らには希に知能を持った物が発生する。
その中の一部が人々と生活を共にすれば人語を理解する事も希ではあるが存在する。

17号 「ヤムチャの墓を作る連中がいるとは驚いたな」
リン 「彼らはいつかヤムチャ達の中から救世主が現れると信じているそうだ」
17号 「救世主?」
リン 「そりゃぁ、この世界を元の平和な世の中に変えてくれる人のことだよ」

二人は廃墟の中を歩いていく。静かな町並みは不気味さを増し、
来る者を拒むような異様な雰囲気を漂わせていた。
ヤムチャの水が沸いているせいか、草木は枯れ果て小動物の営みも感じられない。
人間にとってだけではない、生物にとっての廃墟がここにはあった。

しばらく歩いていくと地下に進む階段があった。
半壊した入り口に壊れた電灯、やはりここも廃墟の一部だ。
リンはその階段を下りていった。

リン 「ここに墓守が住んでいる」
17号 「感動のご対面というわけだ」
リン 「ヤムチャの墓を守ってると言っても見た目は普通の親子だよ」
17号 「なおさら、興味深いじゃないか」

薄暗い地下を歩いていくと目の前に明かりが見えてきた。
リン 「あそこに墓守の親子が住んでいる」
二人は明かりのある部屋に入っていった。しかし、誰もいない。

リン 「今は出かけているらしいな」
17号 「どうする」
リン 「待たせてもらうさ、すぐ戻ってくるだろう」

17号は辺りを見渡した。
部屋といっても中には水をためておく樽が二つ、食料を入れるかごが一つ。
そして、隅の方にござが敷いてあるだけで生活に最低限必要なものがあるだけだ。
しかし、この世界では決して珍しい光景ではなかった。

17号 「待っていても暇だから、ヤムチャの墓を見に行って良いか」
リン 「そうだな、墓はこっちだったと思う」

二人は部屋を出てヤムチャの墓に向かった。
地下を歩いて行き、来たときとは別の口から地上に出る。
さらに歩いていって崩れた廃墟の一つに入る、その中にヤムチャの墓はあった。

17号 「墓守はここにもいないのか」

17号は墓を見渡した。ヤムチャの墓は世界中を旅して来た彼も初めて見るものだ。
墓の数は数え切れない程ある。一つ一つの墓は石を四角く削ったものでできており、
石の大きさはまちまちだが、ヤムチャの名前が一つ一つに刻んである。
墓石の一つを17号は触ってみた。石の表面が崩れてきている、古い石らしい。

17号 「これがヤムチャの墓か」
リン 「初めてかい」
17号 「あぁ」

17号は珍しそうに辺りの墓石を見渡した。墓地には人間一人が通れる道が作ってあった。
その道を進みさらに奥を見てみることにする。奥は比較的新しい墓があった。
その中の一つに花が添えてあった。17号は花を手に取ってみた。
花はまだ枯れてなく、ごく最近誰かが摘んできてものであることを示していた。
「本当にヤムチャ達を大切にしているんだな、墓守さんは」17号はつぶやいた。

「ん、これは何だ?」17号は墓石の前に土を掘り返した様な跡があることに気付いた。
掘り返したのはつい最近のようだ。「ヤムチャを埋めた跡か?」
掘り返しの跡は5ヶ所、どれも同じ頃に掘り返されたらしい。
その跡に対応する墓石を確認すると一つは他に比べると古い石であることが分かった。

「妙だな、墓石は違う年代のものなのに同じ時期にヤムチャを埋めたのか?」
変わったことをするものだ、そう思いながら17号は墓地の入り口に戻ろうとした。
その時入り口から男の悲鳴が聞こえてきた。

「17号、助けてくれ!!」

リンの悲鳴だ。

大勢の男達に囲まれ、リンはもがいている。男達の一人、きらびやかな格好をした男が言った。
「そいつを殺せ、墓を荒らすものは全てだ」
「違う! 俺は墓荒らしじゃない」
リンの言葉は聞き入れられず、その首が宙を舞った。
17号はその首を拾い上げた。 「駄目じゃないか、散らかしたら」

男  「お前も墓荒らしか?」
17号 「違う。そしてお前らが殺した男もな」
男  「ふふ…嘘をつくな、勝手に墓に入る人間など墓荒らしの他にいるものか」
17号 「お前達こそ、墓守でもないくせにこんな所に来るなんて墓荒らしじゃないのか」
男  「我々は墓守だよ」
17号 「嘘だな、お前達が殺した男は墓守のことを知っていると言っていた
    そいつを殺したんだ、お前達が墓守であるはずがない」
男  「ふん。。。どうでもいいことだ、とりあえず死ね」

男の合図と共に、周りの男達が17号に飛びかかってきた。
17号の姿が男達に隠れて見えなくなる。次の瞬間、17号のいた所から血柱が立った。
男  「あーははは、、なんて血の量だ。血の気が多いとはまさにこの事だな」
男は17号が死んだと思い込み、大声で笑った。

が、死んだのは部下達の方だった。
17号は返り血を浴び、血柱の中から悠然と歩いてきて言った。
「墓守なんだろ、だったらこれを片づけてくれ」
そう言って、17号はリンの首を男に渡した。

「あぁ、そうだ。血も拭き取っておかないとな。ほら、こんなに濡れている」
17号は血で濡れた手を男の顔で拭いた。
男の顔が恐怖で引きつってきた。

−− 番外編 −−


登場人物紹介 

 記憶を無くした男(主人公) 
「この世界において絶対的な力を持つ人物。ただし、記憶をなくしている。 
自分のことを人造人間17号と名乗るが、それが何を意味するのかは不明 」

 ヤムチャ 
「本来は普通のヤムチャを意味する言葉。 
その後、ヤムチャのクローンを意味する言葉になり、 
最終的に人外の化け物全体を指すときにも使われる言葉になった。

化け物”ヤムチャ”は基本的にはおとなしい。 
だが、化け物が生まれる瞬間。および、食事する瞬間。人々は恐怖する。 

化け物”ヤムチャ”が生まれるには『水』と『人間』が必要だ。 
ある特別な『水』を人間が飲んだとき、人間の体から”ヤムチャ”が発生する。 
その際、人間の体を食い破って発生するため、人々はその発生を恐れている。 

また、”ヤムチャ”達が食べる食料は主に人間である。 
従って食事の時には人間を食べるため、里に下りてくる。 
そのため、人々は”ヤムチャ”の食事を恐れている」


これはそんな世界にある、一つの国の物語。 

「ヤムチャを焼き、人間の地を取り戻すに何をためらう」 

ヤムチャvs人間、お互いにとって生きるための戦い。 
無限に発生するヤムチャたちを相手に人間は苦戦を強いられた。 
さらにヤムチャ達の持つ圧倒的な力も、人間にとって戦況を悪くする要因だった。 

一人の勇気ある女が言った。 
「私がヤムチャの群れの中に入ります。そしてこの毒ガスを撒いてきます」 

 ”毒ガス”とはこの世界においてヤムチャを確実に倒せる唯一の兵器であり、 
 最も希少な兵器でもある。世界に”毒ガス”はわずかしか残っていなく、 
 確実にヤムチャを倒せるといっても、その使用には慎重を要した。 
 ”毒ガス”を使うときには効率よく使用するため、ヤムチャの群れに 
 散布するのが望ましい。 
 そのために、理想としてはヤムチャの群れの中に”毒ガス”を持って入り、 
 群れの中で”毒ガス”を巻くのが良いとされている。 
 だが、ヤムチャの群れの中に入ることは命がけであり、さらに”毒ガス” 
 を撒くことも命がけである。そのような事をやる人間はいなかったのだ。 

少女の発言に対し、人々は様々な意見を言った。 
女一人をヤムチャの群れに入れることに反対する声もあった。 
だが、最終的にはヤムチャたちに対抗する手段はこれしかないとして、 
少女は一人”毒ガス”を持って群れの中に入ることになった。 

毒ガスを持って一人、ヤムチャの群れに入る少女。 
(この時間、既にヤムチャ達は朝食を終えているはずだから、 
私には興味を示さないはずよね) 
少女はそう思いながら、群れの中を進んでいった。 
ヤムチャ達を最も効率よく殺すために、群れの中で最もヤムチャの多い所に入る。 
そこで、”毒ガス”を散布する。これが少女の作戦だ。 

群れの中央らしきところに着いた。そこにはリーダーと思われるヤムチャが一人いる。 
彼は明らかに一人だけ風格が違っていた。 
少女はリーダーに近づき、”毒ガス”を撒くことを決めた。 

ゆっくりと歩いて、リーダーの近くまでいく。 
周りのヤムチャは興味を示さない。だが、リーダーは違った。 

「オマエ、ニンゲンカ?」 
「え‥‥ 」
「ニンゲンカトキイテイル」 
「えぇ、そうよ。あなた達を殺すために来た人間よ」 
「ワレワレハ タダ、ショクジ ヲ スルダケダ。 
コロサレル リユウハナイヨ」 
「あなた達の理屈はどうでも良いの」 

そう言って、少女は”毒ガス”を撒き始めた。 
少女のまいた”毒ガス”により、少女自身とたくさんのヤムチャ達が死んだ。 

だが、群れのリーダーは毒ガスの存在を知っていたようなので、 
なんとか”毒ガス”をかわして、口をふさぎながら群れのヤムチャ達の救助に当たった。
”毒ガス”があたりに立ち込め、視界をさえぎる。さらに大きく吸い込むと 
死にいたる空気であるため、ほとんど呼吸の出来ない状況で救助作業を行なった。 
しばらくして、少女は目を覚ました。 
周りにはヤムチャ達がいる。そして、その中の一人が倒れている。 
倒れているヤムチャは群れのリーダーだった。 

「ナントカ コレダケノ ナカマヲ タスケルコト ガデキタ。 
マチガッテ ニンゲンマデ タスケテシマッタケドナ‥‥ 
オレハ モウシヌ。 ドクガスヲ スイスギタ」 

リーダーの言葉を聞いて他のヤムチャ達が涙する。 
少女はその光景を見て、ヤムチャにも『心』があることを知った。 


その後、しばらくして少女は大人になり、ヤムチャの事を調べた。 
そして、ヤムチャが人間以上に生物として素晴らしいことを知った。 

この少女はヤムチャ達に墓を作ることを教えた。 
死を悲しむ心をもっているのなら、墓を作るべきだと考えたからだ。 


この少女の子孫は今も、ヤムチャの墓を作っている。 

 →本編に続く。