病的な




第14話

次の日…。

ヤムチャを庭に呼び寄せるベジータ(ブルマ)。
いつものようにのんきに現れるヤムチャ。くぁ〜とあくびをして尋ねる。

ヤムチャ「何だ?ブルマ」

ベジータ「組み手よ」

ヤムチャ「またかよ。勝てないって。」

ベジータ「もう!しっかりしてよ!もしあたしがベジータに捕まって殺されかけてたらと想像して」

ヤムチャ「えーと…やっぱ無理。まぁそうならんように願うしかないさ」


ブチッッッ


ベジータの…ブルマの…どこかのヒモがきれた。

ベジータ「あんたねぇぇぇぇぇぇ!!!それで恋人なの!!!!」

ヤムチャ「だ…だって……勝てないものは勝てないだろ…。何だこの気は…ひ…ひぃぃっ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……・・

恐ろしいほどのエネルギーがベジータ(ブルマ)のカラダから放出されている。
都全体…いや地球全体が震えるような凄まじいポテンシャルだ。

ヤムチャ「ぅわぁぁぁぁっっっ!」

ベジータのカラダから爆風が吹き出し,ヤムチャはその勢いでふっとんで木に頭をぶつけ気絶した。

ブルマ「な…なんだ…。この揺れは…」

ブルマ(ベジータ)も庭に飛び出してきた。そしてブルマ(ベジータ)が見たものは……。


黄金に輝く本来の自分の姿。強烈なオーラが身体からあふれ出ている。


ブルマ「ス………超サイヤ人……」

ぽつりとつぶやいた。

ベジータ「キャ〜!何これ〜〜!!…何…この…あら…あら?」

慌てふためいているベジータ(ブルマ)。駆け寄ってくるブルマ(ベジータ)

ブルマ「な…なんでお前が…」

ベジータ「そっか。あのとき感じた妙な感じはこれだったのね。あの押さえが…怒りによって外れたんだわ。ベジータ。あんたもともと超サイヤ人になる才能があったのよ」

ブルマ「あ…当たり前だ。カカロットになれてオレになれんわけがない」

ベジータ「とりあえず元に戻してあげるわ!もう直してあるから」

ブルマ「ほ…ほんとか…?」

子供のように嬉しそうな顔をするブルマ(ベジータ)。自分でも早く超サイヤ人になってみたいらしい。
今までのブルマに対する怒りなどは消し飛んでいた。


このときまだベジータ(ブルマ)は気づいていないが,心情的にベジータそのものにひかれつつあったのだ。ヤムチャのときのようにうわべだけの愛ではなく…。


その純粋な愛情をはぐくんいるときに生じたヤムチャへの激しい怒りがベジータの肉体の中の超サイヤ人を目覚めさせたのだった。


さて……銃を使い、やっとのことでベジータとブルマは元の身体へと戻った。


ベジータ「さて……超サイヤ人になるか…」

嬉しそうなベジータ。これでカカロットを超えられるとばかりに力むベジータ。
が………。気はあがっているが超サイヤ人にはなれない。

ブルマ「違うわよ。それただ力んでいるだけ」

ベジータ「コ…コツがいるのか…。ど…どうやるんだ?」

ブルマ「うふふん♪どーしよっかな」

ベジータ「た…頼む!教えてくれ」

まるで態度が変わってしまったベジータ。ブルマに頭があがらなくなる癖がついてしまったようだ……。

ブルマ「じゃあたまに入れ替わってくれたらね」

ベジータ「なにっ!!?? …ま……まぁいい。…たまにならな」
どうでもいいことだが,ヤムチャはまだ庭で気絶していた。





そして年月が過ぎ……

ブルマ「いよいよ明日ね。ベジータ」

ベジータ「ふん!ブルマ…カカロットたちには言うんじゃないぞ。オレが超サイヤ人になれるってことを……」

ブルマ「言わないわよ。あとなれたきっかけもあんたが勝手に考えていいから」

ベジータ「………ああ(な…情けねぇ…オレ…)」

ブルマ「あ…そうそう。あたしたち夫婦だけど,人前ではあんまりべったりしなくていいかなね」

ベジータ「……あ…当たり前だ…!!」

わずか3年足らずでブルマによって人格が変えられてしまったベジータ。

ベジータが愛情に目覚めることができたのも,ブルマのカラダのはった努力があったからなのだ。



<<Fin>>




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