ヤムチャ編 最終章 アナザーワールド2
ヤムチャ VS 麦わら海賊団
最後に生き残るのは誰だ!?
9.決戦
ぎぃやぁぁぁぁ〜〜
もう何度目になるか叫び声が夕暮れ時の島に響き渡る。
声の主はナミとウソップ。
ナミたちの後ろからもロビンも逃げている。怒りに打ちふるえる顔をしながら。
彼らの後ろには炎が迫っている。そう。山火事だ。
ヤムチャは隠れている彼らをあぶり出すために,気で森に火をつけたのだった。
ロビン「許さない!大切な遺跡が眠る森なのに!!」
ロビンは考古学に長けた女性で,何よりも歴史を重んじる。ヤムチャの愚かな行為に対して激しい怒りを抱いているようだ。
ウソップ「とりあえず逃げねぇと!」
ロビンを諭すウソップ。
その様子をヤムチャは上空から観察していた。逃げ道をわざと作り,待ち伏せしていたのだ。
ウソップ「はぁはぁ…ここまでくれば大丈夫か…」
炎からずいぶん遠ざかったところで気を抜く3人。
ボンッ!
ウソップの背後にヤムチャの繰気弾がヒットする。
ブシュ〜…
叫ぶヒマもなく,煙をあげて黒こげになるウソップ。
ヤムチャ「あと二人…さぁ観念したらどうだ?お嬢さん方。」
ナミとロビンの前にすーっと降りたつヤムチャ。
ロビン「あなたね…!」
ヤムチャ「な〜んだ。こっちの女も美人だぜ。うっへっへ。ごっついの想像してたんだけどな」
ナミもロビンもただの女…そう思い,完全に油断しまくりのヤムチャ。…いつものことであるが。
どうやって紳士に決めようかとアホなことに頭がいっていて,ヤムチャの最大の弱点…油断とスケベ心が顔を出し始める。
ヤムチャ「二人いっぺんに頂くぜ!」
シャッ…
ヤムチャの姿が消える。
ヤムチャは瞬く間にナミの背後にまわったのだ。
そのあと首に手刀をあびせる…はずだった。
ウソップ「鉛星!!」
ガンッ!
ヤムチャ「ぉうッッ!?」
ヤムチャの尻にウソップの鉛玉がヒットした!
普通のパチンコ玉だが,それでも今のヤムチャにはきつい一発だった。
がくっ……力つきるウソップ。
ヤムチャ「ぉううう〜〜!!てめぇ…!!」
怒りの矛先をウソップに向けるヤムチャ。殺しかねない勢いだ。
ナミ「今のうちよ!ロビン!」
非情なナミ。だが,ロビンは逃げる気などない。
ロビン「歴史を消した罪は償って貰うわ…!航海士さん。棒を貸して」
ナミ「クリマタクトを?…え…ええ」
ナミの武器,クリマタクトの使い方を知っているのか,ロビンはナミから棒を借りる。
クリマタクトは,ウソップが作った3本の棒でいろいろ組み合わせて使うことで武器になりうるが,気象学に長けたナミでないとまず使いこなせないというものである。
まぁ詳しいことは省くが,いろいろ仕込まれた棒なのである。
ヤムチャ「ちっ!気絶してやがる…。まぁいいか。じゃ…」
ウソップをボコボコにしようと思ったが,気絶している相手を殴るのはヤムチャのポリシーに反する…らしい。
ヤムチャはゆっくりと最後のエモノ…ナミたちの方を振り向く。
それを見計らって…ロビンがクリマタクトの一本をヤムチャに投げつける。
余裕で紙一重で避けるヤムチャ。
ヤムチャ「おっと!威勢のいい仔猫ちゃんだな!」
しかし,ふいにヤムチャの肩ににょきっと手が生える。
ヤムチャ(え…!?)
その手は交わされたクリマタクトをしなやかに受け止めると,ヤムチャの尻の近くに新しく生えた手にそれをパスする。
何をされているのか全くわかっていないヤムチャ…
次の瞬間。
頭の先から稲妻が走るような痛みにおさわれる!!
ヤムチャ「ほぎゃぁっぁぁぁぁ〜〜!!??」
クリマタクトを尻の穴につきさし苦しんでいる。
ロビン「やっぱり!」
ウソップの攻撃で弱点を見破っていたロビン。
そう。ロビンはハナハナの実の能力者。見えている場所ならどこでも身体の各部分を生やすことができるのである。もちろん他人の身体にも…である…。
その能力を使い,ヤムチャの尻へ棒を突き刺したのである。
ロビン「ひどいことするわ」
ロビンはぼそっとつぶやいた。泣き叫ぶヤムチャを後目に。
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