ヤムチャ編 最終章 アナザーワールド2

ヤムチャ VS  麦わら海賊団

最後に生き残るのは誰だ!? 

  


1.ヤムチャと海軍

 


たくさんのカモメが高く澄んだ空を飛んでいる。

その下を軍艦がしぶきをあげて進んでいる。軍艦といっても帆船である。その軍艦のデッキに二人の男が立って遠くを見つめている。

将校「奴らはあの島にいる…」

ヤムチャ「ああ」

将校から双眼鏡を借り,島を眺めるヤムチャ。

ヤムチャ「標的は6人と1匹だったよな」

将校「ああ。そうだ」

ヤムチャ「ホントにそいつらを捕らえればオレの罪は消してくれるんだよな!ってかもともと濡れ衣なんだがなぁ」

将校「約束しよう。そればかりか褒美ももらえるだろう。なるべく生きたまま連れてくるんだぞ」

ヤムチャ「ああ。よし!行ってくるぜ!」

そういうとヤムチャはふわっと浮き,島を目指して一直線に飛び立った。

将校「……悪魔の実を食べることなく,空を飛ぶとはな。期待できるかもしれん…」

小さくなっていくヤムチャの姿を見ながら海軍将校はつぶやいた。

 

 

さて,なぜヤムチャがこんなところにいるのかを説明せねばなるまい。

 

ブルマの研究室のメカの誤動作で次元の壁を超えてしまったヤムチャ。

彼がたどり着いた世界は,海軍や海賊が巨大な勢力を持つファンタジックな世界…。

現れた場所が海だったので,落ちてずぶぬれになるヤムチャ,とりあえず空を飛んで島を見つけ,砂浜でとりあえず素っ裸になって服をかわかしていた。

砂浜でねそべってマターリしながら,冷静に考えをめぐらす。

「キャ〜」

すぐそばで女性の声。

「ゲッ!無人島じゃなかったのか!」

慌てて立ちあがり局部を隠すヤムチャ。

必死で怪しい者ではないと諭すが,女性は逃げていく。

ちょっと可愛い娘だったのに,惜しいことをした,っつーか変態だと思われたろうな…とブツクサいいながらまた寝そべる。

…が,しばらくして女性が警察官ぽい人物を引き連れて戻ってきた。

「貴様!海賊だな!」

意味もわからず股間を隠しながら必死に弁解するヤムチャだが,筋肉質の肉体と,頬の傷がただ者でないことを警官に伝えてしまう。

サーベルを抜く警官。びびって持ち前のサーベルをさらけだすヤムチャ。

一撃で警官を気絶させるが,海軍に通報され,事態は大事になっていく。

「オレは海賊じゃねーよ!変質者でもねーよ!」

必死によびかけるも,海軍は耳をかさず。悪魔の実の能力も使わずたった1人で海軍の軍艦を相手にするヤムチャ。

「オレの話を聞けよ!さもないと本気だすぞ!」

と言ってかめはめ波で山一個ふっとばす。海軍の方もまともに戦っては分が悪いと思い直し,やっとヤムチャの話を聞くことに。

本当に海賊でないことがわかると,海軍は手の平を返す。

ヤムチャの化け物じみた腕前を聞いた海軍本部は彼を呼び,利用しようと考えたのだ。

海軍の上層部のお偉方は,悪魔の実も使わずに不思議な力を使う青年に興味を示し,本当に使える輩なのか…を確かめたかったらしい。

そこで,腕だめしとして最近,名をあげはじめた海賊を捕らえるようにとの命令がヤムチャに与えられた。

なかば強引に仕事をおしつけられたヤムチャだが,犯罪者にされているのは気分が悪い,仕方なく引き受けることになってしまったのだ。

 


ヤムチャ「さて…」

島の浜辺まで舞空術で飛んできて,すぐに気配を消すヤムチャ。完全に気を0にする。

ヤムチャ「…なるほど。デカい気だ…」

ヤムチャは標的の気を感知する。常人を遙かに逸した者の気も感じられる。

島はそれほど大きくはないが,森がうっそうと茂っており,上空から眺めただけでは,人間を探すことなど不可能だ。気を探っての行動となる。

だが,気を探ることのできるヤムチャにとってこれは最高の条件。

ヤムチャ「どうやら……バラバラに動いているようだな。よーし…1人1人狙いを定めていくか…。」

ヤムチャらしからぬ慎重な作戦だ。音も立てずに茂みをかきわけ進んでいく。

ヤムチャ「よし…なかなかでかいパワーだ…。こいつから行くか」

 

 

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