エスパー・ヤムチャ

 

亀仙人に弟子入りしたヤムチャ。
クリリンとともに次回の天下一武道会にむけて必死に修行に励んでいた。
ある日の牛乳配達のときこけて、岩に頭を打ち付けてしまう。牛乳瓶はわれ、業者にこっぴどく怒られてしまうのだが、それはさておき……そのときの衝撃でヤムチャは超能力に目覚めた!
予知能力である!!


予知能力が身についたヤムチャ。
未来にピッコロ大魔王が復活することを予知する。
こんなことはしていられんと修行をほっぽりだし……占いババのもとへ……。

「……というわけでピラフの居場所が聞きたいんです!」
「んなことわかっておる!」
「わかってんの〜〜!?」
「わしも占いで予知できるんじゃ!…で、前に言ったじゃろ。あの小僧が世界を救ってくれると!」
「そんなこと当てになりません!今のうちに根源は叩くべきです!!」
ホントは自分が目立ちたいという思いもあるが。
「だったら、五人の戦士を倒すんじゃな!」
「よーし!いいでしょう。」
ヤムチャ……ボロ負け。
「こうなればドラゴンボールを使うのみ!」
ブルマにドラゴンレーダーを借り何とかボールを集め……ピラフの居場所にテレポート。
ピラフマシーンに殺されそうになりながらも、ついにピラフ一味を皆殺しにしたのだった………。
「はぁはぁ……これでピッコロ大魔王は復活しないだろう……ふふふ……オレが…オレが世界を救ったんだ!」


……再び、亀仙人の元へ戻って修行を再開。「オレ、世界を救ったんす」と言っても誰も信じない。
(まぁいいさ。何度か世界を救えば、きっと認めてくれるに違いない!)
一年後…再び予知がやってくる。
「げーっ!サイヤ人ラディッツとかいうヤツが地球へやってくる!!こうしてはいられない!!」
「何じゃ!ヤムチャ!またどこかへ行くのか!」
「地球の平和のためです!!オレが世界を救うんです!」
「……アレになったのか?ヤムチャよ……」
ドラゴンボールをまた集めて、ラディッツの落下地点を聞き出す。
「ふふふ。ここに毒ガスの罠をしかけておけば即死だろ」
「な〜にやってるんだ。お前」
農家のおっさんがヤムチャに気づいてやってくる。説明するけど、相手にはしてくれない。
「ふざけたこと言ってると撃ち殺すぞ!」
「ひぃっ!ま…待てっくれぇ……命ばかりは……と油断させて狼牙風風拳!!」
ぼこっ!ばきっ!
「はぁはぁ……お前はもともとこの牧場で死ぬ運命だったようだな!まぁ地球の運命のためだ。仕方あるまい」
毒ガス装置を設置して、ヤムチャは一安心。


……でピッコロ大魔王も現れず地球は平和だった……。

亀仙人の元へもう一度行ったが、今度は破門を受けた。
「いつも飛び出して修行をさぼるような男はいらん!」
「そ……そんな……」
次の天下一武道会……そしてその次の天下一武道会……とヤムチャは活躍の舞台が得られぬまま、時は過ぎていった。
そして……さらに五年後……


「今ごろ……何とか人ラディ何とかというヤツ死んでるかなぁ〜〜?まぁ何事もないから死んでいるんだよ」
ヤムチャの言うとおり、ラディッツは毒ガスの罠で死んでいた。
そこへ……ずっとこなかった予知がやってきた。
「うぞぉ!?……こ……今度はもっと強いサイヤ人が二人も来る……!?…というか既に向かってきている!到着は一年後だ!……どうしよ!どうしよ!」
慌てふためくヤムチャ。
「こ…こうなったらドラゴンボールしかない!神龍に頼んでぶっころしてもらおう!」
……が。
『無理だ!』
「……え?」
『私は神によって創られた。その二人のサイヤ人は神の力を上回る。よって神の力を超えることはできん。』
「マジすか……?」
ヤムチャの策略によってこの世界にはピッコロが復活しなかったので、神のことなど知る者はいないけれど、納得するヤムチャ。
『願いがないのなら、これで……』
「あー。ちょっと待ってくれ!……連中は宇宙船でやってきてるんだから……その宇宙船を爆破してくれ。これなら強さとか関係ないから可能だろ?」
『可能だ』
「じゃ、パッパとやって」

『こいつ…偉そうに……』

宇宙の片隅で二人の命が静かに燃え尽きていた……。


「今度こそもう平和だろ……ってちが〜〜〜〜う!!」
およそ一年後またまらやってきた予知……それは2年後くらいに宇宙の帝王フリーザが地球侵略にやってくる……ということだ。そのときはナメック星でドラゴンボールを集め、不死身になっているとのこと。
「今は……ナメック星とか言う場所でドラゴンボールを集めている際中か……。ならば……まだ不死身にはなっていないというわけだ」
ドラゴンボールを再びあつめるヤムチャ…。
『またお前か…。今度は何だ?』
「えーと…フリーザが今いるナメック星を爆発させてくれ!」
『………承知した』
苦い顔をするが、しぶしぶ承諾する神龍。こうして宇宙の平和は誰にも知られることなく保たれることになった…。
無残にもナメック星人と本場ドラゴンボールもろともフリーザは宇宙のチリと消えた。


「さすがにもうねぇだろ……地球の危機…………あったよ………」
武術もやめ、都会でのんびりブルマと暮らすヤムチャ。で、また予知が来る。
「……レッドリボン軍の科学者ドクター・ゲロが最強の人造人間を作ってオレたちを皆殺しにする……だと!?
笑わせるぜ……。」

不適な笑みを浮かべてヤムチャがとった行動とは……またドラゴンボール集め!
『……いい加減、ドラゴンボールの私物化やめろ……』
「アホーッ!地球のためにやってんだよ!えーと今回の願いは…『ドクター・ゲロの居場所を教えてくれ』」
こうして、武装してドクター・ゲロの研究所に殴りこみをかけ、ドクターゲロを抹殺することに成功したのであった。
人造人間16号、17号、それにセルは破壊され、18号はダッチワイフとしてこっそり持ち帰った。
あとでブルマにそのことがばれ、18号は泣く泣くクリリンにあげることに……。
ただのロボットだと思っていたのに、なぜか後々、子供ができてしまったことは別のお話である。


ブルマにふられて、砂漠のアジトでプーアルとのんびり暮らすヤムチャ。
どういう経緯を辿ってもふられることは決まっているらしい。
「さーーーーて……もうないだろ……。」
ありました。
「またかよ……。なになに……。魔人ブウを復活させに魔導師バビディと魔界の王ダーブラがやってくるだとぉ!?」
仕方なく…またもやドラゴンボールを集めるヤムチャ。
『……もう何も言うまい……。で、何だ?願い?さっさと言え』
「あーっ!何だ!その顔!!オレは何度も言うけど……まぁいいや……。あの……『魔人ブウの封印の卵をブラックホールにテレポートさせてくれ!』」
またまたヤムチャのおかげで地球は救われた。
地球に封印の卵を見に来たバビディは落胆し、魔界へ行こうとしてたけれどやめることにして、どこかでひっそりと暮らすことにした。

「はぁぁぁ〜〜。こんなに何度も地球を守っているのに、ぜんぜん報われねぇなぁオレ。」
砂漠のアジトでふてくされているヤムチャ。ツキに見放され、何をやってもうまくいかない。そこへまた予知が。
「………ってまた来たよ……もういいよ。どうせ救っても誰も誉めてくれねぇし!
……ツフル人のベビーが地球に侵略に来てサイヤ人の悟空を殺し、全宇宙ツフル化計画をするって……?
………まぁいいんじゃないの?オレが殺されるわけでもないし………………
………………。
…………あーわかったよ!もう!やればいいんでしょやれば!」


ひとりでぶつぶつ言って勝手にキレているヤムチャ。
プーアルも「もうこの人ダメかな?」と感じていた。

……でドラゴンボールを集めたはいいが……。

「うっそぉぉぉ〜〜!?ドラゴンボールにヒビがぁぁぁぁ!!??」
ヤムチャが何回もドラゴンボールを使ったことによりマイナスエネルギーが溜まり、ドラゴンボールがそれに耐えられなくなったのだった。
そして、邪悪龍の出現………。
地球……というか、全銀河が危機に直面することに……。

「お前が何度も何度もドラゴンボールを使うからこんなことになったんだぞ!!お前は地獄行きだっ!!」
「え〜〜〜〜〜ッ!!??」


<<完>>



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